細い攻めを継続する指し方

上図は、後手雁木からの進展で△5四同金右と銀を取った局面。ソフトの評価値+219で互角。

先手は8九の飛車が眠った状態で、攻めは2六の角と3七の桂馬と持ち駒の銀と桂馬でどのように手を繋ぐかという局面です。

2七に後手の成桂がいるので先手は忙しいです。

本譜は▲4三銀と打ったのですが、この手はあまりよくなかったようです。

▲4三銀△3一角で、ソフトの評価値-231で互角。

実戦では▲4三銀に△2六成桂だったので、▲4二銀不成でソフトの評価値+280で互角という展開になったのですが、▲4三銀には軽く△3一角とかわされると先手は攻めを継続するのが難しかったようです。

△3一角▲5四銀成△同金で、ソフトの評価値-159で互角。

この手順は、▲5四銀成△同金として金と銀の交換ですが、次に▲4三歩成としても駒が取れる形でないので△2六成桂で実戦的にはまだ難しいですが先手の攻めがやや細いです。

攻める方からすると△3一角と軽く受けられる手は気がつきにくいです。

▲4三銀では▲4三歩成がありました。

▲4三歩成△同金▲5二銀で、ソフトの評価値+230で互角。

この手順は、▲4三歩成と捨ててから▲5二銀と張り付く手です。

▲4三歩成は攻めの拠点というより、後手の金の位置をずらしてから▲5二銀とする方が効果が高いようです。

4四の歩が攻めの拠点と重視すると▲4三歩成は見えないかもしれません。

▲5二銀△5三金寄▲同角成△同金▲4三金△同金▲同銀不成△7五角▲7六銀で、ソフトの評価値+184で互角。

この手順は、角と金の交換から▲4三金と張り付く手で以下△同金▲同銀不成と進めば、後手玉がだいぶ薄くなります。

以下△7五角に▲7六銀と攻めの拠点を作って上部を手厚くすれば、先手も指せそうです。

細い攻めを継続する指し方が参考になった1局でした。

最終盤で歩を打って寄せる

上図は、相居飛車からの終盤戦で△1九角成と3七の角が香車を取った局面。ソフトの評価値+5447で先手勝勢。

駒割りは、角と銀香の交換で2枚替えで後手玉は3枚の金駒で守っていますが、ここで先手の手番で2枚の飛車と5四の角が後手玉を狙っている形で先手勝勢です。

先手玉に詰めろはかかっていませんので、ここで後手玉を寄せきれるかどうかという局面です。

実戦は、△1九角成以下▲2三飛成△同玉▲2一飛成で、ソフトの評価値+5158で先手勝勢。

▲2三飛成に△同金なら▲2一飛成で詰みなので△2三同玉としますが、そこで▲2一飛成で寄るかどうかという展開です。

▲2一飛成に△2二歩は▲3二角成△同金▲1五桂△1四玉▲2五金で詰みです。

▲2一飛成に△2二香は▲3二角成△同金▲1五桂△1四玉▲2五金△同香▲同龍で詰みです。

▲2一飛成に△2二金は▲1五桂△1四玉▲2二龍△同銀▲2五金で詰みです。

この手順の▲2二龍に△同銀で△3七飛は、▲4八玉△3九銀▲5九玉△4八銀打▲6八玉△7八歩成▲同玉△7一香▲7六歩△同香▲同金で、先手玉は詰みません。

よって▲2一飛成には△2二銀の移動合いになります。

△2二銀以下▲3二角成△同金▲2四歩で、ソフトの評価値+99985で先手勝勢。

この手順は、△2二銀に▲3二角成は見えますが△同金に▲2四歩が少しうっかりしやすい手です。

今見れば自然な手ですが、実戦は▲2四歩で▲3五桂と打ったのが失敗で、△同歩に▲2四歩と打ったのですが△同玉で金と歩だけでは後手玉は詰みません。

△2二同銀には単に▲2四歩がいい手で、△2四同玉なら▲2五金△2三玉▲3四金△同玉▲3二龍△3三銀▲3五金で詰みです。

この手順の▲3四金に△1四は▲2六桂で詰みです。

よって▲2四歩には△3三玉と逃げますが、そこで▲2三金があります。

▲2三金以下△同銀▲同歩成△同金▲2五桂で、△4二玉▲5四桂△4三玉▲2三龍△5四玉▲5五銀打で詰みです。

これで後手玉は寄り筋だったようです。

平凡な▲2四歩が見えるかどうかで全く違う展開になりますが、寄せがある場合は寄せれるようになりたいです。

最終盤で歩を打って寄せるのが参考になった1局でした。

▲5八玉での早繰り銀

上図は、角換わりから早繰り銀の進展で△6二金とした局面。ソフトの評価値+16で互角。

先手は▲4六銀からの早繰り銀なので本来は早い段階で▲3五歩と仕掛けることが多いのですが、▲5八玉での組み合わせで▲3五歩と仕掛けるのがどうなのかがよく分かっていませんでした。

本譜は▲3五歩△同歩▲同銀△8一飛▲3四歩△2二銀で、ソフトの評価値-46で互角だったのですが、△2二銀で△4四銀ならソフトの評価値-123で互角。

この手順は、▲3五歩と仕掛けたのですがこの形で仕掛けるのはよくなかったようで、途中の△8一飛が落ち着いた手のようだったです。

先手は▲3四歩と打ちますが、強く△4四銀とぶつける手があったようです。

△4四銀に▲2四歩なら、△3五銀▲2三歩成△2七歩▲同飛△4五角▲2八飛△2三金▲同飛成△7八角成▲2二龍△3二歩で、ソフトの評価値-106で互角。

この手順は、△4四銀に▲2四歩として先手は銀損ですが▲2三歩成に期待した手で、以下△2七歩から△4五角で後手が切り返したようでも先手は飛車が成れば駒損でもいい勝負のようです。

この展開がいやなら後手は△4四銀で△2二銀となります。

これらより実戦的には▲3五歩はあったようですが、ソフトの推奨手は▲3七桂で、ソフトの評価値-15で互角。

▲3七桂と跳ねると将来▲3五歩と突く手は△同歩▲同銀△3六歩のような筋が気になりますので、▲3五歩は突きづらいです。

先手の飛車は▲2九飛として様子を見るくらいですが、後手も△8一飛のような手で辛抱する展開です。

このように進むとお互いに手を出しづらい展開になりそうです。

先手は千日手模様で指すか、▲6八銀とか▲5六角で打開するかという感じになりそうです。

▲5八玉での早繰り銀が参考になった1局でした。

持ち駒に金がなくても詰ましにいく

上図は、横歩取り青野流からの進展で▲6九銀と打った局面。ソフトの評価値-99973で後手勝勢。

この局面は駒割りは桂馬と香車の交換ですが、大駒の働きが大差で後手勝勢です。

ここで後手の手番なので詰めろの連続でも問題ないですが、この局面は先手玉に即詰みがあったようです。

▲6九銀△7八金▲同銀△6八金で、ソフトの評価値-99974で後手勝勢。

△7八金とするのは自然な手ですが▲同銀に△6八金がありました。

△6八金に▲8九玉なら△7八金▲同玉△7七銀以下詰みなので、▲6八同玉とするしかありません。

▲6八同玉△5七角▲6九玉△7七桂打で、ソフトの評価値-99978で後手勝勢。

この手順は、△6八金と捨てて持ち駒に金がない状態での寄せなので少し足らないように見えますが△5七角から△7七桂打が鋭いです。

なお△5七角で△7六桂も打ちたくなりますが、▲7九玉△6八角▲8九玉△8八桂成▲同玉△7七桂成▲9八玉で先手玉は詰みません。

△7七桂打以下▲同銀左△同桂不成▲同銀△7九角成▲同玉△7七龍▲7八歩△8八銀▲6九玉△6七龍▲5九玉△5八銀▲4八玉△4七龍▲3九玉△4九龍まで。

この手順は、△7九角成と捨てる手が見えるかどうかで▲同玉に△7七龍とした形が持ち駒が銀2枚で詰むかどうかという進行です。

普通は持ち駒に金がないと詰まないと思いますが、この場合は△8八銀から△6七龍が少し気がつきにくい手で以下△5八銀から打てば、先手2筋が壁になっているため△4九龍でぴったりです。

なお、△7七桂打に▲同銀直△同桂不成▲7八玉は、△5八龍▲7七玉△6六角成▲8六玉△9五銀▲8五玉△5五龍▲9四玉△8四馬まで。

この手順は、△5五龍が少し見えづらく△5五龍で△8四馬なら▲7六玉で△6六馬▲8五玉で王手の千日手模様で後手が手を変えないといけません。

これらの手順は結構見えづらい手も入っていますので、実戦では指せない手順ですが、このような詰み手順もあったようです。

持ち駒に金がなくても詰ましにいくのが参考になった1局でした。

雁木に右四間飛車からの急戦

上図は、後手雁木からの進展で△5四銀右に▲4五歩と仕掛けた変化手順で、ソフトの評価値+187で互角。

実戦では▲4五歩でなく▲5八金と仕掛けを見送ったので▲4五歩は変化手順です。https://shogiamateur.com/?p=21210&preview=true

▲4五歩で先手良しになるなら仕掛けますが、今後の展開が気になります。

▲4五歩△同歩▲2二角成△同金▲4五銀△同銀▲同飛△4四歩▲4八飛△2七角で、ソフトの評価値+121で互角。

この手順は、▲4五歩と仕掛けてから角と銀を捌いて部分的には気持ちのいい手順ですが、△2七角と打たれて後手に馬を作られそうな展開です。

後手に△5四角成や△6三角成とされると後手は手厚い陣形になるので、それは避けないといけないようです。

△2七角▲1六角△同角成▲同歩△2七角▲5五銀で、ソフトの評価値+24で互角。

この手順は、▲1六角と打って角交換してから再度△2七角と打った手に▲5五銀と打った展開です。

▲5五銀は△5四角成を防いで▲4四銀を狙った手ですが、▲5五銀はたまに出る手筋です。

▲5五銀に△4五角成なら、▲同飛△同歩▲6四銀△4二玉▲5五角△4四銀打▲7三銀成で、ソフトの評価値+483で先手有利。

この手順は、△4五角成に飛車と角を交換して▲6四銀と駒を活用する手で、先手は1段金なので飛車の打ち込みには強くて以下▲5五角から▲7三銀成で先手指せそうです。

▲5五銀に△3三金なら、▲4五歩△同角成▲同飛△同歩▲6四銀△4四銀▲7七桂△4七飛▲5九金△4六飛成▲7五角で、ソフトの評価値+517で先手有利。

この手順は、△3三金と▲4四銀を防いだ手ですが▲4五歩と歩を合わせてから飛車と角の交換をして▲6四銀とする手です。

以下△4四銀に▲7七桂と盤上の駒を活用して▲6五桂の筋を見せます。

△4七飛には▲5九金が意外と固く、以下▲7五角と打って次に▲5三銀成を狙う展開です。

後手も龍ができているので簡単ではありませんが、先手は角2枚と銀と7七の桂馬の活用ができそうで先手も指せそうです。

雁木に右四間飛車の急戦が参考になった1局でした。

銀が5段目まで出てけん制する

上図は、後手菅井流の振り飛車の構えから△3三桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+199で互角。

後手は△3三桂と跳ねて次は△2五桂から△2四歩として1歩得を狙う指し方です。

先手はまだ動くような手がないと思っていましたので、本譜はじっくり指すことにしました。

▲7七桂△2五桂▲2六飛で、ソフトの評価値+115で互角。

この手順は、▲7七桂と跳ねていつでも▲6五桂のような筋を見せた手です。

△2五桂に▲2六飛と浮くのはセットみたいな手で、どこかで後手から△3七桂成▲同桂△3六歩のような筋を補強しています。

先手は1歩損でそこまで悪い展開ではなかったようですが、別の指し方もあったようです。

▲7七桂では▲2四歩がありました。

▲2四歩△同金▲5六銀△2五桂▲4五銀で、ソフトの評価値+153で互角。

この手順は、▲2四歩と突き捨てて△同歩なら▲2三角がありますので△同金となります。

△2四同金に▲5六銀が早い動きで、△2五桂と捌いてきたら▲4五銀とけん制します。

▲4五銀に△4四歩は▲4三角がありますので、先手の銀を追い返すことはできません。

▲4五銀に△3七桂成なら、▲同桂△3六歩▲2一角△3五飛▲4三角成△3七歩成▲3六歩△4五飛▲同歩△5二銀▲同馬△同金▲1八飛で、ソフトの評価値+431で先手有利。

この手順は、△3七桂成から桂損で後手が捌いてくる展開ですが、先手は▲2一角に△3五飛と中段に浮くのが先手としてはいやな手です。

以下▲4三角成から駒の取り合いで駒割りは飛銀と角桂で先手が少し駒得で、後手は2四の金が遊んでいますのでやや後手は不満かもしれません。

ただし、3七のと金はそれなりに働きそうなので意外といい勝負のようです。

▲4五銀に△5五歩なら、▲6七金△5二金▲7七桂△6四歩▲5六歩で、ソフトの評価値+120で互角。

この手順は、▲4五銀に△5五歩から△5二金として銀ばさみのような手からうまくいけば△4四歩で銀得を狙いますが、先手も▲5六歩と突くと簡単には銀は死なないようです。

▲5六歩に△4四歩なら、▲4一角△4二飛▲5二角成△同飛▲4三金△5一飛▲5三金△同飛▲4四銀で、ソフトの評価値+106で互角。

この手順は、角と銀の交換で先手が少し駒損ですが、後手玉は薄いのでいい勝負のようです。

銀が5段目まで出てけん制するのが参考になった1局でした。

角と銀を使える形にする

上図は、相居飛車から後手右玉の進展で△4六歩と突いた局面。ソフトの評価値+28で互角。

対局中は、△4六歩と突かれ次の△4七歩成が忙しいので、どのように攻めようかと思っていました。

先手は飛車が8九にいるので攻めには全く使えず、2六の角と3六の銀が活用できるかがポイントになりそうです。

実戦は▲4五桂打に△同桂▲同銀でソフトの評価値+196で互角だったのですが▲4五桂打に△4四金ならソフトの評価値-94で互角。

▲4五桂打に△同桂に▲同銀と進めば3六の銀が活用できるので、一応手になっているようです。

しかし、▲4五桂打に△4四金うっかりしやすい手で以下▲3三桂成△同角で先手の2六の角と3六の銀が重たくてあまり働いていません。

△4四金は後手玉の守りから離れるので少し考えづらいですが、金が3五の地点に受けに回ると先手は攻めの継続が難しくなります。

▲4五桂打では▲7四桂がありました。

▲7四桂△7三銀▲3五銀△同歩▲6五桂で、ソフトの評価値+74で互角。

この手順は平凡に▲7四桂と打つ手があったようで、△7三銀と受けたら▲3五銀から桂馬を取って▲6五桂と両取りに打つ手です。

指されれ見れば自然に見えますが、3六の銀が後手の守りの駒と交換できるのは大きいです。

▲6五桂に△同銀なら、▲同歩△4四金▲4五歩で、ソフトの評価値+67で互角。

この手順は、△6五同銀から△4四金として先手の角をおさえる指し方ですが、▲4五歩と打てば一応手にはなっているようです。

なお、▲7四桂に△7一銀として△7三歩から桂馬を取るような手もありそうですが、▲9五歩△同歩▲9三歩△同香▲3五銀△同歩▲同角で、ソフトの評価値+141で互角。

この手順は、△7一銀として△7三歩を楽しみにする辛抱ですが、さすがに手数がかかるので、先手は9筋に嫌味をつけてから▲3五銀として銀と桂馬の交換ですが、後手陣が少し崩れているのでいい勝負のようです。

角と銀を使える形にするのが参考になった1局でした。

後手の△1二角の受け

上図は、後手角交換振り飛車からの進展で、2一に飛車がいるときに▲3二角と打って△3一飛に▲3三歩と打った局面。ソフトの評価値+60で互角。

この局面は、次に▲5四角成があり後手は少し受けづらいのではと思っていました。

普通は△4三銀ですが、▲2三角成や▲同角成△同金▲3二銀のどちらでも先手指せそうです。

しかし、ここから全く気がつきません受け方をされてきました。

△3四歩▲同飛△1二角で、ソフトの評価値+111で互角。

この手順は△3四歩と捨ててから△1二角と打つ受け方です。

この戦型ではたまに△1二角という手がでてきますが、受けと同時にいつでも△7八角成のような筋をみています。

先手の5八の金が6八にいれば△7八角成には▲同金で先手陣はしっかりしていますが、△7八角成に▲同玉の形は急に薄くなった感じがします。

本譜は△1二角に▲2三歩と打ちましたが△4三銀で、ソフトの評価値-313で後手有利。

この手順は△3四歩と打ち捨てた効果で、△4三銀が飛車と角の両取りになるので先手が失敗しているようです。

△1二角には▲2三歩でなく▲3九飛がありました。ソフトの評価値-57で互角。

この手はじっくりと▲3九飛と引いて力をためる手ですが、全く見えていませんでした。

▲3九飛は後手の2五の桂の利きに入る形でいつでも△3八歩とか△3七歩を気にしないといけないですが、後手も歩が1枚だけなのでそこまで神経を使わなくてよかったようです。

▲3九飛に△3二金なら、▲同歩成△2三角打▲4五歩△3二飛▲同飛成△同角▲3一飛で、ソフトの評価値-171で互角。

この手順は、△3二金から△2三角打がこの戦型特有の手順で△7八角成は防がないといけません。

よって▲4五歩としますが△3二飛から後手は飛車を捌く形で飛車交換から▲3一飛でどうかという感じです。

部分的には後手に気持ちよく指されている感じですが、実戦的にはいい勝負のようです。

後手の△1二角の受けが参考になった1局でした。

少し捻った手順で受ける

上図、横歩取り青野流からの進展で△2六歩と打った局面。ソフトの評価値-455で後手有利。

この局面は、8五の地点で飛車交換してから△2六歩と打った局面です。https://shogiamateur.com/?p=21028&preview=true

対局中は、飛車交換して△2六歩と打たれる手は予想していたのですが、本譜の進行はよくなかったです。

△2六歩▲同歩△2九飛▲3九飛△2六飛成で、ソフトの評価値-406で後手有利。

この手順は、△2九飛に▲3九飛と自陣飛車で受ける形で、以下△2六飛成と進んだのですがこの局面は先手が悪いようです。

この局面は駒の損得はありませんが、後手の龍と先手の自陣飛車の駒の働きの差が大きく後手の方がいいです。

先手は▲8二角から桂馬と香車を拾う展開ですが、後手は先手の3七の桂馬の頭を狙う指し方で先手がつらいです。

先手は桂馬や香車を拾っても後手玉にあまり響きません。

このあたりは大局観が悪かったようです。

▲2六同歩では▲3三角成がありました。

▲3三角成△同桂▲8四飛△2七歩成▲同金△2九飛▲3八角で、ソフトの評価値-300で後手有利。

この手順は、△2六歩を取らずに角交換から▲8四飛と打つ手です。

▲3三角成に△同銀もありますが、▲4五桂と跳ねると銀取りになりますので、それを防いで△3三同桂です。

▲8四飛と打って▲8一飛成と▲2四飛をみていますが、△2七歩成から△2九飛も厳しいです。

それに対して▲3八角が受けるとすればこれしかなさそうです。

▲3八角△1九飛成▲2四飛△6九角▲6八玉△7八角成▲同銀△9九龍▲8九金△9七龍で、ソフトの評価値-302で後手有利。

この手順は、▲3八角と飛車取りと先手で受けてから▲2四飛と金を取る手です。

以下△6九角から△7八角成とされて先手も怖い形ですが、▲7八同銀でまだ意外としっかりしており△9九龍に▲8九金とはじいてどうかという展開です。

この手順はやや後手が一直線に攻めた展開ですが、それが少し無理っぽいならどこかで△2六歩と打って先手の形をみだすような手もありそうです。

やはり変化手順の方が▲3九飛の自陣飛車を打つよりはるかに手が広かったです。

少し捻った手順で受けるのが参考になった1局でした。

雁木に右四間飛車の急戦を見送る

上図は、後手雁木からの進展で△5四銀右と6三の銀が上がった局面。ソフトの評価値+187で互角。

先手は4八飛と回っていつでも▲4五歩と仕掛けられる態勢に対して、後手は5一の玉と5二の金がやや守りが薄く、また△3五歩と3筋の位を取って手数がかかっています。

対局中は、▲4五歩の仕掛けも考えましたが駒の交換だけであまり効果がないのかと思って玉の整備をしました。

本譜は▲5八金△5二金で、ソフトの評価値+104で互角。

この手順は、先手が仕掛けを見送るのであれば▲5八金とするのは自然な手です。

それに対して後手は△5二金と5三の地点を補強するのも自然な手です。

お互いに有効な手を指したので形勢は互角です。

この局面でも▲4五歩と仕掛ける手があるのですが、後手が△5二金と守りを補強しているのに▲4五歩は少し仕掛けづらいので仕掛けを見送ります。

△5二金以下▲9六歩△9四歩▲1六歩△7四歩▲1五歩△4二玉▲6六歩△3一玉▲6七銀上△6二飛で、ソフトの評価値+224で互角。

この手順は、▲9六歩と端歩を突いて玉の逃げ道を広くします。

また1筋の位を取って持久戦になっても位が活きるような展開にします。

一方後手は、△3五歩と突いているので先手の2九の桂馬の活用を抑えており、また△7四歩と突いて将来△7三桂と桂馬の活用が出来そうです。

よって、桂馬の活用が後手の方がしやすそうなので、後手の方が評価値がいいのかと思っていましたが互角だったのが少し意外でした。

後手は1筋の位を取られているのが意外と大きいのかもしれません。

先手は早い段階で▲5六銀として▲4八飛と右四間飛車に組んでいつでも▲4五歩の仕掛けを見せた駒組みですが、必ずしも早い段階で▲4五歩と仕掛けなくても互角は保てそうです。

雁木に右四間飛車の急戦を見送った展開が参考になった1局でした。