とりあえず王手をして相手の手を見る

上図は、相掛かりからの進展で▲2四飛と王手で打った手に△3四歩と中合いの歩を打った局面。ソフトの評価値-12で互角。

駒割りは桂馬と香車の交換でいい勝負のようですが、先手玉は△5七角成や△5七金があって少し危なく受けにくい形です。

そのため先手が少し悪いと思っていたのですが、互角だったのは意外でした。

実戦は▲6八香と打ったのですが△5七金▲6九玉と進んだのですが、そこで△4八銀だったらソフトの評価値-1134で後手優勢。

この手順は▲6八香と受けたのですが、△5七金▲6九玉に△4八銀がありました。

△4八銀に▲同金なら△6八金で詰みなので取れません。

受けるなら△4八銀に▲7八玉ですが、△5九銀不成▲2六飛△3七角成▲2一飛成△6八銀不成で、ソフトの評価値-1502で後手優勢。

この手順は、先手も駒を取って飛車を活用しますが後手の△5九銀不成から△6八銀不成の方が厳しく、次に△7七金▲同金△同銀成▲同玉△5九馬以下の寄せがあるので先手が苦しいです。

▲6八香では▲3四同飛がありました。ソフトの評価値-185で互角。

この手順は、自陣を受ける前に一旦▲3四飛と王手をして後手玉の指し手を確認します。

後手が銀を打って受けてくれたら先手玉はだいぶ安全になります。

▲3四飛としても生飛車なので、後手が上部に逃げると飛車が使いづらいと思って指せなかったです。

しかし▲3四飛に△5五玉ならそこで▲6九玉で、ソフトの評価値+61で互角。

▲6九玉に△6七金として△6八銀からの詰めろを狙っても、▲5八香があるので後手も指しづらいです。

△5五玉とさせたのは▲5八香のような狙いがあるみたいです。

▲3四同飛に△4四歩なら▲同飛△5五玉▲4五飛△同玉▲2三角△5五玉▲5六角成△同玉▲4七銀で、ソフトの評価値+181で互角。

この手順は、△4四歩と移動合の中合いの受けで▲4四同飛に△5五玉とすれば飛車取りになるという意味ですが、▲4五飛と捨てて▲2三角が鋭いです。

以下▲5六角成から▲4七銀として自陣が少し安全になったので、これからの将棋のようです。

とりあえず王手をして相手の手を見るのが参考になった1局でした。

終盤でじっと9筋に香車が成る

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△5三銀と6二の銀が上がった局面。ソフトの評価値+568で先手有利。

△5三銀は壁になっていた6二の銀を動かして次に△6四金や△6四銀などを含みにした手です。

駒割りは飛車と桂香の交換で先手が駒損していますが、先手は9筋を抑えて後手は歩切れなので先手有利だったようです。

ただし、対局中は後手の5九の飛車と5八の馬と8四の香車が玉の近くにいるので有利だとは思っていませんでした。

ここで先手は攻める形だと思ったのですが、ここから桂馬を渡す手順はあまりよくなかったようです。

本譜は▲9三歩成△同歩▲6三桂△同銀▲同歩成△同金で、ソフトの評価値-180で互角。

この手順は▲9三歩成を入れて△同歩に▲6三桂と打ったのですが、後手は△同銀から清算する形になりました。

この形は▲6四歩が目につきますが後手は5三の銀と6四の金が2枚守っており、また5二に飛車がいるので意外と後手玉はしっかりしています。

▲6四歩と打って清算すると後手に銀を渡す形になるので、先手玉が少し心配になります。

▲9三歩成△同歩まではよかったのですが、ここで▲同香成がありました。

▲9三歩成△同歩▲同香成で、ソフトの評価値+547で先手有利。

この手順は、9筋から動く手で最後の▲同香成が見えていませんでした。

▲同香成とすると9筋の後手からの攻めに対抗する香車がいなくなりますが、この場合は9筋に成りこむ手がよかったようです。

先手の次の狙いは▲8二銀ですが、後手の守りの金を取る形になると急に後手陣が薄く見えます。

▲9三同香成以下△6四金▲5八金△同飛成▲6八歩△6五金▲同馬△6六歩▲同馬△5九龍▲7九桂で、ソフトの評価値+642で先手有利。

この手順は△6四金は▲8二銀の攻めを重たくした手で先手からしても嫌な手ですが、▲5八金△同飛成に▲6八歩が少し見えづらいです。

一見▲6八歩では▲6八銀と手堅く指したくなりますが、△6五金▲同馬△6九銀▲8八玉△7八金で6八の銀が1枚取られる形になるので、この場合は▲6八歩がいいようです。

守りは必ずしも金駒があればいいということでなく、歩で軽く受ける形です。

以下△5九龍に▲7九桂と受けて実戦はまだ難しいですが、先手が少し指せるようです。

終盤でじっと9筋に香車が成るのが参考になった1局でした。

龍と馬の組み合わせで駒を活用する

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で5一の角が△6二角と上がった局面。ソフトの評価値+208で互角。

居飛車対振り飛車で居飛車側をもって仕掛けて龍と馬の両方が作れるというのはめったにないので、作戦的にうまくいったような気がしていたのですが、形勢は互角のようです。

居飛車は仕掛けるときが慎重になりますが、うまく仕掛けたつもりで気持ちがよくても、実戦は互角でまだまだこれからの将棋というのがよくあります。

本局もそんな感じで、穴熊で2枚の大駒が成りこんで駒の損得はなく、後手の3四の金がやや遊んでいるような感じでも互角というのが将棋の難しいところです。

実戦はここから▲3一龍△5六歩▲3五歩△4四金▲3三龍△5七歩成で、ソフトの評価値-154で互角。

この手順は、▲3一龍とやや地味な手を指して△5六歩に▲3五歩としてから後手の3三の桂馬を取って駒得になったのですが、後手も5七にと金を作ってきました。

対局中は、少し指し手が重くあまりいい手ではないような気もしましたが、やはり評価値は少し下がったようです。

桂馬を取っても先手が歩切れで、後手は5七にと金ができたのが大きいようです。

▲3一龍では▲1二龍がありました。

▲1二龍△5六歩▲2三馬で、ソフトの評価値+332で先手有利。

この手順は、▲1二龍も地味な手ですが△5六歩に▲2三馬が厳しいです。

▲2三馬に△4四金なら▲3三馬△5七歩成▲4二馬△5三銀▲6三銀△4二銀▲6二銀成△同金▲4二龍で、ソフトの評価値+609で先手有利。

この手順は、△4四金に▲3三馬と馬で桂馬を取れるのが大きく、後手は△5七歩成としますが、▲4二馬が次に▲5二馬と▲6四馬を見て厳しいです。

後手は△5三銀と馬に当てて受けますが、▲6三銀が△同銀なら▲5三馬で気持ちがいい手で先手が指せているようです。

▲2三馬に△4三銀なら▲4一馬△2二歩▲6三銀△同銀▲同馬△3五角▲1一龍で、ソフトの評価値+539で先手有利。

この手順は、△4三銀に▲4一馬と潜り込むて手があり△2二歩の受けに単純に▲6三銀と打ち込んで以下▲1一龍までで先手が指せるようです。

龍と馬の組み合わせで駒を活用するのが参考になった1局でした。

指し手に困ったら大駒を活用する

上図は、相居飛車から後手雁木の進展で△3三桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+69で互角。

この局面は、駒の損得はなく銀交換をしてお互いの持ち駒に銀がある形です。

先手は7七の金と6七の金が横に並ぶ形でどの程度固いかが少し判断しづらい局面です。

対局中は、先手が少し指しづらいかと思っていましたが互角だったのが意外でした。

実戦は、ここで指す手があまり浮かばず後手から△7五歩と位を取られるのが気になったので▲7六歩としましたが、あまりよくなかったようです。

▲7六歩△7三桂▲7四銀△7二歩で、ソフトの評価値-119で互角。

この手順は▲7六歩と受けて△7五歩と位を取られるのを受けたのですが、後手は△7三桂と跳ねると桂馬の頭を攻められる展開にならないので、後手は気持ちよく跳ねることができます。

▲7四銀はもたれる手で、△7二歩と打たせれば7筋に歩が使えないので△7二歩は指しづらいかと思っていましたが堂々と指されました。

▲7四銀と打ってもこの銀が使いづらく、その数手後に▲7三銀成△同歩と進んだのですがやや単調で、後手の攻めの桂馬と先手の持ち駒の銀を交換するのは後手が得をした感じです。

このあたりは先手はもう少し工夫すべきでした。

▲7六歩では▲3七角がありました。

▲3七角△7五歩▲4五歩で、ソフトの評価値+153で互角。

この手順は▲3七角と引いて間接的に後手の飛車を狙う手です。

後手は△7五歩と位を取って将来△7六銀の打ち込みを期待しますが、そこで▲4五歩と突いて角を活用します。

角を2六のま使わずにいるより▲3七角として活用する方がはるかにいいです。

3七には桂馬が跳ねる位置なので、角を引いて使うというのが全く浮かびませんでした。

▲4五歩以下△6四歩▲4四歩△同銀▲7六歩で、ソフトの評価値+101で互角。

この手順は、△6四歩と受けた手に▲4四歩△同銀までは自然ですが、次の▲7六歩が味わい深い手です。

▲4五歩と突いても直ぐに攻めを考えるのでなく、▲7六歩として△7六銀の打ち込みを防ぐという感覚です。

このような地味が手がなかなか対局時は見えづらいです。

▲7六歩以下△同歩▲同金直△7四歩▲9六歩で、ソフトの評価値+167で互角。

この手順は7筋が争点になるような展開ですが、これでいい勝負のようです。

指し手に困ったら大駒を活用するのが参考になった1局でした。

遊んでいる桂馬を活用する

上図は、居飛車対振り飛車からの進展で△5一角と3三の角が引いた局面。ソフトの評価値+1137で先手優勢。

対局中は、先手が1歩得して5筋の位を抑えているので少し指しやすいと思っていましたが、先手優勢まで差が開いているとは全く思っていませんでした。

実戦は▲4八角△1二香▲8七銀△8三銀▲7八金△7二金で、ソフトの評価値+681で先手有利。

この手順は、先手は動く手が見えなくて銀冠に組み替えたのに対して、後手も銀冠にする展開でまだ先手有利みたいですが優勢から有利に少し評価値が下がったのが気になります。

▲4八角では▲5四歩がありました。

▲5四歩△同銀▲5五桂△4二金▲4四角で、ソフトの評価値+1098で先手優勢。

この手順は、5筋の位を捨てる▲5四歩で△同銀に▲5五桂と桂馬を活用する手です。

▲5五桂に△同銀としても▲同銀で味がいいので後手は△4二金と辛抱しますが、そこで▲4四角と飛び出します。

次の▲1一角成が受けにくいです。

▲4四角以下△1二香▲7五歩△8三銀▲2四歩で、ソフトの評価値+1198で先手優勢。

この手順は、△1二香と上がって▲1一角成を防いだのですが、▲7五歩が継続手で△同歩なら▲7四歩があります。

よって△8三銀と辛抱しますがそこで飛車を活用する▲2四歩が味がいいです。

先手は自然な手を続けていますがこれで指せているようです。

▲2四歩に△同歩なら▲同飛△3三金▲5三角成△2四金▲5四馬で、ソフトの評価値+3006で先手勝勢。

この手順は▲2四同飛に△3三金と上がって両取りですが、▲5三角成から▲5四馬として飛車と銀桂の交換で先手が少し駒得で後手の2四の金が遊んでいるので、先手勝勢のようです。

▲2四歩に△5二金寄なら▲1一角成△4二飛▲2一馬△5五銀▲同銀△6三桂▲6四銀△4六飛▲7四歩△同銀▲5四歩△7五桂▲5三歩成△6七桂成▲同銀で、ソフトの評価値+1600で先手優勢。

この手順は、△5二金寄として辛抱した手ですが地味に▲1一角成から▲2一馬が厳しいです。

以下△5五銀と銀と桂馬を交換して△6三桂としてから△4六飛と捌いてくる展開ですが、▲6四銀から▲5四歩として先手が指せているようです。

ただし7筋に傷があるため優勢といっても油断できないような形ではあります。

それでも手の流れは、5筋に桂馬を捌いて角を活用するのが本筋のようです。

遊んでいる桂馬を活用するのが参考になった1局でした。

飛車取りには逃げる手も考える

上図は、相掛かりからの進展で△4四角と打った局面。ソフトの評価値+410で先手有利。

ここまでは▲3四飛と横歩を取った手に後手が角交換をして△3三金と上がってから▲3五飛に△4四角と打った流れです。

先手は1歩得しており後手の8五の銀が少し重たい形なので、ここまではうまくいっていると思っていました。

ただし、先手有利までは気がつきませんでした。

実戦は△4四角以下▲3七桂△3五角▲同歩△4四金で、ソフトの評価値-80で互角。

この手順は、序盤は飛車より角という格言があるので飛車は逃げることは全く考えず▲3七桂としました。

▲3七桂は後手が3三の金の形なので▲4五桂と跳ねた形が、▲3三桂成と▲5三桂成を見て気持ちがいい手だと思っていました。

ただし、実戦の飛車と角の交換からの△4四金が見えていませんでした。

△4四金は4段目に金が上がって玉の守りは弱くなりますが、上部が手厚くなって▲4五桂を防いでおり、△3六歩のような手も狙っています。

先手は角を2枚持っていますが意外と使いづらい感じです。

▲3七桂では▲2五飛がありました。

▲2五飛△2四歩▲4五飛で、ソフトの評価値+364で先手有利。

この手順は、▲2五飛と逃げて△2四歩と打たせてから▲4五飛とする手で飛車を横に使う形です。

飛車が横に逃げても使いづらいかと思って全く考えてなかったですが、この場合は有力だったようです。

▲4五飛に△7六銀なら▲7五飛△8七銀成▲8三歩△同飛▲6五角△7四歩▲同角△8四飛▲8七銀△9九角成▲6三角成で、ソフトの評価値+1444で先手優勢。

この手順は、△7六銀として銀を活用する手で自然に見えますがやや無理筋のようで、この場合は▲7五飛があり△8七銀成なら▲8三歩の叩きがあります。

後手は△8三同飛として▲6五角の両取りに△7四歩としてあやを求めますが、▲7四同角から▲8七銀と銀を取って先手が指せるようです。

以下後手も△9九角成として香車を取り返しますが▲6三角成が次に▲6二銀△同金▲7一飛成を狙って先手優勢です。

先手は飛車を横に活用して後手の銀の活用を防ぐことができたようでした。

飛車取りには逃げる手も考えるのが参考になった1局でした。

単騎の角の攻め筋

上図は、横歩取り青野流からの進展で△7四同歩と飛車を取った局面。ソフトの評価値-87で互角。

この局面は、7四の地点で飛車交換になって次に後手から△1九角成があるのでどのように受けるかという場面です。

△1九角成を受けるのは▲3七角か▲2八角か▲4六角か▲1八飛ですが、最後の▲1八飛はさすがに飛車を自陣に使うのはもったいなく指せないです。

また▲4六角も△同角▲同歩の形が4七に空間があくので指しづらいです。

よって▲3七角か▲2八角のどちらかですが、実戦は▲3七角としました。

▲3七角△同角成▲同桂△6四角で、ソフトの評価値-139で互角。

この手順は、3七の地点で角交換となり▲3七同桂とすることで後手の△4五桂を防いでいるという意味があるので指したのですが、再度△6四角と打ってきました。

この手があまり見えてなかったのですが、意外と先手の受け方が難しいようです。

△6四角に▲4八銀は△2九飛があります。

△6四角に▲3八金はありますが、△2九飛▲2八角となって先手は指す気がしません。

よって△6四角に▲3八銀としたのですが△2五桂▲同桂△1九角成で、ソフトの評価値-121で互角。

この手順は▲3八銀として受けたのですが、△2五桂のただ捨てから△1九角成が見えていませんでした。

最初は桂馬が2五に跳ねてありがたいと思っていましたが、△1九角成が次に△3七歩があるのでまた先手が受ける形になります。

実戦は△1九角成に▲4六角と受けたのですが、この手では▲4八金もあったようです。

ただし、先手は7筋が壁になっており先手玉は狭いので、この局面はすでに指しにくいような感じです。

最初の局面では△6四角に▲2八角の方がよかったようですが、これも後手に色々な手がありそうでまた別の機会に調べてみます。

単騎の角の攻め筋が参考になった1局でした。

歩を使った細かい手筋

上図は、後手雁木に先手左美濃から右四間飛車にした展開で▲4五歩は変化手順です。ソフトの評価値+245で互角。

実戦では▲4五歩で▲4九飛としたのですがうまくいきませんでした。https://shogiamateur.com/?p=28325&preview=true

▲4五歩に△同歩は▲同桂△7七角成▲5三桂不成△同金▲7七銀で、ソフトの評価値+1017で先手優勢なので、△4五同歩で△3一玉が気になります。

▲4五歩以下△3一玉▲3五歩で、ソフトの評価値+160で互角。

▲3五歩は3筋の歩が切れると将来▲3三歩の叩きがあり先手の手が広がる感じです。

先手の桂馬の前の歩を自ら突くのは最初は少し違和感がありますが、慣れてくるとこれが自然に見えてきます。

角換わり腰掛銀などの3七に桂馬が跳ねているときの▲3五歩とか、7三に桂馬が跳ねているときの△7五歩として攻め味を広げるのと同じような意味です。

▲3五歩以下△同歩▲4四歩△同銀右▲4五銀で、ソフトの評価値+295で互角。

この手順は、素直に△3五歩として以下▲4四歩から▲4五銀とぶつける展開で攻めとしてはまずまずかと思います。

▲4五歩に△7五歩なら▲4四歩△同銀右▲4五銀で、ソフトの評価値+278で互角。

この△7五歩は先手にとっても嫌な手で、▲7五同歩はありますが7六の地点に空間ができて少し味が悪い形です。

▲4五銀に△8六歩▲同歩△7六歩なら、▲4四角△同銀▲同銀でこれは後手が駒損で失敗です。

よって後手は△4五銀に受けの手で対応しないといけません。

▲4五銀に△同銀なら▲3三角成△同桂▲4五桂△同桂▲同飛△5五角▲同飛△同歩▲4四桂△同銀▲7一角で、ソフトの評価値+967で先手優勢。

この手順は、△4五同銀に▲3三角成と先手から角交換をするのが細かいところで、将来後手から△7六歩としても駒にあたりません。

以下▲4五桂と捌いて▲4五同飛に△5五角は▲4四歩と▲7五飛の両方の狙いを受けたのですが、▲同飛から▲4四桂と捨てて▲7一角と打てば先手が指せるようです。

▲4五銀に△4六歩なら、▲4四銀△同銀▲4六飛△5五銀打▲同角△同歩▲4五銀で、ソフトの評価値+507で先手有利。

この手順は△4六歩として大駒は近づけて受けよの手で、以下△5五銀打が飛車取りになるという意味です。

△5五銀打に▲4八飛はありますが△7六歩があるので▲5五同角として▲4五銀と打つ展開です。

これも先手が少し指せているようです。

歩を使った細かい手筋が参考になった1局でした。

後手の急所の金を働かせない

上図は、先手居飛車に後手三間飛車からの進展で△6九銀と銀を打った局面。ソフトの評価値+129で互角。

駒割りは銀と桂香の交換で少し先手が駒得していますが、後手も5九の馬と6九の銀と8四の香が先手玉を睨んでいるのでいい勝負のようです。

先手は9筋を抑えて後手玉が少し狭いので指せているかと思っていましたが、まだ後手玉を寄せる形のだいぶ前の段階です。

実戦は▲6六馬として遠くにいる馬を自陣に引きつけたのですが、これがあまりよくなかったようです。

▲6六馬△7八銀成▲同玉△5八金▲同金△同馬▲6八金打でソフトの評価値-145で互角でしたが、△5八金で△6四金なら、ソフトの評価値-286で互角。

この手順は、▲6六馬と自陣に引いて守りを固める手で、感覚的に馬で遊んでいたら自陣に戻って活用するのが筋かと思って指しました。

実戦は△5八金として飛車を取りにいく手も普通ですが、△6四金とされると後手は歩切れが解消して、玉の逃げ道が広くなって6四の金も攻めに使えそうです。

この展開になると逆に先手の馬が後手から攻められそうな感じもします。

そのような意味で▲6六馬では▲6五香がありました。ソフトの評価値+203で互角。

この手順は、▲6五香として6四の歩を守る手でやや先手の陣形が薄いのですが、遠くから馬で守る感覚です。

後手の7三の金を攻めに活用させない意味です。

5九の馬と6九の銀と8四の香は3枚の攻めなので、攻め切れるのは結構大変です。

▲6五香以下△7八銀成▲同玉△5八金▲同金△同馬▲9一銀△8一銀▲6八金打で、ソフトの評価値+347で先手有利。

この手順は、△7八銀成から△5八金として飛車を取りにいく手ですが、▲同金△同馬に▲9一銀と詰めろをかけるのがうっかりしやすいです。

△8一銀として▲8二金を受けたのですが、ここで▲6八金打と埋めて自陣を固めて次の狙いは▲6三香です。。

これらの手順は実戦と部分的に似ていますが、後手の7三の金を働かせないのと同時に先手は6筋から手を作れるのも大きいです。

実戦はまだ難しいですが、こちらの方がよかったみたいです。

後手の急所の金を働かせないのが参考になった1局でした。

歩を使って戦線拡大する

上図は、角換わりからの進展で△2八銀と打った局面。ソフトの評価値+120で互角。

駒割りは、角桂と銀銀の交換でいい勝負です。

△2八銀が飛車取りなので飛車がどこに逃げるかという局面ですが、2九の桂馬や1九の香車が取られたら先手が駒損になりますので、ここが勝負所みたいです。

本譜は△2八銀以下▲6七飛△2九銀成▲5四歩△1九成銀で、ソフトの評価値-150で互角。

この手順は、▲6七飛として6筋から飛車を活用する狙いだったのですが、△2九銀成が将来△5四桂と打たれるのが気になって▲5四歩としました。

以下△1九成銀と進むと角と銀銀香の交換で先手の駒損が大きいです。

後手は桂馬や香車の駒を持つと手が広く、先手があまりうまくいっていない感じです。

▲6七飛では▲2七飛がありました。

▲2七飛△1九銀成▲3五歩で、ソフトの評価値+115で互角。

▲2七飛には後手は△1九銀成としますが、そこで▲3五歩が筋みたいです。

▲3五歩は一見ぬるいような感じもしますが、後から効果が出そうな手です。

▲3五歩に△同歩なら▲3四歩△2五桂▲4五歩で、ソフトの評価値+331で先手有利。

この手順は、△3五同歩には▲3四歩があり△2五桂に▲同飛なら△2四香で飛車が死にますが、▲4五歩とすれば△同銀に▲2五飛で今度は飛車が死にません。

▲3五歩に△同銀なら▲6五歩△同歩▲5五金で、ソフトの評価値+257で互角。

この手順は、△3五同銀とすると桂馬の周辺は固くなりますが、後手の5筋が弱くなります。

そこで▲6五歩と合わせて▲5五金と活用していい勝負のようで、次に▲6四歩のような狙いです。

後手も右玉でそんなに守りが固くないです。

▲3五歩に△6五香なら▲同金△同歩▲3四歩△2九成銀▲6四歩△同銀▲5四香で、ソフトの評価値+223で互角。

この手順は、後手は▲3五歩と相手にせず△6五香としたのですが、以下▲同金から▲6四歩から▲5四香が鋭いです。

▲5四香に△6三金なら▲5一角のような狙いです。

先手玉も薄いのであまり駒は渡せませんが、飛車は受けに使って耐えるという感じです。

歩を使って戦線拡大するのが参考になった1局でした。