上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△3三同桂と龍を取った局面。ソフトの評価値-567で後手有利。
駒割りは飛桂と角銀の交換でいい勝負ですが、やや先手の持ち駒の戦力が少ないので後手が少しいいみたいです。
ただし、先手玉もまだ固いのでまだ大変な局面です。
ここで貴重な先手の手番ですが、少しでも後手陣に食らいつく形にしたかったので▲6三銀としました。
▲6三銀以下△同銀▲同馬△7二銀で、ソフトの評価値-604で後手優勢。
この手順は▲6三銀として以下△同銀▲同馬△7二銀で先手の馬を6四から6三にして少しでも後手玉にプレッシャーをかけようとしたのですが、△7二銀とはじいてきました。
先手の持ち駒がたくさんあれば▲7二同馬とか▲7一銀とか技がかかりやすい局面ですが、▲7二同馬としても△同玉で角と銀銀と歩ではやや戦力が足りません。
後手からは△5九飛打などで先手玉に詰めろがかかって、▲7九銀として持ち駒を埋めるようでは戦力不足になり結局は負けを早めそうです。
まだ後手玉に迫るのは少し早く、大駒を切るタイミングではないようです。
▲6三銀では▲6三歩がありました。
▲6三歩△6一金▲5五角△5九飛打▲7九銀で、ソフトの評価値-446で後手有利。
この手順は▲6三歩と垂らして次に▲6二歩成を狙います。
さすがにと金を作らせるのはまずいので△6一金と受けますが、そこで▲5五角と攻防の角を打ちます。
▲5五角は敵陣や自陣に利いており▲3三角成のような狙いもあるので、粘りのある手です。
後手は△5九飛打と飛車を打って詰めろをかけますが、そこで▲7九銀と打って辛抱します。
形勢は後手の方が少しいいようですが、実戦的にはまだ大変です。
先手は桂馬が入れば▲7五桂のような狙いがあります。
▲7九銀に△7四歩なら、▲6六銀△同歩▲7五歩△同歩▲7四桂で、ソフトの評価値-170で互角。
この手順は△7四歩と事前に受けて▲7五桂を消したのですが、▲6六銀△同歩に▲7五歩と突くのが後手玉のコビンを狙った手で△同歩なら▲7四桂と打って迫ります。
まだ先手の持ち駒は足りませんが、後手玉も決して安全ではありませんのでいい勝負のようです。
やはり攻めにいって攻めが切れるよりは、少しでも手をためて持ち駒より盤上の駒を活用した方がいいみたいです。
ここの手順でいえば▲6六銀や▲7五歩の部分です。
攻めが切れないように手を繋げるのが参考になった1局でした。