角のコビン攻めに1手早く受けに回る

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△4二角と3三の角が引いた局面。ソフトの評価値+132で互角。

△4二角と引いたのは次に△6四角として先手の飛車のコビンを狙う手です。

3六に歩がいるため3七の地点で受ける形になっておらず少し受けにくいのですが、ここで先手の手番なのでどのように対応するかという場面です。

実戦は▲7七歩△6四角▲1八飛で、ソフトの評価値-124で互角。

この手順の▲7七歩はおそらくいい手ではないと思っていましたが、他の手も見えず自陣の傷を消しました。

ただしここに歩を打つと7筋の攻めの歩が使えないので後手は安心します。

以下△6四角に▲1八飛と辛抱しましたが、やや利かされの形で先手はあまり面白い形ではないようです。

これでも形勢は互角だったのは少し意外ですが、気分的には先手はいまひとつという感じです。

このような指し手のところで形勢が少し差が開きやすくなります。

これが実力といえばそれまでですがが、できれば中盤に差し掛かるくらいのところは互角を維持したいです。

自分の言う互角とは、先手が+100から200のイメージです。

▲7七歩では▲4六歩がありました。

▲4六歩に△6四角なら▲4八飛で、ソフトの評価値+119で互角。

この手順は△6四角とする前に▲4六歩と角の利きを止める手です。

▲4六歩に対して△6四角としますが、そこで▲4八飛と進みます。

この▲4八飛も利かされに近いような手にも見えますが、4筋に駒の争点があるので飛車を争点の筋に移動する手です。

▲4八飛は次に▲4五歩△1九角成▲4四歩として、4筋から突破する狙いです。

先手は香損になりますが、穴熊で4筋を突破できれば駒損にも対抗できそうです。

このような展開になると実戦の▲1八飛よりはるかにいいです。

▲4六歩に△同歩なら▲4八飛△6四角▲4四歩で、ソフトの評価値+134で互角。

この手順は▲4六歩に△同歩としたのですが、▲4八飛と回ります。

やはり大駒を活用するのが大事なようです。

▲4八飛は次に▲4六飛があるため△6四角としましたが、そこで▲4四歩が面白い手です。

▲4四歩以下△4二飛▲3四歩△9五歩▲同歩△8五桂▲3五角で、ソフトの評価値+192で互角。

この手順は▲4四歩は次に▲4三歩成を狙った垂れ歩で、後手は△4二飛とします。

そこで▲3四歩として2六の角で△4四飛を受けるのが柔らかい手です。

このような展開になると、先手は飛車と角が以前より働いているのでまずまずです。

後手は△9五歩から△8五桂として戦線拡大をして9筋からの端攻めを狙う形ですが、先手も9七の地点には銀と桂馬と香車が利いているので、簡単にはつぶれないようです。

最後の▲3七角は、どこかで▲4六角や▲4六飛△同角▲同角のような切り返しも狙っているのでいい勝負のようです。

角のコビン攻めに1手早く受けに回るのが参考になった1局でした。

金はできるだけ最後に残す

上図は、相居飛車からの進展の変化手順で▲5四歩と銀を取った局面。ソフトの評価値+99972で先手勝勢。

以前の書き込みの最後の部分の続きです。https://shogiamateur.com/?p=44351&preview=true

この局面は先手の持ち駒に角金金金銀と歩があり、先手の陣形は手厚く後手玉に守り駒がいないため感覚的に詰みそうな感じです。

ただし、先手の持ち駒に飛車や桂馬がなく、飛び道具は角だけなので見た目ほど簡単ではないです。

後手玉は9筋に脱出するような形になると面倒です。

このような局面も直ぐに詰み筋が見えればいいのですが、玉の逃げ方などを1手1手追っておくと意外と時間を要します。

やはり詰み筋を追う場合は、最初の1手目はかなり大事です。

詰将棋と同様に、詰まない筋を一生懸命考えても詰まないものは詰みません。

▲5四歩に△6二玉なら▲5三金で、△7二玉には▲6一角の筋で以下詰みです。

この手順の▲5三金に△7三玉は▲6二角△6四玉▲6五歩△5五玉▲5六銀左△4四玉▲4三金打△3五玉▲3六金まで詰みです。

▲5四歩に△6四玉なら▲5三角△6三玉▲6四金△7二玉▲6二角成の筋で以下詰みです。

この手順の▲5三角に△7三玉なら▲8四銀△同玉▲7五角成△9五玉▲8六金△同歩▲8五金△9六玉▲8六馬まで詰みです。

この手順は▲8四銀と▲8六金と2枚の捨て駒があるので少し難しいです。

▲5四歩に△4三玉は▲5三金△3三玉▲4四角△同玉▲4三金打△3五玉▲3六金まで詰みです。

▲5四歩に△6三玉なら▲5三金で、ソフトの評価値+99989で先手勝勢。

この手順の△6三玉に▲5三金が自分の感覚では少し打ちにくいです。

金はとどめに使えという格言があるので最後に使う方がいい場合が多いのですが、この場合は先手の持ち駒に金が多いのと、3段目の金で利用価値が高いようで、やや例外的なパターンのようです。

▲5三金に△6四玉なら▲7五角△7三玉▲7四銀△8二玉▲8三金△9一玉▲8二金打まで詰みです。

一番最初の局面からこのあたりは詰まし方は色々とありそうですが、分かりやすい手順とできるだけ短い手順の方がよさそうです。

▲5四歩に△同玉なら▲5五歩△6三玉▲5四銀で、ソフトの評価値+99987で先手勝勢。

この手順は△5四同玉とすれば▲5五歩と叩きたくなります。

▲5五歩に△同玉なら▲5六銀左と金駒が活用できるので後手は△6三玉と逃げましたが、そこで▲5四銀が継続手です。

▲5四銀に△7二玉なら▲6一角△同玉▲6二金△同玉▲6三金の筋で以下詰みです。

▲5四銀に△7三玉なら▲5一角△7二玉▲6二角成△同玉▲6三金の筋で以下詰みです。

▲5四銀に△6四玉なら▲7五角で以下詰みです。

▲5四銀に△7四玉なら▲7五金で以下詰みです。

ここでうっかりしやすいのが、▲5四銀では▲5四角でも詰みですが、▲5四金では△7二玉で詰まないということです。

最初は本当かなと思っていましたが、持ち駒に金が3枚ある形でないと詰まないようです。

4段目の金は利用価値がだいぶ下がるようで、最終盤はちょっとした形の違いでも、詰みそうで詰まないことがあるのが将棋の難しいところです。

金はできるだけ最後に残すのが参考になった1局でした。

実戦不足でうっかりの1局

上図は、先後逆で先手が石田流からの進展で▲7九銀とした局面。ソフトの評価値-63で互角。

先手の▲7九銀は8八の銀を引いた手ですが、このタイミングで引いてくるのはあまり見たことがなかったです。

あまり見たことがない手にこちらもふわっと指して、以下後手がうっかりしました。

実戦は▲7九銀以下△4二金▲7七桂△9四歩▲8五桂で、ソフトの評価値-5で互角。

このタイミングでの▲8五桂があるのをうっかりしていました。

この戦型で▲7七桂から▲8五桂は先手の狙い筋で、△8五同飛なら▲9六角があるので△8五同飛とはできません。

うっかりしたと思った局面の評価値が互角だったのは知らなかったですが、ここからの後手の指し手がさらにひどかったです。

▲8五桂以下△9五歩▲7三桂成△同桂▲7四歩で、ソフトの評価値+837で先手優勢。

この手順の△9五歩は▲9六角を消したので次に8五飛があります。

△9五歩に対して▲8六飛や▲8六歩を予想したのですが、▲7三桂成△同桂▲7四歩で先手優勢です。

さすがにこの見落としは大きく、後手が先に桂得しますが7筋が突破されるので後手失敗です。

この後手の指し手だけを見るといかにも実戦不足というか手が見えていない感じで、▲7三桂成が全く見えていないのは論外でした。

▲8五桂には△7二金と受けてまだこれからの将棋だったようです。

また早い段階で▲8五桂に対抗する指し方がありました。

△4二金で△9四歩がありました。

▲7九銀以下△9四歩▲7七桂△9五歩で、ソフトの評価値-45で互角。

この手順は△4二金を後回しにして9筋の歩を伸ばします。

序盤で端歩に2手かけるのは少しもったいないですが、▲8五桂△同飛▲9六角の筋を早めに消す狙いです。

このような手順は自分でも覚えていたつもりだったのですが、いざその局面になって反応できないのでは、あまり理解できてないことと同じことのようです。

最近自分の環境が少し変わったこともあって、将棋の実戦が少し不足しているなとは思っていました。

その不足分はプロ棋士の将棋を見たり、10数手の詰将棋と解くことで終盤を重視していたのですが、やはり将棋は実戦も指さないとだめなようです。

終盤が大事と思ったのは、将棋は終盤が強くないと勝てないからということですが、本局みたいに序盤で差が開いたらなかなか勝てません。

それと最近気になったののは、将棋雑誌の詰将棋の5手詰めが意外と難しく、解くのに10分位かかったというのも手が見えていないという感じでした。

決して入玉形やめったに出ないような駒の配置という訳ではなく、玉方の駒の配置は少し複雑でしたが実戦に出てもおかしくないような詰将棋だったので、これが簡単に解けないのはちょっとまずくこのあたりも課題のようです。

実戦不足でうっかりした1局でした。

拠点の歩が残ると後から効果が出る

上図は、角換わり腰掛銀からの進展で△6二金と引いた局面。ソフトの評価値+720で先手有利。

▲6四歩と突いた手に6三の金が△6二金と引いた展開です。

ここは先手にとってチャンスだった局面のようでしたが、対局中は気づかず甘い手を指してしまいました。

実戦は▲1五歩でソフトの評価値+221で互角。

この▲1五歩に△同歩なら大きなきかしになるのですが、さすがにそれはぬるいので後手は7筋と8筋から攻めてきます、

▲1五歩に△8六歩▲同歩△7六歩のような感じです。

また▲1五歩に△7六歩▲同銀△8六歩▲同歩△同飛のような手もありそうです。

そのような展開になると▲1五歩と突いた手が1手パスのような感じになります。

実際は左側で後手の攻めに対応すればいい勝負なのでしょうが、角換わり腰掛銀で先手をもって受けに回る展開というのがやや不満です。

やむを得ず受けに回るのであれば仕方ありませんが、攻めるチャンスを逃がして受けに回るのがもったいないです。

▲1五歩では▲3三歩がありました。

▲3三歩△2二金▲7五歩で、ソフトの評価値+805で先手優勢。

この▲3三歩は3筋の歩を切っていたので叩く手がありました。

▲3三歩に△同桂なら▲同桂成△同金▲7四桂があります。

また▲3三歩に△同銀なら▲同桂成△同金▲7一銀があります。

これらの手順は安い駒で6二の金が取れる形なので先手の駒得になります。

よって後手は△2二金と辛抱したのですが、このような手に先手は少し悩みます。

3三の地点に攻めの拠点ができたのですが、まだ効果が不明です。

後手が4四銀型なので4五の桂馬が歩で取られる心配がないのは大きいですが、先手は歩切れでこの後に手が続くかどうかが気になります。

△2二金には▲7五歩と歩を補充します。

▲7五歩で先手は歩切れは解消されましたが、この局面は先手優勢のようです。

優勢という局面は、うまく手を繋げれば勝勢になるのでそれくらい形勢に差が開いているということになります。

駒の損得はなくても急所に駒が利いているということみたいです。

自分は古いソフトで検討しているのですが、今の最新のソフトなら先手勝勢になってもおかしくありません。

それくらい後手はまとまりのない陣形になっている可能性が高いです。

1例として▲7五歩以下△2五角▲2三歩△同金▲7一角△7二飛▲6二角成△同飛▲3二金で、ソフトの評価値+880で先手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが、後手は△2五角ともたれる指し方で▲2四飛を防ぎつつ場合によっては△3六歩~△3七歩成~△5八角成を狙った手です。

△2五角はソフトの候補手にない手ですが、先手は▲2三歩の叩きを入れて2二の金を無力化にして▲7一角から金を取って▲3二金で飛車が取れる形です。

このような展開になると3三の歩の拠点が大きいです。

真ん中の局面図の▲7五歩以下△8六歩▲同歩△7六歩▲同銀△8六飛▲8七銀△8一飛▲8二歩△7一飛▲7四歩で、ソフトの評価値+1003で先手優勢。

この展開は後手は受けてもきりがないので攻めた展開ですが、△8一飛に▲8二歩の叩きが大きく△同飛なら▲2三歩△同金▲7一角から金を取って▲3二金の筋があります。

よって▲8二歩に△7一飛と寄ったのですが、▲7四歩で後手の陣形がばらばらなので先手優勢のようです。

拠点の歩が残ると後から効果が出るのが参考になった1局でした。

受けに回って相手の反動を利用する

上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲2三桂と打った局面。ソフトの評価値-3611で後手勝勢。

▲2三桂は次に▲3一桂成とする狙いですが、△同金でも△同飛でもまだ3筋を突破されることはありません。

ただし、対局中は飛車が1段目に利いているというのを意識していなかったです。

飛車は攻めに使いたいということで、受けに使うという発想がまず浮かんでなかったです。

このあたりが受けに対する意識がいまひとつ薄いようです。

後手の攻めとしては△6七歩成とか△7六桂はありますが、先手玉が4筋とか3筋に逃げることもできるので、まだ決め手までにはいかないようです。

▲2三桂に短い時間で対応するのは意外と難しく、ソフトの評価値は後手勝勢ということですが、自分が指すとそう簡単にはいかないところが棋力の差という感じです。

実戦は▲2三桂に△3五歩▲同銀で、ソフトの評価値-2361で後手勝勢。

この手順の△3五歩はとりあえず大駒は近づけて受けよで△3五歩と叩いたのですが、▲同銀で今度は角取りなので、気分としては後手が少し忙しい感じです。

短い時間で指し手の方針が決まらず、手が見えていないです。

このような局面でしっかり指せるかどうかの違いが大きく、自分の場合は対応がいまひとつで。気がついたら形勢がもつれているということが多いです。

△3五歩で△4五銀がありました。ソフトの評価値-3356で後手勝勢。

この手の△4五銀は飛車取りですが、先手の攻めの主役は飛車なのでそれを取りにいけば確実ということみたいです。

金駒を打って大駒を取りにいって、相手の攻めの戦力を軽くするというのが大きいです。

自分の場合は受けて勝つというより、多少無理っぽくても攻めにいくことが多いので、△4五銀というのが平凡ですが見えにくいです。

このあたりが自分の指し手の少し単調なところです。

△4五銀と受けに回って手厚い指し手を身につけた方が、結果的には勝ちに近づくようです。

△4五銀と打つことで先手の飛車が取れる形になり、その取った飛車で先手玉を攻めれば効果的ということです。

△4五銀に▲3一桂成なら△同金▲同飛成△同飛で、ソフトの評価値-3233で後手勝勢。

この手順は後手は2枚の金駒がいなくなり、少し玉が薄くなりますが4四の角が受けに利いており、2二角と打ち込む筋がありません。

後手からは△7六桂や△6七歩成があるので後手勝勢です。

△4五銀に▲3一桂成△同金に▲7七金なら、△3六銀▲同歩△6七歩成▲同玉△7七角成▲同玉△6五桂▲6八玉△6七歩▲5八玉△7八飛▲4九玉△5七桂成で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

この手順は▲3一桂成から▲7七金と受けに回ったのですが受けになっておらず、後手は飛車を取ってから角を切って、△6五桂からは1手1手の寄せ形です。

受けに回って相手の反動を利用するのが参考になった1局でした。

少ない攻め駒で相手玉を寄せる

上図は、先後逆で後手が横歩取り△8四飛型からの進展で、△7八銀と打った手に6七の玉が▲7六玉と逃げた局面。ソフトの評価値-3029で後手勝勢。

実戦は△7八銀と打った手に▲同金△同歩成▲同玉△7五飛の王手角取りに進んだのですが、△7八銀に▲7六玉と逃げた場合がよく分かっていませんでした。

駒割りは角と金銀の交換の2枚替えで後手が駒得ですが、8五の桂馬を取られると少し面倒な形になりそうです。

8五の桂馬がいる間にうまく先手玉を寄せれば理想的です。

▲7六玉には△8四金がありました。

▲7六玉以下△8四金に▲6四角なら△6七歩で、ソフトの評価値-2180で後手勝勢。

この手順の△8四金は△7五金の詰めろなので先手は▲6四角と受けました。

▲6四角は7五の地点の補強と▲5四桂のような含みもあります。

ただし、後手の陣形はしっかりしているので、そこまで怖い攻めではないです。

▲6四角と打った手に△6七歩がやや盲点です。

たまたま6筋の歩が切れていたので△6七歩と打てたのですが、後手の攻めは細いので歩の戦力も大切です。

△6七歩に▲5八金なら△8九銀成▲同飛△7八歩成のような感じです。

このような展開になるといつでも△7四金を角を取る手と、と金を使って攻めることができるので手が繋がりそうです。

▲7六玉以下△8四金に▲6五角なら△6七歩▲5八金△8九銀成▲同飛△7八歩成で、ソフトの評価値-

この手順の▲6五角は角が逃げる手ですが、後手からの△7五金を防いでいるので考えられる手です。

▲6五角に対しても△6七歩が急所のようで、以下▲5八金なら△8九銀成▲同飛△7八歩成とと金攻めで後手が指せているようです。

ここでうっかりしやすいのが、△6七歩で△6四歩と角取りに歩を打つ手もあり、角が移動すれば△7五金で先手玉が詰みですが、▲2七桂△5五飛▲5六歩とされると飛車が取られる形になるので、攻めが途切れる可能性もあります。

ただし、△6七歩に▲同金とすれば、△6四歩▲2七桂△6五飛▲同歩△5八角▲6八飛△6七銀不成▲同飛△6五歩で、ソフトの評価値-6169で後手勝勢。

この手順は△6七歩に▲同金とするといつでも△6七銀不成として金を取る筋ができるので、今度は△6四歩▲2七桂に△6五飛の大技が成立しそうです。

以下▲同歩に△5八角が急所の形で、先手玉は寄り筋です。

少ない攻め駒でも相手玉の守りが薄いと、急所をつけば寄り筋になるようです。

少ない攻め駒で相手玉を寄せるのが参考になった1局でした。

相手の守り駒をとって自玉を安全にする

上図は、相居飛車からの進展▲4二金に△6一玉と寄った変化手順です。

以前、▲4二金に△6二玉と逃げる変化を調べました。https://shogiamateur.com/?p=44351&preview=true

今回は▲4二金に△6一玉と逃げる変化です。

先手玉は次に△4七歩成からの詰めろになっており、△6一玉と寄った局面は後手玉に即詰みはありませんので、何かうまい手がないとまずい局面です。

△6一玉には▲5二銀がありました。ソフトの評価値+2241で先手勝勢。

この手順の△6一玉に▲5二銀と打てば、後手玉の守りはさらに薄くなりますので打ちたくなる銀です。

▲5二銀に△同銀なら▲同金△同玉▲6四桂で、ソフトの評価値+99989で先手勝勢。

まず▲5二同金に△7一玉と逃げる手は▲6二角以下詰みです。

▲5二同金に△7一玉と逃げるのも▲6一角以下詰みです。

よって後手は△5二同玉と取りますが、そこで▲6四桂が形です。

この手順は6四の地点に桂馬が打てて、持ち駒に角金金銀と歩があればなんとなく詰み形なのが浮かびます。

やはりこのようなときは大駒の角があると心強いです。

▲6四桂に△6二玉は▲5一角の筋で以下詰みです。

▲6四桂に△6三玉は▲7二銀△6四玉▲5三角△同玉▲5四金以下頭金の筋で詰みです。

▲6四桂に△4三玉なら▲5四金△3二玉▲4三銀△2二玉▲3一角以下頭金の筋で詰みです。

これらは手数がそれなりにかかりますが、ぴったり足りているようです。

よって後手は▲5二銀と打った手に△7一玉とします。

△7一玉とすれば後手玉に即詰みはありません。

▲5二銀に△7一玉なら▲6三銀成△4七歩成▲5六玉で、ソフトの評価値+2715で先手勝勢。

この手順の大事なところは△7一玉に▲6三銀成とする手です。

この▲6三銀成は次に後手玉に詰めろがかかっていますが、ここで後手の手番なので後手の最後の攻めに正しく対応する必要があります。

△4七歩成に▲5六玉と上部に逃げるのか正解で、後手の持ち駒に金と銀などはありますが先手陣の上部が手厚いので寄りません。

上部が手厚くなったのは▲6三銀成と成銀が3段目にいることで、後手の6三の銀がなくなったのが大きいです。

6三に後手の銀がいれば先手玉が詰んでいるので、この違いは大きいです。

また大事なのは、▲5二銀に△7一玉に無理やり後手玉を詰ましにいくのは、相手に駒を渡すことになるのでかえって先手玉が危険になります。

このような終盤のやりとりを正しく対処できれば、勝ち将棋が少し増えてくる感じです。

相手玉と自玉の危険度をよく見て対応するのが大事なようです。

相手の守り駒をとって自玉を安全にするのが参考になった1局でした。

少し悪い局面の粘り方

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲6一香成と金を取った手に△同玉とした局面。ソフトの評価値-437で後手有利。

駒割りは金と銀の交換ですが、後手の8五の桂馬と3三の角が先手玉を睨んでいるので後手が少し指せているようです。

後手は角のラインで先手玉を攻める形にして、最後は△4六飛と飛車が活用できる展開になれば大駒の働きの差で先手は勝ちにくいです。

そのような展開は先手は避けたいので、ここで貴重な手番でどう指すかという局面です。

実戦は▲9三香成△6六歩▲同銀△4六飛で、ソフトの評価値-548で後手有利。

対局中は▲9三香成はややぬるいと思っていましたが、遊んでいる香車を攻めに使わないと攻めが細いので指しました。

以下は△6六歩▲同銀△4六飛として、後手は待望の飛車の活用する形になりました。

先手の飛車に比べて後手の飛車の働きの方がよく、先手は攻め合いの形になかなかならないです。

先手は攻め合いの形でなく、何か粘るような指し方をしたほうが局面が複雑になって相手も大変だったようです。

ただし、このような指し方は結構難しく、先手は直接的に攻める手でなく後手にあまり響かないけど少し嫌な手と選択することになります。

最初の局面では2通りの指し方がありました。

1つは▲9三香成では▲8三歩がありました。

▲8三歩△8一歩▲8七玉で、ソフトの評価値-310で後手有利。

この手順の▲8三歩は垂れ歩の手で、次の狙いは▲8二歩成です。

後手は△8三同銀とする手もありますが、▲9三香成とすると銀取りになり、歩を捨てることで1手早く攻めることができます。

よって後手は△8一歩と打って▲8二歩成を受けましたが、ここに歩を打たせると将来後手は8筋に歩を使えません。

△8一歩と打った手に▲8七玉が少し指しにくいです。

後手の角の利きから玉を移動したのは分かりますが、▲8七玉としても先手玉が固くなったとは思えません。

しかも8九の桂馬が浮いた形で、9九の地点に空間があくのは気持ちが悪いです。

▲8七玉以下△6六歩▲同金△6五歩▲5五歩△同銀▲6五金△6四歩▲5五金△同角▲6六歩で、ソフトの評価値-53で互角。

この手順は△6六歩には▲同金として△4六飛を受ける形です。

以下△6五歩に▲5五歩の突き違いで、△6六歩なら▲5四歩の一直線の攻め合いになるので後手としては少し指しにくいです。

よって▲5五歩に△同銀として以下▲6五金に△6四歩と穏やかな手順となり、以下▲5五金△同角▲6六歩でいい勝負のようです。

もう1つは▲9三香成で▲5五歩がありました。

▲5五歩△同銀▲5四歩で、ソフトの評価値-465で後手有利。

この手順の▲5五歩は、△同角なら将来△6六歩と取り込んだ手が▲同金で角取りになります。

大駒は近つけて受けよの手で後手は△5五同銀としましたが、後手の角の利きが少し重たくなったのでそこで▲5四歩の攻め合いです。

これでも後手が少し指しやすいみたいですが、先手の角が働いてきて後手も結構嫌な形になります。

▲5四歩には△7五歩で、まだ難しい戦いのようです。

少し悪い局面の粘り方が参考になった1局でした。

角換わり腰掛銀の先手で受けに回る

上図は、角換わり腰掛銀からの進展で△6五歩と突いた局面。ソフトの評価値-24で互角。

角換わり腰掛銀は先手から仕掛けることが多いのですが、後手から仕掛ける展開です。

先手が6筋の歩を突いているのに対して後手は4筋の歩を突いていないので、その1手を攻めに使ってきました。

実戦は△6五歩以下▲3五歩△同歩▲4五桂△4四銀▲6五歩△7五歩で、ソフトの評価値+294で互角。

この手順は、3筋の歩を突き捨ててから▲4五桂と跳ねる手で部分的にはある筋です。

▲4五同桂に△4四銀でなく△4二銀を推奨していましたが、実戦の進行は互角とはいえ先手が少し指しやすいようです。

先手はどこかで▲6四歩として△同金なら▲2四歩△同歩に▲5一角のような筋です。

また▲6四歩に△6二金なら▲3三歩として△同桂なら▲同桂成△同銀▲7四桂のような両取りの狙いです。

なお△6五歩によく見る手順は、▲4五桂△4二銀▲6五歩△4四歩▲6四歩で、ソフトの評価値-29で互角。

この手順は後手は△4二銀と引いて△4四歩から桂馬を取りにいく手に対して、先手は6筋の歩を伸ばして左側の方で手を作る展開です。

▲6四歩に△同金なら▲7一角△5二飛▲6二歩△4五歩▲8二角成△6三金▲9一馬△6二金のような展開です。

▲6四歩に△6二金なら▲6六角として△4三銀上なら▲5五銀、▲6六角に△2二角なら▲3五歩△同歩▲3三歩△同桂▲4四角のような狙いです。

このような手を見ると将棋はこのように指すのだなという感覚で、元々自分は角換わり腰掛銀で相手から△6五歩のような手を指されたら受けに回らずに攻め合いにすることが多かったです。

受けが回って指すのがあまり好きでないみたいです。

ただし自分の使っているソフトで検討すると、最初のような局面は▲6五同歩が推奨手で出ることが多いです。

自分の使っているソフトはかなり古いソフトなので、最新版のソフトと比較すると強さと感覚が違うようです。

古いタイプのソフトでも自分は全く歯が立ちません。

角換わり腰掛銀で▲4五桂と跳ねて手を作る将棋は多いのですが、自分の使っているソフトは▲4五桂と跳ねる手は少ないです。

このあたりの感覚の違いは興味深いです。

本局も△6五歩に対するソフトの推奨手は▲6五同歩でした。

▲6五同歩以下△同桂▲6六銀△6四歩▲9六歩△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8二飛▲8八玉で、ソフトの評価値-5で互角。

この手順は▲6五同歩から受けに回る手で、▲9六歩とか最後の▲8八玉というのがなかなか指せないです。

相手から攻める手がなければ、受けに回って自玉を少し固くしてから攻めるという感覚のようです。

▲8八玉以下△9四歩▲6七歩△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8二飛▲4五銀△7五歩▲同銀△7七歩▲同桂△同桂成▲同玉△6五桂▲8八玉で、ソフトの評価値+169で互角。

この手順は△9四歩に▲6七歩として6六の銀に紐をつけるのが形のようです。

後手は8筋に歩を合わせて手待ちですが、先手から動いてもらいたいようです。

先手が▲4五銀とぶつけたのに△7五歩から△7七歩は筋ですが、ちょっとまだ攻めが細いと先手も受けに回っていい勝負のようです。

角換わり腰掛銀で先手で受けに回る指し方は少ないようですが、受けに回ったからまずいということでなく、受けてもいい勝負であれば手としてはまずまずと考えた方がよさそうです。

角換わり腰掛銀の先手で受けに回るのが参考になった1局でした。

ちょっと長く難しい詰み手順

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展からで▲4三桂と打った変化手順で、ソフトの評価値+99980で先手勝勢。

以前、▲4三桂に△4一玉と△3二玉と逃げた場合の変化を、この投稿の終りの方で書きました。https://shogiamateur.com/?p=44092&preview=true

今回は▲4三桂に△2一玉と△2二玉と逃げた場合について調べます。

なお△2二玉は、△2一玉とする変化に合流します。

よって、△2一玉を中心について調べます。

▲4三桂以下△2一玉▲2二歩△同玉▲3三金△1二玉▲1二歩で、ソフトの評価値+99982で先手勝勢。

▲4三桂の王手に△2一玉と逃げたのですが、そこで▲2二歩と叩きます。

▲2二歩に△同玉としたのですが、これで△2二玉と同じ変化に合流します。

△2二同玉に▲3三金と貴重な持ち駒の金を投入します。

▲3三金に△同角は▲同成銀△1一玉▲2二角△同飛▲同成銀△同玉▲2三歩△同玉▲1三飛△2二玉▲3三飛成△1一玉▲1二歩△同玉▲1三桂成△1一玉▲2二龍まで詰みです。

よって▲3三金に△1一玉として逃れている感じもします。

そこで▲1二歩が継続手です。

これらの手順は1筋と2筋に歩が打てるのが大きく、持ち駒に歩の数が多いのが先手にとって貴重な戦力になっています。

なお、▲1二歩のところで▲1四香は△1二歩で詰みません。

▲1二歩は敵の打ちたいところに打ての格言に沿った手とも言えそうです。

後手玉を追い詰めてはいますが少し駒が足らないようにも見えるので、その後の指し手が気になります。

▲1二歩以下△同玉▲1四香△2一玉▲2二金で、ソフトの評価値+99986で先手勝勢。

この手順の▲1四香に△2一玉と逃げるのですが、そこで▲2二金の捨て駒が妙手です。

▲2二金で▲2二歩は打ち歩詰めなので打てません。

王手をするには▲2二金の筋しかないのですが、持ち駒は歩しかないので攻めが切れたようにも見えます。

△2二同玉以下▲1三桂成△2一玉▲2二歩△3二玉▲4二銀成△同玉▲2四角△3二玉▲3三角成△4一玉▲5一馬△3二玉▲3三成銀まで詰みです。

この手順の▲1三桂成がうっかりしやすい手で、ここで▲1三香成とすると△2一玉▲2二歩△1一玉に▲1二歩が打ち歩詰めになるので不詰みです。

よって▲1三桂成から迫って△2一玉▲2二歩△3二玉に▲4二銀成とこのタイミングでの王手で角を取るのが急所です。

▲4二銀成に△同飛は▲2三角で詰みです。

▲4二銀成に△同玉も▲2四角と角を離して打つのが急所で、以下ぴったり詰みのようです。

手数も長くうっかりしやすい筋もたくさんあるので実戦ではまず指せないですが、感覚的に頭の中で手を追っていけば、少しは棋力もつきそうです。

ちょっと長く難しい詰み手順が参考になった1局でした。