上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△3二歩と打った局面。ソフトの評価値+150で互角。
直前に▲3三角成とした手に△3二歩と打ってきたのですが、△3二歩というのは馬取りですが1二の龍の利きを止める手でもあるので、先手としては嫌な手です。
駒の損得はないですが、△9七歩と先手陣にいやな垂れ歩が残っており先手としても神経を使います。
対局中は馬が逃げたら龍の利きがなくなって働きが悪くなるので、対して時間を使わず▲4三馬としました。
実戦は▲4三馬△同金▲3二龍△9八香で、ソフトの評価値-496で後手有利。
この手順は▲4三馬として角と銀の交換で先手が駒損ですが、次の▲3二龍に期待しました。
ただしこの手順はやや疑問だったみたいで、△9八香が実戦的な手で先手の模様が少し悪いようです。
先手からは▲9四桂のような手はありますがまだ攻め駒不足で、結局は辛抱せざる展開になりそうです。
▲3二龍は▲4三龍と金を取る狙いもありますがこの瞬間はいまひとつ龍の働きがよくなく、それ以上に後手に9筋からがりがり攻められるとかえって反動がきつくなっています。
よって▲4三馬とするのは少し攻め急いだようです。
▲4三馬では▲6六馬がありました。
▲6六馬△9八香▲同香△同歩成▲同玉△9六香▲9七香△同香成▲同玉△9二香打▲8八玉で、ソフトの評価値+88で互角。
この手順は▲6六馬と逃げるのですが、6六の位置は攻防に利く位置で結構先手陣にも厚みが増します。
竜の働きは一時的に弱くなったものの、馬の働きが大きいという考えです。
後手は△9八香から9筋をがりがり攻めてきますが、先手は駒損をしているわけではないので、丁寧に受けて最後の▲8八玉の早逃げで互角のようです。。
9筋を攻めらてもいい勝負と感覚が大事みたいで、受けに回ったから不利という先入観があると正確に形勢判断ができないみたいです。
▲8八玉以下△9五香▲9六歩△同香▲9七歩△同香成▲同桂△9六歩▲8五桂△9七歩成▲7七玉で、ソフトの評価値+157で互角。
この手順は後手はさらに9筋からがりがり攻める展開で、香車を捨ててから△9六歩と打って攻めを継続しますが、そこで▲8五桂と逃げる手がうっかりしやすいです。
▲8五桂と逃げると△9七歩成と玉の近くにと金ができて危険ということでこの手順は見送りかちですが、と金は作られても▲8五桂とする形が逆に後手玉を攻める駒になりそうです。
後手は9筋は突破しましたがまだ先手玉への決め手はなく、1七の馬も働いていませんのでまだこれからの将棋のようです。
攻め急ぎでなく自陣に馬を引いて辛抱するのが参考になった1局でした。hhh