上図は、先後逆で角換わりからの進展で▲5八玉と歩を取った局面。ソフトの評価値-675で後手有利。
△3六銀と王手に打った手に4七の玉が▲5八玉と引いた形です。
終盤は時間がないことが多く、しかも手が広いので色々な手を考えるのはほとんど無理なので直感の指し手が多くなります。
△3六銀も普通の手ですが、この場合は△4六歩と打って▲同玉なら△6八角で、ソフトの評価値-1939で後手優勢。
この手順は△6八角と打つことで合駒請求する手で、ここに金駒を打たせると後手玉の攻め駒が少なくなります。
また△4六歩に先手玉は逃げる手もありそうですが、4六の歩が攻めの拠点として残るので実戦では選択しにくいです。
△3六銀と打ったのでだいぶ形勢がもつれてきましたが、それでもまだ後手の方がよかったです。
問題はここから後で、実戦は△3六銀▲5八玉に△4七歩と打ったのがひどかったです。
実戦の△4七歩には▲2二金がありました。
▲2二金△同金▲4二銀打で、ソフトの評価値+99980で先手勝勢。
この手順の▲2二金が自分は見えておらず、対局中は▲4一金はどうかなどと考えていました。
△4七歩▲4一金△同玉▲2一飛成△3一香▲5二銀△同飛▲同銀成△同玉▲8二飛△6二桂で、ソフトの評価値-2584で後手勝勢。
この手順の▲4一金~▲2一飛成は送りの手筋ですが、△3一香と打てば後手玉は詰まないようです。
よって2筋を受けずに△4七歩と打ったのですが、▲2二金と捨てるのが盲点でした。
▲2二金に△4一玉なら▲3二金で、△5一玉なら▲2一飛成で詰みです。
▲2二金△4一玉▲3二金に△同飛なら▲2一飛成△3一金▲3二龍△同金▲2一飛△3一香▲5二金まで詰みです。
よって▲2二金には△同金としますが、3二の金を弱体化してから反対側に▲4二銀と打ちます。
▲4二銀打以下△同飛▲同銀成△同玉▲2二飛成△3二香▲7二飛△5二桂▲4三金△同馬▲同歩成△同玉▲5二飛成△同玉▲3二龍で、ソフトの評価値+99984で先手勝勢。
この手順は4二の地点で清算してから▲2二飛成と金をぼろっと取る形です。
ぱっと見は寄りですが、1二の馬が遠くから受けに利いており意外と簡単ではありません。
▲2二飛成に△3二香と安い駒を合駒して▲7二飛に△5二桂とこちらも安い駒を合駒します。
この合駒は数手先に取られそうなので、できるだけ安い駒にしておいた方が相手の持ち駒になっても一般的には大きな戦力になりにくいです。
△5二桂に▲4三金から清算して▲5二飛成~▲3二龍として、ここから後手玉が詰むのかが気になります。
先手の持ち駒は角桂香と歩が4枚で微妙ですが、盤上の先手の駒が適度に散らばっているのが先手としては心強いです。
▲3二龍に△6三玉なら▲7二角で詰みです。
▲3二龍に△5一玉なら▲7三角以下詰みです。
▲3二龍に△6一玉なら▲8三角以下詰みです。
よって後手は4二に合駒をします。
▲3二龍△4二銀▲4三角△6三玉▲5五桂△7二玉▲4二龍△6二銀▲7三銀△8三玉▲8四香△9二玉▲8二香成まで詰みです。
この手順は△4二銀には▲4三角と打つと意外と後手玉は狭く、▲5五桂で玉を下段に落とすと詰み筋が見えてきます。
なおこの手順の▲4三角に△5一玉も▲6三桂△6二玉▲4二龍△6三玉▲5二龍まで詰みです。
これらの手順は最初の▲2二金~▲4二銀打が見えづらいですが、▲2二飛成が入ると▲7二飛から合駒請求してその駒を攻め駒にするのがうまいです。
終わりの方は並べ詰みになりましたが、これも最初から実戦で詰ますことができるかと言われれば結構難しいかと思います。
よって△4七歩では△2三歩と受けて、相手の飛車の利きを止めた方がよかったようです。
自玉が詰めろかを正しく確認するのが参考になった1局でした。