少し駒損の時の指し方

上図は、後手角交換振り飛車からの進展で△5四歩と打った局面。ソフトの評価値-250で互角。

この局面は先手の5五の銀が取られる形で、▲9六歩とすれば銀と香車の交換になりますが、先手が少し駒損です。

対局中は、この局面はだいぶ先手が悪いと思っていたのですがまだ互角だったのは意外でした。

ちょっと苦しいかなという局面からどこまで粘れるかが大事ですが、だいたいこのような局面から形勢に差が開いてきます。

実戦は△5四歩以下▲5四同銀△同金▲3六角△4五金で、ソフトの評価値-785で後手有利。

この手順は▲5四同銀から▲3六角として遊んでいる5八の角を活用して少し盛り返したかと思っていたのですが、△4五金をうっかりしていました。

▲4五同歩なら△2八角成があります。

将棋で見落としがあると形勢に差がつく典型的なパターンです。

仕方なく▲4五同角としましたが、以下△同歩▲2四歩△同歩▲3四歩で、ソフトの評価値-1306で後手優勢。

この展開は後で9六の香車が取れそうですが、駒割りは角銀と金香の交換で先手が苦しいです。

先手の玉は穴熊ですが、後手の銀冠もかなり手厚いのでやはり後手優勢のようです。

▲5四同銀では▲9六歩がありました。

▲9六歩△5五歩▲同歩△同角▲5七金で、ソフトの評価値-348で後手有利。

この手順は▲9六歩とするのは自然な手ですが、△5五歩に▲同歩△同角▲5七金というのが全く浮かびませんでした。

後手の指し手は自然ですが、最後の▲5七金として△4六角を防ぐのが大事なようです。

▲5七金とすると穴熊が弱くなり、金は斜め後ろには下がれませんので6八に戻る展開にはなりくにいのですが、このように辛抱するようです。

やはり後手の大駒の働きを防ぐというのは大きいようです。

▲5七金以下△4五歩▲3六角△4六歩▲4八飛△7三角▲5五歩△同角▲4六金△6六角▲4七飛△3九角成▲5五金で、ソフトの評価値-400で後手有利。

この手順は△4五歩と後手の角道を活かす手で、先手は▲3六角から▲4八飛と受けます。

後手の駒の配置で4三に金がいるので、△4七歩成には▲同飛が金取りになるのが大きいです。

後手は△7三角と引いて駒のあたりを避けた手に、▲5五歩と歩を打ち捨ててから△同角に▲4六金と金を活用します。

▲5五歩△同角▲4六金は大駒を近づけてあたりを強くする手筋です。

ただし形勢は△6六角から△3九角成で後手がいいようですが、▲5五金と金を攻めに活用してどうかという展開です。

やはり大駒が働くような展開にならないといけないようです。

少し駒損の時の指し方が参考になった1局でした。

2枚飛車で攻める形

上図は、先後逆で先手角交換振り飛車からの進展で▲7七銀と上がった局面。ソフトの評価値-790で後手有利。

早指しの対局だと序盤は自陣の形だけで指すような感覚がありますので、ついつい相手陣の形を意識しないでいることが多々あります。

まず本局でいえば、▲7七銀と上がった手に△8七飛成がぱっとで見えないといけなったです。

ただし、▲7七銀に△8七飛成は▲9六角△8九龍▲6三角成で、ソフトの評価値+144で互角。

この手順は▲7七銀は△8七飛成をうっかりのではなく、▲9六角の切り返しがあり△8九龍としても▲6三角成で銀と桂馬の交換で先手が少し駒得です。

結果的に△8七飛成とは浮かばなかったので指さなくてよかったのですが、今後似たような形がでた場合は成立する可能性があるので意識したいです。

実戦は△6九角▲8八飛△4七角成▲5八金△5六馬▲8六歩で、ソフトの評価値-690で後手有利。

この手順は△6九角と△4七角成と△8七角成の両方を狙った手で、▲8八飛と8筋を受けた時に△4七角成としました。

以下▲5八金に△5六馬で後手が2歩得で馬ができたので圧倒的に後手がいいかといえばそこまではなく、後手有利の範囲みたいです。

最後の▲8六歩と歩を伸ばした手に実戦は△7四歩としたのですが、△8四歩と受ける手がありました。ソフトの評価値-701で後手有利。

この手順の△8四歩は先手が8筋の歩を伸ばしてくるのを事前に受けた手で、自分の場合はこのような手を全く浮かばないようです。

先手が8筋の歩を伸ばしてきても、できるだけ8筋に歩を受けないで指すような感覚があるようです。

この△8四歩も手堅い一手なので、今後に使えそうな手です。

なおソフトは、△4七角成とする手では△8七角成を推奨していました。

最初の局面から △6九角▲8八飛△8七角成▲同飛△同飛成▲9六角△8九龍▲6三角成△5七桂で、ソフトの評価値-690で後手有利。

この手順は▲8八飛には△8七角成と厳しく指す手で、以下▲同飛△同飛成に▲9六角がこの場合の受け方です。

▲9六角には△同龍▲同香のような展開もあるようですが、駒の損得がなくお互いに飛車の打ち込みが気になります。

やはり飛車を持ち駒にすると脅威なので後手は△8九龍と桂馬を取って▲6三角成に△5七桂が急所の一手でした。

この局面の駒割りは飛桂と角銀の交換ですが、最後の△5七桂は厳しく後手は2枚飛車の形で攻めることが可能です。

△5七桂に▲4八金直なら△7九飛で、ソフトの評価値-775で後手有利。

また△5七桂に▲3八金左なら△4九桂成で、ソフトの評価値-721で後手有利。

2枚飛車で攻める形が参考になった1局でした。

序盤で仕掛ける形を作る

上図は、後手三間飛車からの進展で△5二金左と上がった局面。ソフトの評価値+179で互角。

後手が4手目に△3五歩と位を取って以下△3二飛から進んだ形です。

自分は居飛車対振り飛車の対抗形では、最近は対振り飛車の中飛車には▲3七銀型の超速、ノーマル三間飛車と四間飛車には穴熊、角交換振り飛車には矢倉を採用することが多いです。

しかし後手が3筋を位を取って角交換できない石田流には持久戦模様で対抗するのですが、気がついたら作戦負けになっていたというのが圧倒的に多いです。

自分の使っているソフトでは、対振り飛車は評価値が最初に+100から+200位居飛車側にプラスになることがに多いのですが、対石田流で持久戦模様に組むと手数が伸びれば伸びるほどプラスがほとんどゼロのような状態になっていきます。

おそらくあまりいい手でないのが積み重なって評価値を下げていますが、指し手の方針が決まっていないというのも影響していると思います。

具体的には、持久戦模様になって駒組みが頂点になったときの居飛車から仕掛ける形がないなどです。

対抗形の序盤の評価値は大したことがないと言われればそれまでですが、少しでもいい形にして指しやすい駒組みの方が方針をたてやすいかと思います。

本局も△5二金左に▲4七銀としてから20手ほど進んで△6四歩で、ソフトの評価値-20で互角。

この展開は、先手は天守閣美濃にして持久戦模様にしたのですが具体的に先手から仕掛けるのが難しい形です。

先手は▲8八玉から▲8七銀から▲7八金と銀冠に組みかえることは可能ですが、後手は4二の銀を△4三銀から△5四銀として△4五歩や△6三銀引のような筋や、後手玉を整備してから△7四歩△7三桂△8四歩から△8五歩と動く筋もあり、後手の方が指したい手が多いように思います。

やや先手の方針が決まっておらず、自分の棋力では作戦負けのような展開になりやすいです。

▲4七銀では▲4五歩がありました。ソフトの評価値+197で互角。

この手は先手から角交換を狙う手ですが、後手が8三の地点がまだ浮いているのでこの瞬間に仕掛ける手です。

▲4五歩に△同歩なら▲2二角成△同銀▲6五角△5四歩▲8三角成で、ソフトの評価値+314で先手有利。

この手順は、角交換をして▲6五角から▲8三角成とすれば先手が少し指せているようです。

▲4五歩に△6二玉なら▲4四角△同角▲同歩△3六歩▲6五角△3二銀▲8三角成△3七歩成▲同銀△3六歩▲4八銀△5五角▲5六馬で、ソフトの評価値+523で先手有利。

この手順は△6二玉には▲4四角と角交換を狙う手で、△3六歩に強く▲6五角とします。

以下後手は△3二銀から3筋の歩を交換して△3六歩から△5五角とすれば技ありの感じですが、この場合は▲5六馬があって先手が指せているようです。

なお▲4五歩の前に▲2五歩と飛車先を伸ばしたいところもありますが、△3三桂とされると今度は▲4五歩には△同歩があるのですぐの仕掛けはできないです。

序盤で仕掛ける形を作るのが参考になった1局でした。

少しの違いでも全く違う

上図は、相掛かりからの進展で△5三同歩と成桂を取った局面。ソフトの評価値-509で後手有利。

駒割りは銀と桂香の交換ですが、すでに終盤に入っているので駒の損得はあまり関係ありません。

後手から△7九龍とされると詰めろになるので▲4八玉とすることになりますが、この組み合わせはセットみないた感じなので、先手としては少し忙しい局面です。

7三の成銀を6筋に近づけると詰めろになるので、対局中はまだいい勝負かと思っていましたが、少し後手の方が指せているようです。

実戦は▲6三成銀△4二銀▲7五飛△7九龍▲4八玉△7四歩▲同飛△2五桂で、ソフトの評価値-1642で後手優勢。

終盤力は将棋で結構大事ですが、このような局面の棋力を上げるというのは結構難しいです。

どのような方法だと終盤力が上がるかが、自分でもよく分かっていません。

将棋の詰む詰まないというのは詰将棋みたいになるので答えが出てきますが、その一歩前の 寄せの形を目指す というので手が広いです。

最短距離の寄せの形を目指すのか、最短距離でなく確実な手で寄せを目指すか、もう少し受けに回って駒を蓄えてから寄せの形を目指すかなど手が複数あることが多いですが、だいたい終盤は時間がないような状態がほとんどなので、結局はその局面の直感になることが多いです。

本局は先手は▲6三成銀から普通の手の流れですが、後手は△7四歩と打ち捨てて▲同飛に△2五桂と詰めろをかけてきます。

△2五桂は△5八金からの詰めろで、▲同玉なら△6八龍で詰み、▲同金なら△3九銀で詰みです。

後手玉も少し危ないようですが、▲5二成銀でも▲5二金でも▲7一飛成でも後手玉に即詰みはありません。

このような進行は相手が間違えてくれれば別ですが、比較的分かりやすい展開だったかもしれません。

比較的分かりやすいというのは、普通の手なので考えやすいということです。

▲6三成銀では▲6二成銀がありました。

▲6二成銀△4二銀▲4八玉△7九龍▲2四歩△同歩▲7五飛で、ソフトの評価値-254で互角。

この手順は実戦と似ていますが2か所違います。

1つは成銀の位置で、▲6二成銀として少しでも後手玉に近いところにもっていきます。

▲6二成銀だと玉の5一と5二に利いていますが。▲6三成銀だと玉の5二にしか効いていません。

もう1つは飛車を7筋に回る前に▲2四歩と打った手で、△同歩とさせることで2三に空間をあけてことです。

この2つが違うだけで形勢は互角になるのが難しいです。

最初は▲2四歩△同歩の意味が分かっていませんでした。

2三に空間をあけたのは、将来▲2三歩△同金▲3五桂のようなことかと思っていましたが、そんな甘い筋ではなかったです。

▲7五飛に△2五桂なら▲7一飛成で、ソフトの評価値+99986で先手勝勢。

△2五桂は実戦と同じような手の詰めろですが、この場合は▲7一飛成とすれば以下詰みです。

▲7一飛成△5一桂▲5二金△3一玉▲2三桂△同金▲4二金△同玉▲5一龍△3二玉▲4一銀△3一玉▲5二銀成△3二玉▲4一龍まで詰みです。

これは先手がうまくいきすぎな例ですが、▲2三桂と打つのが急所でちょっとした局面の作り方で形勢が逆転するのが将棋は難しいです。

少しの違いでも全く違うのが参考になった1局でした。

取った飛車を打って寄せる

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△8五桂と打った局面。ソフトの評価値+4083で先手勝勢。

後手の△8五桂は詰めろではないのですが、次に△9七桂成とすれば詰めろになりますのでこの瞬間に後手玉を寄せればいいという局面です。

後手玉は飛車を取られたら守りの金駒はないので弱いのですが、4六に角が利いているのでもう少し粘りが利きそうです。

先手は▲7二金とすれば飛車を取れますが攻め駒がさっぱりするので、7二に金を残したまま攻め駒を増やした方がいいか少し迷うところです。

実戦は△8五桂以下▲6一銀△4二飛▲3二飛成△同飛▲7二銀打△8三桂で、ソフトの評価値+99972で先手勝勢。

この展開は金と銀の計3枚がだぶついた形でこれでも先手勝勢のようですが、対局中はあまり手が見えておらず後手から△3九飛成のような筋も気になってきました。

しかし後手の飛車が2段目からずれると▲8三銀成△同玉▲7二銀不成からの詰み筋があったので、このような指し方でもよかったようです。

よって△8三桂には▲4二歩と打って、△同飛なら▲7三金打△同角▲同金△同玉▲6四角と王手飛車を打って、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

▲4二歩が難しい手ですが、これが見えれば後手玉の寄せがあったようです。

なお別の手で▲6一銀では▲7二金がありました。

▲7二金△同玉▲5三飛△7三金▲6四銀で、ソフトの評価値+99967で先手勝勢。

この手順は飛車を取って、取った飛車を3段目に打って▲8三銀からの詰めろを狙った手です。

やはり大駒の飛車を取るのが自然だったかもしれません。

後手は△7三金と打って詰めろを消しますが、そこで▲6四銀と銀をかぶせます。

これも詰めろですが、△6四同金は▲7三金から手数はかかりますが詰みですし、△6二銀と受けても▲7三飛成△同玉▲6三金以下後手玉は寄り筋です。

▲6四銀以下△同角▲同歩△6二銀▲6三金△同銀▲同歩成△同金▲6一角△7三玉▲6二銀で、ソフトの評価値+99990で先手勝勢。

この手順は△6四同角から△6二銀と埋めて最後の粘りですが、▲6三金から清算して▲6一角があります。

▲6一角に△同玉は▲6三飛成以下詰みなので△7三玉と逃げますが、そこで▲6二銀がぴったりの寄せです。

▲6二銀に△同玉なら▲5二飛成△7三玉▲7二角成△6四玉▲6三龍まで詰みです。

▲6二銀に△8二玉なら▲8三角成△同玉▲6三飛成以下詰みです。

なお、▲6二銀では▲6三飛成△同玉▲6五香が最初に浮かびますが、△6四歩▲2三龍△同銀▲7二銀△5三玉▲4三金△6二玉▲6三歩△7三玉▲8三銀成△6三玉▲7二角成で詰みで、結構難しい手順になりそうです。

やはり最終盤の寄せは難しい手が1つは入っているようです。

取った飛車を打って寄せるのが参考になった1局でした。

玉が上部に上がるが金を打って寄せる

上図は、相掛かりからの進展で▲4五桂と王手を打った手に△4四玉と逃げた局面。ソフトの評価値+1422で先手優勢。

この瞬間の駒割りは先手の金損ですが、先手の大駒が後手玉に迫っておりここで先手の手番なので先手が指せているようです。

普通は駒損している方が形勢が不利なことが多いのですが、終盤は駒の損得より速度という格言もあるのでやや例外的なパターンです。

ただし先手として気になるのは後手玉が入玉するパターンで、先手には3八の銀がいますが、取られそうな配置になっているので、うまく攻めないと攻めが切れてしまいます。

実戦は▲5三桂成△3八馬▲5四馬△3五玉▲3六金△2五玉▲2五金△2三玉で、ソフトの評価値+2417で先手勝勢。

この手順は▲5三桂成と攻め駒を増やします。

後手は△3八馬と銀を取りましたが、先手は▲5四馬から▲3六金として後手の入玉だけは防ぐ展開です。

とりあえず入玉だけは防げば少しほっとする面はあります。

入玉されるのをを恐れずに下から追っていって入玉されたときに、今度は自玉が入玉できるかどうかという将棋になりますが、そのようなお互いに入玉を目指すという将棋はあまりなじみません。

あまりなじまない理由として、相入玉になってもそのときの将棋にルールで時間の切れ負け優先の将棋や点数法も24点とか27点とかまた別に宣言法とかもあり、相手玉を詰ます将棋ではないのであまり好きではないです。

本譜は最後の△2三玉と逃げてもう一息という形ですが、一応これでも先手勝勢になっているようです。

△2三玉の局面は▲2一飛成や▲6一飛成や▲8一馬など駒を取り返して攻め駒を増やすことはできますが、▲2一飛成には△3一金打とされて龍が詰まされる形えここで後手玉に寄りがあるかが気になります。

先手玉も薄いのですが、左辺が広いため後手に手番が回ってこないかぎりはまだ持ちこたえられそうです。

そのような意味でこの指し方も決して悪くはなかったようですが、最初の局面で▲5三桂成は4つある候補手に入っておらず、推奨手は▲5三馬でした。

▲5三桂成では▲5三馬がありました。

▲5三馬△4五玉▲4七金で、ソフトの評価値+2563で先手勝勢。

この手順は▲5三馬として△4五玉に▲4七金と打つ手です。

ここで金を使うと持ち駒に歩しかありませんが、ぱっと見で少し駒が足らないようにも見えます。

しかし先手は4筋の歩が切れているので▲4六歩と使えるのが大きいです。

▲4七金は▲4六歩△5五玉▲5六金までの詰めろですので、△3八龍とすることはできません。

▲4七金に△4六金なら▲4八金△同馬▲4四飛△3五玉▲4三飛上成△2四玉▲3二龍△7六桂▲7七玉△8五桂▲8六玉で、ソフトの評価値+99975で先手勝勢。

この手順の△4六金は敵の打ちたいところに打てで詰めろを消した手ですが、▲4八金△同馬に▲4四飛が厳しく△同歩なら▲同飛成△3六玉▲3四龍まで詰みです。

▲4七金以下△3八馬▲4六歩△5五玉▲5六歩△6五玉▲6六歩△7四玉▲7五歩△同玉▲5二桂成△8五玉▲8六歩△7四玉▲6四馬△同玉▲6一飛成△6三金▲6五金△7三玉▲8三と△同玉▲6三龍△8二玉▲7三金△7一玉▲6二龍まで詰みです。

この手順は少し長く難しいですが、先手の大駒の力が強くこのような手順になると詰み筋になるようです。

寄せは難しいですが、少しでも正確に指せるようにしたいです。

玉が上部に上がるが金を打って寄せるのが参考になった1局でした。

振り飛車に角交換を目指す

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△3五歩と突いた局面。ソフトの評価値+243で互角。

後手が3筋と4筋の位を取りにきた手ですが、三間飛車で両方の位を取りにくるのはあまり見たことがありません。

後手は最低限の守りが完成しているので、早めに動いて少しでもポイントを稼ぎたいということだと思いますが、まず角交換をすべきかどうか迷いました。

△3五歩に▲6六銀と角交換を避ける手が浮かびましたが、以下△4三銀▲9六歩△6四歩▲5五歩△4二角▲5九金右△3六歩▲同歩△同飛▲3七歩△3四飛▲7九金で、ソフトの評価値+50で互角。

この展開は先手は角交換を避ける手で、やや通常形に戻って後手は3筋の歩を交換してから△3四飛と引く形で、先手も最低限の穴熊は完成しましたが後手の主張が通った感じです。

実戦は角交換をする展開になりました。

実戦は△3五歩以下▲7九金△7七角成▲同銀△3三銀▲8八銀△9五歩で、ソフトの評価値+282で互角。

この展開は後手から角交換をしますが、先手は▲7七同銀としてまた▲8八銀と引く形なのでお互いに手損にはなっていません。

これも1局の将棋ですが、ソフトは▲3三角成を推奨していました。

その手もあると思っていましたが、後手から2筋の逆襲を気にしていました。

▲3三角成△同銀▲9六歩△2二飛▲7九金△2四歩▲同歩△同銀で、ソフトの評価値+306で先手有利。

この手順は変化手順ですが、後手が2筋から逆襲する狙いです。

自分の使っているソフトは穴熊でも▲9六歩と端歩を受ける傾向にあります。

後手は単純に2筋から動いてきますが、先手は▲5六歩▲5七銀型なので4九の金が動けばいつでも△3九角の筋があります。

後手の指し方はやや単純ですが、先手もしっかり対応しないと気がついたら後手有利になっていたというのも結構多いです。

よって4九の金はそのままにして反撃含みの手を作ります。

△2四同銀以下▲7五歩△6四歩▲7四歩△同歩▲5五角△3三角▲6四角△7三銀▲2三歩で、ソフトの評価値+419で先手有利。

この手順の▲7五歩は次に▲7四歩△同歩▲5五角の王手飛車を狙った手で、2筋だけを見るのでなく盤面全体を見るのが大事なようです。

よって▲7五歩に△6四歩としますが、そこで▲7四歩と突き捨てを入れるから▲5五角が急所です。

▲5五角に△3三角と打ちましたが、△3三桂と跳ねるのは▲2五歩で後手は受けになっていません。

▲2五歩に△同銀は▲3三角成、△同桂は▲2二角成があります。

この▲5五角△3三桂に▲2五歩もよくある筋です。

よって△3三角に▲6四角を王手をして△7三銀に▲2三歩が面白く、以下△同飛▲7三角成△同桂▲3四銀で、ソフトの評価値+332で先手有利。

この展開は最初に角と銀の交換で先手が駒損になりますが、▲3四銀でまた角が取れそうな展開なので先手が少し面白いようです。

ややうまくいきすぎの手順ですが、狙いとしては分かりやすいです。

振り飛車に角交換を目指すのが参考になった1局でした。

穴熊に組んでも丁寧に指す

上図は、後手が角交換振り飛車からの進展で△5五歩と突いた局面。ソフトの評価値+120で互角。

先手が筋違い角から1歩得して穴熊に組んだ展開ですが、後手が△5五歩と突いて戦線拡大を図った手です。

銀取りなので銀で歩を取るか逃げるかのどちらかですが、このようなところでミスが起こりやすいです。

対局中は、▲4七銀とか▲6七銀と逃げるのは穴熊に組んだのに元気がない指し手だと思い、最悪銀が死ぬ形になるかもしれないですが▲5五同銀としました。

実戦は▲5五同銀△7三角▲5六歩△9五歩▲同歩△同香で、ソフトの評価値-141で互角。

この手順の▲5五同銀に△7三角を少し軽視していました。

▲5六歩と突いて銀を守りますが、そこで△9五歩からの端攻めの組み合わせが気がつきませんでした。

後手に歩が入れば△5四歩で先手の銀が死ぬ形なので、うまくいって銀と香車の交換で先手が少し駒損です。

評価値は互角のようですが、角の働きも後手の方がいいので先手の失敗です。

失敗の原因として2つあるのですが、1つは▲5五同銀としても銀の働きが悪く、その銀を応援するような駒がなく、単独の銀なので狙われやすいことに気がつかないといけなかったです。

もう1つは、穴熊だから強気に指さないといけないと思い、自ら無理っぽい変化にも飛び込んだのがまずかったです。

▲5五同銀では▲4七銀がありました。

▲4七銀△7三桂▲6七角で、ソフトの評価値+82で互角。

この手順の▲4七銀は最初は元気がない手だと思っていたのですが、5八の角を6七で活用するなら▲4七銀は自然な手です。

以下△7三桂に▲6七角とするのは、▲2四歩から▲2三歩の狙いがあります。

▲6七角に△6四歩なら▲2四歩△同歩▲2三歩△6二飛▲2四飛△6五歩▲同歩△4八角▲2二歩成3三金▲2七飛△2六歩▲2八飛△3九角成▲2六飛で、ソフトの評価値+213で互角。

この手順は△6四歩は先手の角頭を狙う手で先手としても嫌な手です。

先手は▲2四歩から▲2三歩としますが、△6二飛と飛車を6筋に回って先手の攻めを受け流すような展開です。

▲2四飛に後手は6筋を突き捨ててから△4八角ともたれるような指し方で、馬を作って先手の飛車を狙います。

先手は待望の▲2二歩成としますが後手も△3三金と飛車を成らせないように受けて、▲2七飛に△2六歩から飛車を狙います。

後手の指し方が軽く先手の攻めが重いのでうまくいっていないように見えても、後手は歩切れで先手の飛車を追えないので実戦は互角のようです。

このような展開であれば、最初の局面では▲4七銀の方がよかったようです。

穴熊に組んでも丁寧に指すのが参考になった1局でした。

相掛かりで9筋の桂頭を狙う

上図は、相掛からの進展で△7二銀と8一の銀が上がった局面。ソフトの評価値+228で互角。

8一の銀が△7二銀と上がった形は指し手の経緯が少し違和感がありますが、序盤の段階で△7二銀型に▲8二歩と打って△9三桂に▲8一歩成△同銀とした8一の銀が△7二銀とした展開です。

少し前までの相掛かりはこのような指し方はなかったのですが、△7二銀型に先手は後手に横歩を取らせて▲8二歩と打って桂馬を攻める形です。

8筋は先手の守備の配列ですが、後手が歩を交換したところを逆用してポイントを稼ぎたいという指し方で、自分自身はまだ感覚が今一つかめていません。

この局面は後手の7二の銀と6一の金はしっかりしていますが、9三の桂馬がやや不安定な形で狙われやすいです。

ただし先手も2歩損しているので、ゆっくりした展開になると後手の方がたくさん指したい手があります。

よって対局中は少し早めに動きたかったのですが、6八の玉の形が後手に桂馬を持たれると△7六桂のような手があるのでそれを避けました。

実戦は▲5八玉△8一飛で、ソフトの評価値+22で互角。

この手順の▲5八玉は部分的にはある手ですが、後手の△8一飛も4段目の飛車を下段に引いて飛車が軽い形になったので、やや後手が得をしたようです。

ただし不思議なのはこの局面が互角だったことで、対局中はだいぶ先手が損をしたとばかり思っていたのですが、そこまで悲観するような局面ではなかったということです。

普通は先手が2歩損していつでも後手から△8六歩のような垂らしの歩があるので、先手はそれを気にしながら指さないといけないです。

△8一飛に▲8七歩と受ければ8筋は受かりますが、先手は歩切れで後手は持ち駒に3歩ある形なので、さすがに▲8七歩と打ちたい気分にはならないです。

△8一飛には▲9五歩を推奨していますが、それだったら後手の飛車が4段目のやや不安定なときに動いた方がよかったようです。

▲5八玉では▲9五歩がありました。

▲9五歩△同歩▲同飛で、ソフトの評価値+283で互角。

この手順は9筋の歩を交換して飛車を横に使う展開です。

普通相掛かりは飛車を縦に使うのが自然ですが、横に使うのは後手番の横歩取りの飛車の活用に似ているかもしれません。

感覚が今一つなじまないところはありますが、先手は8筋と9筋の戦いで有利になれば戦いやすいということだと思います。

逆に後手はここで不利になると、2筋と3筋に手が伸びていないので戦う場所が少ないです。

▲9五同飛に△8三銀なら▲9四歩△8四銀▲9六飛で、ソフトの評価値+583で先手有利。

この手順は先手がうまくいきすぎですが、△8三銀と後手は攻め駒を増やしてきたのですが、桂頭を狙う▲9四歩があり△8四銀としても▲9六飛と飛車交換を迫って先手が指せるようです。

後手は玉が薄く飛車交換できないので、桂馬が取られそうです。

▲9五同飛に△9四歩なら▲同飛△4二玉▲8七歩△3六飛で、ソフトの評価値+315で先手有利。

この手順は△9四歩と敵の打ちたいところに打ての手で、先手の▲9四歩を打たせないようにする手です。

以下は先手有利になっているようですが、狙いが分かりづらくほとんど互角のような将棋です。

相掛かりで9筋の桂頭を狙うのが参考になった1局でした。

玉を2段目に早逃げする

上図は、先後逆で▲8六角と打った局面。ソフトの評価値-5で互角。

横歩取り青野流からの進展で、▲5三桂成△同玉と先手は桂馬を捨ててから▲8六角と打ってきました。

飛車と角桂の交換で後手が2枚替えですが、後手の陣形も決して強くないので互角のようです。

次に先手から▲7六歩と打つ手があるので、後手はそれまでに8六の角を狙うか、角道を避けるようにしないといけないです。

実戦は▲8六角以下△8五歩▲7五角△同歩▲2二歩△3三桂▲2一歩成△4二銀で、ソフトの評価値+723で先手有利。

この手順は△8五歩に▲7五角としてから▲2二歩と攻める展開で、△3三歩と打っても▲7四飛で▲7三飛成と▲2一歩成の両方の狙いが生じて受けになっていません。

よって△3三桂と跳ねますが▲2一歩成として先手有利です。

後手玉は3段目に進出しているのと、先手の3四の飛車が横に利いており▲1一とや▲7四歩の狙いもあり後手陣がまとめにくいです。

△8五歩では△5二玉がありました。

△5二玉▲7五角△同歩▲2二歩△3三桂▲2一歩成△4二銀で、ソフトの評価値-282で互角。

この手順は△5二玉と2段玉にして早逃げする形です。

先手は▲7五角から飛車と角の交換で、以下▲2二歩に△3三桂▲2一歩成△4二銀で実戦と似たような展開です。

後手玉は2段目にあるのと3段目にあるのが大きな違いですが、これで形勢は互角のようです。

△4二銀に▲7四歩なら△6五桂▲6六金△8八歩▲6五金△8九歩成▲7八銀△4五角▲2四飛△1五角▲2八飛△3七角成▲7三歩成△4六桂で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

この手順はやや後手がうまくいきすぎですが、▲7四歩は後手からしても嫌な手で7三にと金ができると後手は勝てる気がしません。

▲7四歩には△6五桂ですが、▲6六金に△8八歩が鋭いです。

勢い▲6五金ですが、△8九歩成とと金ができて銀取りになるのが大きいです。

以下▲7八銀に△4五角が興味深く、以下▲2四飛に△1五角と2枚の角を使って飛車を攻めるのが急所のようです。

▲2八飛△3七角成に▲7三歩成と先手は待望のと金ができますが、△4六桂が厳しく▲同歩なら△3六角で詰みです。

△4六桂に▲6九玉と逃げても△2八馬と飛車を取って、▲同銀に△7九飛で先手玉が詰みです。

角2枚では少し攻めにくいようでも、急所をつけば先手玉を寄せきれるという典型的なパターンです。

最初の局面で△5二玉が全く浮かばなかったのは筋が悪く、このあたりはまだこの戦型を指しなれていない感じがするのでたくさん実戦を重ねる必要があるようです。

玉を2段目に早逃げするのが参考になった1局でした。