穴熊の駒組み

上図は、後手三間飛車に対して先手居飛車穴熊からの進展で、後手が△5二金左と上がった局面。ソフトの評価値+161で互角。

この局面は、後手の4五の銀が働いているように感じて、先手の模様の取り方が難しいので先手があまり良くないのかと思っていたのですが、評価値はそんなことはなかったようでした。

本譜は以下、▲7八金△9四歩▲1六歩で、ソフトの評価値+42で互角。

先手の▲7八金は、後手から将来△5六銀から△6七銀成に備えての先受けです。

▲1六歩は後手から将来△1五角と幽霊角と出る筋を事前に消した手です。

しかし▲7八金も▲1六歩も悪手まではいかないですが、あまりいい手ではないとのことです。

▲7八金では▲7九金がありました。

▲7九金△9四歩▲9六歩で、ソフトの評価値+118で互角。

▲7九金も▲9六歩も感覚的に少し指しづらい1手ではあります。

▲7八金より▲7九金の方がいいというのは、▲7八金は浮いた状態ですが、▲7九金は▲8八銀に紐が付いています。

おそらく△5六銀と出たら、そこで▲7八金と上がるか▲5八金だと思います。

△9四歩に▲9六歩は穴熊で端歩を突く手なので少し指しづらいですが、▲1六歩と反対の端歩を突いてもあまり1手の価値がないということだと思います。

後手に△9五歩と位を取られて玉の懐が広くなるより、▲9六歩で後手の手を消すという意味ですが、将来後手からの端攻めもあるので一長一短です。

先手の4八の金は▲5八金~▲6八金とするか、▲5七金と上がって▲4六歩を狙うような感じです。

その手に対して後手は△3六歩と合わせる感じですが、まだこれからの将棋です。

穴熊の駒組みが参考になった1局でした。

狙いを消す飛車打ち

上図は、角交換型の石田流からの進展で先手が4七の銀を▲3八銀とした局面。ソフトの評価値-84で互角。

▲3八銀は後手からの△2七角の打ち込みに備えた手ですが、ここからは気が付きにくい進展になりました。

本譜は以下、△3三銀▲2三角成△4二銀で、ソフトの評価値+560で先手有利。

△3三銀として▲2三角成とさせる指し方が驚きました。

歩切れが解消できて馬ができれば、先手満足です。

後手は▲3四角~▲6一角成とされるのを嫌ったようで、▲3四角を防ぐために△3三銀と出たようです。

後手は馬を作られても△4二銀と駒を中央にもってきて、次に△2八歩のような狙いがあり、まだ大変な局面です。

対局中は意味がよく分からなかったのですが、後で振り返ってみると後手の指し方もすごいと思います。

本譜は以下、▲3四馬△2八歩▲1七桂△同桂成▲同香△2九飛と進みましたが、▲3四馬では▲2六飛があったようです。ソフトの評価値+498で先手有利。

▲3四馬はそんなにおかしくない手でしたが、△2八歩とされるのは先手もいやな形です。

▲2六飛は敵陣に打つ飛車でないので少し打ちづらいですが、後手の△2八歩を消して次に▲2五飛を狙います。

▲2六飛以下、△3七桂成▲同桂△3六歩▲同飛△1四角▲同馬△同歩▲4五歩△4一金▲3三歩△3一歩▲2六飛で、ソフトの評価値+695で先手有利。

この手順は馬が消えますが桂得で次に▲2一飛成があるので、先手指せそうです。

狙いを消す飛車打ちが参考になった1局でした。

受け中心でも攻めの手を考える

上図は、後手三間飛車に先手居飛車穴熊からの進展で後手が△3六同飛と3筋の歩を交換した局面。ソフトの評価値+238で互角。

△3六飛と出た局面は4九に金がいるため飛車が成ることはできませんが、▲5八金右とすると△3九飛成があり、また△5六飛などもあるのでうるさい手です。

受け方に悩んで、結構時間を使って4分位考えて▲5五歩としましたがあまり良くなかったようです。

実戦の将棋で1手に長考でも4分位で、1手に10分も考えることはありません。

▲5五歩△4五銀で、ソフトの評価値+135で互角。

▲5五歩は△5六飛を防いでの銀取りですが、△4五銀がまたうるさい手です。

△4五銀は△5六銀と出る手や△3四飛から△3六銀と出る手もあり、先手は受け方に神経を使います。

後手からでも△4五銀と出たいのに、先手からわざわざ▲5五歩と突いて△4五銀と出させたのはあまり意味がなかった気がします。

▲5五歩では▲6八角がありました。ソフトの評価値+173で互角。

▲6八角は少し考えてはいたのですが、狙いがはっきりしないような感じだったので指せませんでした。

▲6八角に△5六飛なら、▲2四歩△同歩▲2二歩△3三桂▲2四飛で、ソフトの評価値+341で先手有利。

▲2四歩に△同角▲同角△同歩▲同飛で、ソフトの評価値+808で先手優勢。

▲6八角の狙いは受けでなく、▲2四歩だったのが気が付きませんでした。

受け中心で考えると、▲2四歩のような手攻めの手が見えないことが多いのが、こちらの課題みたいです。

▲6八角に△5六飛は成立しないので、後手は別の手を指すことになりますが、△5六飛の心配は一応なくなったと納得できます。

受け中心でも攻めの手を考えるのが参考になった1局でした。

盤面全体を見る

上図は、相掛かりからの進展で後手が△9四歩とした局面。ソフトの評価値-504で後手有利。

駒割りは角桂と金2枚でほぼ互角ですが、2九の飛の活用がいまひとつなのと、後手の持ち駒が豊富なので後手有利のようです。

対局中は飛車が使いづらいので、2二の成香の遊び駒を活用するしかないと思っていました。

本譜は以下▲3二成香△8四香で、ソフトの評価値-723で後手有利。

先手の▲3二成香に対して、後手の△8四香が厳しかったです。

いつでも次に△8七香成の狙いががあり、後手陣が手厚くなったのでさらに先手が悪くなった感じです。

▲3二成香では▲8五金があったようです。ソフトの評価値-564で後手有利。

▲8五金は攻防の1手で次に▲7四金が狙いです。

▲8五金に△8四香なら▲7四金で、ソフトの評価値+1269で先手優勢。

この手順では△8四香に▲同金△同飛▲8五香のような手もありますので、先手優勢です。

▲8五金に△6三銀打だと、▲8四金打△8二飛▲7四金上△6一角で、ソフトの評価値-667で後手有利。

△6三銀打で後手有利ですが、先手も2枚の金の圧力で玉頭戦みたいな形なので、まだまだ大変です。

戦線拡大で8筋から手を作るのは全く見えてなかったですが、▲8五金は特別に見えにくい手ではないので、やはり盤面全体を見ることが大事みたいです。

盤面全体を見るのが大事だと分かった1局でした。

桂損した後の攻め方

上図は、角換り腰掛銀からの進展で後手が△4三銀と5四の銀を引いた局面。ソフトの評価値+238で互角。

駒割りは桂と歩が2枚の交換で先手が少し駒損していますが、後手の2二の銀が壁銀でもあり互角です。

後手としては、△3四銀から△3三銀となれば厚みが増して理想的な展開です。

逆に先手はその手が来る前に動きたいところです。

そのような意味もあり、本譜は▲2四歩から動いたのですがあまり良くなかったようです。

▲2四歩△同歩▲7五歩△同歩▲7四歩△6五桂で、ソフトの評価値-94で互角。

2筋を突き捨てて▲7五歩~▲7四歩としましたが、手順に△6五桂と跳ねてきます。

後手としては7三の桂馬が△6五桂と跳ねたら一応働いているといえそうです。

実戦では▲6五同銀△同歩▲5五角で、ソフトの評価値-535で後手有利となりました。

先手も何か手を作ろうとしましたが、さすがに銀損では先手苦しいです。

▲2四歩では▲6六銀がありました。

▲6六銀△3四銀▲5五銀左△3三銀▲4四銀で、ソフトの評価値+190で互角。

▲6六銀と守りの7七の銀を前進して攻撃に参加する指し方は、全く浮かびませんでした。

後手は△3四銀と歩切れを解消しますが、▲5五銀と出て△3三銀と壁銀を解消すると▲4四銀とぶつけます。

後手の飛車があまり働いていないので、その間に攻める感じです。

▲4四銀以下、△8六歩▲同歩△4七歩▲同銀△8一飛▲3三銀成△同桂▲3五歩で、ソフトの評価値+237で互角。

実戦的にはまだ難しいですが、先手は角と銀を持ち駒にして攻めが継続できています。

桂損した後の攻め方が参考になった1局でした。

4段目の金の受け方

上図は、相居飛車で先手が▲4六歩とした手に対して後手が△5四金と4三の金が出た局面。ソフトの評価値+100で互角。

△5四金と4段目に金が早い段階で上がるのはめずらしく、対応に悩みました。

ここから▲6六歩と指したのですが、少しずつ先手が悪くなっていきました。https://shogiamateur.com/wp-admin/post.php?post=9072&action=edit

ここは先手の角を守るよりも4筋で手を作る方が良かったようです。

▲3七桂△6五金▲4五歩で、ソフトの評価値+128で互角。

このタイミングでの▲3七桂は見えてなかったです。

先手は▲3七桂と跳ねて後手の△4五歩に備えます。

後手は△6五金と先手の角を狙ってきますが、そこで▲3七桂を跳ねた効果で▲4五歩と仕掛けます。

△4五同歩なら▲4五同桂△7七角成▲同桂で、ソフトの評価値+334で先手有利。

この手順は、先手の2枚の桂馬が働いてしかも金取りと後手の5三の地点が薄いので先手指せそうです。

▲4五歩以下△8六歩▲同歩△7六金▲4四角△8六飛▲8八歩で、ソフトの評価値+168で互角。

後手は△6五金から飛車の活用で8筋を攻めてきましたが、▲8八歩で局面がおさまっていい勝負です。

ここから後手が動いてくる筋で、△4四角▲同歩△4七歩▲同銀△5五角には▲4八金△8八角成▲8七歩△同馬▲同金△同飛成▲9八角△7八龍▲6九角で、ソフトの評価値+770で互角。

この手順は後手に△8八角成と成らせて▲8七歩と受ける筋で、受け損なったら危険な受け方ですが、後手の△7六金の位置が悪く先手有利です。

▲4八金では安全に指すなら、▲1五角△4二銀▲7七銀△同金▲同金という受け方もありそうです。

ただしどちらにしろ後手が少し変則的な指し方をしているので、先手もあまり見慣れない形の受け方になるのはやむを得ないのかもしれません。

4段目の金の受け方が分かった1局でした。

気が付いたら悪くなっていた

上図は、相居飛車で先手が▲4六歩とした手に対して後手が△5四金と4三の金が出た局面。ソフトの評価値+100で互角。

この形で△5四金は初めて見た手ですが、次に△6五金とか△4五歩と突く手が結構いやな手に見えたので、▲4六歩としたのは良くなかったかと思っていました。

△6五金を避けるために▲6六歩としました。

▲6六歩以下△4五歩▲同歩△同金で、ソフトの評価値+59で互角。

4筋の歩を交換されて△4五金と出られた形は、▲4八銀が立ち遅れているので、4五の金を追い返すことができません。

次に△3六金と歩を取られるのもいやだったので、▲3七銀としたのですが本譜は以下先手が悪くなりました。

▲3七銀以下△4二飛▲6五歩△4六歩▲3三角成△同桂▲5八金で、ソフトの評価値-338で後手有利。

後手は△4二飛と4筋に飛車を回してから△4六歩と圧力をかけます。

先手は抑え込まれてはいけないので▲6五歩以下角交換をするのですが、△4七歩成を受ける▲5八金で先手悪いようです。

後手の4筋の圧力で後手有利みたいですが、先手はどこかおかしくて形勢が悪くなったかがよく分からなかったです。

先手は角を使って後手陣に打ち込む狙いはありますが、ちょっと単発的な感じです。

どこか悪かったかが次回調べてみます。

気が付いたら悪くなっていた1局でした。

角交換型の石田流の攻防

上図は、角交換型の石田流で後手が△4四同歩と角を取った局面。ソフトの評価値+79で互角。

次に後手から△2七角と打たれると▲3八銀に△5四角成と馬を作られると、後手が盤石になります。

それを防ぐため本譜は▲3八銀と引いたのですが、ソフトの評価値-12で互角。

この指し方もあったのですが、別の手で▲3四角もあったようです。

▲3四角△2六飛で、ソフトの評価値+95で互角。

▲3四角は桂取りでもあるのですが、▲6一角成の筋もあります。

△2六飛で△2四歩なら、▲6一角成△同銀▲5一飛△5二角▲同飛成△同銀▲6二金△7二飛▲同金△同玉▲3八銀で、ソフトの評価値+41で互角。

実戦的にはまだ大変ですが、後手は飛車を渡すのはいやな形です。

△2六飛は▲2五角を受けるだけでなく、△2九飛成も狙っています。

先手は▲3八銀と受けたいのですが、歩切れで後で▲2七歩と受ける形にならないので、▲3九金と受けます。

▲3九金△2八角で、ソフトの評価値+22で互角。

△2八角も厳しい手で▲同金△同飛成▲4三角打△7一金▲2五角△2九龍という展開になりそうで、まだこれからの将棋です。

このような激しい展開は全く見えていませんでした。

角交換型の石田流の攻防が参考になった1局でした。

矢倉での▲1五桂から▲4一銀

上図は、矢倉の進展からの終盤戦で先手が▲8五銀と桂馬を取った手に△同歩とした局面。ソフトの評価値+881で先手優勢。

対局中は駒割りは先手の銀得なので先手がいいと思っていましたが、ここから優勢をどのような拡大するかが難しいところです。

本譜は以下、▲2四桂△4五歩▲3二桂成△同玉▲2四歩△同歩▲6一銀で、ソフトの評価値+500で先手有利。

先手が駒得していたので▲2四桂と打ってもいいと思っていましたが、▲6一銀までの局面を見ると銀と桂馬の交換でほとんど互角です。

実戦では△7五飛だったので▲7六歩△同飛▲5二銀不成の展開になったのですが、△8二飛と辛抱されると先手も大変だったみたいです。

▲2四桂では▲1五桂があったようです。

▲1五桂△4五歩▲4一銀で、ソフトの評価値+971で先手優勢。

矢倉で▲1五桂という手はたまに出てきますが、△4五歩に▲4一銀と引っ掛けます。

▲4一銀も矢倉でよく出る筋で後手の守りの金を狙います。

▲4一銀に△1四歩なら、▲2四歩△1五歩▲3二銀成△同玉▲2三歩成でソフトの評価値+1647で先手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが、まともに▲2四歩が入ると後手受けきれません。

▲4一銀に△3三金直なら、▲2四歩△同歩▲2三歩△3一玉▲5二銀打で、ソフトの評価値+1571で先手優勢。

次に▲2二歩成△同玉▲4三銀成からの寄せを見ています。

▲4一銀に△3一玉なら、▲5二銀打△3三金寄▲2四歩△同歩▲同角△同金▲3二銀成△同玉▲4三金で、ソフトの評価値+2412で先手勝勢。

▲4一銀~▲5二銀打もたまに出る筋で、後手が受けづらい形です。

矢倉での▲1五桂から▲4一銀と攻めるのが参考になった1局でした。

攻める手を調べるも意外と大変

上図は、相掛かりからの進展で、後手が△5四銀とした局面。ソフトの評価値+12で互角。

先手の6六の角は後手から7七の桂馬を攻めるのを防いだ形です。

後手は4四の歩と突いているで、3三の銀がいなくなると▲4四角のようながあるので、少し狙われやすいです。

本譜は以下、▲3五歩△同歩▲1五歩△同歩▲2五桂で、ソフトの評価値-137で互角。

先手は3筋と1筋の歩を突き捨てて▲2五桂としました。

桂馬の跳ぶ筋の歩を突き捨てておくのは後から歩を打てるので手筋ですが、この場合は先手玉が5八と近い形なので、3筋の歩は突き捨てない方がよかったかもしれません。

後から△3六歩~△3七歩成は、先手からいやな筋です。

▲3五歩では▲1五歩がありました。

▲1五歩△同歩▲1三歩で、ソフトの評価値+91で互角。

単純に1筋から攻める手があったようです。

▲1三歩に△同香なら、▲2五桂△2二銀▲4四角で、ソフトの評価値+124で互角。

この変化は▲4四角と飛び出せたのは気持ちいいですが、まだこれからです。

▲1三歩に△同桂なら、▲1五香△1七歩▲1三香成△同香▲2五桂△1八歩成で、ソフトの評価値+202で互角。

この変化は互角になっていますが、と金を作られて飛車が逃げる展開なのであまり自信はありません。

やはり最初の局面は結構難しいみたいです。

先手の6六の角がいまひとつ働いていないので、この構想は良くなかったかもしれません。

攻める手を調べるも意外と大変と分かった1局でした。