形の悪い受けなら大駒の交換

上図は、先手雁木模様の進展から▲2四飛に△2二銀とした局面。ソフトの評価値+230で互角。

対局中は後手の狙いは△3五角から△5七角成なので、それを受けることばかり考えていたのですが、ここからの先手の対応がまずかったです。

本譜は以下、▲5八玉でソフトの評価値-28で互角。

形勢は互角になっていますが、いかにも苦心した割にはぱっとしない指し方のような手になっています。

▲5八玉としたからといって、先手玉は安定性はあまりありません。

▲5八玉では▲6五歩がありました。ソフトの評価値+100で互角。

この展開になると角が捌けます。

▲6五歩以下、△7三銀▲6七銀で、ソフトの評価値+141で互角。

▲6七銀では▲4四角もありますが、先手は7六の銀と7八の金が浮いているので、▲6七銀と引きます。

▲6七銀に△3五角だと▲3四飛△5七角成▲7四歩△8四銀▲5五角で、ソフトの評価値+694で先手有利。

この手順は後手無理ですが、先手は飛車の横効きで▲7四歩から▲5五角と飛び出すのが味がいいです。

これだと大駒が使えている感じです。

なお、▲6五歩以外にも▲4四飛や▲7四歩もあったようです。

両方とも大駒を活用するという手で、難しいながらも本譜の考え方と同じです。

形の悪い受けなら大駒の交換をした方がいいと分かった1局でした。

1手ためる感覚

上図は、先後逆で後手が△6四角と打った手に▲3七桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+235で互角。

対局中はあまり△6四角と打っても攻め手が見えにくいので指したくはなかったのですが、他の手が浮かばなかったので指した感じです。

後手は△6四角と自陣角を打ってしまったので、あまりゆっくりとした展開にはできません。

ここからの数手は少し単調すぎました。

本譜は以下、△7五角▲8九飛△4五桂で、ソフトの評価値+369で先手有利。

この攻めの何が単調かというと、歩を使っていないので、力の入った攻めになっていません。

△7五角も宙に浮いたような形でぱっとしませんし、逆に先手から狙われやすいです。。

秒読みの将棋とはいえ、手があまり見えていない感じです。

△7五角では△7四歩があったようです。ソフトの評価値+204で互角。

△7四歩に▲同歩だと△8六角で飛車をとられるので、▲7四同歩はありませんがそれにより後手は1歩得になります。

持ち駒は歩1枚が2枚になると戦力が増します。

歩を取るのにも△7五角と△7五歩の2種類あるので、攻め手が広がる感じです。

ただ△7四歩と突いても形勢は互角です。

△7四歩以下、▲6六歩△4五桂で、ソフトの評価値+151で互角。

▲6六歩は先手玉のコビンがあいて、少し怖いところもあるのですが、後手の△6四角をいじめる狙いで▲6六歩から▲6七銀となると先手は安定します。

▲6六歩と突いたのを見て△4五桂と跳ねます。

▲同桂△同銀▲3七桂△5四銀で、ソフトの評価値+243で互角。

桂馬の交換の後先手が▲3七桂と打ちましたが、後手からの△1九角成と△3七歩の両方を受けた手です。

先手が桂馬を自陣に使ってくれたので、後手は△5四銀と引きます。

これでまだこれからの将棋ですが、後手は持ち駒に桂馬が入ったので、また手を広げていく感じです。

1手ためる感覚の△7四歩が参考になった1局でした。

平凡そうな王手で迫る

上図は、相掛かりからの終盤戦で後手が△6八角と打った局面。ソフトの評価値+380で先手有利。

対局中は有利など思ってなく、秒読みでは△6八角の意味がよく分かってなかったです。

本譜は以下、▲2六角△4二玉▲6六桂△4五銀▲5四歩△4四桂で、ソフトの評価値+129で互角。

▲2六角から▲6六桂で後手の5四の銀がくぎ付けかと思っていたのですが、△4五銀が見えてなかったです。

先手の4六の銀がいなくなると、△5七角成の筋が気が付かなかったです。

△4五銀に銀を取らず▲5四歩と▲5三角成以下の詰めろをかけたのですが、△4四桂で先手の角の働きが悪くなった感じです。

▲2六角では▲6五桂があったようです。ソフトの評価値+380で先手有利。

▲6五桂は少し見えていたのですが、後手玉が逃げた後の先手の手が分からなかったのでやめてました。

▲6五桂に△4二玉なら、▲7四歩△同飛▲5三角△5二玉▲7五銀で、ソフトの評価値+353で先手有利。

▲7四歩はうっかりしやすい手で次の▲7五角を狙っているので、△7四同飛としますが、▲5三角から▲7五銀がいい感じです。

▲6五桂に△5二玉なら、▲5三歩△4二玉▲6一角△6二金▲5二歩成△同金▲同角成△同玉▲2三飛成で、ソフトの評価値+1523で先手優勢。

この手順はややうますぎですが、最後の▲2三飛成に△同金は▲5三銀以下詰み。

両方の手順とも簡単ではありませんが、本譜よりはるかに良かったです。

平凡そうな▲6五桂から王手で迫るのが良かったと分かった1局でした。

手損にならない手順を考える

上図は、先手雁木模様に対して後手が2二の角が△4四角とした局面。ソフトの評価値+307で先手有利。

対局時は先手有利など思ってなく、次の一手が迷いました。

本譜は以下、▲2四飛△2二銀で、ソフトの評価値+106で互角。

▲2四飛に△2二銀は先手が手損になって少し損したかもしれません。

先手は▲2四飛が▲3四飛として1歩得も▲2四飛とすると手損になります。

先手は1歩得して▲3四飛としたからには、▲3四飛の形にしたのを活かして指した方が良かったです。

▲2四飛では2通りの手がありました。

1つは▲4四同飛△同歩▲6五歩で、ソフトの評価値+206で互角。

先手は自ら飛車と角の交換をして▲6五歩と突きます。

△7三銀に▲4四角△3三桂▲5五角打で、ソフトの評価値+485で先手有利。

先手は▲3三角成と▲7四歩の狙いで先手有利ですが、後手も飛車を持っているので油断はできません。

手順の△3三桂で△2二銀なら、▲7四歩△同銀▲7五歩△8三銀▲5三角成△2三飛▲2六角で、ソフトの評価値+257で互角。

この手順の△2三飛に▲2六角は受けるなら仕方ないとはいえ、少し難しい手です。

もう1つは▲7四歩です。ソフトの評価値+271で互角。

▲7四歩の意味は△7二飛としたときに7六の銀取りにならない意味や、6四の銀がいなくなると▲7三歩成△同桂▲7四歩のような狙いがあります。

また次に▲4四飛△同歩▲6五歩に△7三銀と引けない形にしています。

▲7四歩△8六歩▲同歩△7五歩▲6七銀△3三金▲4四飛△同歩▲6五歩△同銀▲9五角△8四歩▲5五角△2二飛▲2八歩で、ソフトの評価値+133で互角。

▲7四歩と垂らす展開も△3三金と催促されると▲4四飛と飛車を角の交換をする展開です。

手順の▲9五角から▲5五角はあまり見ない手順ですが、このような指し手もあるということみたいです。

手損にならない手順を考えるのが大事と分かった1局でしあ。

大駒で受けたときに評価値

上図は、相掛かりからの進展で後手が△6四銀とした局面。ソフトの評価値+20で互角。

後手は△7五歩から銀を使って8筋を攻める手を狙っているのですが、対局時は先手の受け方が悩みました。

角道を開けているので角は自由なのですが、どのような形で受けるかが今後の進展に影響します。

本譜は以下、▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2五飛で、ソフトの評価値-95で互角。

先手は▲2五飛の形にして飛車の横効きで△7五歩を防ぐ指し方ですが、やや凝りすぎのような気がします。

ただこの筋以外の受け方が見えませんでした。

▲2五飛以下、△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8四飛▲3七桂△7三桂▲6六角△7五歩▲同歩で、ソフトの評価値-96で互角。

先手は飛車だけでなく角も▲6六角として7筋の歩を守る形にしました。

本来、飛車や角の大駒は遠くから睨んで威力を発揮するのですが、▲2五飛と▲6六角はやや接近戦のような駒の使い方なので、いまひとつのような受け方な感じがします。

受けるなら大駒でなく小駒で受ける形だと思います。

評価値も互角にはなっていますが、-の評価値なのであまりいい筋ではないみたいです。

先手は金と銀があまり使えていないのが気になります。

大駒で受けたときの評価値が分かった1局でした。

拠点を残さず指す

上図は、角換り腰掛銀からの進展で、後手が△8七歩と打った局面。ソフトの評価値-836で後手優勢。

対局時はこの局面はかなり悪いと思っていましたが、後の指し手もやや淡泊でした。

本譜は以下、▲7九玉△3五角▲3四飛△3三歩で、ソフトの評価値-747で後手有利。

この展開は、後手に8七歩の拠点を残して飛車を渡す展開になるので、先手は相当勝ちにくい感じです。

どこかで▲8七金と取らないと持たない形で、後手が飛車を打つと攻防に働く感じなので、先手きつそうです。

▲7九玉では▲8七同金とする手があったようです。

▲8七同金△8五歩▲同歩△8六歩▲同金△5九角で、ソフトの評価値-543で後手有利。

▲8七同金とするとこのような手順が浮かんで、△5九角と両取りを打たれると先手が対抗手段がないと思っていました。

ただこの瞬間は、後手歩切れで先手の飛車と5五の桂馬が働いていて、歩がたくさんあり▲4三歩と叩く筋もあるので、先手悪いながらもこの展開にした方が面白かったみたいです。

先手は△4八角成は仕方ないですが、△8六角成だけは許してはいけない局面です。

△5九角以下、▲4三歩△同銀▲同桂成△同玉▲7七桂で、ソフトの評価値-762で後手有利。

元の局面が先手悪いので、頑張っても後手が悪い手を指さないことには形勢は良くなりませんが、△8六角成を防ぐ▲7七桂で悪いなりも勝負という感じです。

▲7七桂以下、△2三歩▲2九飛△4八角成▲6五桂△同歩▲5五桂で、ソフトの評価値-940で後手優勢。

後手に丁寧に対応されると先手苦しいですが、終盤戦で1000点位差があっても、1手おかしい手を指せば互角になることは多いので、あきらめずに指すしかなさそうです。

△8七歩の拠点を残さす指すのが大事と分かった1局でした。

手筋の▲2二歩

上図は、後手雁木模様からの進展で後手が△3六銀と2五の銀が出た局面。ソフトの評価値+581で先手有利。

対局時は先手指しやすい感じはしていましたが、具体的にどのように指せばいいかが浮かびませんでした。

本譜は以下、▲4六銀上△2六馬▲3七歩△4五歩▲3六歩△4八馬▲同金△5九飛で、ソフトの評価値-31で互角。

飛車と角の交換で△5九飛と打たれると、先手有利はなくなった感じです。

▲4六銀上では▲3六同銀がありました。

▲3六同銀△同馬▲2二歩で、ソフトの評価値+507で先手有利。

一番自然な▲3六同銀がなぜか対局時は全く見えていませんでした。

その後の▲2二歩はその前くらいには浮かんではいたのですが、▲3六同銀の組み合わせでは抜けていました。

▲2二歩に△5四歩なら、▲2一歩成△5五歩▲1一と△5四馬▲7七銀△6五銀▲4六香で、ソフトの評価値+625で先手有利。

この手順は銀と桂香の2枚替えで先手有利です。

▲2二歩に△同金なら▲6五角で、ソフトの評価値+858で先手優勢。

▲2二歩に△同金で4三の金が浮いた状態で、▲6五角と打ちます。

▲6五角に△5四歩なら、▲8三銀△同飛▲同角成△5二銀▲6六銀で、ソフトの評価値+1623で先手優勢。

手順の△8三同飛で△7一銀打なら、▲8二銀成△同銀▲8四飛で、ソフトの評価値+1316で先手優勢。

▲6五角に△5四銀なら、▲同銀△同馬▲同角△同金▲4三銀で、ソフトの評価値+1120で先手優勢。

▲2二歩から▲6五角の組み合わせが良くて、先手指せていたようです。

手筋の▲2二歩が参考になった1局でした。

無理筋でも対応するのは大変

上図は、後手三間飛車先手居飛車穴熊からの変化手順で、実戦では△5七歩の垂れ歩に▲6八金寄としたのですが、2六の飛車が▲2八飛だったらどうだったかの変化手順です。

△5七歩の垂れ歩は先手から見たらいやな手で、▲6八金寄とはしたくないのですが、歩を成られると先手まずそうです。

▲6八金寄とすると穴熊の形が少し崩れます。

しかし、▲2八飛も指しにくい手で、飛車が縦に移動すると△5八歩成があります。

▲2八飛には、△5四銀▲7七角△7三桂のようにじっと辛抱するのが本格的な指し方ですが、先手の桂の頭を狙う△3五歩が気になります。

△3五歩は強い人から見れば▲3四歩があるので一目無理筋なのですが、△3六歩から桂馬をいじめて△3七歩成から△5八歩成などを狙った手です。

厳密に言えば無理筋の手を考えてもあまり意味がないのかもしれませんが、無理筋でもきちんと対応しないと、無理筋が通ることがあるのが将棋の怖いところです。

△3五歩▲3四歩△5一角▲4四角△4二飛で、ソフトの評価値+562で先手有利。

▲3四歩と打って△5一角と引かせるのは気持ちがいいのですが、そこで▲4四角に△4二飛が狙いの一手です。

先手有利なのですが、▲1一角成△4七飛成がいいのか、別の進行がいいのかが迷います。

△4二飛の局面では▲2四飛でも▲4五銀でも先手有利ですが、▲1一角成とします。

▲1一角成△4七飛成▲5二銀△3七龍▲2九歩で、ソフトの評価値+642で先手有利。

後手は▲5二銀に角が逃げると▲6三銀成と金をはがされるので、△4七龍で勝負します。

△4七龍▲5一銀成△5八歩成▲2四飛△6九銀▲7七金△8五桂で、ソフトの評価値+540で先手有利。

この展開は穴熊で角香と桂馬の交換で実質先手角得なので、だいぶいいはずなのですが、▲5一成銀の働きがいまひとつ なので、思ったほど差が開いていないのが興味深いです。

この進行がいやなら、▲1一角成では別の手を選ぶことになります。

無理筋でもきちんと対応するのは大変と分かった1局でした。

△6六歩と叩く感覚

上図は、先後逆で角換り腰掛銀からの終盤戦で、後手が△8六歩に▲同歩とした局面。ソフトの評価値-327で後手有利。

後手は角と銀の交換で駒得も、先手に龍を作られているのでいい勝負です。

対局中は後手有利など思ってなく、いい勝負かと思っていました。

本譜は以下、△4九角▲7八銀で、ソフトの評価値+385で先手有利。

後手は△4九角と打って先手に持ち駒を1枚使わせようと思ったのですが、この手があまり良くなかったようです。

1枚使わせることで、逆に先手玉がしっかりしたという感じです。

実戦は以下、△8七歩に▲4五桂だったのですが、▲4五桂では▲6四歩△同銀▲6三歩△同金▲7二銀で、ソフトの評価値+522で先手有利だったようです。

△4九角では△6六歩がありました。

△6六歩に▲同金なら、△3三角打▲2一龍△8六角▲同銀△6六角で、ソフトの評価値-176で互角。

△6六歩に▲同銀なら、△4四角▲2一龍△8六角▲8七歩△5九角成▲7八金△6八歩で、ソフトの評価値-575で後手有利。

△6六歩に▲6八金なら、△5五角▲2一龍△6五桂で、ソフトの評価値-299で互角。

どの変化も大変ですが、1本△6六歩と叩くのが筋でした。

その手には先手はどのように対応してもいやな形になります。

△6六歩に対する先手の手に、後手が角を打つ場所をいろいろと変えているのが興味深いです。

このあたりの感覚は、よく分かりません。

ただ短い時間でも△6六歩と叩く感覚は大事だと分かった1局でした。

初めて見た▲3五歩

上図は、後手ゴキゲン中飛車に対して先手居飛車穴熊からの進展で、後手が△6三金とした局面。ソフトの評価値+183で互角。

先手は穴熊が最低限完成しているので、次は4八の銀をどのように活用するかが焦点ですが、本譜の進行はあまり良くなかったようです。

本譜は以下、▲4六歩△7三桂▲3七桂△8二玉▲1六歩△1四歩▲4七銀で、ソフトの評価値-11で互角。

互角であるので、そこまで悪い手ではなさそうですが、▲3七桂と▲4七銀の組み合わせがあまり良くないのか、評価値が伸びていません。

以下△9四歩▲5六歩から駒を繰り替える展開となりました。

▲4六歩では▲3七銀があったようです。

▲3七銀に△4五銀なら▲3五歩で、ソフトの評価値+261で互角。

▲3七銀は△4五銀と出られた時に、▲4六歩と突いても△5四銀でも△5六歩でも模様が悪いと思って指さなかったのですが、△4五銀には▲3五歩がありました。

このような局面で▲3五歩は初めて見ました。

▲3五歩に△同歩なら、▲4六銀△同銀▲同歩で、ソフトの評価値+212で互角。

この展開は先手1歩損ですが、働きの鈍い4八の銀が持ち駒になって、先手穴熊なのでまずまずかと思います。

▲3五歩に△5六歩なら、▲3四歩△4四角▲5六歩△同銀▲同金△同飛▲4六銀で、ソフトの評価値+391で先手有利。

この展開は後手の飛車は捌けていますが、まだ飛車が成れる展開になっていません。

先手1歩得で4六の銀が後手の大駒を抑えるような感じで、先手戦えそうです。

初めて見た▲3五歩に感心した1局でした。