上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△7三同銀と成桂を取った局面。ソフトの評価値+99971で先手勝勢。
この局面はどうやって後手玉を寄せるかという場面ですが、色々な手がありそうです。
ただし将棋はこのように最終盤である程度正確に近い指し手をしないと逆転することが多々あり、形勢に差が開いていてもそれなりに神経を使います。
この局面は先手玉はまだ即詰みはありませんが、あまりたくさん駒を渡すと△8九金から王手が続きそうな形になるので決して油断はできません。
実戦は▲6三歩成で、ソフトの評価値+5005で先手勝勢。
この▲6三歩成は次に▲6一馬からの詰めろで、これが一番確実です。
即詰みがはっきり分からないのに詰ましにいって、気がついたら駒を渡しすぎて逆転していたというよりはるかにいいです。
ただし、詰みがある場合は詰み筋を覚えた方が今後に役立ちそうです。
▲6三歩成では▲6一馬がありました。
▲6一馬△同玉▲4一飛で、ソフトの評価値+99973で先手勝勢。
この手順の▲6一馬から▲4一飛とするのは、一間飛車で王手をする筋で詰ましにいくならこの筋になります。
先手玉が受けなしの状態であればこの指し手になるのですが、現状は詰まないので少し勇気がいる手です。
持ち駒が金駒3枚と歩が4枚あって、6四に攻めの拠点の歩があるのが大きいです。
▲4一飛に△5二玉は▲4三銀以下どこに逃げても頭金で詰みです。
また▲4一飛に△7二玉は▲6三歩成△同玉▲6一飛成で以下詰みです。
一番複雑なのは合駒をする手になります。
▲4一飛以下△5一香▲5二銀△同玉▲4二金で、ソフトの評価値+99979で先手勝勢。
この手順の△5一香に▲5二銀と打つのが形ですが、後手は逃げる手もあります。
▲5二銀に△7一玉なら▲5一飛成△8二玉▲7二金△同玉▲6三歩成以下7三の銀を取れる形になれば詰みです。
▲5二銀に△7二玉なら▲6三歩成△8三玉▲7三と△同玉▲7四歩△同玉▲7五金打△8三玉▲7四銀△9二玉▲8三金△8一玉▲5一飛成△7一歩▲8二香で詰みです。
この手順は並べ詰みとはいえ、持ち駒をたくさん使うので感覚で詰みでも枚数を数えてないと一枚足らなかったということもあるので要注意です。
最後の局面の▲4二金で、ぱっと見で攻め駒が足りているかが少し気になります。
▲4二金に△6二玉なら▲5一飛成△7二玉▲6三歩成△同玉▲5二龍△7四玉▲7五香△8三玉▲7三香成△同玉▲7四歩△同玉▲7二龍△8五玉▲7四銀△9四玉▲8三龍まで詰みです。
これらの手順は上部が手厚い形になっているのも大きいです。
後手は△5一香の合駒では△5一桂や△5一角もあるのですが、▲5二銀以下手数はかかりますが詰んでいるようです。
本来詰み筋はしっかり読んで指すのが原則ですが、最初の数手は並べ詰みという感覚の手順で考えることになるので、この場合は一間飛車の筋が最初に浮かぶかどうかがポイントになりそうです。
一間飛車の筋で詰ますのが参考になった1局でした。