2筋の逆用に▲2三歩の2

上図は、角換りの実戦からの変化手順で、後手が△2一飛から△2四歩と2筋を逆用してきたのに対して、先手が▲2三歩とした局面。ソフトの評価値+427で先手有利。

先手が2筋の歩を交換したのに対して、後手が2筋を逆用するのはたまに出る筋で、その手に対して先手もおとなしく指すのもありますが、ここで先手は▲2三歩とします。

▲2三歩に対して△同金と取る手もあります。https://shogiamateur.com/wp-admin/post.php?post=8329&action=edit

▲2三歩に対して△同飛なら、▲4一角△2一角で、ソフトの評価値+531で先手有利。

▲4一角に△2二飛なら▲3二角成△同飛▲2四飛で、ソフトの評価値+711で先手有利。

▲4一角に△2一角と受けるのが、この形でよく出る手で、ここで▲3二角成△同角▲3一金△2一角打で、ソフトの評価値+510で先手有利という展開もあります。

別の手として△2一角に▲1五歩△同歩▲同香で、ソフトの評価値+722で先手有利。

このタイミングで1筋から手をつけるのは全く見えていません。

△1五同香なら、▲6三角成△同金▲1四銀△2二飛▲1三銀成で、ソフトの評価値+1445で先手優勢。

さすがに飛車を渡す手順は後手苦しそうです。

▲1五同香に△1四歩▲同香△1三歩なら、▲7五歩△同歩▲7四歩で、ソフトの評価値+1213で先手優勢。

細い攻めなのでうまく攻めないと切れる可能性もありますが、先手優勢です。

これらを見ると後手も2筋を逆用するのは、リスクの高い手のように思えます。

2筋の逆用に▲2三歩が参考になった1局でした。

2筋の逆用に▲2三歩の1

上図は、角換りから後手が3三の銀が△4四銀と出た局面。ソフトの評価値+15で互角。

右玉で△4四銀はよく出る手ですが、△5三銀や△5五銀や△3三桂などを狙って含みの多い手です。

本譜は▲6七銀△3三桂▲5六歩で、ソフトの評価値-31で互角。

▲6七銀は△5五銀とぶつけられるのを事前に避けた手で、駒を繰り替えて▲5六歩としましたが、▲6七銀では▲2四歩と歩の交換を狙う手があったようです。

▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2九飛△3三桂で、ソフトの評価値+145で互角。

先手は2筋を交換して▲2九飛と1歩を持ち駒にします。

後手は△4四銀と出たので、△3三桂とします。

△3三桂の狙いは、△2一飛から△2四歩と2筋を逆用する筋です。

△3三桂▲6七銀△2一飛▲5六歩△2四歩▲2三歩で、ソフトの評価値+427で先手有利。

△3三桂に対して▲6七銀~▲5六歩とじっくり指すのが、なかなか浮かびません。

後手が2筋から逆用しようとしているので、対策がないと指せません。

△2四歩に▲2三歩が狙いの1手です。

▲2三歩に△同金と△同飛がありますが、今回は△同金の場合です。

▲2三歩に△同金なら、▲3二角△2二飛▲4一角成△5三角▲7五歩△5二銀▲2三馬△同飛▲7四歩で、ソフトの評価値+1030で先手優勢。

手順の▲3二角△2二飛に▲4一角成がうっかりしやすい手で、ここで▲4三角成は△5三金で、ソフトの評価値-50で互角。

△5三金で馬が死んでしまうので、互角とはいえ先手少し大変です。

手順の▲4一角成に△5三角が▲3一馬を防いで次に△5二銀を狙った手です。

手順の▲7五歩△同歩なら、▲1五歩△同歩▲同香△同香▲7四歩で、ソフトの評価値+817で先手優勢。

7筋の桂馬の頭を狙うのが急所のようです。

変化はたくさんあり実戦的にまだ大変ですが、先手の手がいいところにいっています。

2筋の逆用に▲2三歩が参考になった1局でした。

棒銀で出た銀を更に前に使う

上図は、後手雁木からの進展で先手が▲2六銀に△4五歩と突いた局面。ソフトの評価値+158で互角。

角交換の形になると▲2六銀が使いづらいと思い、▲3七銀と組み替えました。

▲3七銀△9四歩▲4六歩で、ソフトの評価値+119で互角。

▲3七銀は角交換して▲2六銀の働きの悪い銀より4筋の歩を交換して、中央に使った方がいいかと思いました。

この指し方もそこまで悪くはなかったですが、せっかく▲2六銀と4段目まで銀を出たのなら、棒銀で活用する手もあったようです。

▲3七銀で▲2四歩△同歩▲1五銀で、ソフトの評価値+205で互角。

▲2四歩から▲1五銀のような指し方があるとは全く浮かびませんでした。

▲1五銀に△7七角成なら、▲同銀△6五桂▲6六銀△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8一飛▲2四銀△2二歩▲2三歩で、ソフトの評価値+472で先手有利。

後手の受け方がやや普通だったせいもあり、先手有利になりましたがありそうな展開です。

▲1五銀に△7七角成▲同銀△5五角なら、▲3七角△同角成▲同桂△5五角▲5九角で、ソフトの評価値+409で先手有利。

▲5九角は打ちづらい手ですが、たまに出る筋です。

▲1五銀には△2五歩▲同飛△2二歩という指し方もあるようですが、これは全く浮かびません。

棒銀で出た銀を更に前に使うのが参考になった1局でした。

△9八金からの実戦詰将棋の2

上図は、相居飛車の終盤戦で後手が△9八金と打って▲同玉とした局面。ソフトの評価値+99963で後手勝勢。

後手玉は受けなしなので、先手玉を詰ますしかありません。

▲9八同玉以下、△9六香▲9七歩△同香成▲同桂△同香成▲同玉△9三香▲8八玉△9七角▲7七玉△8六銀。

手順の△9六香に▲8八玉と逃げるのは、△9八香成▲7九玉△8九成香▲6九玉△5七桂▲同銀△5九飛▲同玉△5七龍▲5八金△4八銀▲6九玉△7七桂▲同金△6八銀以下詰み。

この手順は△5七桂から少し難しいですが、並べ詰みです。

手順の△9三香に先手は歩がないので▲9六香と合い駒をするのは、△同香▲同玉△9五歩▲同玉△9四歩▲8五玉△8二香▲8四桂△同香▲同玉△7三銀以下詰み。

玉を上部に出すのは詰ましにくくなりますが、駒がたくさんあるので詰みです。

図の△8六銀がいい手です。

△8六銀以下、▲同歩△同角成▲8八玉△8七香。

△8七香と頭から打つのが分かりやすいです。

この手では△9七香成▲7九玉△8七桂▲同金△7八香▲同銀△6八馬▲同玉△5六桂以下の詰みもありますが、ちょっと難しい詰め方です。

△8七香以下▲同金△同馬▲同玉△6七龍▲同銀△9七飛▲7八玉△7七銀▲6九玉△6八金まで。

後手玉は受けなしだったので、詰ますしかない形だったのですが、 結構手順も長く変化手順もあるので、難しい詰みだったと思います。

実戦詰将棋が参考になった1局でした。https://shogiamateur.com/?p=8272&preview=true

雁木に▲4六銀から仕掛ける

上図は、後手雁木模様の序盤で、後手が△7三桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+140で互角。

先手は▲3七銀と出ているので、どこかで▲4六銀とか▲2六銀と出る形ですが、どのタイミングで出るのか少し迷いました。

本譜は以下、▲5八金△4三銀▲1六歩△6四歩▲2六銀△4五歩で、ソフトの評価値+84で互角。

▲5八金とためて、端歩を突いてから▲2六銀と出るのは少しスピード感に欠けますが、互角だったようです。

早めに仕掛ける形なら、▲5八金で▲4六銀がありました。

▲4六銀△4三銀▲3五歩で、ソフトの評価値+139で互角。

▲4六銀と歩超し銀にしてから▲3五歩と仕掛けます。

▲4六銀では▲3五歩△同歩▲4六銀△3六歩▲2六飛のような筋もありますが、▲3五歩には△同歩より△4三銀が多い感じです。

▲4六銀から▲3五歩も普通の仕掛けです。

▲3五歩に△同歩は▲同銀で、ソフトの評価値+424で先手有利。

▲3五歩には△4五歩の反発がいやな筋です。

△4五歩▲同銀△7七角成▲同銀△6五桂で、ソフトの評価値+426で先手有利。

後手は△4五歩と突き違いの形にして、▲4五銀と少し形をくずします。

以下△6五桂が狙いの1手ですが、▲6六銀でソフトの評価値+525で先手有利。

▲6六銀に△5七桂不成は▲同銀△5五角▲4六角があります。

▲6六銀には△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8五飛▲3四銀で、ソフトの評価値+425で先手有利。

後手の動きが無理っぽいので先手が圧倒的にいいかと思いましたが、そこまではなく8筋交換して△8五飛とされると、油断できません。

▲3四銀と出て先手有利も実戦的には大変です。

雁木に▲4六銀から仕掛けるのが参考になった1局でした。

△9八金からの実戦詰将棋の1

上図は、相居飛車の終盤戦で後手が△9八金と打った局面。ソフトの評価値+99966で後手勝勢。

後手玉は受けなしなので先手玉を詰ますしかないですが、△9八金と打たれました。

実戦では多分詰まされたなという感覚ですが、秒読みでは具体的な手までは読めません。

実戦では▲9八同玉△9六香以下詰まされたのですが、▲9八玉で▲7九玉だったらどうだったかが気になっていました。

▲7九玉△8九金▲同玉△9八銀。

後手の9筋の香車を活かすには、先手玉を9筋におびき寄せることが必要なので、△8九金から△9八銀とします。

△9八銀に▲8八玉なら、△9九角▲9八玉△9六香▲8九玉△9八香成▲7九玉△8九飛まで。

△9八銀に▲同玉△9六香▲8八玉△9八飛。

△9八銀と捨てて△9六香から△9八飛と迫ります。

△9八飛が見えにくく、ここで△9七香成や△9八香成では難しいながらも詰まないようです。

△9八飛に▲7七玉なら、△7八飛成▲同玉△6六桂▲同銀△8六桂▲同歩△8七角▲7九玉△7八金まで。

手順の△6六桂に▲7九玉も△7八金から清算して△6六桂の筋で詰み。

△9八飛に▲7九玉なら、△7八飛成▲同銀△9七角の筋で、▲8八桂△同角成▲同玉△9七香成▲7九玉△8八金▲6九玉△7八金▲同玉△6六桂以下詰み。

手順の△9七角に▲6九玉なら、△5八金▲同玉△6六桂以下詰み。

この筋は後手の△1七龍と△4六歩がよく効いています。

変化が多いので、すべては書ききれませんが、△9八金や△9八銀や△9八飛や△6六桂や△5八金など、厳しい手がたくさんあります。

秒読みですべての変化は読み切れませんが、感覚的に詰むか詰まないかの判断で指し手を決めるので、そのあたりの直感は大事かと思います。

実戦詰将棋が参考になった1局でした。

雁木の理想形の前に仕掛ける

上図は、後手雁木模様の序盤で後手が△5四歩と突いた局面。ソフトの評価値+95で互角。

先手はここからどのような駒組みで進めるかが大きな分岐点ですが、▲4六歩から▲4七銀の組み合わせで進めました。

ここから20手くらい進んで後手が△7二飛で、ソフトの評価値-79で互角。

先手は▲4六歩~▲4七銀~▲5六銀と腰掛銀にして右四間飛車にしました。

それに対して後手は雁木に組んで、金銀4枚を玉の回りに配置した形です。

まだ駒がぶつかっておらずこの局面がソフトでは互角になっていますが、先手が後手陣を攻めつぶすのは見た目以上に大変です。

先手は飛車と銀と桂馬の3枚と、どこかで角道を開けて戦う感じですが、後手も雁木で金銀4枚と角で守っているのが受けに反発力があります。

△4三銀と△5三銀と△5二金の組み合わせでの雁木で守るのが、結構いい形の印象です。

ソフトは▲4六歩では▲3七銀の方を推奨しています。ソフトの評価値+95で互角。

先手は持久戦模様に進めるより、▲3七銀と出てどちらかというと急戦志向で進める指し方です。

▲3七銀に△6二銀なら、▲4六銀△5三銀▲3五歩でソフトの評価値+39で互角。

▲4六銀では、▲3五歩△同歩▲4六銀の筋や、▲2六銀もあり先手や後手の形によって色々な形での攻め方があるみたいです。

急戦志向で仕掛けるのは、後手にいい形で受ける前に手を作るという感じです。

急戦志向で指せば必ず良くなるということは平手の将棋なので簡単ではないですが、持久戦模様に組むよりいいみたいです。

雁木の理想形の前に仕掛けるのが大事と分かった1局でした。

中段玉にしないようにする

上図は、相居飛車の終盤戦で先手が▲3二銀と打った手に後手が3一の玉が△4二玉とした局面。ソフトの評価値+2233で先手勝勢。

対局時は先手勝勢など思ってなく、どのように寄せればいいか迷っていました。

先手玉は詰めろではありませんが、後手から△3六歩と飛車を取られると少し危ないです。

本譜は以下、▲5三桂成△同玉▲5六飛△5五歩▲同飛△5四銀▲6五桂で、ソフトの評価値+1367で先手優勢。

先手は▲5三桂成から5筋に飛車を回って▲6五桂から迫りました。

先手勝勢から先手優勢に少し評価が下がっていますが、ひどい手を指したというレベルではなさそうです。

この指し方は玉を3段目まで上げる寄せ方ですが、中段玉は寄せにくいです。

本譜は以下、△4四玉▲4五銀△同銀▲同飛で、ソフトの評価値-1500で後手優勢。

▲4五同飛が悪く、▲5三飛成だったのですが、それでも△3四玉▲4三龍△2五玉▲4五龍△3六銀となったときに寄せきるかどうかになります。

△3六銀には▲3五龍△同玉▲4六銀以下詰みなのですが、実戦ではまず読み切れない変化です。

いずれにしろ後手玉を中段玉にしたのが局面を複雑にしたという感じです。

▲5三桂成ではなると、▲2三銀成がありました。

▲2三銀成△3六歩▲6二銀で、ソフトの評価値+1807で先手優勢。

▲2三銀成は全く見えていませんでした。

△3六歩と飛車をとりますが、そこで▲6二銀と詰めろをかけます。

この形は部分的に後手受けなしです。

▲6二銀以下、△5八飛▲7八歩△9六桂▲同香で、ソフトの評価値+2500で先手勝勢。

△9六桂ははっとする手で、▲同金だと△8七歩▲同玉△7六銀以下詰みですが、▲同香で詰みません。

後手玉は受けに回っても1手1手なので、本譜よりはるかに良かったです。

中段玉にしないようにするのが参考になった1局でした。

詰まない玉を詰ましにいく

上図は、横歩取りの将棋の終盤戦で先手が▲6一角と王手で打った手に後手の5二の玉が△4一玉と逃げた局面。ソフトの評価値+1056で先手優勢。

対局中は、終盤戦で手番を握って後手玉がうまくいけば詰むかどうかという感じなので、形勢はいいと思っていましたが、詰ましにいくか、詰めろをかけるか迷うところです。

本譜は以下、▲5三桂打△同銀▲同桂不成△同馬▲5二銀で、ソフトの評価値-923で後手優勢。

秒読みでもあり、直感で詰むと思ったので王手をかけていきました。

▲5二銀以下、△同馬▲同角成△同玉▲5五香△4二玉▲5三角△4一玉▲6一飛△5一歩で、後手玉が詰まず先手玉は△6九角以下の詰めろなので、先手負けです。

▲5三桂打からの王手に後手が対応を間違えれば、部分的に詰む変化はあるのですが、正確に応じられると詰みません。

どうもこのような終盤戦で、詰むか詰まないかを考えているうちに部分的に詰んだ変化が見えると、他の変化を確認せずに詰ましにいくのが悪い癖のようです。

詰ましにいって詰めばいいのですが、詰まない変化の手順を指されることが多いです。

▲5三桂打では▲6二金がありました。

▲6二金△6八飛▲8七玉△6七飛成▲7七銀で、ソフトの評価値+1309で先手優勢。

▲6二金は▲5二角成以下の詰めろですが、後手は△6八飛から王手をします。

△6七飛成の王手に色々な手がありますが、▲7七銀で受かっているようです。

▲7七銀に△8六歩なら、▲9六玉△7四馬▲8五香△同馬▲同玉△8四香▲同玉△6四龍▲8五玉で、ソフトの評価値+6817で先手勝勢。

▲7七銀に△4二金なら、▲3三桂成△同金▲5二銀△3二玉▲4三銀成△同金▲2四桂△2三玉▲3四銀打以下詰み。

この変化の▲5二銀~▲4三銀成~▲2四桂が見えるかは少しあやしいです。

やはり終盤は手が広いので難しいです。

詰まない玉を詰ましにいって詰まないのが参考になった1局でした。

大駒を活用する

上図は、角換りで後手右玉からの進展で、後手が△5二金と桂馬を取った局面。ソフトの評価値+329で先手有利。

対局中は金と桂馬2枚の交換でいい勝負ですが、後手は4筋を制圧しそうな感じと、まだ後手の8五の桂馬を取り切っていないので、難しいと思っていました。

本譜は以下、▲8五歩△4六歩▲3八銀△3六銀▲8四桂△7三玉▲4二歩△同金▲5三金△3五桂で、ソフトの評価値-547で後手有利。

先手は▲8五歩から桂馬を取って▲8四桂と王手の筋も△7三玉で、まだ大変です。

▲4二歩から▲5三金も苦し紛れで、△3五桂と角を抑え込まれては少し苦しいです。

どうもこのあたりは先手は指し手を急いでいるような感じです。

▲8五歩では▲5三金があったようです。ソフトの評価値+362で先手有利。

ちょっと重たいような▲5三金ですが、先手の1七の角を活用する意味では自然な1手です。

▲5三金に△同金なら、▲同角成△5二金▲2六馬△4六歩▲3八銀で、ソフトの評価値+285で互角。

評価値は互角になっていますが、+300点を超えると有利になることから、元々が互角に近いみたいです。

角が馬に変わって自陣に引き付けて戦うので、本譜より良さそうです。

4筋は抑え込まれますが、 ▲2六馬がいると後手は△3六銀とすることができません。

やはり大駒が活用できると大きいです。

大駒を活用する▲5三金が参考になった1局でした。