横歩取りの華々しい変化

上図は、先後逆で後手が横歩取り△8四飛戦法からの進展で、後手が△2三銀とした局面。ソフトの評価値-289で互角。

△2三銀に対して先手も手の広いところですが、本譜は以下▲3六飛△7五歩▲2二歩で、ソフトの評価値-234で互角。

この手順は自然な感じですが、対局中は別の進行も気になっていました。

1つは、△2三銀に▲3三飛成△同桂▲6六角打△7五歩▲3三角成△1六歩で、ソフトの評価値-382で後手有利

△2三銀に▲3三飛成~▲6六角と打つのがたまに見る手順です。

△7五歩に▲3三角成としますが、△同金とせずに△1六歩が少し気が付きにくいです。

2三の銀と3二の金がお互いに紐が付いているので、慌てて△3三同金と取る必要がないということみたいです。

△1六歩以下、▲3二馬△同銀△2二角成△4一銀で、ソフトの評価値-602で後手有利。

もう1つは、△2三銀に▲3三飛成△同桂▲同角成△同金▲6六角△2九飛で、ソフトの評価値-339で後手有利。

先手は3三の地点で清算して▲6六角と飛車と金の両取りをかける手順です。

ここで両取り逃げるべからずの△2九飛がなかなか指せない手です。

△2九飛の狙いは△4九角なので、△2九飛▲3九金△1九飛成▲8四角△3八歩で、ソフトの評価値-728で後手有利。

手順の▲8四角で先に受ける▲2九歩は、△4四角▲8四角△1七角成▲3一飛△3二金▲2一飛成△3一歩で、ソフトの評価値-935で後手優勢。

先手に龍を作られても△3一歩と底歩で受けるのが参考になります。

横歩取りの華々しい変化が参考になった1局でした。

意外と差がつきにくい局面

上図は、角換わりから先手が右玉にした展開で、後手が△9五歩▲同歩△9七歩とした局面。ソフトの評価値±0で互角。

指されてみれば結構いやな筋で、 この手に対して▲9七同香なら△8五桂があり、先手が受けなければ△9五香の狙いもあります。

本譜は少し捻った受け方をしました。

本譜は▲6一角△9五香▲9四角成△9八歩成で、ソフトの評価値-30で互角。

▲6一角はソフトの候補手に上がっていない手でしたが、他の手が浮かびませんでした。

ただし、△9八歩成まで進むと、と金が働くような展開になりそうです。

それに対して、先手は9四の馬が働くかどうかという展開になりそうです。

評価値は互角だったですが、ソフトは別の手を推奨していました。

▲6一角では▲7七角で、ソフトの評価値-31で互角。

▲7七角は△9五香を受けるならこの手がありますが、将来△7五歩の筋や△8五桂が角に当たるなどが気になって、指す気がしませんでした。

▲7七角に△8一飛なら、▲2九飛△8五桂▲8六角△同角▲同歩△9五香▲5五歩△4三銀で、ソフトの評価値±0で互角。

この手順は、△8五桂に▲8六角から角交換して後手の桂馬が取れる展開ですが、後手玉も固いのでいい勝負のようです。

▲7七角に△8四飛なら、▲2九飛△7五歩▲8六角で、ソフトの評価値-17で互角。

この手順は、△8四飛としてから△7五歩と仕掛ける手ですが、▲8六角が返し技で、△7六歩なら▲6四角△同飛▲8二角という感じです。

ただし、どの展開も思ったほど評価値に差がなく互角だったのが不思議です。

ソフトで検証すると局面や指し手によって評価値に差が開くことが多いのですが、この局面に関してはほとんど差がつかなかったです。

8筋と9筋が戦場ですが、お互いの玉が遠いところにいるので、そんなに悪い手でなければ評価値に差がつきにくいのかもしれません。

意外と差がつきにくい局面だったのが参考になった1局でした。

最後まで油断したらだめ

上図は、横歩取り青野流の終盤戦で、後手が△6六桂と打った局面。ソフトの評価値+3414で先手勝勢。

対局中は際どいですが、先手が残しているのかと思っていました。

△6六桂には逃げる1手ですが、▲6九玉と逃げては△5八銀▲同金△4九飛▲5九金打△7八銀から清算して以下詰み。

本譜は△6六桂以下▲4八玉△4七金で、ソフトの評価値+3718で先手勝勢。

▲4八玉で後手は手がないかと思っていたのですが、△4七金で慌てました。

やはり終盤は手が広いとはいえ、先手玉に迫るならこの筋しかありません。

本譜は以下、▲4七同金△5八金▲同金△2八飛以下頓死になりました。

△5八金では先に△2八飛に▲3八桂の逆王手で大丈夫だと思ったいたのですが、△5八金を先にするのをうっかりしていました。

△5八金▲同金△2八飛に▲3八桂の逆王手だと、△同飛成▲同玉△2七銀▲4九玉△3八銀打▲5九玉△5八桂成▲同玉△6六桂▲5九玉△5八金まで。

△4七金には▲4七同玉でした。

▲4七同玉以下△3六銀▲5六玉で、ソフトの評価値+2796で先手勝勢。

▲5六玉の局面は、先手の5三の馬と7七の桂馬が受けに効いているのと、後手の7六が角なのでて、先手玉が詰みません。

ここでうっかりしやすいのが、詰まないから先手が勝った気分でいるのが危なくて、ここで△5四金と詰めろをかけられたときに正確に対応できるかがポイントになります。

△5四金以下、▲1八桂△3五玉▲3二飛△3四飛▲2六金△2四玉▲3四飛成△同玉▲3五飛△2四玉▲2五歩△同銀▲同金まで。

手順だけ見ると比較的簡単ですが、これが実戦だと▲1八桂では▲2七歩から詰ます展開を考えたり、最後の▲2五歩のときに2歩になっていないかなど気になる場面もあり、将棋は最後まで油断はできません。

最後まで油断してはだめと分かった1局でした。

横歩取りの△2三銀の受け

上図は、先後逆で横歩取り△8四飛の戦型から先手が▲1七桂と跳ねた局面。ソフトの評価値-198で互角。

▲1七桂の筋はたまに出る手でいつでも▲2五桂があるので、後手は神経を使います。

3三の角がいなくなると▲3二飛成があるので、慎重に受けないといけないです。

対局中は、後手が攻め込まれる形でどのように受けるか迷いました。

本譜は以下△3四歩で、ソフトの評価値+43で互角。

△3四歩は、大駒は近づけて受けよの格言に沿った手です。

実戦では△3四飛に▲同飛△2三銀で、ソフトの評価値-289で互角。

これでもまだ大変ですが、△3四歩には▲2五桂△8八角成▲同銀△8五飛▲1三歩で、ソフトの評価値+113で互角という展開もあったようです。

戻って最初の△3四歩では△2三銀があったようです。ソフトの評価値-191で互角。

△2三銀で受けが成立しているなら問題がないですが、先手の3六の飛車と8八の角が直通で3三の地点を睨んでいるのと、後手は8四飛が角に狙われやすい位置にいるので、少し指しづらい手です。

△2三銀の瞬間は、先手は指したい手がたくさんあるので、後手はすべて対応を考えるのは早指しでは無理です。

△2三銀には、▲2五桂や▲3三角成や▲3三飛成や▲1三歩や▲2二歩や▲2四歩など、気になる手がたくさんありそうです。

少し無理っぽい手もありそうですが、丁寧に対応するのは大変です。

ただし、先手も指せるのは1手だけなので、後手は先手の手に対応する形になるみたいです。

本当は、△2三銀以下の細かい変化手順を調べればいいのでしょうが、とりあえず△2三銀があると分かればいいです。

先手の飛車と角が直通しても、横歩取りの△2三銀の受けがあると分かった1局でした。

▲5五金と▲3六銀が見えるか

上図は、横歩取り青野流からの終盤戦で、▲4六桂の王手に3四の玉が△4五玉とした局面。ソフトの評価値+8807で先手勝勢。

対局中は、後手玉への寄せが見えなく3七の銀取りにもなっているので、先手が忙しいと思っていました。

本譜は以下、▲3六銀△同玉▲3七歩△同玉▲3八銀△2六玉▲4二角成で、ソフトの評価値+1383で先手優勢。

▲3六銀を指したら本譜みたいな展開になるのですが、先手勝勢から先手優勢になったので、指し手はあまり良くなかったようです。

▲4二角成の局面は、先手後手共に詰めろになっておらず、以下△3六金から混戦になりました。

▲3六銀では▲5五金がありました。ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

▲5五金は全く見えませんでした。

▲5五金に△3五玉なら▲2六銀打△2四玉▲4二角成△3三金▲1六桂まで。

よって▲5五金には△同玉で以下、▲5六銀△同飛▲同歩△同玉▲3六銀で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

▲5五金は少し見えづらいですが、▲5五金が見えたら▲5六銀は自然な1手です。

清算した後に▲3六銀と手を戻すのがまた少し見えづらいです。

この将棋は▲5五金と▲3六銀が見えるかで、形勢が大きく変わる内容です。

特に▲3六銀と手を戻すのが、感覚的に見えるようになりたいです。

▲5五金と▲3六銀が見えるかどうかが参考になった1局でした

位に反発する△7四歩

上図は、先後逆で横歩取りの戦型から先手が▲8五歩と打った変化手順です。

実戦では△6二銀と上がる形でなく△2四飛~△8二銀と上がったので、△6二銀に▲8五歩は変化手順です。

▲8五歩と打たれるのは後手にとってはあまりいい気持ちはしないのですが、先手も持ち駒の歩が1枚少なくなります。

▲8五歩以下△2四飛▲2八銀△7四歩で、ソフトの評価値-151で互角。

△2四飛に▲2八銀と受けたときに、△7四歩が少し指しにくい1手です。

先手の7五の位が浮いているときに△7四歩と逆襲する手です。

△7四歩に▲同歩なら△同飛で、ソフトの評価値-281で互角。

この手順は互角とはいえ、手数をかけた先手の7五の歩の位がなくなって、いつでも△7六歩とする筋があるので先手が面白くなさそうです。

△7四歩▲7六飛△7五歩▲同飛△7三銀▲6五桂△7四銀で、ソフトの評価値-117で互角。

△7四歩に▲7六飛とすると△7三銀のような展開になります。

△7三銀に▲6五桂がお互いに怖い手ですが、△7四銀と強く受けていい勝負みたいです。

先手からは角交換して▲3五角~▲5三角成のような狙いがあります。

後手は6五の桂を取る狙いがあります。

△7四銀以下▲3三角成△同銀▲3五角△7五銀▲5三桂成△4一玉▲2四角△同銀▲7四飛△7三桂▲2四飛△2三歩▲5四飛で、ソフトの評価値-255で互角。

この手順は先手が先に飛車を取られて少し無理気味に攻めてはいるのですが、実戦的にはまだ大変です。

やはり平手は簡単に片方が有利にはならないようです。

位に反発する△7四歩が参考になった1局でした。

先手での右玉はもったいない

上図は、角換わりからの進展で△5二金と上がった局面。ソフトの評価値+71で互角。

△6五歩と△5二金の組み合わせで、やや後手は受け身でじっくりした指し方の展開に対して先手がどのような駒組をするかという局面です。

対局時は、普通に4筋から仕掛ける展開もありますが、後手も徹底的に受けに回る形で攻め切るのは大変と思い、あまり指さない右玉に組んでみました。

本譜は、▲5八玉△4四歩▲5六歩△3一玉▲4九玉△2二玉▲3八玉△4二金右で、ソフトの評価値-31で互角。

この手順は、先手は右玉にしてゆっくりとした展開にしましたが、後手も△4二金右としっかり囲ってこれからの将棋です。

ただし、評価値は互角とはいえ、先手のマイナス評価になっているのが気になります。

評価値が下がったのは、先手なのに右玉に組んだことで、普通に指したら先手から仕掛けることができたのをなくしたのが大きいみたいです。

これが後手番だったら右玉はあったのかもしれませんが、先手番なので右玉で指すのはもったいないということだと思います。

将棋はまだこれからで勝敗には全く影響はないレベルですが、作戦的にはいまひとつだったということみたいです。

▲5八玉では▲7九玉がありました。

▲7九玉△4四歩▲5六銀△3一玉▲8八玉△4二金右▲2五歩で、ソフトの評価値+122で互角。

この手順は、先手は腰掛銀にして▲8八玉から▲2五歩と自然に駒組を進める展開です。

後手は、受け身でカウンター狙いのような指し方で、部分的な形では△7四歩から△6四角から△7三桂と組むのが理想形の一つですが、その場合は先手も▲4一角と打たせない駒組みをするようになります。

後手が△6四角を打たない展開であれば、後手玉の整備で手待ちを繰り返すことになりそうです。

先手はどこかで▲4五歩と仕掛けることになりそうですが、そちらの指し方の方が右玉より勝ちやすいということみたいです。

先手での右玉はもったいないと分かった1局でした。

銀を打って詰めろをかける

上図は、横歩取り青野流からの進展で先手が▲4六桂と打った局面。ソフトの評価値+678で先手有利。

対局中は、先手の駒が少し足らないかと思っており先手有利とは思っていませんでした。

▲4六桂の王手に実戦は△4五玉だったのですが、△4三玉を気にしていました。

△4三玉の局面は、後手玉に即詰みはありませんが、先手玉も詰めろになっていないので、先手は力をためた手が間に合います。

△4三玉▲3一銀で、ソフトの評価値+770で先手有利。

先手は金と銀がたくさんあれば、▲3四銀△同桂▲3二銀△同玉▲3三銀のような筋はありますが、金と銀しかありませんが、▲3一銀と▲4二角成の詰めろをかけます。

▲3一銀以下△3二金▲4二銀成△同金▲5五桂で、ソフトの評価値+864で先手優勢。

▲4二銀成としてから▲5五桂が急所の1手です。

▲5五桂以下、△5二玉▲4二角成△同玉▲4三金。

手順の▲4二角成に△6一玉は、▲5三馬で後手玉は受けなしで以下、△6七角成▲同銀△6九銀▲同玉△6七飛成▲6八金で先手玉は詰みません。

▲4三金以下後手玉が詰みそうですが、7六に角がいるので要注意です。

▲4三金以下△同角▲同桂成△同玉▲6六歩で、ソフトの評価値+1151で先手優勢。

手順の▲4三金以下清算して▲6六歩と飛車を取ります。

後手玉ばかりに目を向けていると、▲6六歩と自陣に手を戻すのはうっかりしやすいです。

先手が勝ち切るまではまだ大変ですが、先手優勢です。

▲3一銀と打って詰めろをかけるのが参考になった1局でした。

9筋突き捨てて△9三桂

上図は先後逆で、後手が横歩取り△8四飛戦法からの進展で、先手が▲7五歩と突いた局面。ソフトの評価値+22で互角。

先手は▲7五歩と位を取って、飛車を7筋か8筋に回る展開を見ています。

ここからの後手の指し方が、あまり良くなかったようです。

本譜は以下、△2四飛▲2八銀△2三銀▲8六飛△8二銀で、ソフトの評価値+237で互角。

後手は△2四飛と回ったときに▲2八銀と受けました。

▲2八銀では先手は持ち駒に歩が3枚あるので、▲2七歩もありました。

▲8六飛に △8二銀では△8三歩と打つのが自然ですが、持ち駒に歩が1枚しかなくなるのでやめました。

ただし、この場合は中央が薄くなるので、△8三歩の方が良かったようです。

最初に戻って、△2四飛では△6二銀の方が良かったようです。

△6二銀▲7六飛△9五歩▲同歩△8七歩▲9七角△9三桂で、ソフトの評価値-17で互角。

△6二銀が中央を手厚くする自然な1手でした。

先手は7筋の位の確保で▲7六飛としますが、△8七歩と打って△9五歩の突き捨てから△9三桂が少しうるさい攻めです。

後手の飛車が直通なのと、先手の3八の金が逃げ道を塞いでいるので、先手は少しいやな形です。

△9三桂に▲3六歩なら、△8五桂▲8六飛△9六歩で、ソフトの評価値-1006で後手優勢。

手順の▲8六飛に△9七桂成なら▲8四飛ですが、△9六歩が厳しいです。

△9六歩に▲同飛なら△7七桂成で、ソフトの評価値-2174で後手勝勢。

△9三桂に▲8六角なら、△8五桂▲6八銀△7七桂成▲同銀△2三銀で、ソフトの評価値+44で互角。

まだ互角ですが、後手から攻めている形なので面白そうな展開です。

9筋突き捨てて△9三桂が参考になった1局でした。

自玉が詰めろかどうか

上図は、横歩取り青野流からの終盤戦で後手が△3三同玉とと金を取った局面。ソフトの評価値+926で先手優勢。

対局時は、先手優勢などと思ってなく、後手玉は詰まなさそうで先手玉は詰んでもおかしくないので先手が悪いのかと思っていました。

ほんとは終盤戦の詰む詰まないはきちっと考えて指すのが一番いいのですが、持ち時間がない状態で指すのがほとんどなので、直感に頼る感じです。

まず後手玉を攻める前に、先手玉が詰めろかどうかが気になります。

仮に先手が▲8二歩だと、△6七飛成▲同銀△同角成▲同玉△5五桂。

△6七飛成~△同角成~5五桂が分かりやすそうです。

なお△6七同角成で△6六桂もありそうですが、▲6九玉で詰まないようです。

△5五桂に▲5八玉なら、△6七金▲5九玉△4七桂不成▲4八玉△3七歩成▲同玉△3六歩以下詰み。

△5五桂に▲7八玉なら、△6七金▲8九玉△8六飛。

△8六飛以下▲8八金△7八銀▲同銀△同金▲同玉△6七銀▲7九玉△6八金打▲8九玉△7八銀成▲9八玉△8八飛成まで。

△8六飛では△7八銀以下でも詰んでいるようです。

△7八銀▲同銀△同金▲同玉△6七銀▲8八玉△7八飛以下詰み。

実戦ではここまでは読み切れませんでした。

よって最初の△3三同玉には、後手玉に王手をするか先手玉の詰めろを消す手を指すかという感じです。

自玉が詰めろかどうかが分かった1局でした。