上図は、相掛かりからの進展で▲6二角成と金を取った手に△同玉とした局面。ソフトの評価値+1022で先手優勢。
駒割りは飛車と角香の交換になっていますが、後手玉が薄く先手の8一の飛車が働く形なので先手がいいようです。
ここで貴重な先手の手番ですが、ぬるい手を指せば△8九馬と飛車を取った手が△5八金からの詰めろになるので、厳しい手が指す必要があります。
実践は△6二同玉以下▲8二飛成△7二香▲7三歩△5二玉で、ソフトの評価値-29で互角。
この手順は、▲7三飛成に△7二香と1枚合駒を使わせて▲7三歩と打った手が詰めろになるので先手良しかと思っていたのですが、△5二玉の早逃げをうっかりしいていました。
▲7三歩と打ったからには▲7二歩成としたいのですが、後手玉は詰めろでないため△8九馬で、ソフトの評価値-2869で後手勝勢。
△5二玉に▲7二龍は△6二金▲7一龍△8九馬▲7二歩成△6八飛▲5八金△2九成銀で、ソフトの評価値-2173で後手勝勢でお互いに怖い展開ですが、▲7三歩と打った後に▲7二龍△6二金と龍をはじかれる展開になるのは感覚的に指しにくいです。
▲8二飛成では▲6四歩がありました。ソフトの評価値+729で先手有利。
この手は▲6四歩と歩を打つ手ですが、これは▲6三歩成からの詰めろになっています。
▲6四歩に△8九馬なら▲6三歩成△同玉▲6一飛成△7三玉▲6四銀△8四玉▲8五歩△8三玉▲8一龍△8二歩▲8四金まで詰みです。
▲6四歩に△同歩なら▲8二飛成△7二香▲7三歩△5二玉▲4四銀△8九馬▲7二龍△6二金▲6三金で、ソフトの評価値+50000で先手優勢。
この手順は、△6四同歩に▲8二飛成がうっかりしやすい手で、ここで▲6四同銀として▲6三金の詰めろを考えるのですが、△5二玉とされると先手は手が続かないようです。
よって▲8二飛成として△7二香に▲7三歩と詰めろをかけます。
△5二玉の早逃げに▲4四銀もうっかりしやすい手で、△8九馬には▲7二龍の王手があります。
△6二金に▲6三金と打てるのが数手前に▲6四歩と打った効果ですが、なかなか難しい手の組み合わせです。
また別の手として▲6四歩では▲7三歩として▲7二飛成からの詰めろも考えられますが、▲7三歩には△5二玉と早逃げして、ソフトの評価値-973で後手優勢。
終盤の手の組み合わせが参考になった1局でした。