攻めが切れないように手を繋げる

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△3三同桂と龍を取った局面。ソフトの評価値-567で後手有利。

駒割りは飛桂と角銀の交換でいい勝負ですが、やや先手の持ち駒の戦力が少ないので後手が少しいいみたいです。

ただし、先手玉もまだ固いのでまだ大変な局面です。

ここで貴重な先手の手番ですが、少しでも後手陣に食らいつく形にしたかったので▲6三銀としました。

▲6三銀以下△同銀▲同馬△7二銀で、ソフトの評価値-604で後手優勢。

この手順は▲6三銀として以下△同銀▲同馬△7二銀で先手の馬を6四から6三にして少しでも後手玉にプレッシャーをかけようとしたのですが、△7二銀とはじいてきました。

先手の持ち駒がたくさんあれば▲7二同馬とか▲7一銀とか技がかかりやすい局面ですが、▲7二同馬としても△同玉で角と銀銀と歩ではやや戦力が足りません。

後手からは△5九飛打などで先手玉に詰めろがかかって、▲7九銀として持ち駒を埋めるようでは戦力不足になり結局は負けを早めそうです。

まだ後手玉に迫るのは少し早く、大駒を切るタイミングではないようです。

▲6三銀では▲6三歩がありました。

▲6三歩△6一金▲5五角△5九飛打▲7九銀で、ソフトの評価値-446で後手有利。

この手順は▲6三歩と垂らして次に▲6二歩成を狙います。

さすがにと金を作らせるのはまずいので△6一金と受けますが、そこで▲5五角と攻防の角を打ちます。

▲5五角は敵陣や自陣に利いており▲3三角成のような狙いもあるので、粘りのある手です。

後手は△5九飛打と飛車を打って詰めろをかけますが、そこで▲7九銀と打って辛抱します。

形勢は後手の方が少しいいようですが、実戦的にはまだ大変です。

先手は桂馬が入れば▲7五桂のような狙いがあります。

▲7九銀に△7四歩なら、▲6六銀△同歩▲7五歩△同歩▲7四桂で、ソフトの評価値-170で互角。

この手順は△7四歩と事前に受けて▲7五桂を消したのですが、▲6六銀△同歩に▲7五歩と突くのが後手玉のコビンを狙った手で△同歩なら▲7四桂と打って迫ります。

まだ先手の持ち駒は足りませんが、後手玉も決して安全ではありませんのでいい勝負のようです。

やはり攻めにいって攻めが切れるよりは、少しでも手をためて持ち駒より盤上の駒を活用した方がいいみたいです。

ここの手順でいえば▲6六銀や▲7五歩の部分です。

攻めが切れないように手を繋げるのが参考になった1局でした。

桂馬を交換せず銀を踏み込む

上図は、後手ゴキゲン中飛車に先手が▲3七銀型からの超速からの展開で△3三桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+642で先手有利。

後手が早い段階で△6四歩から△6三銀として、次に△5四銀として先手の仕掛けを封じようとする前に▲4五桂と動いた展開です。

後手の△3三桂に▲同桂成なら△同角として後手の角が働くのでここでは取らずに別の手を指すような局面です。

対局中はいい勝負かと思っていたのですが、ソフトの評価は先手有利だったのは気がつきませんでした。

実戦は▲4六歩△3二金▲9五歩で、ソフトの評価値+273で互角。

この手順は▲4六歩として後手が△4五桂なら▲同歩を用意したのですが、後手もそれだとまだ角を使いづらいので、△3二金と1手ためてきました。

先手も指す手が難しいので▲9互歩と9筋の位を取ったのですが、形勢は互角になったようです。

先手は悪い手を指した感覚はなかったのですが、この数手はチャンスを逃がした感じです。

▲4六歩では▲5四銀がありました。

▲5四銀に△同銀が自然ですが、▲3三桂成△5三角▲2四飛で、ソフトの評価値+1067で先手優勢。

この手順は銀と桂の交換で先手が少し駒損ですが、▲3三桂成と後手陣に桂馬が成りこみ▲2四飛とした形は次に▲2二飛成と龍を作れる形なので先手優勢です。

よって後手は▲5四銀には△4五桂とします。

▲5四銀△4互桂▲6三銀不成△6二銀で、ソフトの評価値+858で先手有利。

この手順の▲5四銀に△4五桂は普通はない手ですが、▲6三銀不成に△6二銀と受けて、後から△5七桂成を狙う手です。

後手の6三の銀が取られますが△4互桂と桂馬を取り返して銀と桂馬の交換です。

2一の桂馬が5七まで進んで相手の金駒と交換できるのは、振り飛車側からすると気持ちのいい展開です。

△6二銀以下▲同銀成△同金▲1一角成△5七桂成▲5五香で、ソフトの評価値+843で先手優勢。

この手順は、△6二銀に清算して△同金までは自然ですが、次の▲1一角成が指しづらいです。

後手は勢い△5七桂成としますが、そこで▲5五香が狙いの一手です。

この局面は銀香と桂馬の交換で先手がだいぶ駒得していますが、先手も金を取られる形は結構玉が薄くなります。

後手玉も決して固いとまでは言えないのですが、飛車と角と金が密集しており耐久性があります。

▲5五香以下△5八成桂▲5一香成△6九成桂▲4一成香で、ソフトの評価値+7898で先手有利。

この手順は、先手は後手の攻めを見切って一直線に駒を取りあう展開です。

普通は先手は指しにくく、先手は飛車と馬が利いているのと、後手玉に大駒がないのでまだ先手玉は簡単にはつかまらないということですが、なかなか実戦では選びにくいです。

玉の薄い場合はどこで相手の攻めを見切るかというのがとても難しいですが、対抗形ではたまにでそうな展開です。

桂馬を交換せず銀を踏み込むのが参考になった1局でした。

龍を作らせても先手有利なのが盲点

上図は横歩取りからの進展で、ソフトの評価値+196で互角。

ここまでの手順は、△4一玉の形に▲3四飛と横歩と取って以下角交換から△2五角に▲3六飛と引いて以下△同角▲同歩と進んだ展開です。

この局面は、飛車と角の交換で先手が1歩得ですが互角のようです。

序盤は飛車より角という格言はありますが、実戦的には相手の持ち駒に飛車があると飛車の打ち込みは常に気にしておかなければいけませんので、格言ほど序盤は角の方が有利という実感はあまりありません。

実践は▲3六同歩以下△2二銀▲3八銀△6二銀▲5八玉で、ソフトの評価値+134で互角。

この手順は、後手は△2七飛と打って龍を作る形を見送って駒組みをした展開です。

先手は後手からの飛車の打ち込みを気にしながら駒組みを進めますが、持ち駒の角をどこか盤上に置いて、飛車の打ち込みをけん制しつつ後手陣に向けて手を作るという感じです。

後手は歩切れなのと先手が持ち駒に角が2枚あるので、角の打ち込みに気をつけながら駒組みを進めます。

そのような意味で形勢は互角のようです。

変化手順で△2二銀で△2七飛なら▲3八銀で、ソフトの評価値+343で先手有利。

この手順は、△2七飛と打って龍を作る形に▲3八銀と受けた展開です。

横歩取りで飛車と角の交換になれば部分的にはでてきそうな局面ですが、この局面が先手有利なのは驚きました。

▲3八銀に△2八飛成なら▲5五角がありますので、後手は△2四飛成か△2五飛成か△2六飛成が普通です。

▲3八銀に△2四飛成なら▲4六角△3四龍▲3七桂△6二銀▲2七銀△8五歩▲7七銀△2二銀▲6八玉で、ソフトの評価値+345で先手有利。

この手順は▲4六角は自然ですが、▲3七桂から▲2七銀が少し指しづらいです。

普通は▲2七銀とすれば飛車の打ち込みが気になりますが、後手は龍を作って持ち駒に飛車がありません。

▲3八銀に△2互飛成なら▲3七桂△2四龍▲2五歩△3四龍▲4互角で、ソフトの評価値+521で先手有利。

この手順は△2互飛成には手順に▲3七桂と跳ねて、以下△2四龍に▲2五歩が少し打ちづらいです。

以下△3四龍に▲4互角と打って後手の龍を目標に角2枚と使って先手が面白いようです。

▲3八銀に△2六飛成なら▲3五角△3六龍▲5三角成△6二銀▲5四馬△3五龍▲6八玉で、ソフトの評価値+545で先手有利。

この手順は先手も馬を作る形で、馬ができれば先手も一応満足です。

どの変化も△2七飛は先手有利になるので、△2七飛と打つより△2二銀は有力だったようです。

後手に龍を作らせても先手有利なのは全く気がつきませんでしたが、龍という強い駒を作らせても先手有利という感覚が昔の感覚だとあまりなじまない感じです。

龍を作らせても先手有利なのが盲点なのが参考になった1局でした。

と金の使い方

上図、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲3三歩成に4二の角が△6四角と上がった局面。ソフトの評価値+586で先手有利。

先手は歩切れで後手が4枚も歩を持ち駒にしていますが、先手の飛車が成れそうな展開なので先手有利みたいです。

3三のと金が邪魔で飛車が成れませんが、どのようにと金と飛車を活用するかという局面です。

実戦は▲3二と△7一飛で、ソフトの評価値+537で先手有利だったのですが、△7一飛で△5一飛でなら、ソフトの評価値+279で互角。

この手順は▲3二とで飛車取りなのですが、△5一飛とすれば先手も飛車の使い方が少し難しかったようです。

普通はと金の遠いところに逃げる△7一飛が自然な感じがするのですが、あえてと金の近くに逃げる△5一飛があったようです。

△5一飛に▲4二とは△同角がありますので、△5一飛には▲3三飛成ですが、△5七歩と垂らしてソフトの評価値+318で先手有利。

この展開の評価値は先手有利になってますが、△5七歩とされて△5八歩成からのと金攻めや、△5三飛と飛車交換を狙うような筋もあり、あまり先手有利という実感がないです。

先手もゆっくりしていると後手から△7三桂から△9六歩で、先手からすると一番嫌な端攻めがあるので気分的には忙しいです。

これらの展開はと金がやや重たい感じです。

▲3二とでは▲4二とがありました。

▲4二と△5七歩▲3二飛成△7一飛▲5七銀で、ソフトの評価値+496で先手有利。

この手順は、▲4二とでと金をできるだけ後手玉の方に使う手です。

▲4二とに△同角は▲3二飛成で後手が悪いので、△5七歩と狙いの垂れ歩で先手陣にけん制します。

以下▲3二飛成に△7一飛とさせてから▲5七銀と手を戻してどうかという展開です。

▲5七銀以下△同桂成▲同角に△2八角成なら▲4六角△同馬▲同歩で、ソフトの評価値+647で先手有利。

この展開は、銀と桂馬の交換で先手が少し駒損ですが、△2八角成には▲4六角として角を捌ければ先手が指せそうです。

先手の4二のと金は▲4三とから▲4四とで引いてと金を活用する感じです。

▲5七銀以下△同桂成▲同角に△7三桂なら▲4三とで、ソフトの評価値+436で先手有利。

この展開は、銀と桂馬の交換から△7三桂として将来△9六歩からの端攻めが狙いですが、先手も▲4三とでと金を引いて活用する展開で先手も指せそうです。

▲4三とでは▲5二ともありそうですが、次の狙いがないので▲4三とで次に▲4四と金として、できれば後手の金駒と交換するイメーです。

と金の使い方が参考になった1局でした。

先手陣はまとめようがないので動く

上図は、相掛かりからの進展で△2三歩と打った局面。ソフトの評価値-32で互角。

この局面は、先手の8六の角を守るのに▲8七金としているのでやや形が崩れています。

このようなあまり見慣れない局面は形勢判断がしにくいのですが、互角だったようです。

対局中は先手にあまりいいイメージがなく、先手陣のまとめ方が分からなかったです。

実戦は△2三歩以下▲6八玉△5二玉▲2六飛で、ソフトの評価値-314で後手有利。

この手順は、▲6八玉△5二玉とお互いに玉の整備をした展開に▲2六飛と8六の角にひもをつけた手ですが、この▲2六飛は特別な狙いがないのでやや中途半端だった感じです。

あまり1手の価値がない手を指すと、少しずつ形勢が悪くなる可能性が高くなります。

先手は8二に歩がいたり8七に金がいるので、玉を普通に囲って戦うという展開にしにくいです。

玉を囲っての持久戦模様が難しいそうなので、最初の局面では先手から動いた方がよかったです。

▲6八玉では▲9五歩がありました。

▲9五歩△同歩▲9四歩で、ソフトの評価値+82で互角。

この手順は、▲9五歩と後手の9三の桂馬を目標に指す手です。

桂頭は8四の飛車が守っており、9筋の歩が切れると先手は8六に角がいるので▲9五角や▲9五香とする筋が見えますが別のところに狙いがあるようです。。

▲9四歩に△同飛なら、▲8一歩成△同銀▲5三角成で、ソフトの評価値+201で互角。

この手順は、△9四飛と後手の飛車が9筋に移動すると先手は▲5三角成の狙いが生じます。

後手の8四の飛車のままであれば▲5三角成には△8七飛成がありますので少しうっかりしやすいです。

▲5三角成の前に▲8一歩成△同銀として後手の銀の位置を悪くするのも細かいところです。

ただし▲5三角成と馬を作っても△8四飛とすれば互角のようです。

▲9四歩に△8五桂なら▲7五角△5四飛▲7六金△8四歩▲6五金△2四飛▲同飛△同歩▲8一歩成△同銀▲5三角成で、ソフトの評価値+624で先手有利。

この展開は、人間的にはとても指しづらいのですが、先手の金を5段目にまで進出して飛車交換をする手です。

普通は金が5段目まで進むと自陣に隙が生じて飛車の打ち込みなどがありますが、この進行になると7九の銀が飛車の打ち込みに備えているので、意外と手になっているようです。

このような展開もあるというやや例外的なパターンです。

いずれにしても最初の局面では先手から動いた方がよかったようです。

先手陣はまとめようがないので動くのが参考になった1局でした。

9筋の地獄突きで動く

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△5五同飛と5筋の歩を交換した局面。ソフトの評価値-21で互角。

この局面は先手は左美濃ですが、後手に9筋の位を取られています。

▲9八香と上がっているので展開によっては▲9九玉と穴熊にすることも可能ですが。穴熊にしても8八の地点に銀を移動するのは少し手数がかかるのが気になります。

よって、8八の地点には金を移動することや、場合によっては8八の地点には何も金駒がない駒組みもありそうです。

これらより穴熊にしてもあまり効果がないかとと思っていました。

また対局中は局面の5筋を交換した展開は、先手が大人しく▲5六歩とすると後手は△5二飛から△5四銀と駒組みをしてやや先手が不満かと思っていました。

実戦は△5五同飛以下▲5八飛△5一飛▲5六銀△5五歩で、ソフトの評価値-253で互角。

この手順の5筋を交換したときに▲5八飛から▲5六銀と歩を受けずに反発する手はたまにあるのですが、△5五歩と打たれるのを軽視していました。

△5五歩に▲4七銀では△5四銀で、後手は5筋が安定するので▲同銀としますが、△4五歩と突かれると▲5六歩と打って受けることになり、やや先手の駒組みが不安定な感じです。

銀を交換すれぼ△6九銀の筋や、後手の角道が通っているので△6五歩など後手の方が少し指しやすそうです。

やや実戦の▲5八飛から▲5六銀は強気すぎたようです。

▲5八飛では▲9六歩がありました。

▲9六歩△同歩▲同銀で、ソフトの評価値+7で互角。

この▲9六歩△同歩▲同銀の展開は9筋を逆用する地獄突きの手です。

9筋の位を取られると、取られた方が逆に9筋から手をつけることがたまにあります。

▲9六同銀に△同香なら▲同香△9五歩▲5六歩△5一飛▲9五香で、ソフトの評価値+415で先手有利。

この手順は銀と香車の交換でやや先手が駒損ですが、後手は9筋の守りが薄くなります。

△9五歩と後手は飛車の横利きで受けたのですが、次の▲5六歩が盲点です。

▲5六歩では▲5六香で後手の飛車が取られる形ですが、△同飛▲同銀△9六歩は飛車と銀香の交換で、ソフトの評価値-224で互角。

▲9六同銀に△5一飛なら▲9四歩で、ソフトの評価値+135で互角。

この手順は△5一飛と引いた形は▲9四歩と垂らしていい勝負のようです。

▲9四歩と垂らして▲8七銀と引くか、場合によっては▲9五銀と前に駒を進めるのも面白そうです。

▲9六同銀に△9四歩なら▲5六歩△5一飛▲2六角で、ソフトの評価値-22で互角。

この手順は△9四歩と大人しく受ければ▲5六歩から▲2六角で、やや不安定だった角を活用する形でいい勝負のようです。

9筋の地獄突きで動くのが参考になった1局でした。

桂馬が生きているうちに手を作る

上図は、角換わりからの進展で△8三歩と打った局面。ソフトの評価値+490で先手有利。

駒の損得はありませんが、先手の8四の桂馬が取られそうな形で、無条件に桂馬を取られると先手の駒損になります。

先手としては8四の桂馬が生きているうちに何か手を作りたいところです。

実戦は△8三歩以下▲4四角△8四歩▲同歩で、ソフトの評価値+66で互角。

この手順の▲4四角はあまりいい手ではないと思っていましたが、他の手が浮かばなかったので指したという感じです。

△8四歩と桂馬を取られると形勢は互角になりました。

このような局面で精度のいい手を指せるかどうかで、形勢が大きく変わってきます。

このあたりの手の見え方がいまひとつだったようです。

▲4四角では2通りの指し方がありました。

1つは▲4四角で▲2四歩です。

▲2四歩△同銀▲4一角で、ソフトの評価値+464で先手有利。

この手順は▲2四歩と銀の頭に歩を打つ手です。

後手の2三の銀と3二の金の駒の連結が取れているので、▲2四歩と叩くことで駒の連結を外します。

後手は歩切れなので△2四同銀としましたが、そこで▲4一角が気持ちのいい手でした。

▲4一角に△4二金なら▲6三角成△同金▲7二銀で、ソフトの評価値+1406で先手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが、銀を取って▲7二銀とする形は8四の桂馬が生きている間の攻めとしては理想的です。

▲4一角△8四歩▲3二角成△8五歩▲8八金△7二玉▲4二馬で、ソフトの評価値+513で先手有利。

この手順は▲4一角に△8四歩が最善で以下▲3二角成で、金と桂馬の交換で先手が駒得ですが。圧倒的に先手優勢というわけではなくまだ粘り強く指す必要があります。

もう1つは▲4四角で▲4四桂です。ソフトの評価値+493で先手有利。

この▲4四桂は金取りの桂馬ですが、単騎の桂馬のイメージなので少し指しづらいです。

▲4四桂に△4二金なら▲2六飛△2四桂▲2五歩△8四歩▲2四歩△8五歩▲8四歩△同飛▲2三歩成△8六歩▲8八金△8七歩成▲同金△8九角▲7七玉△9八角成▲8五歩△同飛▲8六歩で、ソフトの評価値+1099で先手優勢。

この手順は少し長いですが、▲4四桂△4二金に▲2六飛が後手の歩切れをついた手です。

後手は仕方ないので△2四桂としますが、そこで▲2五歩と桂馬を狙います。

後手の△8四歩から桂馬を取るのと、先手の▲2四歩から桂馬を取るのが形勢にどのように影響するかですが、普通は8四の桂馬を取られる方が先手玉に近いので先手が少しつらいです。

しかしここを凌げば、▲2四歩から▲2三歩成で2筋を突破できそうです。

途中の▲8四歩が大駒は近づけて受けよの細かい手で、△同飛とさせることで将来▲8五歩から▲8六歩が飛車取りの先手で受けることができるのが大きいです。

このようなところも細かいですが、玉の近くで戦いが起きているので丁寧に指す必要があるようです。

桂馬が生きているうちに手を作るのが参考になった1局でした。

どのような形で大駒の交換をするか

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△3六歩と突いた局面。ソフトの評価値+137で互角。

この局面は後手石田流ですが、出だしは後手は角道を止めた中飛車からの進展です。

先手は4枚穴熊にしてすでに完成していますが、後手も高美濃に銀がついて4枚で囲っているので評価値は互角のようです。

玉の固さと遠さでいえば先手の方が分がいいと思いますが、駒全体のバランスでいえば後手はいい構えです。

△3六歩と突いた局面ですが、このような局面から形勢に少しずつ差がつきやすいです。

実戦は△3六歩以下▲5五歩△同角▲3六飛△同飛▲同歩△4九飛で、ソフトの評価値-190で互角。

この手順は▲5五歩として△同角に▲3六飛として飛車交換にする展開ですが△4九飛と先着されて2九の桂馬と1九の香車が取られそうな展開です。

先手も1一の香車や1三の桂馬を取りたいのですが、後手は5五に角がいるので1一の香車は取りづらい形なのと、1三の桂馬は2五に跳ねられるので駒の損得でいえば先手の方が駒損になりやすいです。

また後手の角は△1九角成とできそうな形なので、馬ができると△5五馬や△6四馬と引いて攻防の馬になりやすいです。

このような意味合いで先手が少し損をしたような感じです。

▲5五歩では▲3六飛がありました。

▲3六同飛△同飛▲同歩△5六歩▲3七桂で、ソフトの評価値+9で互角。

この手順は▲3六同飛とこのタイミングで飛車交換を狙う手です。

後手は飛車交換をしてから△5六歩と取り込んでいつでも△5七歩成をみた味のいい手ですが、先手も▲3七桂と遊んでいる桂馬を跳ねて次に▲4五桂が角取りになるので気持ちのいい手です。

この展開は後手の3三の角が狙われやすいです。

ただし、形勢は互角のようでこのあたりは先手が一見うまくやっているようでも難しいです。

▲3七桂以下△5五角▲4五桂△4九飛▲4一飛で、ソフトの評価値+116で互角。

この手順は部分的には△5五角や△4九飛の展開は実戦と似ているのですが、先手の2九の桂馬が4五に跳ねて活用できいるのと、後手は5六歩と取り込んでいつでも△5七歩成がありどちらが駒が捌けるかという展開です。

結局は互角のようですが、先手だけをみれば桂馬が活用できている分だけこの展開は実戦よりよかったようです。

大駒の交換のような局面は差がつきやすいので、少しでも差が開かないように気をつけたいです。

どのような形で大駒の交換をするかが参考になった1局でした。

銀の位置を繰り替えて活用する

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲9六歩と突いた変化手順で、ソフトの評価値+331で先手有利。

実戦は▲3六歩と突きましたがあまり思ったほどの展開になりませんでした。https://shogiamateur.com/?p=33769&preview=true

今回は▲9六歩からの展開を調べてみました。

▲9六歩以下△5一角▲5五歩△4五歩▲5七銀△5五歩▲6六銀で、ソフトの評価値+331で互角。

この手順は少し分かりにくいのですが、△5一角は4二の角がやや不安定な位置なので△5一角と引くことで安定させるのと、将来△7三角や△8四角なども狙った反撃含みな手です。

先手は△5一角に▲5五歩と突くのですがこれが指しづらいです。

▲5五歩に△4五歩として▲5七銀と引く形は、△5五歩とされれば先手の1歩損になりあす。

しかし、△5五歩に▲6六銀と銀の位置を変えて次は▲5五銀が狙いです。

▲6六銀に△5六歩なら▲2六飛△3八歩▲5六飛△3九歩成▲1七桂で、ソフトの評価値+326で先手有利。

この手順は、▲2六飛に△3八歩は後手の狙いの手でと金を作って2九の桂馬を取りにいく手です。

ゆっくりしていたら後手のと金が働きそうですが、▲5六飛から▲1七桂と逃げた形は、先手の駒が軽い形で捌けているので先手が少し指しやすそうです。

▲6六銀以下△8四角▲2四歩△同歩▲7五歩で、ソフトの評価値+322で先手有利。

この手順は△8四角は▲5五銀なら△3九角成が狙いですが、先手は▲2四歩の突き捨てがあります。

△2四同歩とさせることでいつでも▲2四飛とできる形にしてから、▲7五歩と後手の角の利きを止めます。

▲7五歩以下△6五歩▲同銀△7五角▲2二歩で、ソフトの評価値+507で先手有利。

この手順は、△6五歩と突き捨てて△7五角は部分的にはありますが、この場合は少し無理気味なようで▲2二歩が数手前に2筋の歩を突き捨てた効果で、△3三桂には▲2四飛があります。

このような展開になると、後手の3四の銀は少し中途半端な位置にあるので後手が指しにくいかと思います。

4六の銀は3筋だけでなく、5筋から6筋と位置を変えて活用するのが面白いです。

銀の位置を繰り替えて活用するのが参考になった1局でした。

▲8三歩と垂らして含みをもたせる

上図は、相掛かりからの進展で△9四歩と突いた局面。ソフトの評価値+18で互角。

飛車先の歩をお互いに切っていますが、▲8七歩や△2三歩と簡単に受けないのがたまにあるケースでこのような進行になると局面がおさまりません。

実戦は△9四歩以下▲2八飛△4六飛で、ソフトの評価値+89で互角。

▲2八飛は△4六飛と歩を取られる形ですが、飛車を横に活用するのは働きがよくなっているかどうか微妙でこの局面はいい勝負のようです。

飛車が4筋にいってまた8筋に戻ると歩得はしていますが手損になるので、難しい戦いです。

実戦は△4六飛以下▲8二歩△9三桂で、ソフトの評価値-57で互角。

この手順は、後手の飛車が4筋にいったので▲8二歩と桂馬を攻める手です。

ただし、後手も9筋の歩を突いているので△9三桂と逃げることができます。

先手はどこかで▲9七角とのぞいて▲5三角成と狙う筋はありますが、▲9七角の形だと後手も△8五桂と跳ねて桂馬を活用することもできそうなので先手はこの形は指しづらいです。

この局面では▲8二歩△9三桂と後手の桂馬を前にださない指し方があったようです。

△4六飛以下▲8三歩で、ソフトの評価値+16で互角。

この手は▲8三歩と垂らす手で次に▲8二歩成が狙いです。

▲8三歩に△同銀なら▲8二歩△9三桂▲8一歩成△8五桂▲8二と△8七歩▲8三と△8八歩成▲同銀で、ソフトの評価値+382で先手有利。

この手順は、後手の銀の位置が変われば▲8一歩成とと金ができる形です。

ただし後手も△8五桂と活用できるので気持ちがいいのですが、先手も▲8二とでと金が活用できます。

△8七歩も厳しいのですが、▲8三とで銀を取って以下△8八歩成で角と銀の交換ですが、先手はと金が残っているので先手が指せるようです。

▲8三歩に△7一金なら▲9七角△5二玉▲2二飛成△同銀▲8二歩成△同金▲7一角で、ソフトの評価値+939で先手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが、先手の狙い筋で△7一金には角を取って歩を成り捨ててから▲7一角とすれば先手優勢です。

▲8三歩に△8六飛なら▲2四歩△1三角▲8二歩成△2七歩▲同飛△2六歩▲2八飛△8二飛▲2六飛△2二銀で、ソフトの評価値-22で互角。

この手順は△8六飛と8筋に回って▲8二歩成を受けたのですが、先手も▲2四歩が継続手です。

▲2四歩に△1三角が少し指しづらいですが、▲2三歩成には△2七歩▲同飛△2六歩▲2八飛△2三金で受ける形です。

よって先手は▲8二歩成から変則的な展開ですが、▲2六飛に△2二銀と受けていい勝負のようです。

このあたりは手が広すぎて他にも色々な手がありそうです。

▲8三歩と垂らして含みをもたせるのが参考になった1局でした。