上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△8四歩と突いた局面。ソフトの評価値+126で互角。
後手の角道を止める四間飛車に対して、先手が▲5五角から▲3五歩△同歩▲4六銀から銀交換をした展開です。
後手の△8四歩は後手の玉頭も薄くなるのですが、いつでも△8五歩から攻める筋を見せているので先手としても嫌な筋です。
対局中は▲8八玉と深く囲いたかったのですが、△8五歩からまともに後手の攻めを受けることになるので指しきれませんでした。
実戦は、△8四歩以下▲9八香△2二飛▲8八玉△4二角▲7八金上で、ソフトの評価値-12で互角。
この手順の▲9八香はややひねった手で、後手が3三の角のまま△8五歩と仕掛けた形で、将来△9九角成とされても香車が取られない形にしたのですが効果は不明です。
▲9八香に後手は△2二飛から△4二角がうまい駒組みで、6筋の位を取っているので将来△6四角と上がるのが味がいいです。
形勢は互角のようですが、後手の気持ちのいい手順です。
▲9八香では▲8八玉がありました。
▲8八玉△8五歩▲7八金上で、ソフトの評価値+292で互角。
この手順の▲8八玉は堂々とした手で、この瞬間は後手も△8五歩と仕掛けたくなります。
△8五歩に▲同歩は△同桂▲8六角△4五歩▲7七銀で、ソフトの評価値-135で互角。
この手順は先手の7七の角が移動して△4五歩とすると、角道に先手玉が入ります。
△4五歩に▲7七銀で互角のようですが、銀と桂馬の交換になりそうで先手しては少し指しづらいです。
よって△8五歩には▲7八金上として受ける形です。
▲7八金上以下△8六歩▲同角△4五歩▲7七桂で、ソフトの評価値+349で先手有利。
この手順は△8六歩と取り込む手ですが、▲同角とするのが形のようです。
ここで▲8六同銀とするのは、△8五歩▲9七銀△8四銀▲9八香△7五歩▲8七銀で、ソフトの評価値+21で互角。
この手順は、▲8六同銀から▲9七銀と銀冠が崩れて銀の形が悪くなるので、少し指しづらいです。
よって▲8六同角に△4五歩に▲7七桂と跳ねてどうかという展開です。
▲7七桂以下△8五歩▲4二角成△同角▲8四歩△8六歩▲同銀△同角▲8三銀で、ソフトの評価値+1539で先手優勢。
この手順は、△8五歩に▲4二角成△同角となりますが、次に先手の銀冠の急所となる△8六歩が気になります。
△4二同角には▲8四歩と垂らすのが急所のようで、△8六歩にはあっさり▲同銀と銀を捨てて△同角に▲8三銀と打ち込めば先手優勢です。
▲7七桂以下△6四銀打▲8四歩で、ソフトの評価値+485で先手有利。。
この手順は、△6四銀打と手堅く受けますが、▲8四歩で先手もまずまずのようです。
角筋に入る玉の受け方が参考になった1局でした。