玉が固いので確実に攻め駒を増やす

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△6九角と打った変化手順で、ソフトの評価値-1060で後手優勢。

実戦は△6九角で△6七角だったので少しもつれました。

△6九角がソフトの推奨手で、攻めが継続できると見ているようです。

△6九角に▲9一龍や▲5八桂などの手はありますが、今回は▲6八飛以下の展開を調べます。

▲6八飛は自陣飛車ですが、どちらかの角を取って粘りに出る手です。

後手の攻め駒も角2枚と銀の3枚の攻めなのでやや細いです。

そのため大駒が1枚なくなると攻めの継続の仕方が気になります。

△6九角以下▲6八飛△4七角成▲6六飛△5七馬で、ソフトの評価値-1425で後手優勢。

この手順は△4七角成として角と金を交換する手です。

この手は比較的分かりやすく▲6六飛に△5七馬が継続手です。

先手玉は2枚の金駒に飛車がいる形に対して、後手は馬と持ち駒に金と銀がある形でぱっと見で攻めもぎりぎりかにも見えます。

△5七馬以下▲6九飛△3五歩で、ソフトの評価値-1853で後手優勢。

この手順は▲6九飛と逃げた手に次の△3五歩が急所の1手です。

この△3五歩では△6八銀も目につきますが、▲同飛△同馬の瞬間が少し甘いです。

また△3五歩では△5八銀も目につきますが、▲8七龍と自陣に引かれて粘られた時に攻めが継続できるかやや不安です。

馬と金駒2枚の攻めなのでどうしても張り付くような手になり、攻め切るか受け切るかというような展開になりがちで、後手も手を緩めるわけにはいかなくなります。

▲6九飛とした局面は後手玉は4枚穴熊でしっかり囲っているので、あわてて攻めるような形ではありません。

ゆっくり攻め駒を増やして確実に攻める手を繋げていく方が安心です。

この局面の△3五歩は歩を使った攻めで、これで攻めの戦力が増えます。

先手の桂頭は狙われやすい形で、やはりここが急所のようです。

△3五歩に▲同歩なら△3六歩▲2五桂△4六馬が理想的な展開です。

さすがにこの展開は先手玉がもたないので、△3五歩に別の受けを考えます。

△3五歩以下▲8七龍△5六馬▲5九飛△4六馬▲4七銀△6八馬▲7三角△4八銀▲5八飛△同馬▲同銀△4九銀成▲同銀△3六歩で、ソフトの評価値-2290で後手勝勢。

この手順は▲8七龍と自陣に龍を引いて粘りに出た手です。

後手は△5六馬~△4六馬と歩を補充しながら戦力を増やして手を繋げます。

先手は▲5九飛~▲4七銀と後手の攻めの中心である馬にアタックして受け切りを狙います。

また▲7三角は遠くから馬を作って受ける手で、この角が馬となって受けに利いてくると少しやっかいになります。

後手は△6八馬~△4八銀がうまい手で、飛車を取る形になって△3六歩と取り込めば後手の攻めが継続できるので後手勝勢です。

玉が固いので確実に攻め駒を増やすのが参考になった1局でした。

序盤の理解不足で当てが外れる

上図は、令和元年以前の対局から、先後逆で横歩取り青野流からの進展で、先手が▲3六歩と突いた局面。ソフトの評価値+29で互角。

横歩取りの後手をもって指すのは、先手が横歩を取ったときしか指せませんのでやや実戦不足なところがありますが、特に青野流の後手を持つのは、なかなか機会がありませんでした。

横歩取り青野流の先手を持って指すのは比較的多く、同じような手でやられていたので、それを後手をもって採用しようかと思っていました。

しかし、先手と後手が逆だと、感覚が全く違っていました。

本譜は△7二銀▲3七桂で、ソフトの評価値+61で互角。

対局中は、どこかで△2六歩と垂らして先手の指し手を見て手を決めようと思っていたのですが、△7二銀に▲3七桂と跳ねてもう△2六歩は間に合わないと思いました。

▲3七桂に△2六歩と垂らしても▲4五桂で後手が危険すぎる形で、△2七歩成の手が回ってこないように思えます。

このあたりは、実際に後手のこの形で指さないと感覚がつかめていません。

私がイメージしていたのは、▲3六歩に△2六歩と垂らす手でした。ソフトの評価値+59で互角。

この形の先手で以下▲3八金と指す形が多かったのですが、先手の進行がやや不満だったので、この機会に試したかったのですが、手順前後で当てが外れました。

△2六歩と垂らすのは、先手の2九の桂馬がいるときにするべきでした。

もちろん▲3七桂で形勢は互角ですが、試したい手が出来なくなってやや不本意な進行となりました。

やはり実戦で失敗して、原因を調べてまた実戦で試してみるというのが頭に入りやすいです。

序盤の理解不足で当てが外れた1局でした。

△2七歩の垂らしの歩は意外ときつい

上図は、先後逆で横歩取り△8四飛型からの進展で▲7七桂と跳ねた局面。ソフトの評価値-86で互角。

自分は後手番だと横歩取りが好きですが、最新のソフトの評価値では横歩取りは振り飛車と同様に早い段階で少し評価値が互角の範囲でも不利になりやすいです。

しかし、自分が使っているソフトは少し古いタイプなので、横歩取りの後手番でもそれほど評価値に差が出ないようです。

横歩取りは見慣れない局面になることが多く、相手が少しおかしな手をさせばすぐに形勢が入れ替わりやすい戦型なので、そのあたりが面白いです。

実戦は▲7三桂に△9三桂と跳ねたのですが、以下▲8六飛△8五歩▲2六飛で、ソフトの評価値+196で互角。

この手順の△9三桂は疑問手だったようで、指す手が分からなくて指しました。

部分的には▲8六飛に△8五歩を用意したのですが、この△8五歩も疑問手だったようです。

序盤で続けて2手疑問手を指せば互角の範囲でも形勢が悪くなります。

まず△8五歩と打つ手では△8六同飛がありました。

△8五歩で△8六同飛▲同歩△2七歩で、ソフトの評価値-466で後手有利。

この手順は飛車交換をしてから△2七歩と垂らす手です。

飛車交換をすれば早く敵陣に打ちたいということで相手の陣形を見るのですが、先手の陣形は金駒が低い構えなので有効な飛車の打ち込み場所がありません。

特に▲3八銀型は飛車の打ち込みに強いです。

しかし後手の2筋の歩が切れている場合は少し勝手が違うようで、△2七歩と垂らすだけで手になるようです。

対局中はこの△2七歩が見えなかったので△8五歩と打って飛車交換を避けました。

△2七歩に▲同銀なら△2八歩▲1七桂△2九歩成▲7四歩△2八と▲7三歩成△同銀▲7四歩△6二銀▲8二飛△2七と▲7三歩成△2八飛▲6九玉△8九角で、ソフトの評価値-1122で後手優勢。

この手順は、後手は持ち駒に歩が2枚あるので△2七歩に▲同銀だと△2八歩からと金を作って攻めるのが意外と早く、先手も攻め合いにきますが後手の△2七と~△2八飛~△8九角の攻め筋が厳しく後手優勢です。

後手は飛車を1段目に打つのでなく。2段目に王手で打つ筋がやや盲点です。

一般的に▲3八銀は飛車の打ち込みに強いので▲8六飛と飛車交換狙いで指してきたのですが、この場合は少し無理だったようです。

それと最初の局面の△9三桂では△9五歩がありました。ソフトの評価値-92で互角。

この手順は△9五歩と端から攻める手ですが、▲同歩なら△9八歩▲同香△8九角がありますので先手は▲9五同歩とはできません。

△9五歩以下▲7四歩△4四角▲7六飛△2七歩▲2四歩△同銀▲4六角△7四飛▲同飛△同歩▲3六歩△9六歩▲9一角成△7三桂で、ソフトの評価値-109で互角。

この手順は△9五歩に▲7四歩とする手で、後手の飛車の利きを止めるので意外とうるさい手です。

▲7四歩に△同歩なら▲2四歩の叩きがうるさいです。

また▲7四歩に△同飛は▲8三角のような狙いです。

よって△4四角と飛車取りに角を打って、先手の2筋からの攻めを消してから△2七歩の垂らしの歩を打ちます。

このあたりのお互いの指し方は結構難易度が高く。以下の指し方もこの戦型特有の指し回しのようです。

△2七歩の垂らしの歩は意外ときついのが参考になった1局でした。

玉と飛車が近い場合の攻め方

上図は、先後逆で先手が陽動振り飛車からの進展で▲6四歩と突いた局面。ソフトの評価値-1106で後手有利。

銀交換をしてお互いに銀を持ち駒にしている展開で、先手は玉と飛車が近い位置にいます。

この局面をぱっと見た時に何か手がありそうかと思うかどうかで全く違う展開になる可能性が高いのですが、対局中は何気なく平凡な手を指してチャンスを逃がしました。

実戦は△4六角▲5七銀△6四角で、ソフトの評価値-821で後手優勢。

この手順は△4六角と飛車取りに出て▲5七銀に△6四角と引き返す手で、特別いい手がなければこれは自然なのですが、ちょっともったいな指し方です。

将棋で手を繋いて形勢を有利にするというのは結構大変なのですが、相手の陣形に隙があってちょっといい手を指せば優勢になるチャンスがあれば何とかものにしたいです。

相手の陣形の玉と飛車の位置をみたときに、持ち駒に桂馬あれば王手飛車で△5六桂と打つことができます。

それが考える第一歩で、持ち駒に桂馬がなければ桂馬を取る筋はないかと考えます。

盤面をよく見ると桂馬を取る筋がありました。

△4六角では△7七角成がありました。

△7七角成▲同金△5六桂▲3九玉△6八桂成▲3六角△5四歩で、ソフトの評価値-1363で後手優勢。

この手順は△7七角成とすれば桂馬が取れますので、桂馬は質駒と分かればそんなに難しくはありません。

▲同金に△5六桂と打てば王手飛車取りなのでこれで後手必勝と言っていいくらいです。

▲3九玉に△6八桂成とすれば飛桂と角の交換で後手駒得でいいのですが、そこからの指し方も大事です。

▲3六角は後手の7二の金を狙った手で、受け方がまずいとちょっと差がつまりやすくなるのですが。そこで△5四歩がありました。

△5四歩は大駒は近づけて受けよの手ですが、▲同角なら△5九飛が王手角取りです。

こういうところの何気ない受け方も結構大事で、△5四歩が見えないと受け方の正解が分かりにくいです。

△5四歩以下▲2八玉△6四飛▲6六角△4四銀で、ソフトの評価値-1408で後手優勢。

この手順は▲2八玉と早逃げして次に▲5四角を狙ったのですが△6四飛がぴったりです。

以下▲6六角に△4四銀ち自陣に銀を打って盤石な態勢になります。

今回の内容は王手飛車だったのですが、玉と飛車が接近しているときは何か手がないかを見た方がいいようです。

玉と飛車が接近しているとどうしても技がかかりやすくなり、指しこなすのは大変です。

やはり飛車を守りで使う場合は、遠くから利かす方がしっかりしているようです。

玉と飛車が近い場合の攻め方が参考になった1局でした。

角を大きく使って角交換を目指す

上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲7五角とした局面。ソフトの評価値-288で互角。

6四の角が▲7五角と引いた展開で5七の地点を補強してきました。

先手の駒で一番気になるのが3六の銀で、この銀が働けば先手良しで逆に銀が遊んだまま戦いが起きると後手良しという感じです。

後手としては3六の銀が働かないうちに戦いを起こしたいです。

実戦は△8五飛▲5七角で、ソフトの評価値-281で互角。

この手順の△8五飛は角取りで一番分かりやすい手ですが、▲5七角と引いた後に手がないとあまり意味がなさそうです。

対局中も指し方がやや単調だとは思っていましたが、手の組み合わせを考えると早指しではなかなか難しいようです。

ぼんやりした局面からどのように手を作っていくかというのが、その人の棋風やセンスみたいなところがあります。

△8五飛では△1五角がありました。

△1五角▲3八金△3五歩▲2七銀△3一玉で、ソフトの評価値-316で後手有利。

この手順の△1五角は△3七角成が狙いですので▲3八金は普通の受けです。

この1五の角が逆に追われるようになればまずいのですが、そこで△3五歩が継続手です。

先手の桂頭を狙う手で▲3五同銀なら△3六歩がありますので、先手は▲2七銀と引きます。

▲2七銀と引く形になれば銀を攻めに使うのは難しくなったので、この手のやりとりは後手が得をしたようです。

▲2七銀に△3一玉と引いたのが間合いを図った手で、後手は無理に攻めるのでなく玉の整備をします。

自分にとってこのような指し方が難しく、△3一玉ではつい△3六銀と打ちたくなるのですが▲2六銀と上がられると先手の銀が働いてきます。

このような展開になるとかえって後手が忙しくなるので攻め急ぎは禁物です。

△3一玉以下▲5八玉△4二角▲2九飛△5四歩▲4二角成△同金右で、ソフトの評価値-353で後手有利。

この手順も興味深いのですが、先手の▲5八玉~▲2九飛は自然な手で、自陣に手を入れて態勢を立て直します。

それに対して後手は玉の整備が完了しているので動きたいのですが、△4二角~△5四歩として角交換を目指すのが盲点です。

こういう大駒の交換というのはどちらにとっても怖い形です。

ただ気持ち的には先手の陣形で角を打ち込むスペースはありませんが、ここで先手の手番なのと▲6三角という手が気になります。

▲6三角△5五歩▲同歩△5六歩▲4八金△8四角▲4六銀△7四銀で、ソフトの評価値-1434で後手優勢。

この手順は▲6三角と打って▲9六角成が狙いですが、▲6三角に△7四銀と打てば▲7一銀から馬を作ってもたれるような指し方です。

自分はこのような相手の指し方が気になるのが多いのですが、ここからの後手の指し方は結構重要だと思っています。

▲6三角には△5五歩~△5六歩の垂れ歩が味がいいです。

先手は玉頭が薄いのでそこに照準を置くという感じです。

△5六歩には▲4八金△8四角▲4六銀と数の攻めには数の受けという展開ですが、そこで△7四銀とすれば先手の角が取られる形です。

こういう指し方を見ると▲6三角に後手は受けの手を考えるのでなく、攻める手を考えることで相手の持ち駒の銀を▲4六銀と打たせて最後に△7四銀というのがうまいです。

▲4六銀と打たせれば▲7一銀と打つことはできません。

角を大きく使って角交換を目指すのが参考になった1局でした。

歩を使って細かい攻めを繋げる

上図、角換わり腰掛銀からの進展で▲2二成香と寄った局面。ソフトの評価値+386で先手有利。

駒割りは先手の桂得で、敵陣に2枚の成り駒が攻めていますので先手が少し指せているようです。

ただし、先手の飛車と角が敵陣に成り込んでいないので攻めのスピードが遅く、局面のポイントが分かりにくいです。

実戦は△7六歩だったのですが、△2二同金なら▲同と△同飛▲2五桂で、ソフトの評価値+786で先手有利。

この手順の△2二同金は変化手順ですが、清算するのは最後の▲2五桂と跳ねるのが味がいいようです。

対極中はどうして△2二同金と取らないのかと思っていましたが、▲2五桂と盤上の桂馬を活用して▲3三桂成が厳しいので先手がいいようです。

自分は▲2五桂が見えていませんでした。

そのような意味では△2二同金は冴えなく、受けてもきりがないということで△7六歩としたと思います。

実戦は▲2二成香以下△7六歩▲3二成香△同玉に▲2五桂だったのですが、そこで▲3五歩で、ソフトの評価値+326で先手有利。

この手順は▲3二成香として金を取る形で、駒割りは金桂と香車の交換なので先手が大きく駒得しています。

実戦は△3二同玉に▲2五桂だったのですが、3三の地点は玉が守っているのであまり効果がなく、ソフトの候補手にも上がっていませんでした。

▲2五桂では▲3五歩と叩く手があり、こちらが方が厳しかったようです。

▲3五歩には△同銀と△4三銀と△同馬と△2七香が気になります。

▲3五歩に△同銀なら▲3一と△同玉▲2三飛成で、ソフトの評価値+1200で先手優勢。

この手順は△3五同銀には▲3一とでと金を捨てて飛車が成る展開で先手優勢です。

なお▲3一とで▲2二金も見えますが△4三玉で金の働きが悪く互角になります。

▲3五歩に△4三銀なら▲4四桂△同銀▲同歩△2七香▲5一銀で、ソフトの評価値+2067で先手勝勢。

この手順は△4三銀には▲4四桂と打つのが意外と厳しく△同銀▲同歩に△4二香と受けるのは▲3一金で詰みです。

よって▲4四同歩に△2七香と飛車の利きを止めますが、▲5一銀が詰めろ飛車取りで先手勝勢です。。

▲3五歩に△同馬なら▲2四歩があり△同歩なら▲3六歩△1七馬▲2四飛で、ソフトの評価値+1086で先手優勢。

この手順は△3五同馬と馬を活用されて少し嫌な形ですが▲2四歩がうまい手で、△同歩に▲3六歩が盲点で△1七馬に▲2四飛が理想的な展開です。

▲2四飛に△2三歩は▲1四飛があります。

また▲2四飛に△2三銀は▲4四桂で収拾がつきませんた。

▲3五歩に△2七香なら▲4四桂△4二玉▲1九飛△1八歩▲3四歩△1九歩成▲7三銀で、ソフトの評価値+1308で先手優勢。

この手順は△2七香と飛車の利きを止める手で、実戦的にはこれが一番嫌に見えます。

△2七香には平凡に▲4四桂と打つのがいいようで、△4二玉に▲1九飛とぎりぎり飛車を活用して△1八歩に▲3四歩と銀を取って飛車を取らせます。

△1九歩成に▲7三銀と打てば先手優勢です。

なお△2七香に▲6九飛と横に逃げるのは△3五馬で、ソフトの評価値+38で互角となりますので要注意です。

歩を使って細かい攻めを繋げるのが参考になった1局でした。

▲2二歩で形を崩す

上図は、令和元年以前の対局から、角換りの進展から後手が8四の銀を△7三銀と引いた局面。ソフトの評価値+284で互角。

先手は後手の棒銀に▲8八銀と銀交換を避けた受け方で、4五の桂馬と7七の桂馬が中央に跳ねる狙いがあります。

本譜は▲6八玉△6四銀で、ソフトの評価値+39で互角。

対局中は、この手順は自然な展開かと思っていたのですが、▲6八玉では先手に仕掛けのチャンスがあったようです。

▲6八玉では▲2二歩がありました。

▲2二歩△同金▲6五桂で、ソフトの評価値+194で互角。

このタイミングで▲2二歩は全く見えませんでした。

△2二同金としますが、そこで▲6五桂です。

後手は色々な受け方がありますが、△6四銀が普通の受け方です。

△6四銀以下、▲5三桂左成△同銀右▲同桂成△同玉▲3一角で、ソフトの評価値+1209で先手優勢。

この局面は銀と桂馬2枚の交換で、先手が少し駒損ですが▲3一角が狙いの1手でこれが受けづらい形です。

▲3一角に△5二玉なら▲2二角成がありますので、後手はひねった受け方になります。

▲3一角に△4二飛なら、▲5四銀△5二玉▲6三銀不成△5一玉▲4二角成△同玉▲8二飛で、ソフトの評価値+1405で先手優勢。

この手順は飛車を取って▲8二飛で先手優勢です。

▲3一角に△5四玉なら、▲5六銀△6四歩▲5五銀打△同銀▲同銀△同玉▲5三角成で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順はうまく行きすぎですが、後手受けなしです。

戻って▲6五桂には△6四銀でなく、△3二金で銀と桂馬の交換で辛抱するのが良かったようでが、後手としては少し指しづらいです。ソフトの評価値+261で互角。

▲2二歩で形を崩す指し方が参考になった1局でした。

原始棒銀に銀で受ける

上図は、先後逆で相掛かりから▲3六銀と出た局面。ソフトの評価値+28で互角。

以前の原始棒銀に関する投稿で、▲3六銀に対して△3三桂や△8六歩や△9四歩という指し方を調べました。

https://shogiamateur.com/?p=52798&preview=true

https://shogiamateur.com/?p=52808&preview=true

これらの受け方は桂馬を使った受けや飛車の横利きなどを使った受けですが、今回は数には数の受けを紹介します。

▲3六銀△4二銀▲2五銀△3三銀で、ソフトの評価値+24で互角。

この手順は銀の攻めには銀で受ける形で、手堅く指すならこれが自然です。

この受け方だと銀交換になりそうで、それがどちらが得をしているのかというのが気になります。

△3三銀以下▲2四歩△同歩▲同銀△同銀▲同飛△2三歩▲2八飛△6四歩▲1五歩△同歩▲1三歩△2四銀で、ソフトの評価値-204で互角。

この手順は少し長いですが、先手が▲2四歩と合わせて銀交換して1筋から動いてきた展開です。

昔の将棋の本では、攻めの銀と守りの銀を交換すると攻める方が得をしているというのを見てきました。

盤上の攻め駒の銀が捌けて持ち駒になると、どこにでも使いたいときに使えるというメリットです。

それで先手に手が広がるという意味ですが、後手の立場からすると手得をしています。

銀を交換するまでに先手は銀を3八→2七→3六→2五から2四の地点に4手動かしているのに対して、後手は銀を4二→3三で2手で2四の地点で交換しており、自分の感覚では後手が2手得している感じです。

駒を交換するということは、それまでに指した手が盤上から消えます。

銀を交換するまでに後手は先手より他の手を指せたということで、それが価値が高いということです。

特に序盤においての手得は大きいです。

そのような意味で、銀の交換と手得が相殺されてほとんど互角ということのようです。

銀交換の後に△6四歩と突いた手に。先手は▲1五歩~▲1三歩として動いてきます。

これも先手の狙い筋で、後手が受け損なうと結構うるさいです。

例えば▲1三歩に△同香なら▲1二銀△3三桂▲2三銀成△2七歩▲同飛△2六歩▲同飛△2五歩▲2二成銀△2六歩▲3二成銀で、ソフトの評価値+285で互角。

この手順は△1三同香に▲1二銀とする手で、これが銀交換した先手のメリットです。

部分的には△3三桂から歩の連打で受け切っているようでも、▲2二成銀~▲3二成銀と進むと角金と飛車の交換で先手が駒得しています。

先手は居玉で飛車を渡す形なので簡単ではありませんが、一応手になっているようです。

▲1三歩に対しては△2四銀と打って受けるのが手堅いようです。

△2四銀と打って受けるのは、持ち駒の銀をまた守りに使うということで一見冴えないようにも見えますが、実際に打たれると先手も大変です。

△2四銀に▲1二銀なら△1三桂で、ソフトの評価値-201で互角。

この手順は▲1二銀に△同香なら▲同歩成△3三角▲2一とで先手がいいですが、△1三桂とされると先手の銀が重たいです。

将棋はまだ大変ですが、後手としては満足です。

原始棒銀に銀で受けるのが参考になった1局でした。

戦いの争点に飛車を移動する

上図は、先後逆で▲2七銀と上がった局面。ソフトの評価値-25で互角。

先手がやや変則的な序盤構想で、▲2七銀と上がった局面は次に▲6八飛からの陽動振り飛車もありそうです。

実戦の後手の次の手は少し甘かったようです。

実戦は△8五歩▲6八飛△5四銀で、ソフトの評価値+110で互角。

この手順の△8五歩は飛車の活用で歩を伸ばす手ですが、よくなかったようです。

居飛車対振り飛車の対抗形であれば。飛車先の歩をどんどん伸ばすのは普通の感覚です。

しかし本局は、お互いに6筋の歩が切れている状態で争点は6筋になりやすいです。

また飛車先を軽くするという意味では、後手の飛車は8筋にいるより6筋にいた方が敵陣に直通しています。

そのような意味で△8五歩はやや局面の急所をはずれたようです。

△8五歩では△6二飛がありました。

△6二飛▲6八飛△5四銀で、ソフトの評価値-24で互角。

この手順は△6二飛▲6八飛とお互いに飛車が向きあう形になってから△5四銀と腰掛銀にする展開です。

お互いに居玉なのは気になりますが、すぐにでも戦いが起きそうな形なのであまり玉を囲う展開にはなりにくいです。

△5四銀に▲5六歩△4一玉▲6五歩△3一玉▲6五歩△6三銀▲4八玉△7四歩▲3八玉△7三桂で、ソフトの評価値-9で互角。

この手順の▲5六歩はソフトの推奨手で、次に▲5五歩として5四の銀を追い返す手です。

△6三銀とさせることで先手は局面を落ち着かせて玉を囲う展開です。

先手に▲6五歩と位を取られますが、後手は△7四歩~△7三桂として将来6五の地点を争点とする戦いも見込まれるのでいい勝負のようです。

△5四銀に▲4八玉なら△6五歩▲7五銀△7七角成▲同桂△4五角で、ソフトの評価値-452で後手有利。

この手順の▲4八玉は玉を囲う手ですが、やや危険な手です。

▲4八玉はソフトの候補手にも上がっていませんのであまいいい手でない可能性が高いのですが、このような局面で後手が機敏に動けるかが大事です。

後手は△6五歩と打って形を決めるのが盲点で▲7五銀に△7七角成から角交換をします。

▲同桂に△4五角と打つのが盲点です。

△4五角では最初に△2八角が浮かんだのですが、▲1八香△1九角成▲3九玉でソフトの評価値+71で互角。

この手順の△2八角はありそうな手ですが▲1八香~▲3九玉が自然な受けであまり大したことはありません。

よって△4五角と打ったのですが、▲3八玉と受けられた後の展開が気になります。

▲3八玉△7八角成▲同飛△6六歩で、ソフトの評価値-476で後手有利。

この手順は▲3八玉に△7八角成と反対側の金駒を取ってから△6六歩と伸ばすのが急所で、次の△6七歩成が受けにくく後手有利のようです。

なお、△7八角成では先に△6六歩もありそうで▲同銀なら△7八角成▲同飛△6六飛があります。

ただし△6六歩には▲5六角と合わせる手があり、△同角▲同歩△6七角▲5五歩△同銀▲6七金△同歩成▲6三歩△同飛▲9六角で、ソフトの評価値+115で互角。

この手順は▲5六角と合わせれると意外と面倒で、角交換から△6七角と打ちますが、▲5五歩~▲6七金~▲6三歩~▲9六角の切り返しがなかなかで、簡単ではありません。

よって先に△7八角成とする方が明快なようです。

戦いの争点に飛車を移動するのが参考になった1局でした。

角と歩を使って攻めを継続する

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△6九角と打った変化手順で、ソフトの評価値-1060で後手優勢。

実戦は△6九角で△6七角だったので少しもつれました。

この局面は角銀と飛桂の交換で大きな駒の損得はないのですが、先手の守りより後手の守りの方が固く後手が攻めているので後手優勢のようです。

△6九角というのは将来△5八銀や△4七角成や△3五歩などの含みの多い手で、先手としても受け方が難しいようです。

先手は後手を上回るような攻め筋があればいいのですが、あまり歩を使う筋もなく1筋の端攻めもできないので難しいです。

よって先手は受けに回って粘る形で勝負します。

△6九角に▲5八桂なら△6七馬▲8八龍△8六歩で、ソフトの評価値-1207で後手優勢。

この手順は▲5八桂と後手の6九の角の利きを止めながら馬取りにする手です。

本来は持ち駒の桂馬は攻めに使いたいのですが、使う場所があまりなく後手からの攻めが早いので受けに回りました。

▲5八馬に△9九馬と香車を取る手もありそうですが▲8二飛と打たれると、ソフトの評価値-946で後手優勢。

この手の△9九馬は駒得になっても馬がそっぽにいき、先手は▲8二飛として2枚飛車で後手陣を攻める形になれば少しうるさいです。

▲5八桂には△6七馬として次に△5八角成を狙う方が分かりやすいようです。

先手は▲8八龍と自陣に龍を引いて粘ります。

本来、龍は敵陣に入って攻めるのが理想的ですが、自陣の龍も結構受けが強く侮れません。

自陣に馬を引いて守りを固めるというのはよくありますが、龍を引いても同様に守りは固くなります。

▲8八龍に△8六歩と垂らすのがうまい手で、▲同龍なら△5八角成があります。

また次に△8七歩成もありますので先手はさらに受ける必要があります。

△8六歩以下▲8二飛△8七歩成▲同飛成△同角成▲同龍△6八飛で、ソフトの評価値-1299で後手優勢。

この手順の△8六歩に▲8二飛と打ちましたが、この手もしぶとく攻める手でなく自陣の受けに利かす手です。

後手は△8七歩成から清算して飛車と角の交換になりましたが、歩切れなのが少し気になります。

飛車と馬と銀の3枚の攻めでうまく手を繋げることができるかという局面ですが、△6八飛が継続手です。

△6八飛というのは自分にとって少し見えにくい手で、自分の最初に見えた手は△6九飛でした。

△6八飛も△6九飛も6七の馬にひもをつける手ですが、△6八飛だと次に△5八馬の狙いがあります。

△6八飛に▲4八金引なら△3五歩▲同歩△5六馬で、ソフトの評価値-1856で後手優勢。

この手順の▲4八金引は粘りに出て後手も手を作るのが大変なようですが、3筋の歩を突き捨ててから△5六馬と歩を補充するのがうまいです。

歩切れでも△3五歩と突き捨てて3六の地点に空間をあけることで、将来△3六歩や△3六桂のような手が生じます。

慌てて攻めないでこういう歩を使った細かい攻めが攻める手を繋げるのに効果的なようです。

角と歩を使って攻めを継続するのが参考になった1局でした。