上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△4二角と3三の角が引いた局面。ソフトの評価値+132で互角。
△4二角と引いたのは次に△6四角として先手の飛車のコビンを狙う手です。
3六に歩がいるため3七の地点で受ける形になっておらず少し受けにくいのですが、ここで先手の手番なのでどのように対応するかという場面です。
実戦は▲7七歩△6四角▲1八飛で、ソフトの評価値-124で互角。
この手順の▲7七歩はおそらくいい手ではないと思っていましたが、他の手も見えず自陣の傷を消しました。
ただしここに歩を打つと7筋の攻めの歩が使えないので後手は安心します。
以下△6四角に▲1八飛と辛抱しましたが、やや利かされの形で先手はあまり面白い形ではないようです。
これでも形勢は互角だったのは少し意外ですが、気分的には先手はいまひとつという感じです。
このような指し手のところで形勢が少し差が開きやすくなります。
これが実力といえばそれまでですがが、できれば中盤に差し掛かるくらいのところは互角を維持したいです。
自分の言う互角とは、先手が+100から200のイメージです。
▲7七歩では▲4六歩がありました。
▲4六歩に△6四角なら▲4八飛で、ソフトの評価値+119で互角。
この手順は△6四角とする前に▲4六歩と角の利きを止める手です。
▲4六歩に対して△6四角としますが、そこで▲4八飛と進みます。
この▲4八飛も利かされに近いような手にも見えますが、4筋に駒の争点があるので飛車を争点の筋に移動する手です。
▲4八飛は次に▲4五歩△1九角成▲4四歩として、4筋から突破する狙いです。
先手は香損になりますが、穴熊で4筋を突破できれば駒損にも対抗できそうです。
このような展開になると実戦の▲1八飛よりはるかにいいです。
▲4六歩に△同歩なら▲4八飛△6四角▲4四歩で、ソフトの評価値+134で互角。
この手順は▲4六歩に△同歩としたのですが、▲4八飛と回ります。
やはり大駒を活用するのが大事なようです。
▲4八飛は次に▲4六飛があるため△6四角としましたが、そこで▲4四歩が面白い手です。
▲4四歩以下△4二飛▲3四歩△9五歩▲同歩△8五桂▲3五角で、ソフトの評価値+192で互角。
この手順は▲4四歩は次に▲4三歩成を狙った垂れ歩で、後手は△4二飛とします。
そこで▲3四歩として2六の角で△4四飛を受けるのが柔らかい手です。
このような展開になると、先手は飛車と角が以前より働いているのでまずまずです。
後手は△9五歩から△8五桂として戦線拡大をして9筋からの端攻めを狙う形ですが、先手も9七の地点には銀と桂馬と香車が利いているので、簡単にはつぶれないようです。
最後の▲3七角は、どこかで▲4六角や▲4六飛△同角▲同角のような切り返しも狙っているのでいい勝負のようです。
角のコビン攻めに1手早く受けに回るのが参考になった1局でした。