角筋に入る玉の受け方

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△8四歩と突いた局面。ソフトの評価値+126で互角。

後手の角道を止める四間飛車に対して、先手が▲5五角から▲3五歩△同歩▲4六銀から銀交換をした展開です。

後手の△8四歩は後手の玉頭も薄くなるのですが、いつでも△8五歩から攻める筋を見せているので先手としても嫌な筋です。

対局中は▲8八玉と深く囲いたかったのですが、△8五歩からまともに後手の攻めを受けることになるので指しきれませんでした。

実戦は、△8四歩以下▲9八香△2二飛▲8八玉△4二角▲7八金上で、ソフトの評価値-12で互角。

この手順の▲9八香はややひねった手で、後手が3三の角のまま△8五歩と仕掛けた形で、将来△9九角成とされても香車が取られない形にしたのですが効果は不明です。

▲9八香に後手は△2二飛から△4二角がうまい駒組みで、6筋の位を取っているので将来△6四角と上がるのが味がいいです。

形勢は互角のようですが、後手の気持ちのいい手順です。

▲9八香では▲8八玉がありました。

▲8八玉△8五歩▲7八金上で、ソフトの評価値+292で互角。

この手順の▲8八玉は堂々とした手で、この瞬間は後手も△8五歩と仕掛けたくなります。

△8五歩に▲同歩は△同桂▲8六角△4五歩▲7七銀で、ソフトの評価値-135で互角。

この手順は先手の7七の角が移動して△4五歩とすると、角道に先手玉が入ります。

△4五歩に▲7七銀で互角のようですが、銀と桂馬の交換になりそうで先手しては少し指しづらいです。

よって△8五歩には▲7八金上として受ける形です。

▲7八金上以下△8六歩▲同角△4五歩▲7七桂で、ソフトの評価値+349で先手有利。

この手順は△8六歩と取り込む手ですが、▲同角とするのが形のようです。

ここで▲8六同銀とするのは、△8五歩▲9七銀△8四銀▲9八香△7五歩▲8七銀で、ソフトの評価値+21で互角。

この手順は、▲8六同銀から▲9七銀と銀冠が崩れて銀の形が悪くなるので、少し指しづらいです。

よって▲8六同角に△4五歩に▲7七桂と跳ねてどうかという展開です。

▲7七桂以下△8五歩▲4二角成△同角▲8四歩△8六歩▲同銀△同角▲8三銀で、ソフトの評価値+1539で先手優勢。

この手順は、△8五歩に▲4二角成△同角となりますが、次に先手の銀冠の急所となる△8六歩が気になります。

△4二同角には▲8四歩と垂らすのが急所のようで、△8六歩にはあっさり▲同銀と銀を捨てて△同角に▲8三銀と打ち込めば先手優勢です。

▲7七桂以下△6四銀打▲8四歩で、ソフトの評価値+485で先手有利。。

この手順は、△6四銀打と手堅く受けますが、▲8四歩で先手もまずまずのようです。

角筋に入る玉の受け方が参考になった1局でした。

後手にプレッシャーをかける粘り方

上図は、横歩取り青野流からの進展で△8九飛と打った局面。ソフトの評価値-1506で後手優勢。

この局面だけを見ると横歩取りだった戦型とは思えませんが、後手は右玉のような形です。

駒割りは飛桂と角金の交換で少し先手が駒得ですが、後手の飛車打ちが厳しいのと、後手玉がしっかりしているので後手が指せているようです。

後手から次に△4九銀がありますので、先手は受ける形ですがどのように受けるかという局面です。

実戦は、△8九飛以下▲5九金△8七飛成▲4三角△7八龍▲6八銀△7六桂で、ソフトの評価値-2855で後手勝勢。

この手順は、▲5九金と受けた形ですが△8七飛成から△7八龍に▲6八銀と受けてやや持ち駒の戦力が落ちてきています。

▲6八銀にも△7六桂と打たれて金駒がぼろぼろ取られる展開になりますので、後手勝勢のようです。

実戦は△7六桂に▲4六歩として玉を中段に逃げる筋で、もうひと踏ん張りのような手順ですが、手の流れからすると後手が駒得して指せています。

▲5九金では▲7九歩がありました。ソフトの評価値-1509で後手優勢。

▲7九歩は底歩のような手で大駒を近づけて受ける手です。

▲7九歩に△8七飛成なら▲7八金で、ソフトの評価値-1567で後手優勢。

この手順は、後手は△8七飛成として確実に駒得をする手ですが、▲7八金とできるのが▲7九歩を打った効果で、一時的ですが先手陣は持ちこたえることができます。

▲7九歩△同飛成なら▲6九金で、ソフトの評価値-1384で後手優勢。

この手順は△7九同飛成としたのですが、そこで▲6九金と打てるのが▲7九歩を打った効果です。

▲6九金には△4九銀が気になりますが、そこで▲5九玉とすると後手は5八から頭に打つ駒がなく、△5八歩は2歩のため打てません。

▲6九金以下△4九銀▲5九玉△8九龍▲3九金△8七龍▲4九玉で、ソフトの評価値-856で後手優勢。

この手順はお互いに駒を取りあったのですが、先手は▲4九玉と少し安全なところに逃げたので苦しいなりにまだ戦えそうです。

▲6九金以下△6六桂▲同歩△6七銀▲同玉△6九龍▲6八桂△5八金▲5六玉△4八金▲4六玉で、ソフトの評価値-1329で後手優勢。

この手順は、△6六桂から△6七銀と決めにいった手ですが、先手も中段玉となりそれ以後も駒を取られる形ですが、後手も入玉を抑える駒が少ないので実戦的にはまだ大変なところはありそうです。

後手にプレッシャーをかける粘り方が参考になった1局でした。

詰めろをどうやって受けるか

上図は、角換わりからの進展で△6七香と打った局面。ソフトの評価値+383で先手有利。

駒割りは、角銀と金桂桂の交換でいい勝負のようですが、後手玉はしっかりしているのに対して先手玉は△4六桂からの詰めろになっています。

後手玉はまだ全然詰まないので先手はどのように受けるかという局面です。

実戦は△6七香以下▲同金△4四飛▲4五歩△同飛▲4九香△4八金で、ソフトの評価値-140で互角。

この展開は、▲6七同金で詰めろを防いだのですが、△4四飛がうるさい手で次に△4七飛成がありますので▲4五歩△同飛に▲4九香と下段から香車を打ったのですが、△4八金が見えていませんでした。

△4八金以下▲同香△6七桂成▲同玉△4八飛成で、ソフトの評価値-231で互角。

この手順は、△6七桂成から△4八飛成として後手は飛車が成って持ち駒に金桂香歩とあるのでまだ互角のようですが、実戦的には先手玉が薄く後手が勝ちやすい感じです。

△4八飛成には▲5五桂として△5五桂を防げばまだいい勝負のようだったですが、実戦は△4八飛成に▲7五歩△6四桂▲6八桂△7六香▲同桂△6八金▲7七玉△5七龍で、ソフトの評価値-6199で後手勝勢。

後手の寄せが厳しく、先手は玉が下段に落ちる形になって駒を取られるような形になると、先手は勝てない流れです。

最初の局面で、▲6七同金△4四飛▲4五歩△同飛に▲5六角がありました。ソフトの評価値+561で先手有利。

この手順は、▲4五歩△同飛と飛車を近づけてから▲5六角と打って受ける手です。

▲5六角はややひねった受け方ですが、△6七桂成には▲同角で飛車にあたります。

▲5六角以下△6七桂成▲同角△4七金▲6八玉△5六桂▲同角△5七金▲同玉△4六金▲6八玉△5六金▲4九香で、ソフトの評価値+587で先手有利。

この手順は、△6七桂成に▲同角で後手の手が続かないようでも△4七金から△5六桂が継続手で際どい攻めです。

▲5六同角に△5七金▲同玉から△4六金でぎりぎりの攻めですが、▲6八玉と角を取らせるのがいいみたいで、△5六金に▲4九香と下段から香車を打って飛車成りを受ける形で先手が指せているようです。

また最初の局面では、△6七香には▲同金とせずに▲5六銀の受けもあったようです。

▲5六銀△4六桂▲4八玉△5四飛▲4五銀打△3六歩▲4九角で、ソフトの評価値+786で先手優勢。

この手順の▲5六銀は一見手堅いようですが、後手も△4六桂から迫ってくると結構危ないようで、先手有利のようですが形が複雑になって考えにくいです。

詰めろをどうやって受けるかが参考になった1局でした。

飛車より角を取って駒を中央で働かせる

上図は、角交換振り飛車からの進展で△2六ととして飛車を取った局面。ソフトの評価値-44で互角。

ここで先手の手番で指し手は▲2一とか▲4二とのどちらかですが、正解は1つのようです。

対局中は飛車を取った方が攻め手が広がると思って飛車を取りました。

実戦は△2六と以下▲2一と△2五と▲3二飛△4三金▲1一と△2九飛▲7八金△4四歩で、ソフトの評価値-588で後手有利。

この手順はお互いに飛車を取り合って敵陣に打つ展開です。

△4四歩の局面は一時的に先手の香得ですが、この局面の評価値は先手の方が少し悪いようです。

最初は少し意外に思ったのですが、よくこの局面を見ると後手も次に△4五歩と桂馬を取れば桂馬と香車の交換です。

そのような意味では駒の損得はないのですが、先手から後手の駒を取るのが少ないのに対して、後手は△1九飛成や2五と金の活用などでまだ駒得を目指せそうです。

そのような意味でこの局面は少し先手が悪いようです。

どの手順が悪かったのかが不思議でしたが、▲2一とでは▲4二とがありました。

▲4二と△3六と▲5三桂成△5一歩▲2三歩△4六と▲同歩△3九飛▲6八金寄で、ソフトの評価値+619で先手有利。

この手順は▲4二と金として角を取る手です。

以下△3六とのと金の活用には▲5三桂成とします。

次に▲5二とがうるさいので△5一歩と受けますが、そこで▲2三歩と後手の飛車成りを受けます。

後手は△4六と金として銀を取って△3九飛に▲6八金寄とした展開ですが、この局面が先手有利だったのは最初は驚きました。

しかし、駒割りは飛銀と角桂の交換ですが、先手は4二のと金と5三の成桂が中央に働いています。

また先手の5六の角は、後手の2一の飛車よりはるかに働いています。

△4六と金で銀をぼろっと取られると先手が大損なようなイメージですが、元々は先手の桂得だったので、あまり影響はないようです。

そのような意味で先手が少し指せているようです。

▲6八金寄以下△5五銀▲7八角△1九飛成▲3三桂不成で、ソフトの評価値+736で先手有利。

この手順は後手は遊んでいる5四の銀を活用する手ですが、▲7八角と逃げて△1九飛成には▲3三桂不成が飛車を取れる形になるので先手が指せているようです。

▲6八金寄以下△4五歩▲5四成桂△同金▲4三角△5五金▲2一角成△5六金▲同歩△6七銀▲7八金打△同銀成▲同金上で、ソフトの評価値+696で先手有利。

この手順の△4五歩は▲同歩なら△同銀として後手の5四の銀と4四の金を働かせる手ですが、▲5四成桂△同金に▲4三角が厳しいです。

ここで△5五金がうっかりしやすい手で▲2一角成と飛車は取れますが、後手は遊んでいる金を角と交換して勝負形です。

以下△6七銀に▲7八金打と自玉を固めて先手が少し指せているようです。

飛車より角を取って駒を中央で働かせるのが参考になった1局でした。

自陣角を打って受ける

上図は、相掛かりから5五の地点で銀交換となり△5五同銀とした局面。ソフトの評価値-61で互角。

駒の損得はなく、後手の銀が中央に出ている形でいい勝負のようです。

ここで先手の手番ですが、先手から攻める手はまだなさそうで、手待ちをする手も難しそうなので少し指し手に悩みました。

実戦は、△5五同銀以下▲4五銀△6五桂▲6八銀△7五歩で、ソフトの評価値+62で互角。

この手順の▲4五銀は、2六に飛車が浮いているのでどこかで△4四角と打たれる筋が気になってそれを打たさないという手のつもりで指しました。

後手は5五の銀の形を活かして△6五桂から△7五歩と攻めてきます。

部分的には、後手は盤上の駒と持ち駒に角銀歩と攻め駒がそろっているので後手もうまく攻めているようですが、評価値は互角というのが少し意外でした。

攻められているようでも互角というのは、先手にも対抗手があるということみたいです。

実戦は△7五歩以下▲3五歩△7六歩▲同飛△7七歩で、ソフトの評価値-483で後手有利。

この手順は、先手は飛車の横利きで受けてなんとかなるかと思っていたのですが、△7六歩から△7七歩と打たれると受けるのが大変なようです。

先手の飛車が玉に近いのと、飛車と玉の位置関係がよくなく後手に桂馬が入ると△9四角から△6六桂のような筋があります。

このような展開になると4五の銀がぼけた形になっているので、このあたりの受けの感覚はいまひとつだったようです。

▲4五銀△6五桂▲6八銀△7五歩まではいいとして、▲3五歩では▲8八角がありました。ソフトの評価値-60で互角。

この▲8八角は自陣角の受けですが、後手もこの手に対しての受け方が意外と難しいようです。

▲8八角に△6四銀打なら▲6六歩で、ソフトの評価値+173で互角。

この手順は、△6四銀打として次に△7六歩を狙った手ですが、▲6六歩と桂を取りにいく手がありこれが▲8八角の狙いにもなります。

ただし、先手も▲6六歩とすることで玉のコビンがあくとどこかで△9四角のような王手の筋もあるので、見た目ほど差が開いてはいないです。

▲8八角に△4四銀打なら▲3四銀で、ソフトの評価値+267で互角。

この手順は、△4四銀打として5五の銀に紐をつける手ですが、▲3四銀と4五に打った銀が働く展開になります。

こうしてみると▲8八角はなかなかの手だったようです。

自陣角を打って受けるのが参考になった1局でした。

hh

銀を重く打って攻めを継続する

上図は、横歩取り△3三角型からの進展で△8九飛と打った手に▲6九桂と打った局面。ソフトの評価値-208で互角。

駒割りは、銀と桂馬の交換で後手がやや駒得ですが歩切れで、先手に歩が6枚あるのは大きいです。

しかし後手が攻めている展開なので先手としても神経を使う局面です。

実戦は△8七角成▲同金で、ソフトの評価値+307で先手有利。

この手順は、飛車を活用する意味で△8七角成とする手で以下▲同金と進みました。

実戦はここで△同飛成▲1一角成で、ソフトの評価値+314で先手有利と進んでこれが自然ですが、ここでは△7八銀という攻め方もあったようです。

△7八銀は次に△6九飛成▲4八玉△3六桂▲3九玉△4九龍▲同銀△2八金までの詰めろです。

よって先手は詰めろを受けることになりますが、△7八銀以下▲4八玉△6九飛成▲4六歩△8七銀成▲1一角成で、ソフトの評価値+289で互角。

この手順は、後手は金と桂馬を取って攻める手で、駒割りは角香と金銀の交換で後手の龍もかなり働いているので、評価値以上に先手も大変な感じがします。

また別の指し方では最初の局面で△2七銀がありました。ソフトの評価値-235で互角。

この手順は、後手の5四の角を活用する△2七銀ですが、角という大駒は2七や8七の地点など複数の利きがあるので攻め幅が広いです。

△2七銀に▲同銀△同角成は、次に後手から△4九馬▲同玉△6九飛成がありますので先手は▲2七同銀とは取りづらいです。

△2七銀に▲1一角成は、△3八銀成▲同金△4九銀▲同玉△6九飛成があります。

△2七銀は予想以上に厳しい手なので、先手も普通の受け方では難しいようです。

△2七銀以下▲2九銀△1五香▲同香△3六歩▲3四香△3七歩成▲3二香成で、ソフトの評価値+199で互角。

この手順は、△2七銀に▲2九銀とややひねった受け方です。

それに対して後手は、取られそうな香車で1歩を取ってから△3六歩と打つ展開で一直線な手の流れです。

形勢は互角のようですが、改めてみると△2七銀はかなり厳しい手のようです。

普通は△2七銀と打たれても▲同銀△同角成▲3八銀で馬がはじかれる形ですが、この場合は△同馬▲同金△4九銀▲同玉△6九飛成がありますので、受けになっていないのも参考になります。

銀を重く打って攻めを継続するのが参考になった1局でした。

桂頭を狙われる前に動く

上図は、横歩取り青野流からの進展で△5二玉と4二の玉が寄った局面。ソフトの評価値-45で互角。

この局面は、先手は中住まいにして5六に飛車がいる歩越し飛車です。

先手は1歩得で3七と7七に桂馬が跳ねており、どこかのタイミングで中央に跳ねたい形ですが、後手もそれを受ける形になっています。

先手はゆっくりしていると後手から7七の桂頭を狙う手があります。

具体的には後手は△7四歩から△7五歩と7筋の歩を伸ばしてから△5四角と打って、次に△7六歩から△7七歩成として桂馬を取る狙いです。

それまでに何か先手が手を作れるかどうかという局面です。

実戦は、△5二玉以下▲7九銀△7四歩▲9六歩△7五歩で、ソフトの評価値-472で後手有利。

この手順の▲7九銀は指した後に失敗したなと思った手で、部分的には▲7九銀から▲6八銀は理想形の1つですが、この場合は後手から7筋の歩を伸ばしてきます。

▲9六歩は▲9五歩からどこかで▲9四歩の突き捨てから手が作れないかと思って指しましたが、じっと△7五歩とされると次に△5四角から△7六歩の筋が受かりません。

その手には▲8五桂から△同飛に▲8六飛とぶつけて飛車交換にする筋はありますが、先手は桂損なので少し苦しいです。

▲7九銀では▲8六歩がありました。

▲8六歩△同歩▲8五歩で、ソフトの評価値-86で互角。

この手は▲8六歩△同歩に▲8五歩と8筋から逆用する手で、7七に桂馬がいるので△8五飛を防いでいます。

▲8五歩とした次の狙いは▲8六飛で、そう進めば歩の下に飛車がいるので飛車が使いやすくなります。

▲8六飛とすれば▲8四歩から8筋を攻める展開もありそうです。

▲8五歩に△7四歩と伸ばして△7五歩から△5四角のような狙いは、▲8七銀で受かりますので、後手は別の指し方をします。

▲8五歩以下△5四角▲8六飛△7四銀▲8七銀△7五銀▲5六飛で、ソフトの評価値-86で互角。

この手順は、後手は△5四角と打って先手の飛車の動きをけん制する手で、▲8六飛に△7四銀が歩越し銀で少し異形ですがなかなかの手です。

▲8七銀としたときに△7五銀とでて▲5六飛までですが、後手も先手の飛車を8筋で安定させないような指し方で参考になります。

実戦的には、飛車が狭い先手がまた神経を使いそうですが、どこかで▲8六銀とぶつけて△同銀なら▲同飛と捌いてどうかという展開です。

▲8六銀には△7六銀のような手もあり、先手も大変ですがいい勝負のようです。

桂頭を狙われる前に動くのが参考になった1局でした。

詰ませるときは詰ます

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△7七歩と打った局面。ソフトの評価値+99978で先手勝勢。

駒割りは、角金と銀の交換で実質先手が角得で△7七歩は詰めろでないので、先手が詰めろをかけていけば先手が寄せきれそうです。

ただし△7八歩成とされると先手玉が詰めろになるのと後手玉が上部に脱出しやすくなるので、そこだけは気をつけないといけないです。

実戦は▲7七同銀△7六歩▲4二歩成△7七歩成▲3三飛成△同玉▲4三と△3四玉▲4四と△2五玉▲1六銀で、ソフトの評価値+99997で先手勝勢。

この手順は▲7七同銀と自陣に手を戻す手で、△7六歩が詰めろでないのでここで▲4二歩成から寄せにいく手です。

▲1六銀以下△3六玉▲2七金まで詰みです。

これでもいいのですが、▲7七同銀はやや安全な保険をかけた手で、△7七歩に後手玉に即詰みがあるかはっきり読み切れなかった手です。

形勢は先手勝勢でこれでもいいのですが、最短距離で後手玉を寄せることを考えたら少しぬるい感じです。

▲7七同銀では▲4二歩成がありました。

▲4二歩成△7八歩成▲3三飛成で、ソフトの評価値+99993で先手勝勢。

この手順は、▲4二歩成と金を取る手で△7八歩成は形づくりみたいな手ですが、先手玉が詰めろなので後手玉を詰ます必要があります。

△7八歩成以下▲3三飛成で△同玉なら▲4三と以下実戦と同じ手順で詰みなので、後手は▲3三飛成には△4五玉とします。

▲3三飛成以下△4五玉▲4四龍△5六玉▲4五角で、ソフトの評価値+99996で先手勝勢。

この手順は、▲3三龍から▲4四龍と玉を下から寄せる手で、上部脱出の可能性があるので少し考えにくいです。

最後の▲4五角が見えれば詰み筋に入りそうです。

▲4五角以下△6六玉▲5五龍△7六玉▲7五龍まで詰みです。

このような寄せは盤面に並べると分かりやすいのですが、実戦の数手前の▲4二歩成の段階から頭の中で詰みがあるかを判断するのは意外と難しいです。

特に中段玉は形が定型の寄せになりづらく頭の中で盤面が並びづらいので、手数が長くなるほど決断しにくいです。

ある意味仕方ない面もありますが、即詰みがある場合は詰ませるようになりたいです。

詰ませるときは詰ますのが参考になった1局でした。

突かれた歩は最初は取ることを考える

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△5五歩と突いた局面。ソフトの評価値+411で互角。

△5五歩は特別に何か狙いがあるという手ではなさそうですが、対局中は▲5五同歩とすると将来△5六歩の垂れ歩があって△5七歩成を受けにくいという展開になるのがいやだったので、▲同歩とはしませんでした。

ちなみに▲5五同歩は全く考えていませんでした。

実戦は△5五歩以下▲5八飛△5六歩▲同飛で、ソフトの評価値+252で互角。

この手順は、▲5八飛と飛車を回って△5六歩に▲同飛としてお互いに5筋の歩を持ち駒にする展開です。

対局中は、お互いに5筋に歩を使える形で先手の立場からすると▲5四歩と垂れ歩とか▲2四歩とする手があり攻めの手が広がってよくなったと思っていたのですが、そうでもなかったようです。

3五の銀が2筋と3筋から優位にする狙いなのに、攻めの飛車が5筋に回るのはやや狙いがぼけていた感じです。

▲5八飛はソフトの候補手の1つだったのでそんなにおかしな手ではなかったようですが、いまひとつだったかもしれません。

▲5八飛では▲5五同歩がありました。ソフトの評価値+565で先手有利。

この手順は、▲5五同歩として歩得をする手です。

5筋に空間があくため後手はそれを含みに手を作ります。

▲5五同歩以下△3三桂▲2四歩△同歩▲2三歩△3二飛▲2四飛△4五桂▲2二歩成△3五飛▲同角△2四角▲同角△2八飛▲4一飛△5一歩▲3三角成で、ソフトの評価値+719で先手有利。

この手順は、△3三桂として△4五桂から△5六歩と垂らして△5七歩成として、遊んでいる桂馬を活用して先手の攻めを軽くいなす狙いです。

先手としてら3五の銀が中途半端の残るのがいやな形になりますので、2筋から動きます。

▲2四歩△同歩に▲2三歩が手筋の垂れ歩で、後手は△3二飛と受けますがそこで▲2四飛が強い手です。

△4五桂が手順に△2四角の狙いですが、▲2二歩成も強い手で以下△3五飛から▲同角から△2四角で大捌きになります。

最後の▲3三角成まで駒割りは角と銀の交換で先手が駒得で、以下△2九飛成には▲6五角から▲4三角成△同金▲同馬でさらに駒得する筋があります。

このような展開であれば先手の穴熊が活きそうです。

▲5五同歩に△3四歩なら▲2四歩もありますが、じっと▲4六銀でソフトの評価値+513で先手有利。

この手順は、先手が1歩得していますのでじっくりした展開になっても先手が指せそうです。

突かれた歩は最初は取ることを考えるのが参考になった1局でした。

対抗形で飛車を横に使う筋も考える

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△3三同金とと金を取った局面。ソフトの評価値+81で互角。

早い段階から角交換をして先手が桂得の展開です。

対局中は駒得が大きく先手有利かと思っていたのですが、後でソフトで検討すると互角だったのが驚きでした。

先手の桂得より7八の角の働きがいまひとつなのが大きいようで、やはり大駒の働きは形勢判断の大きな要素の1つです。

実戦は△3三同金以下▲2五歩△同飛▲3七桂△2一飛▲2三歩で、ソフトの評価値+47で互角。

この手順は▲2五歩から▲3七桂として、△2七歩成を受けつつ遊んでいる2九の桂馬を働かせる手でこれが自然かと思っていました。

△2三同飛に▲4四歩と突いてどうかという展開ですが、後手も△5六歩のような捌き合いになっていい勝負のようです。

この▲2五歩はソフトの候補手の1つだったのですが、ソフトは盤面の右側の捌き合いより別のことを考えていたようでした。

捌き合いになると桂得くらいではいい勝負で、逆に後手に駒損を回復されると振り飛車特有のゆっくりした展開になる可能性が高いと思ったのかもしれません。

▲2五歩では▲6五歩がありました。

▲6五歩△同銀▲4七金△2七歩成▲6八飛で、ソフトの評価値+78で互角。

この手順は、長時間考えても多分浮かばないと思っています。

居飛車対振り飛車の対抗形は、お互いの飛車が近い筋で向き合うことが多いので、どちらの飛車が相手の陣地に入って龍を作るかというのが形勢判断の大きなポイントになります。

よって自分は飛車を縦に使う将棋を意識しやすいのですが、この手順は2八の飛車を▲6八飛と横に使う指し方で、2筋は受けずに6筋に戦いの争点を求める手順です。

この指し方は、飛車を横に使うので普段から振り飛車を指していれば見えやすいのかもしれませんが、居飛車側は少し浮かびにくいです。

直接的に飛車を横に移動するのでなく、▲6五歩△同銀と細工をして▲4七金と守りの金を玉と反対側に移動してから飛車を横に移動するのが盲点です。

直接的に▲6八飛が銀取りなら見えやすいですが、▲6五歩と▲4七金と▲6八飛の組み合わせは難しいです。

▲6八飛に△7四銀なら▲8六桂△8五銀▲6五飛△8四歩▲5五銀で、ソフトの評価値+236で互角。

この手順は△7四銀には▲8六桂と駒得した桂馬を打てるのが大きく、△8五銀には▲6五飛から▲5五銀で先手まずまずのようです。

▲6八飛に△5四銀なら▲3四歩△同金▲6四飛△同歩▲5三桂で、ソフトの評価値+141で互角。

この手順は△5四銀と中央に銀を引いた手に▲3四歩と叩く手で、取っても逃げても後手は少し味が悪い形です。

△3四同金には▲6四飛から▲5三桂も浮かびにくい手で、△6二金と逃げれば▲3二角と打つ狙いです。

▲3四歩には△4三金と逃げて以下▲5六歩でどうかという形ですが、後手のと金と飛車が働かないような展開にするのが大事なようです。

指し手全体としては結構難しいと思います。

対抗形で飛車を横に使う筋も考えるのが参考になった1局でした。