上図は、横歩取り青野流からの進展で▲8四飛に△8二歩と受けた局面。ソフトの評価値+24で互角。
この形は、いつでも後手から△8八角成の筋がありこの場合は▲同飛しかありませんので、少し神経を使います。
先手は横歩を取ったのですが、後手も△7六飛と横歩を取っており歩の損得は現在ありませんが、3六の歩が飛車で取られそうなので、その場合は先手の1歩損になります。
実戦では形で▲3八銀と上がりました。
▲3八銀△8八角成▲同飛△5五角▲7七歩△3六飛▲3七歩△3四飛で、ソフトの評価値-70で互角。
この手順は、△8八角成から△5五角と打つ手で、▲7七歩と打たせてから△3六飛と後手が1歩得になる展開です。
後手に角を打たせたという考え方もあるのですが、後手の角は△3六歩▲同歩△2八角成のような筋があり好位置です。
このような展開になると、3八の銀と2八の歩と3七の歩の組み合わせがいまひとつで、駒の働きがよくないです。
先手は持ち駒に角がありますが、現在使うところはありませんし、歩切れなので細かい攻めができません。
互角ではありますが、少し先手が面白くなさそうです。
▲3八銀では▲7七角がありました。
▲7七角△同角成▲同金で、ソフトの評価値+21で互角。
この手順は、▲7七角として後手が角交換すれば▲同金と取る形です。
▲7七同金で▲同桂が普通ですが、△2七歩成があり▲同歩なら△5五角があります。
この手順の△2七歩成には▲2四飛や、△5五角には▲8七金のような形にとらわれない指し方もあるようですが、受け損なったら空中分解しそうなので最後の手段といった感じです。
▲7七同金に△7四飛なら、▲8五飛△3三桂▲3八金で、ソフトの評価値+79で互角。
この手順は、飛車交換を避けて▲8五飛と持久戦模様にする手で駒の損得がなく互角のようです。
▲7七同金に△同飛成なら、▲同桂△9五角▲2四飛△7七角成▲2一飛成△2二馬▲同龍△同銀▲9八角で、ソフトの評価値+357で先手有利。
この手順の△7七飛成はやや無理筋ですが、△9五角の手に▲2四飛と回ることができます。
以下桂馬を取り合ってから△2二馬で龍が取られますが▲9八角と打った局面は、角と金の交換で次に▲4四桂の狙いがあって先手まずまずです。
このようにまとめるつもりだったのですが、最初の局面で▲7七角には△2七歩成▲同歩△7七飛成▲同桂△5五角がありました。ソフトの評価値+105で互角。
これはまた別の機会に書きます。
横歩取りで後手を取り返す展開が参考になった1局でした。