上図は、角換わりからの終盤戦で後手が△6七金と打った局面。ソフトの評価値-293で互角。
駒割りは金と銀の交換で、後手が先手玉に迫っていますがやや持ち駒が少ないのでいい勝負のようです。
王手なので逃げる1手ですが、ここでの逃げ方が良くなかったようです。
本譜は△6七金▲6九玉△4七歩で、ソフトの評価値-588で後手有利。
▲6九玉と逃げたのは5七の銀や4八の金などがいるので、▲8八玉より守りが固いと思ったのですが、△4七歩がきつかったです。
△4七歩に▲同金でも▲5八金でも味が悪く、△4七歩に▲同金なら△4六歩や銀が入れば△3八銀などがあり、後手は歩の数が多いので細かい攻めが続きそうです。
このような展開になると、6六の歩や4七の歩や5四の桂馬の攻めを振りほどくのは大変なようです。
▲6九玉では▲8八玉がありました。ソフトの評価値-293で互角。
▲8八玉と逃げると、先手の守り駒が少なく後手の飛車や角に近づいてかえって危ないかと思っていたのですが、意外とこちらの方が後手の手が少ないようです。
▲8八玉に△7七金なら、▲同玉△6七銀▲2四歩△7六銀成▲6八玉△6七歩成▲5九玉△4七歩▲同金△4六歩▲2三銀△3一玉▲7二歩で、ソフトの評価値+3218で先手勝勢。
この手順は、後手が銀を取って△6七銀から一直線に攻めた展開ですが、先手の▲2四歩から▲2三銀が厳しく以下▲7二歩が後手の飛車の横効きを止める手で、▲3二銀成からの詰めろなので先手勝勢です。
▲8八玉△7七金▲同玉△8六歩▲同歩△6七歩成▲同玉△8六飛▲6八桂で、ソフトの評価値-36で互角。
この手順は、後手が△8六歩と突き捨て以下△6七歩成から△8六飛と捌いてきた手に、▲6八桂が△7六角を受けた手で、以下△8七飛成や△6六歩などうるさい手はありますが、▲2四歩の詰めろに期待して辛抱するという感じです。
一目危なそうな所に逃げるのが参考になった1局でした。