上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△6九角と打った変化手順で、ソフトの評価値-1060で後手優勢。
実戦は△6九角で△6七角だったので少しもつれました。
△6九角がソフトの推奨手で、攻めが継続できると見ているようです。
△6九角に▲9一龍や▲5八桂などの手はありますが、今回は▲6八飛以下の展開を調べます。
▲6八飛は自陣飛車ですが、どちらかの角を取って粘りに出る手です。
後手の攻め駒も角2枚と銀の3枚の攻めなのでやや細いです。
そのため大駒が1枚なくなると攻めの継続の仕方が気になります。
△6九角以下▲6八飛△4七角成▲6六飛△5七馬で、ソフトの評価値-1425で後手優勢。
この手順は△4七角成として角と金を交換する手です。
この手は比較的分かりやすく▲6六飛に△5七馬が継続手です。
先手玉は2枚の金駒に飛車がいる形に対して、後手は馬と持ち駒に金と銀がある形でぱっと見で攻めもぎりぎりかにも見えます。
△5七馬以下▲6九飛△3五歩で、ソフトの評価値-1853で後手優勢。
この手順は▲6九飛と逃げた手に次の△3五歩が急所の1手です。
この△3五歩では△6八銀も目につきますが、▲同飛△同馬の瞬間が少し甘いです。
また△3五歩では△5八銀も目につきますが、▲8七龍と自陣に引かれて粘られた時に攻めが継続できるかやや不安です。
馬と金駒2枚の攻めなのでどうしても張り付くような手になり、攻め切るか受け切るかというような展開になりがちで、後手も手を緩めるわけにはいかなくなります。
▲6九飛とした局面は後手玉は4枚穴熊でしっかり囲っているので、あわてて攻めるような形ではありません。
ゆっくり攻め駒を増やして確実に攻める手を繋げていく方が安心です。
この局面の△3五歩は歩を使った攻めで、これで攻めの戦力が増えます。
先手の桂頭は狙われやすい形で、やはりここが急所のようです。
△3五歩に▲同歩なら△3六歩▲2五桂△4六馬が理想的な展開です。
さすがにこの展開は先手玉がもたないので、△3五歩に別の受けを考えます。
△3五歩以下▲8七龍△5六馬▲5九飛△4六馬▲4七銀△6八馬▲7三角△4八銀▲5八飛△同馬▲同銀△4九銀成▲同銀△3六歩で、ソフトの評価値-2290で後手勝勢。
この手順は▲8七龍と自陣に龍を引いて粘りに出た手です。
後手は△5六馬~△4六馬と歩を補充しながら戦力を増やして手を繋げます。
先手は▲5九飛~▲4七銀と後手の攻めの中心である馬にアタックして受け切りを狙います。
また▲7三角は遠くから馬を作って受ける手で、この角が馬となって受けに利いてくると少しやっかいになります。
後手は△6八馬~△4八銀がうまい手で、飛車を取る形になって△3六歩と取り込めば後手の攻めが継続できるので後手勝勢です。
玉が固いので確実に攻め駒を増やすのが参考になった1局でした。