△8五桂から△7七歩の筋の受け方

上図は、相矢倉からの進展で△7七同桂成と桂馬を取った局面。ソフトの評価値+260で互角。

△7七同桂成には取る1手ですが、何の駒で取るかという局面です。

▲同銀か▲同金寄か▲同金直か▲同玉のどれかですが、▲同玉はさすがに3段玉になって狙われやすいので、銀で取るか金で取るかのどちらかと思います。

金で取るのも2種類あるのでどれも迷いそうですが、▲同金寄としました。

実戦は▲同金寄以下△8五歩でしたが、△8五桂もありソフトの評価値+77で互角。

この手順の▲7七同金寄に△8五桂と打てるのが△8四歩型のいい点です。

守りの金と攻めの桂馬を交換するのは先手が損なので、▲7六金とか▲6七金寄としますと△9五香▲同香△7七歩と打たれてうるさい形です。

7八に金がいると△7七歩と打たれるのがいやな形で、逃げたら攻めの拠点が残ります。

よって▲7七同金寄に△8五桂と打たれたら▲同銀として受ける形みたいです。

また最初の局面では▲7七同金直もありました。

▲7七同金直△8五桂▲7六金直で、ソフトの評価値+332で先手有利。

この手順は、▲7七同金直として少し分かりにくい形で対応する手です。

部分的な形はあまりきれいではありませんが、上部に手厚いです。

▲7七同金直に△8五桂と打ってきたら▲7六金直とします。

この手の▲7六金直で▲7八金だと△9五香▲同香△7七歩と打たれて、▲7七同金寄と同じような形になります。

▲7六金直の形は6七の金が浮いているので少し指しにくいですが、後手の持ち駒は角だけなので△7七歩と駒当たりに打たれなければ攻めを残しているという感じです。

また7五の地点を金と銀の2枚で守っているので、△7五銀のような手を防いでいます。

それと3五に馬がいるのも大きく、どこかで▲6八馬と引くことになれば先手陣は手厚くなります。

▲7六金直以下△5五歩▲同歩△同銀▲6八馬で、ソフトの評価値+448で先手有利。

この手順は、後手は直ぐに攻めるのは攻めが切れるので△5五歩と5筋の歩の交換を目指します。

ここで▲同歩△同銀に▲5六歩と打つのは△同銀▲同金△6七角で危険なので、△5五同銀には▲6八馬と引いて先手まずまずのようです。

△8五桂から△7七歩の筋の受け方が参考になった1局でした。

垂れ歩を打って手を作る

上図は、相掛かりからの進展で7二の金が△8三金と上がった局面。ソフトの評価値-173で互角。

駒の損得はありませんが、次に△7四金とされると1歩損の上に7筋を抑えらえそうな形になります。

先手は動くとしたらこの瞬間と思い、少し無理気味でも動いていきました。

実戦は、▲7三歩成△同桂▲8六歩△7四金▲3三歩△同角▲4五桂で、ソフトの評価値-483で後手有利。

この手順は、▲7三歩成と利かせてどの形で取っても▲8六歩としてから将来▲8五桂とする狙いです。

後手は△7三同桂から△7四金と圧力をかけた手に、数手前に3筋の歩を突き捨てた手を活かして▲3三歩と打って△同角に▲4五桂と跳ねました。

対局中は、歩をだいぶ渡しましたが先手の2枚の桂馬が捌けそうなので最低限の手になったかと思っていたのですが、評価値は後手有利でした。

後手有利ということは先手の攻め方が無理筋みたいです。

実戦は▲4五桂に△4四角で5三の地点を補強されて容易ではありません。

自分から動いて形勢が悪くなるというのは、いまひとつ大局観がよくないようです。

▲7三歩成では▲8五桂がありました。

▲8五桂△7四金▲2二角成△同銀▲7二歩で、ソフトの評価値-190で互角。

この手順は、▲7三歩成を利かせずに単に▲8五桂と跳ねる手で△7四金に角交換をしてから▲7二歩と打つ手です。

3筋を突き捨てている効果で△4四角が両取りになりません。

▲7二歩に△同飛は▲8三角があるので取れません。

▲7二歩以下△8五飛▲7一歩成△3六桂▲4九金△8六歩▲8八銀△8九角で、ソフトの評価値-291で互角。

この手順は、△8五飛と桂馬を取ってから△3六桂が厳しいです。

▲4九金と逃げた手に△8六歩が追撃の1手で、▲同歩なら△同飛▲8七歩△4八桂成▲同金△2六飛で飛車がす抜かれてしまいます。

よって△8六歩に▲8八銀として△8九角と打つ展開ですが、△3六桂が逃げ道封鎖の駒になっているので、うまい手があれば後手が勝てそうな形ではあります。

この展開も互角はいえ先手がつらそうですが、このような展開になるのであれば最初の局面は少し先手の方が悪いということになりそうで、このあたりは難しくてよく分かりません。

ただし▲7二歩と打って手を作るのは参考になりそうです。

垂れ歩を打って手を作るのが参考になった1局でした。

苦しい局面の粘り方

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△3九飛と打った局面。ソフトの評価値-341で後手有利。

駒割りは、金金と飛桂でいい勝負で玉の固さもお互いに守り駒2枚でいい勝負のようです。

ただし△3九飛が△3五飛成と先手玉を睨んだ攻防の手で後手有利のようです。

対局中は、3五の角をただで渡すわけにはいかないと思い▲4四角としましたがいまひとつぬるかったようです。

▲4四角△5九飛打▲7八金打△5六飛成で、ソフトの評価値-816で後手優勢。

この手順は、▲4四角と逃げた時に△5九飛打を見落としていたのもありますがこれが厳しく、次に△7九飛成があるので▲7八金打に△5六飛成と金を取られて、5筋の守りにも利いているのではっきり後手が良くなった感じです。

さすがに角を逃げて金をぼろっと取られるような展開はまずかったようです。

▲4四角で▲8五銀がありました。ソフトの評価値-503で後手有利。

この手順は、3五の角を逃げずに▲8五銀と打つ手です。

将来△3五飛成と角を取られても先手玉から龍の脅威が一時的に遠のきますので、その間に先手は手を作るという感じです。

▲8五銀に△7三角なら▲3六歩△5九飛打▲7四銀△7八歩▲6二角成△同玉▲5三金△同玉▲7三銀成で、ソフトの評価値-646で後手有利。

この手順は、△7三角と逃げた時に▲3六歩が細かい技で△同飛成では先手玉の脅威が薄れるので△5九飛打としますが、▲7四銀として後手玉にプレッシャーをかける展開です。

厳密にいえば先手が悪いようですが、後手も気持ち悪い形です。

▲8五銀に△3五飛成なら▲8四銀△同歩▲4四角で、ソフトの評価値-572で後手有利。

この手順は、▲8五銀に平凡ですが△3五飛成として駒得をして先手の戦力を少しずつなくしていく指し方です。

最後の▲4四角の時点で駒割りは、金金と飛銀桂で後手が駒得で先手が苦しいですが、8三の地点に空間をあけて少しでも後手陣に嫌味をつけて粘るような感じです。

▲4四角の狙いは▲8三金や▲5四歩や▲5一金などですが、それを含みにする感じです。

苦しい局面の粘り方が参考になった1局でした。

後手から動いてもらって指す

上図は、横歩取り青野流からの進展で△4四銀と上がった局面。ソフトの評価値-167で互角。

この局面は、先手の1歩得で持ち駒に歩が2枚あるのに対して後手は歩切れです。

先手の飛車が浮き飛車で少し狭く後手に狙われやすいです。

後手は中住まいに6二の金と6三の銀の組み合わせのバランスがいいです。

これらより、互角とはいえ後手の方が少し評価値がいいみたいです。

先手をもって指すと少し息苦しい局面ですが、後手もここから有利にもっていくのも結構大変みたいです。

実戦は▲3五歩△5四角▲5六飛△8一飛▲3四歩△3六歩▲2五桂△2三金で、ソフトの評価値-419で後手有利。

この手順の▲3五歩は飛車の動ける範囲を広げた手ですが、△5四角がこの形の狙いに1手です。

横歩取りで局面が持久戦模様になると△5四角の筋違い角がよく見られます。

先手の飛車を狙うのと3七の桂の頭を狙う意味です。

△5四角に▲5六飛と逃げた手に1手ためて△8一飛としてから△3六歩と打ってくる展開で、最後の△2三金で後手有利になったようです。

この局面は先手の2歩得ですが、後手の2三の金が働きそうな形で、先手の飛車を目標に指せば金駒の圧力で後手がいいということだと思います。

対局中は、3七の桂馬がさばけそうだったので最低限の満足はしていましたが、そこから有効な手が見えなかった感じで大局観がいまひとつだったようです。

▲3五歩と伸ばしたことで、△5四角から△3六歩と打たれたのがややまずかったようです。

▲3五歩では▲2五歩がありました。ソフトの評価値-145で互角。

この手は、2筋の歩を伸ばしただけでぱっと見で効果が分かりづらいです。

▲2五歩と突くと▲2五桂とは跳ねられなくなるので、全く考えていませんでした。

▲2五歩に△5四角が気になります。

▲2五歩以下△5四角▲5六飛△3五歩▲同歩△同銀▲7一角△7二飛▲6二角成△同飛▲4五金で、ソフトの評価値+60で互角。

この手順は、△5四角として先手の飛車を狙う手ですが、▲5六飛とした形は3七に桂馬がいるので4五に駒が出づらいです。

この形は▲9六飛のような筋もあり、簡単には飛車が死なないようです。

よって▲5六飛には△3五歩として先手の桂頭を狙う手ですが、▲7一角から▲6二角成と金を取ってから▲4五金でいい勝負のようです。

先手から動くより、後手に動いてもらってから反動で指すという感じみたいです。

▲2五歩に後手は△5四角と打たなかったら▲2四歩と伸ばして、場合によっては▲2三角と打ち込む感じです。

後手から動いてもらって指すのが参考になった1局でした。

じっと歩を打って受ける

上図は、後手ゴキゲン中飛車に先手が急戦を仕掛けての展開で△5五同飛と角を取った局面。ソフトの評価値+617で先手有利。

駒の損得はなくぱっと見はいい勝負に見えますが、先手は龍を作っているのと後手玉がそんなに固くないので先手が少し指せているようです。

後手の5五の飛車が直通しているので先手としても少し嫌な形です。

対局中は、4八の銀の働きが少し悪いので中央に活用することを考えました。

実戦は△5五同飛以下▲5七銀△2六歩▲3七龍△5六香▲8六香△7四桂で、ソフトの評価値+278で互角。

この手順は▲5七銀と中央に銀を活用する手ですが、△4九角を事前に受けた意味もあります。

後手は△2六歩と打って▲同龍なら龍の利きが弱くなるので▲3七龍としましたが、△5六香と打っときました。

それに対して▲8六香と後手の8三の地点を狙っていきましたが、△7四桂と香車をとる狙いの受けで互角のようです。

この展開は後手が駒得になりそうで、手順に8六の香車を取れれば後手も盛り返した感じです。

△7四桂には▲8三香成△同玉▲7五桂はありますが△7二玉で、先手がかえって忙しくなりそうです。

▲5七銀では▲5七歩がありました。

▲5七歩△5一飛▲1三と△4四角▲8八銀△2六歩▲2九龍で、ソフトの評価値+607で先手有利。

この手順の▲5七歩ですが、歩切れになるのと4八の銀が使いづらくなるので全く浮かびませんでした。

ただしここに歩を打つと後手の飛車の縦の利きが完全に止まります。

後手の△5一飛は▲2一龍を受けた手ですが、そこで▲1三とで歩切れを解消します。

後手は△4四角から△2六歩として先手の龍を抑えにいきましたが、▲2九龍で後手のこの後の指し手が難しいです。

▲2九龍に△8四桂なら▲7七銀△7四香▲6六銀で、ソフトの評価値+744で先手有利。

この手順は後手は△8四桂から△7四香と先手の玉頭から狙いますがやや単調で。▲6六銀と先受けされると次に▲7五歩△同香▲7七歩で後手の攻めが切れてしまいます。

▲2九龍に△1一飛なら▲5六桂△5五角▲2三と△同金▲2六龍△2四歩▲4四歩△同銀▲同桂△同角▲3五歩で、ソフトの評価値+496で先手有利。

この手順は後手は△1一飛と遊んでいる飛車を活用する手ですが、▲5六桂からと金を捨てて▲4四歩が厳しく後手の2三の金が浮いているのを咎めている感じです。

以下銀と桂馬の交換で先手が駒得で、先手が少し指せているようです。

じっと歩を打って受けるのが参考になった1局でした。

最終盤の寄せ方

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲3七角と打った局面。ソフトの評価値-99985で後手勝勢。

▲3七角は龍取りでかつ後手玉を6五の桂馬を利用して睨んだ手ですが、この手は詰めろではありません。

龍取りといっても4九に飛車がおりひもがついているので、形づくりに近い手です。

▲3七角に△2九龍と逃げて▲7四銀の詰めろに△6四金と受けに回っても後手がいいですが、ここでは先手玉に詰みがあったようです。

△8八角成▲同玉△7七銀で、ソフトの評価値-99988で後手勝勢。

この手順の△8八角成は自然な手ですが、▲同玉に△7七銀が少し見えにくいです。

△7七銀に▲同金は△7九飛成以下詰みです。

△7七銀に▲9八玉も△8八金以下詰みです。

よって△7七銀には▲7七同玉とします。

▲7七同玉△8五桂に▲8六玉なら△7四桂▲9六玉△9五銀▲同玉△8四金▲9六玉△9五香まで。

この手順は、△9五銀と捨てる手があれば以下詰みです。

▲7七同玉△8五桂に▲6六玉なら△7四桂▲5六玉△4五金まで。

この手順は、4九に飛車がいるのが大きく最後に△4五金と打てばぴったりです。

一番うっかりしやすいのが△7七銀と打つところで先に△7九飛成とする筋です。

△7九飛成▲同金△7七銀▲同玉△7九龍▲7八金△6六金で、ソフトの評価値-99973で後手勝勢。

この手順は、先に△7九飛成として▲同金に△7七銀と捨ててから△7九龍とする手でこれが自然に見えますが、▲7八金に△6六金としないと詰まないようです。

△6六金は実戦ではまず指せませんが、4九の飛車がいなくなりますとだいぶ複雑になります。

4筋あたりに後手の抑えの駒があれば△6六金では△8五桂から追っていくような手順になりますが、抑えの駒がないので△6六金と捨てて玉を6筋に近づける手です。

△6六金に▲同歩なら△8五桂▲6七玉△7八龍▲5六玉△4四桂▲4五玉△5四銀▲4四玉△4三金▲3五玉△2五金▲4六玉△4五金▲4七玉△3六金左まで。

この手順は、▲6六同歩とさせることで△8五桂に▲6六玉とすることができず、▲6七玉に△7八龍とすることができます。

△7八龍に▲同玉は△7七金から詰みです。

△6六金に▲同玉なら△7四桂▲5六玉△4四桂▲4五玉△5四銀▲4四玉△4三金▲3五玉△2五金▲4六玉△4九龍▲4八歩△4四香▲5六玉△4五銀▲5五玉△5四金まで。

この手順はさすがに実戦では指せませんが、△4四桂と打つのが急所で△5四銀と攻めの拠点を作って△4三金と入玉を防げばぎりぎりですがぴったりです。

最終盤の寄せ方が参考になった1局でした。

相掛かりからひねり飛車風に組む

上図は、相掛かりからの進展で△7五歩と突いた局面。ソフトの評価値-60で互角。

後手の8五の飛車と7三の銀の組み合わせが少ない感じですが、後手の銀が前進してくると先手にもプレッシャーがかかってきます。

後手は△8五飛型から△7五歩と突いて飛車の横利きを使った形です。

△7五歩に▲同歩は△同飛で後手の飛車が軽くなって、次に△8八角成が受けづらいので▲7五同歩は取りづらいです。

先手も飛車の横利きを使って受ける指し方をしました。

実戦は△7五歩以下▲3五歩△同歩▲7七桂△8二飛▲7五歩△7二金で、ソフトの評価値-57で互角。

この手順は、2六の飛車の横利きを利用するのと▲7七桂と跳ねることで△8五飛型を咎めた展開です。

駒の損得は全くないですが、先手は▲7七桂と跳ねたことで角が使いづらくはなります。

ただし▲6五桂と跳ねると角道が通ってがいつでも▲5三桂成のような筋もあるので一長一短です。

後手は△7二金として7筋を手厚くしてきましたが、ここで先手がどのような方針で指すかという局面です。

実戦は、△7二金以下▲3七桂△6四銀▲7四歩△8三金で、ソフトの評価値-158で互角。

この手順は、▲3七桂と跳ねて2枚の桂馬で中央を狙う方針にしたのですが、△6四銀と将来の▲6五桂を封じられてかつ5三の地点を守る手堅い手で、▲7四歩と伸ばしましたが△8三金と金と銀で7筋に圧力をかける指し方です。

先手の桂頭を狙う感じで、互角とはいえ先手が少し面白くなかったかもしれません。

▲3七桂では▲7六飛がありました。ソフトの評価値-27で互角。

この手順は、7五の歩と7七の桂の形を活かす意味で▲7六飛とする手です。

部分的にはひねり飛車のような形になりますが、相掛かりからひねり飛車模様にするというのが少し例外的です。

ひねり飛車は最初からひねり飛車の予定でかつ、相手が対応してくれればその戦形になるというイメージですが、相掛かりからひねり飛車というとかなり少なくなる感じです。

ひねり飛車は飛車を横に使うイメージなので、どちらかというと振り飛車に近い感覚になると思います。

そのため日ごろから振り飛車を指さないと少し違和感があり、特に先手の玉形が中住まいで美濃囲いでないのも例外的です。

居飛車の近い感覚だと、横歩取りの△3三桂型に対する先手の構えに近い感じだと思います。

これで1局のようですが、後手の玉も囲い方が難しく神経を使いそうでいい勝負のようです。

相掛かりからひねり飛車風に組むのが参考になった1局でした。

戦力不足でも辛抱する指し方

上図は、▲6一成桂と金を取った手に△同銀とした局面。ソフトの評価値+62で互角。

駒割りは、金金と飛車桂の交換でいい勝負です。

先手玉は穴熊に対して後手の守り駒は少ないですが、4七にと金がいるため銀を取ると後手が駒得になります。

先手は何かここから手を作っていかないといけません。

実戦は▲5六銀△同銀▲3五角△6二銀打▲5六金で、ソフトの評価値-505で後手有利。

この手順は、後手のと金で銀を取られることなく▲5六銀から▲3五角として角を活用して▲5六金としたのですが、評価値はだいぶ下がりました。

この手順は駒の損得はありませんが、先手の6七の金が▲5六金と斜めに出ることで守りが弱くなったのがよくなかったのかもしれません。

▲5六銀では▲5四金がありました。

▲5四金△5七と▲同角で、ソフトの評価値+40で互角。

この手順は▲5四金として攻めの拠点を作ったのですが、まだ攻め駒が不足していますので、もたれるような感じで▲5五金とか▲6三金を狙っています。

どちらが実現してもまだ大したことはありませんが、何とか食いつく手です。

▲5四金以下△5七とに▲同角とします。

この瞬間の駒割りは金金と飛銀桂で先手が駒損です。

ただし先手は6七の金と5七の角の形がきれいな形で処理することができます。

特に6七の金があれば、場合によっては▲6八金引とかで守りを強化することができます。

▲5七同角以下△4六銀打▲6八角で、ソフトの評価値-283で互角。

この手順は、△4六銀打として5五の銀に紐をつけたのと▲3五角と角を活用するのを防いだ手ですが、▲6八角と引いてどうかという展開です。

▲6八角は少し弱いような手ですが、場合によっては▲8六角から▲5三角成のような狙いです。

大駒が活用できるようになれば小駒よりスピードが上がりますので、辛抱するような感じです。

後手の△4六銀打も決して働きがいい銀とはいえなく、打ちたくて打ったような手ではないので▲6八角で辛抱します。

▲6八角以下△3七飛▲7八金打で、ソフトの評価値-117で互角。

この手順は、△3七飛に▲7八金打として先手の持ち駒は歩しかありませんが、▲5五金と▲8六角を含みに粘る感じです。

評価値を見ても互角なので、先手は駒損ですがまだ頑張れる形です。

戦力不足でも辛抱する指し方が参考になった1局でした。

できるだけ飛車は渡さないで受ける

上図は、相横歩取りからの進展で▲2二歩と打った手に△5四飛と打った局面。ソフトの評価値+73で互角。

駒割りは、角と銀桂の交換で2枚替えで先手が少し駒得ですが、先手は歩切れでいい勝負のようです。

△5四飛は▲2二歩に△同銀なら▲3四桂の狙いを消した手で、王手で先着することでして▲3四桂を消しています。

対局中は、なんとか▲2二歩と打った手をむだにしたくないと思い▲5八飛と合わせました。

▲5八飛△5七金▲同飛△同飛成▲5八金△5五龍▲2一歩成で、ソフトの評価値-598で後手有利。

この手順は、△5四飛に▲5八飛と合わせて後手の受けに使う飛車の働きを消した手で、△5七金から清算して▲2一歩成としました。

▲2一歩成は後で銀も取れそうな局面なので、実質の駒割りは飛角と銀銀桂桂で先手が少し駒得ですが、先手歩切れで後手の龍が手厚いので後手が少しいいようです。

▲2二歩を打った手の流れとはいえ、やや先手の指し方が一直線的な感じで単調になった感じもします。

▲5八飛では▲5八銀がありました。ソフトの評価値+33で互角。

この手は、▲5八銀と節約して受ける手です。

▲5八銀に△5七歩は2歩のため打てませんので、手の流れからして△2二銀とします。

▲5八銀以下△2二銀▲6二飛△5二金▲6一飛成△5一金▲7二龍△5二金▲4五金△2四飛▲6一と△8四角▲8一龍△2九飛成▲6二と△5一角▲同と△同金▲4八角で、ソフトの評価値-36で互角。

この手順は、▲6二飛と玉の近くに飛車を打つのが興味深く、△5二金と打たれれば飛車がはじかれる形ですが▲6一飛成とした手が次に▲4一金△3三玉▲5二龍を狙っています。

▲6一飛成に△5一金としますが▲7二龍に△5二金とさせて▲4五金とします。

▲4五金は飛車取りと▲3四桂の両方の狙いですが、△2四飛に▲3四桂△4一玉とさせて▲6一とが厳しい手です。

次に▲5二龍△同玉▲5一金で詰みの狙いですが、後手も△8四角として▲5一金の筋を受けて結構大変なようです。

このあたりの細かい手のやりとりは参考になります。

やはり持ち駒に飛車があるのとないのでは、後手玉への脅威が違ってきます。

そのような意味で最初の局面では、飛車で受けるのでなく盤上の駒で受けた方がよかったようです。

できるだけ飛車は渡さないで受けるのが参考になった1局でした。

優勢だけど受け方が難しい指し方

上図は、横歩取り△2三歩型からの進展で、△4四銀と3三の銀が上がった局面。ソフトの評価値+517で先手有利。

この局面は、飛車と金の交換でやや先手が駒損ですが後手は歩切れです。

しかし、後手の持ち駒に飛車があって後手の1二の角が先手陣をにらんでいるので先手は神経を使います。

評価値が先手有利になっていますが、受けの力が強くないと指しこなすのは大変な感じです。

実戦は△4四銀以下▲2三歩△同角▲2四歩で、ソフトの評価値-37で互角。

この手順は、▲2三歩で一時的に後手の角道を止めてから△同角に▲2四歩と打って△1二角なら▲4四金△同歩▲2三銀を狙いです。

しかし▲2四歩以下△7八角成▲同玉で、歩切れだった後手に1歩を渡したのはもったいなかったようです。

歩を渡すと△6七歩とか△2七歩などのあやが生じるためです。

▲2三歩では▲4四金がありました。

▲4四金△同歩▲2四歩で、ソフトの評価値+336で先手有利。

この手順は、▲4四金と銀を取ってから▲2四歩とする手で次の狙いは▲2三銀です。

▲2四歩以下△7八角成▲同玉△6七金▲同玉△6九飛▲5八玉△8九飛成▲3四角△7八金▲9六角で、ソフトの評価値+3786で先手勝勢。

この手順は、後手が△7八角成から△6七金と捨てて△6九飛と暴れてくる手で先手としても怖い形ですが、▲5八玉から▲3四角と攻防の角を打って以下▲9六角と打てば、次に▲4一金△6二玉▲6三銀の詰めろと▲7八角左があって先手勝勢です。

ただし、この指し方は決して簡単ではなく△6九飛に手拍子で▲7八玉と指して後手の飛車が死んでいるのかと思ったら△7九金から△8九金があるので油断はできません。

▲2四歩以下△2八金▲2三銀△3八金▲同金△4九飛▲1二銀不成△同香▲3四角△1九飛成▲2三歩成△4九龍▲1六角打△5二香▲5九金で、ソフトの評価値+1100で先手優勢。

この手順は、△2八金から△3八金として以下飛車を打ち込む展開で先手も嫌な形ですが、これも▲3四角から▲1六角打と遠見の角の攻防手で対抗する手で▲5九金とはじけば先手が指せそうです。

ただしこの指し方も結構難しく、受け損なったら形勢が急に悪くなりそうなので簡単ではないです。

短い時間の実戦ではまず指せないような気がします。

優勢だけど受け方が難しい指し方が参考になった1局でした。