持ち駒を渡すタイミング

上図は、相掛かりの将棋から、後手が△5五歩と突いた局面。ソフトの評価値+837で先手優勢。

先手が銀と桂馬の交換で少し駒得して、 少しいいとは思っていましたが、後手が△4五桂と跳ねる手や、△5六歩から5筋に手を作られるのが、気になります。

ここからの数手は、あまり良くなかったようです。

本譜は以下、▲4一銀△4五桂▲6八角△4二金右▲3二銀成△同金で、ソフトの評価値+481で先手有利。

この局面は、まだ先手有利となっていますが、実戦的には後手の△3七銀から、飛車を攻める手が少し気になります。

先手の玉と飛車が接近しているので、神経を使う将棋です。

銀を渡したのは、▲4一銀から攻めたからなので、この手がなければ、後手の持ち駒に銀はありません。

持ち駒を渡して攻めるのが、早すぎる感じです。

▲4一銀では、▲2四歩が良かったようです。

▲2四歩以下、△同歩▲同飛△2三歩▲3四飛△6三歩▲1四歩で、ソフトの評価値+1488で先手優勢。

十字飛車の筋で、後手の△6四銀を狙う展開から、1筋に手をつけて攻めが続きます。

以下、△1四同歩▲1二歩△同香▲1三歩△同香▲同角成△同玉▲1四飛△2二玉▲1一飛成まで。

これはうまく行きすぎの例ですが、狙いはこのような感じです。

この展開なら、先手の飛車を攻められる展開にならなかったので、良かったと思います。

持ち駒を使って攻めるタイミングは、自陣の陣形を見て決めた方がいいと分かった1局でした。