持ち駒に飛車が入れば2枚替えもある

上図は、相掛かりからの進展で△5五角と2二の角がでた局面。ソフトの評価値+47で互角。

△5五角は次に△3七角成を狙った手で先手は受けるのが普通ですが、どのように受けるかという局面です。

先手の飛車は右側にいるのが普通ですが、後手の飛車が3六にいったときに▲8五飛として以下▲8六飛と進んだ形です。

また先手の玉が6八なので、全体的にやや駒が左側に偏っています。

実戦は▲3八金と普通に受けたのですが、△3三桂でソフトの評価値-96で互角。

この手順は、▲3八金と受けた時に△3三桂と攻めの駒を増やして△4五桂のような手を狙っています。

△4五桂に▲3六銀なら△同飛▲同飛△1九角成のような筋で角を成られて2枚替えでは悪いと思い△3三桂には▲2八歩と打って受けたのですが、これで歩切れになり後手は1歩得で持ち駒に歩が2枚あるので、先手の作戦負けみたいです。

△3三桂に▲2六飛で辛抱するみたいでしたが、いつでも△2五飛と飛車をぶつけてくるような筋もあり先手が指しづらいです。

最初の局面では▲3八金で▲3六銀がありました。

▲3六銀△同飛▲同飛△1九角成▲7六歩で、ソフトの評価値-55で互角。

この手順は、▲3六銀とすると飛車と銀の交換から△1九角成とされる展開です。

駒割りは、飛車と銀香の交換で2枚替えで馬を作られた形なので先手が失敗かと思っていたのですが、評価値はほとんど互角だったのが意外でした。

最後の▲7六歩にも後手は簡単に受かりそうな感じもします。

▲7六歩に△2二銀なら、▲2四歩△同歩▲2二角成△同金▲3四飛△3三歩▲2四飛△2三香▲3一飛△6二玉▲2三飛成△同金▲3二飛成△5二銀▲2三龍で、ソフトの評価値+370で先手有利。

この手順の△2二銀は自然な手に見えたのですが、▲2四歩としてから▲2二角成が鋭く▲3一飛と打つと意外と先手も手になっているようです。

▲7六歩に△4四香なら▲3九金△4二銀▲1五歩△同歩▲4六歩△3三銀▲1二歩△同香▲1一飛△2二金▲4五歩△同香▲3三角成△同金▲2一飛成で、ソフトの評価値+1136で先手優勢。

この手順はややうまくいきすぎですが、▲3九金と辛抱して△2九馬を防ぎます。

△4二銀に▲1五歩と味付けをして△同歩に▲4六歩として次に▲4五歩△同香▲1一角成を狙います。

それを受ける△3三銀に、1筋の歩を突き捨ててた効果で▲1二歩としてから▲1一飛と打ち込みます。

△2二金に▲4五歩として△同香に角道が通ったので▲3三角成から▲2一飛成で先手優勢です。

飛車が持ち駒にあると、少しでも隙があれば飛車の打ち込みが成立するようです。

持ち駒に飛車が入れば2枚替えもあるのが参考になった1局でした。

駒不足なので盤面の駒を活用する

上図は、後手角交換振り飛車からの進展で△5六馬と桂馬を取った局面。ソフトの評価値-258で互角。

駒割りは角と金の交換で先手は穴熊に囲っていますが、やや攻め駒が少ないです。

形勢は互角ですが、後手玉は広く上部脱出の可能性もあるので、気持ち的には先手が大変にも見えます。

ここから先手がどのように手を繋いでいくかという感じですが、7二の金が重たいのでこの駒を活用しました。

実戦は、▲5一龍△5二歩▲7三金△5四銀右で、ソフトの評価値-993で後手優勢。

この手順は、▲5一龍としてから▲7三金とする手で自然な手かと思っていましたが評価値を見るとだいぶ下がっています。

先手の7三の金が後手の駒と交換になればよかったのですが、△5四銀右とされるとかえって後手陣が手厚くなったようです。

先手は▲6二龍に△4二玉として後手玉を下段に落とす筋はありますが、まだだいぶ駒不足です。

▲5一龍では▲6七銀がありました。ソフトの評価値-208で互角。

この手は攻め駒不足を少しでも解消する▲6七銀です。

先手は7一の龍と7二の金と持ち駒の桂馬の3枚の攻めではやや細いので、6七の銀として少しでも攻め駒を増やす狙いです。

馬取りなので普通は後手は馬が逃げる一手です。

▲6七銀に△4六馬なら▲5八桂△6四馬▲6二龍△5四玉▲5六銀で、ソフトの評価値-68で互角。

この手順は、△4六馬としていつでも△6八馬とする狙いですが、▲5八桂と打つとそれを防ぎつつ馬取りで、かつ後手玉の上部脱出を防ぐような駒になっています。

以下△6四馬と逃げれば▲6二龍から▲5六銀がうまい手で、▲5六銀に△5五歩と打てば▲4六桂で後手玉が詰んでしまいます。

さすがにこの展開にはなりませんが、狙いとしてはありそうです。

▲6七銀に△5五馬なら、▲4七桂△3七馬▲6二龍△5四玉▲5五歩で、ソフトの評価値+2853で先手勝勢。

この手順もややうまくいきすぎですが、△5五馬には▲4七桂がうまい手で馬が逃げれば▲6二龍から▲5五歩のような手が厳しいです。

やはり5八の銀を活用する▲6七銀が急所だったようです。

駒不足なので盤面の駒を活用するのが参考になった1局でした。

細い攻めを続ける

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲6四歩と突いた手に△5三金と逃げた変化手順で、ソフトの評価値+463で先手有利。

実戦は▲6四歩と突いた手に△7三金寄と逃げて▲7七桂と進んだのですが、△5三金と逃げられたときにどのように攻めたらいいか少し迷っていました。

△7三金寄に▲7七桂と跳ねた形は、攻め駒が増えて次に▲8五桂と▲6三銀を含みに攻めれば後手がが受けにくい形ですが、△5三金と逃げた形は意外と面倒かと思っていました。

△5三金以下▲6三銀△7一金▲3六桂で、ソフトの評価値+552で先手有利。

この手順は、6四に攻めの拠点の歩があるので▲6三銀と打ちたいです。

△7一金と引いて受けた時に▲3六桂が味がいい手です。

▲3六桂に△3三銀は▲4五桂がありますので、△3五銀とします。

▲3六桂△3五銀▲4五桂△4三金▲4四歩△同銀▲同桂△同金▲3三歩で、ソフトの評価値+1204で先手優勢。

この手順は、2枚の桂馬が捌けた理想的な展開で銀と桂の交換から▲3三歩と打てて先手が指せそうです。

▲3六桂△3五馬▲4四桂△同馬▲4五桂△同馬▲6二銀打△同金▲同銀不成△同飛▲6三金で、ソフトの評価値+727で先手優勢。

この手順は、後手は馬を自陣に引いて頑張る手で先手も油断できませんが、銀を取ってから▲6二銀打として清算して▲6三金と打てば先手が指せそうです。

最初の局面で▲6三銀に△4七角なら▲6七飛で、ソフトの評価値+380で先手有利。

この手順は、後手は△4七角として先手の飛車を目標に指してきましたが、▲6七飛と飛車と角の交換を目指す手です。

▲6七飛以下△同馬▲同金△6四金▲7二銀成△同銀▲6五歩で、ソフトの評価値+608で先手有利。

この手順は、後手は飛車と角の交換から△6四金として先手の攻めを催促する手ですが、▲7二銀成から▲6五歩として△同金なら▲4三角から▲5四角成の筋をみて先手が指せそうです。

どの手順も決して攻め駒が多くないので慎重に攻めないといけないですが、穴熊を活かした展開のようです。

細い攻めを続けるのが参考になった1局でした。

玉のコビンを角桂で攻められたときに受け方

上図は、横歩取り青野流からの進展の変化手順で△2五桂と跳ねた局面。ソフトの評価値-459で後手有利。

△2五桂は3七の地点で清算して△4五桂や、8八に龍がいるので△5五角のような狙いです。

角道を止めるのは結構難しいですが、ここでどのように受ければいいかという局面です。

実戦は、数手前に▲3八銀と上がって受ける形にせず▲2七金を打って受ける形にしたので寄せられました。

▲3八銀とすると玉が右に逃げるには▲3九玉しかないので受けづらいかと思っていましたが、この局面はまだ結構難しいみたいでした。

ここでは2通りの受け方がありました。

1つは▲4六歩と突く手です。ソフトの評価値-466で後手有利。

この手は3七の地点で清算して△4五桂と打たせにくくします。

▲4六歩以下△3七桂右成▲同桂△同桂成▲同銀△同角成▲同玉△4五桂▲4八玉で、ソフトの評価値-479で互角。

正確には△4五桂に▲同歩なら△5五角があるので取れませんが、▲4八玉と逃げるとまだ意外にも先手玉は寄りません。

後手は持ち駒に角と銀銀と桂馬でいい駒がそろっていますが、先手は8八に龍がいてい受けに利いているので意外と大変なようです。

また▲4六歩と突くことによって▲4七玉のような形になると、意外と複雑になるみたいです。

もう1つの受け方は△2五桂に▲8五龍です。ソフトの評価値-256で互角。

この手は、▲8五龍として清算してからの△5五角を防ぐと同時に△4五桂や△2五桂の王手も防いでいます。

▲8五龍以下△3七桂左成▲同銀△同桂成▲同桂で、ソフトの評価値-381で後手有利。

この手順の△3七桂左成に▲同桂が普通ですが、△5六桂と打つ手があり▲同歩に△5七角と打たれると寄り筋になります。

よって△3七桂左成に▲同銀としますが以下△同桂成に▲同桂で意外とまだ難しいようです。

最初の局面が少し後手が指しやすいので先手が苦しいですが、粘るとしたらこのような感じでした。

急所は清算して簡単に△4五桂と打たれない形にすることみたいです。

また△4五桂と打たれても意外と捕まえづらい形にしておくことみたいです。

玉のコビンを角と桂馬で攻められたときの受け方が参考になった1局でした。

▲3八銀と引いて辛抱する

上図は、後手が角交換振り飛車からの進展で△4二飛と2二の飛車が回った局面。ソフトの評価値+74で互角。

後手の狙いは△4五歩から桂馬を交換して飛車を捌く手で、後手玉はしっかりしているので捌かれるとうるさい形です。

実戦は△4二飛に▲5六銀と上がって4筋を受けました。

▲5六銀△4五歩▲同歩△5五歩▲4七銀△4五桂▲同桂△同飛▲4六歩で、ソフトの評価値+254で互角。

この手順は、▲5六銀として4筋を受ける手ですが、後手は4筋を突き捨てた後の△5五歩には手損になりますが▲4七銀と引く形になります。

△5五歩に▲同銀なら△4五桂▲同桂△同飛で捌かれています。

よって▲4七銀から▲4六歩と打った展開です。

実戦はここで△4一飛だったので、以下▲3二角△3一飛▲2三角成と馬を作ってじっくり戦うという展開になりましたが、▲4六歩には△3七角が気になっていました。

▲4六歩以下△3七角▲2九飛△4六角成▲同銀△同飛▲2二角△3六飛▲5五角成△3八飛成▲5九飛で、ソフトの評価値+227で互角。

この手順は、後手は△3七角から△4六角成とする手で、角と銀の交換で後手が少し駒損ですが、先手は歩切れで後手の飛車成りを受けるのが難しいです。

よって▲2二角から▲5五角成として馬を作って手厚くする展開ですが、後手も△3八飛成としていい勝負のようです。

実戦的には、飛車を成られた方が先手としてはあまりいい気分ではないです。

また4筋の別の受け方として▲5六銀では▲2九飛もあったようです。

▲2九飛△4五歩▲同桂△同桂▲同歩△同飛▲4六歩△4三飛▲3二角△4二飛▲2三角成△5五桂▲3八銀で、ソフトの評価値+146で互角。

この手順は、4七の銀はそのままにして▲2九飛と受ける手です。

2八の飛車の形は3七の桂馬がいなくなると△3七角のような手がありますが、▲2九飛とすれば事前にその手は消しているという意味があります。

後手は、△4五歩から桂馬を交換して捌いてきますが▲4六歩と打ちます。

後手は4筋のどこに逃げても先手から角の打ち込みがありますが、先手は▲3二角から▲2三角成と馬を作った手に△5五桂とします。

そこで▲3八銀と逃げたのがこの局面ですが、意外にもこれでいい勝負のようです。

部分的な形では▲3八銀は▲5六銀なのですが、△4六飛とされると以下△3六飛のような筋で、後手の飛車を成りを受けづらいので▲3八銀と辛抱します。

実戦で▲3八銀と指せるかはあやしいですが、知っておいて損はなさそうです。

▲3八銀と引いて辛抱するのが参考になった1局でした。

飛車の頭に歩を打つ▲2三歩

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で6四の金が△5五金とでた局面。ソフトの評価値-195で互角。

先手はトーチカに囲ったのに対して、後手の4一の金が5段目まで進出する形で、後手は抑え込みができるかどうかという展開です。

△5五金に▲6八角と引いては△4六歩で抑え込まれて角が使えなくなりますので、ここで先手が何か手を作らないといけない形です。

実戦はここで手が見えず▲4七銀としました。

▲4七銀△4六金▲同銀△4七角で、ソフトの評価値-552で後手有利。

この展開は角と金の交換で苦肉の策でしたが、△4七角と打たれると△3六角成から馬を作られると後手が手厚くなります。

また、5六に歩がいるのでいつでも△5七歩成もあり先手が指しづらいです。

先手は4六の銀と3七の桂馬が捌ければまだ勝負形ですが、現時点ではやや重たい形です。

▲4七銀では▲2三歩がありました。ソフトの評価値-151で互角。

▲2三歩は手筋の歩ですが、このタイミングで打つのは全く見えていませんでした。

▲2三歩で▲2四飛なら△2三歩と打たれて飛車が逃げたら△4六金と角を取られて先手の失敗ですが、先に▲2三歩と打って△同飛なら▲2四飛△同飛▲同角となって先手の飛車が捌けます。

以下飛車交換から△2八飛と両取りに飛車を打っても、▲4二角成が次に▲4三馬と銀が取れる形になるのが大きいです。

また後手は5段目に金が出て玉の守りが薄いので、荒捌きは先手がいい形です。

よって後手は▲2三歩には△5二飛とします。

▲2三歩以下△5二飛▲2四角△4七歩▲同銀△3五歩▲5三歩△同角▲5八飛で、ソフトの評価値-159で互角。

この手順は、△5二飛に▲2四角と逃げて一応角が抑え込まれることはなくなりましたが、この瞬間はやや重たい形ではあります。

後手は△4七歩と銀の頭に歩を打ってから△3五歩として、先手の角道を止めながら△5七歩成を狙っています。

そこで先手は▲2四角と出た効果で▲5三歩と叩きます。

▲5三歩に△同飛なら▲2二歩成や▲4二角成がありますので△同角としますが、そこで▲5八飛と回って△5七歩成を受けながら▲5六銀を狙ってどうかという展開です。

先手はと金を作らせないようにしながら、5筋に飛車を活用するのが細かい動きのようです。

いずれにしろ本譜よりはるかにいいです。

飛車の頭に歩を打つ▲2三歩が参考になった1局でした。

攻めが細いときの手の繋げ方

上図は、角交換振り飛車からの進展で▲5六桂と打った手に△7二桂と打って受けた局面。ソフトの評価値+4で互角。

駒割りは、角と金の交換でいい勝負ですが先手は穴熊で龍を敵陣に作っています。

ただし先手の歩の数が少なく、後手も意外と広い玉なので捕まえるのは大変です。

先手はここからどのように手を繋いでいくかという感じです。

実戦は▲8二金と重く打ちましたが、△6四桂とされるとソフトの評価値-256で互角。

この手順の▲8二金は次に▲7一龍△5三玉▲7二金と桂馬を取る狙いですが、△6四桂と逃げて受ける手があったようで、▲6四同桂に△同角成とされると先手の8二の金がやや重い形で、駒の効率がよくないようです。

先手は▲8三金とか▲9一龍はありますが、後手の持ち駒の桂馬とか香車が先手陣に手をつけると先手も守りは強くないです。

▲7二金では▲8三龍がありました。

▲8三龍△8二香▲7三金△同角成▲同龍△同玉▲4六角で、ソフトの評価値-104で互角。

この手順は、▲8三龍と歩を取って戦力を増やすのですが、△8二香と打たれると龍が死んでいるようです。

しかしそこで▲7三金があったようで、以下清算してから▲4六角と打って王手龍の展開です。

たまたま2八に龍がいるので成立する筋ですが、▲7三金は見えづらいです。

対局中も▲8三龍に△8二香と打たれてだめと思い、それ以上先のことを考えていませんでした。

最後の▲4六角に後手は△6四角と受けたいのですが、先手に5六桂がいるので▲同桂と取られてしまいます。

▲4六角以下△6四香▲2八角で、ソフトの評価値-86で互角。

▲2八角の時点で駒割りは先手の香損ですが、先手は穴熊に囲ってまだ耐久性があるのでどうかという展開です。

先手はやや攻めの戦力が少ないですが、実戦の8二金が残っているよりはるかに駒の効率がいいです。

攻めが細い場面で何とか攻め手を見つけて、穴熊が活きるような展開にするべきでした。

なお△8二香と打つところで△8二歩と打っても▲7三金から同じような手順にするのが大事なところで、△8二歩に▲8五龍と逃げるのは△8三香で後手陣がしっかりします。

このあたりもついうっかりしやすいところです。

攻めが細いときの手の繋げ方が参考になった1局でした。

穴熊で△6五歩に銀を引いて使う

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△6五歩と突いた局面。ソフトの評価値+305で先手有利。

ここで実戦は▲6五同銀と取りました。https://shogiamateur.com/?p=29136&preview=true

今回は▲6五同銀以外の手の変化で、▲5七銀と▲7七銀があり対局中は指しにくいかと思っていましたが、調べてみるとそうでもなかったです。

▲5七銀△3五歩▲7七角△5五歩▲4五桂で、ソフトの評価値+249で互角。

この手順は▲5七銀と引くと3七の桂馬の頭が狙われやすく△3五歩とします。

その手に▲5七銀と引いた効果で▲7七角が銀取りになり、△5五歩と受けた時に▲4五桂と跳ねる手があります。

▲4五桂に△同銀なら▲5五角で、ソフトの評価値+877で先手優勢。

この手順は、先手の角が捌けますので先手が指せそうです。

▲4五桂△3六歩▲4六銀△3七歩成▲3三歩で、ソフトの評価値+743で先手有利。

この手順は、△3六歩から△3七歩成として後手の飛車を活用する手ですが、▲3三歩と後手の飛車を遮断するする手があり、△3三同桂に▲3七飛すれば先手が指せそうです。

また別の手で△6五歩に▲7七銀もありそうです。

▲7七銀△7三角▲4六歩で、ソフトの評価値+121で互角。

この手順は、▲7七銀と引いて4枚穴熊になるので玉はかなり固くなりますが、銀が中央から右にいないので薄く3筋とか4筋が手薄なのが気になります。

後手はそれを狙って△7三角としますが、そこで▲4六歩と合わせる手があるのを初めてみました。

後手から△4六歩と伸ばしたいところをあえて▲4六歩とする手ですが、普通は△4六同歩です。

▲4六歩以下△同歩▲4八飛△5五歩▲4六角△4五歩▲同桂△4二飛で、ソフトの評価値+158で互角。

この手順は、△4六同歩に▲4八飛から▲4六角とする狙いですが、後手も角交換を避けて△5五歩として、以下△4五歩に▲同桂とする手です。

▲4五同桂に△同銀なら▲5五角で桂損でも捌けそうなので、△4二飛とする展開です。

指しこなすのが難しそうであまり指す気はしませんが、先手は飛車と角と桂馬の3枚の攻めで、やや細い攻めなので切れないようにしないといけません。

この指し方は、うまく攻めを繋げたら4枚穴熊が活きますが、攻めが切れたら後手有利になるので力がいる指し方だと思います。

ただし▲4六歩から▲4八飛の指し方は役に立ちそうです。

穴熊で△6五歩に銀を引いて手を作るのが参考になった1局でした。

三間飛車に▲5八金型でも▲6六銀と上がる

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△5四銀と上がった局面。ソフトの評価値+161で互角。

実戦は▲6六歩として途中でぬるい手を指したのでやや作戦負けになりました。https://shogiamateur.com/?p=29326&preview=true

今回は▲6六銀の変化です。

▲6六銀△3五歩▲9九玉△5一角▲8八銀△3六歩▲同歩△同飛▲3七歩△3四飛▲5五歩で、ソフトの評価値+112で互角。

この手順は、後手の三間飛車に▲6六銀と銀を玉の方に寄せる形です。

気になるのは、6六の銀と5八の金が中央側に寄っているので、3筋がやや手薄なことです。

▲5五歩もやや突っ張った手で、先手は穴熊が完成していないのに後手の銀を4五に出させると、3筋の受け方が気になります。

▲5五歩以下△4五銀▲6八角△8二玉▲7九金△6四歩▲9六歩△7四歩▲2六飛で、ソフトの評価値+128で互角。

この手順は、△4五銀と3筋に圧力をかけてくると▲6八角と引いて守る手で、▲6八角に△3六歩としても▲同歩△同銀▲3五歩で受かります。

7七の角は6六に銀がいてさらに5五に歩がいると7七にいても使いづらいので▲6八角とします。

ただし▲6八角とすると5八の金が使いづらいのが難点ではあります。

5八の金が一段金の4九にいれば、▲5九金から▲6九金から▲7八金とできますが、後手が振り飛車で早い段階に▲5八金と上がったので仕方ないです。

最後の▲2六飛も部分的な形ですが、どのような狙いがあるかというのが少し分かりにくいです。

4段目に飛車が上がって△5六銀とさせないという意味はあります。

先手は5八の金をできたら▲5九金から▲6九金から▲7八金としたいのですが、6七の地点が薄くなるので△5六銀から△6七銀成を狙われそうです。

また▲2六飛の形は、後手から△3六歩▲同歩△同飛のように後手から飛車交換をする狙いもあるので一長一短です。

先手から動くとすれば▲7五歩のような手はありますが、7筋の歩が切れれば△7八歩のような手も生じますので、このあたりは先手も動きが難しいです。

いずれにしろいい勝負のようです。

三間飛車に▲5八金型でも▲6六銀と上がるのが参考になった1局でした。

先手玉の寄せ方

上図は、横歩取り青野流からの進展で△4五桂と打った局面。ソフトの評価値-117で互角。

数手前に△2六角と王手をした手に▲3七桂打とした手に△4五桂打と桂馬を重ねてきた展開です。

先手は8八に龍がいるので△5五角と打たれる筋を気にしないといけません。

実戦は8八に龍がいるのが少し悪い位置にいると思って▲8一龍としたのですがこれが失敗でした。

▲8一龍△2五桂▲2七金△3七桂左成▲同桂△同桂成▲同金△同角成▲同玉△4五桂▲4八玉△5六桂で、ソフトの評価値-1187で後手優勢。

この形は▲8一龍と先手の龍の位置をかえて後手陣に入ったのですが、後手陣はしっかりしておりあまり攻めの形が響いていません。

後手は3七の地点で清算してから△4五桂と打つ筋になると、ほとんど先手玉が寄っている形です。

最後の△5六桂も手筋で、5七の地点に空間をあけて将来△5七銀の打ち込みを作る意味です。

実戦は△5六桂以下▲同歩△1五角▲3八玉△1八銀で、ソフトの評価値-4269で後手勝勢。

この手順は、△5六桂と捨ててから△1五角と離して角で王手をするのが厳しいです。

△1五角に▲5八玉なら△5七銀▲6九玉△6八金まで詰みなのが△5六桂と捨てた意味です。

よって△1五角に▲3八玉としましたが、そこで△1八銀が見えづらい手です。

△1八銀では△3七角成や△3七桂成が自然でこれでも問題ないですが、少し手数がかかります。

△1八銀は△3七角成の詰めろなので普通は▲1八同香としますが、△3七角成▲2九玉△4七馬▲3八銀△3七桂不成▲1九玉△2九金▲同銀△同馬まで。

△1八銀と捨てたのは▲1八同香とさせることで1八の地点に玉が逃げられないようにしたという意味です。

△1八銀に▲4八金は△3七金以下詰みですし、△1八銀に▲5八金でも△3七角成▲4九玉△5七桂不成▲同金△5九金で詰みです。

また先手はそこそこ持ち駒にいい駒がありますが、後手玉に迫る手がありません。

終盤は大差になりましたが、最初の▲8一龍では別の指し方があったようです。

それはまた別の機会に書きます。

先手玉の寄せ方が参考になった1局でした。