上図は、横歩取り△3三角型からの進展で▲6一馬と金を取った手に△4一玉と逃げた局面。ソフトの評価値+3801で先手勝勢。
先手が駒得しており攻めており、ここで先手の手番なのでうまく寄せ切りたい形です。
ただし後手玉に即詰みはなく、次に後手から△4九馬があるので先手は方針をたてないといけないです。
ここまで先手が攻めて形勢が良かったので、このタイミングで受けに回る手は浮かびませんでした。
実戦は▲2二歩△3二玉▲2一歩成△同玉で、ソフトの評価値+1402で先手優勢。
この手順の▲2二歩は△同銀なら2筋が壁になって寄せやすくなるのですが、後手は△3二玉から粘る形でまた戦いが振り出しに戻った感じです。
▲2二歩はぬるい手だと対局中は分かっていましたが、他の手が見えませんでした。
終盤でぬるい手を指すと将棋が長引いて逆転する可能性が高くなります。
▲2二歩では2通りの手がありました。
1つは▲2二歩では▲5一飛がありました。
▲5一飛△3二玉▲5二成桂で、ソフトの評価値+2464で先手勝勢。
この手順の▲5一飛は対局中は浮かんだのですが、△3二玉に▲5二成桂が詰めろになっているか分からなかったので指せませんでした。
この▲5二成桂は詰めろだったようで、▲5二成桂に△4九馬なら▲4二成桂△同銀▲4四桂△同歩▲4三金△同銀▲同馬△同玉▲3二銀△4二玉▲4一金△3二玉▲5二飛成まで詰みです。
この手順は▲4四桂と捨てる手がうまい手で、△同歩とさせることで後で4三の地点に駒を打つことができます。
また▲3二銀の捨て駒や▲4一金と下から金を打つ手もそれなりに難しく、早指しではとても読み切れないです。
もう1つは▲2二歩では▲7一とがありました。
▲7一と△4九馬▲5二成桂△同金▲同馬△同玉▲6二金で、ソフトの評価値+99986で先手勝勢。
この手順の▲7一とは銀を取る手ですが、この手が以下詰めろになっていることが分っていないと指しづらいです。
▲7一とに△4九馬としますが、そこで▲5二成桂からばらばらにして▲6二金が鋭いです。
玉を6筋に近づけると7一のと金が攻めに役立つということですが、金を捨てるのは勇気がいります。
▲6二金以下△同玉▲6一飛△5三玉▲4五桂△5四玉▲6五銀△5五玉▲5六金△4四玉▲6四飛成まで詰みです。
この手順は▲6一飛から▲4五桂とすると後手玉の詰み筋が見えてくるので、この形になれば考えやすいです。
なお▲6二金では▲6一銀から追っても詰みですが、後手玉が上部に上がるのと後手の4九の馬が受けに利いてくる可能性もあるので、少し考えづらいです。
終盤の2つの手を調べましたが、どちらも難しい手を含んでいるので寄せにいかず▲2二歩では▲3八銀と受けに回る手もありそうです。
ただしこの手は戦いが長引くので、実戦では攻める手から考えたいです。
どの手を選択しても最後に寄せ切るまではそれなりに難しい手を含んでいるので、やはり将棋は難しいです。
最終盤で厳しく寄せるのが参考になった1局でした。