上図は、後手雁木に先手左美濃から右四間飛車からの終盤戦で▲3三角成と銀を取った手に△同金とした局面。ソフトの評価値+99989で先手勝勢。
この局面は、先手の手番で先手玉は詰めろでないので後手玉を寄せれば形です。
先手は持ち駒が角金銀に歩があり7一に飛車がいるので攻め駒はそろっています。
先手から気になるのは、後手玉が上部脱出の展開になるかという点です。
実戦は上部脱出が気になって▲2四銀として△同金なら▲2一飛成以下詰みですが、△2三金とされるともう少しめんどうな展開でした。ソフトの評価値+2165で先手勝勢。
この手順は、△2三金と攻めの歩の拠点を取り払う手で、後手としては寄せて下さいという形づくりみたいな気分になりますが、先手からするとまだ油断ができません。
▲同銀成△同玉▲2一飛成△2二金と受けられたときに正しく寄せきれるかという将棋になります。
また△2三金に▲2一飛成△同玉▲2三銀成と玉を下段の落として寄せ形を作るのが自然ですが、△8八角▲同玉△8七歩▲同金△同桂成▲同玉△4七飛成とされて正確に受けきれれば問題ないですが、少し神経を使う展開になります。
最初の局面では後手玉に即詰みがありました。
▲2四銀で▲2一飛成△1三玉▲1一龍で、ソフトの評価値+99992で先手勝勢。
この手順は、▲2一飛成から▲1一龍と下から迫る手で▲1一龍の形が後手の持ち駒が限定されているので詰んでいました。
▲1一龍に△2四玉なら▲1三角△2三玉▲2二龍まで。
この手順は、後手の上部の駒の配置で▲1三角でぴったりです。
▲1一龍に△1二角なら▲2二龍△2四玉▲1三角まで。
この手順は、▲2二龍とするのが気がつきにくく▲1三角でぴったりです。
▲1一龍に△1二金なら▲同龍△同玉▲2二金△1三玉▲1二金打△2四玉▲1三角まで。
この手順は、△1二金とはじいてきた手に清算してから▲2二金から▲1二金打とする手で最後の▲1三角でぴったりです。
特に金を並べて打つのは少し見えづらいです。
なお▲1一龍に後手の持ち駒に銀や香車があれば△1二銀や△1二香と合い駒をして不詰みだったのですが、これが実戦特有のあやみたいです。
金をべたべた打つ実戦詰将棋が参考になった1局でした。