仕掛けを少し待って仕掛ける

上図は、相居飛車で先手が左美濃の右四間飛車からの進展で△7四歩と突いた局面。ソフトの評価値+121で互角。

実戦はここで▲4五歩と仕掛けましたが思ったほどうまくいきませんでした。https://shogiamateur.com/?p=27305&preview=true

先手が攻めているようでも後から反動があるときついのがこの戦形の特徴です。

▲4五歩と仕掛ける手で別の手があるかが気になっていました。

1つは▲4五歩で▲6五銀がありました。

▲6五銀△7二飛▲6六角△6四歩▲5六銀で、ソフトの評価値+142で互角。

この手順は、△7四歩と突いた手を咎める意味で▲6五銀と出ます。

次に▲7四銀がありますので△7二飛としますが、今度は後手から△7五歩がありますので▲6六角とします。

以下△6四歩に▲5六銀と引いて後手が手得した展開ですが、後手の飛車の位置が変わったので8五の歩が浮いた形です。

先手は▲6六角で角がいい位置になり、角交換になったときに▲6六同歩とできる可能性がでてきたのは大きいです。

▲5六銀以下△7三桂▲4五歩△6五歩▲7七角で、ソフトの評価値+313で先手有利。

この手順は、△6四歩と突いた手を活かす意味で△7三桂から△6五歩としたのですが、▲7七角と引いた局面は、後手の飛車の働きがあまりよくないので先手が少し指しやすいです。

もう1つは▲4五歩で▲9六歩がありました。

▲9六歩△9四歩▲4五歩で、ソフトの評価値+155で互角。

この手順の▲9六歩は、将来後手に持ち駒に桂馬や歩がたくさんあれば△8六歩▲同歩△8七歩▲同銀△9五桂のような手を防ぐ意味です。

これがあると先手も神経を使いますが、これがないとだいぶ精神的に楽になります。

ただし、△9五歩▲同歩△9七歩▲同香△9八歩のような端攻めの筋があるので一長一短です。

△9四歩と受けた時に▲4五歩と仕掛けて、最初の局面より9筋を受けているので少し先手が得のような感じです。

ただしこのあたりは感覚的な問題なので実戦はいい勝負です。

仕掛けを少し待って仕掛けるのが参考になった1局でした。

穴熊の▲6六銀には▲6八角が形

上図は居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△6三金と上がった局面。ソフトの評価値+338で先手有利。

相穴熊の進展ですが、6六の銀のバランスがいいので少し先手が指しやすいかと思っていましたが、ソフトの評価値は先手有利でした。

対振り飛車の時点で100から200くらい評価値がよくなることが多いですが、本局もそのような感じです。

ただしここから▲5五歩と指したのですが、ソフトの推奨手や候補手になかったようです。

実戦は▲5五歩に△3五歩だったのですが、▲5五歩△同歩▲同銀△5二飛で、ソフトの評価値+247で互角。

この手順は、先手は5筋の歩を交換して▲5五銀と中央に銀を構える形ですが、後手も△5二飛と歩の切れた筋に飛車を回ります。

▲5五銀が少し浮いたような形なので、ここから▲5八飛と回り△5四歩に▲6六銀と引く形です。

△5四歩と打たないと逆に▲5四歩とする手があるので、後手としては手堅く△5四歩と打って局面をおだやかにします。

これで1局の将棋ですが、居飛車が5筋に飛車を回るのは何となくすっきりしない感じもします。

できれば先手の飛車は2筋か3筋で活用するようにしたいです。

▲5五歩では▲9六歩がありました。

▲9六歩△9四歩▲6八角で、ソフトの評価値+336で先手有利。

この手順は、▲9六歩と穴熊で端歩を突く手で後手も9筋を受けますが、効果の方は現段階では不明です。

9筋を突き合った後に▲6八角と角を引いていつでも▲2四歩の狙いがあります。

また▲6八角と引くことで▲7七銀と守りに使うことも可能です。

▲6八角に△4五歩なら▲2四歩△同歩▲同角△2二飛▲3三角成△2八飛成▲4三馬△4八飛▲6八銀△2九龍▲4四角△1九龍▲2一馬で、ソフトの評価値+301で先手有利。

この手順は、△2二飛では利かされとみて△4五歩として▲2四歩を受けない形ですが、2筋を交換してから▲2四同角に△2二飛が狙いの一手で、▲3三角成はありますが△2八飛成とする激しい変化です。

通常は、▲4三馬と銀を取ればこの瞬間は角銀と飛車の交換で先手が駒得ですが、後手も2九の桂馬と1九の香車が取れる展開です。

▲2一馬までは角銀と飛桂の交換ですが、先手は4枚穴熊で後手よりは固いです。

ただし、後手も飛車2枚と持ち駒に桂馬と香車があればいつでも△9五歩のような端攻めもあるのでいい勝負のようです。

穴熊の▲6六銀には▲6八角が形というのが参考になった1局でした。

苦しい局面で辛抱する指し方

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△3五同歩と飛車を取った局面。ソフトの評価値-494で後手有利。

この局面は先手が桂馬と香車の駒損になっていますので、少し苦しい局面です。

ここで貴重な手番を握っていますが実戦はややあっさり指した感じでした。

本譜は▲5三歩△6二金寄▲3三飛成△4七馬▲3四角△2八飛で、ソフトの評価値-895で後手優勢。

この手順は、▲5三歩に△同金なら▲3三飛成が金取りになりますが、当然後手は△6二金寄とします。

先手は少しでも早く駒損を回復したいということで▲3三飛成としましたが、飛車の位置が3段目にずれたことで後手陣が怖いところがなくなったので、△4七馬から△2八飛が厳しいです。

△2八飛には▲5二歩成は△6九馬で受けが間に合いません。

やはり確実に後手がポイントを上げるような展開になっています。

▲5三歩では▲3四歩がありました。ソフトの評価値-648で後手有利。

この手は、▲3三飛成と飛車で桂馬を取れるのにわざわざ手数をかけて歩で桂馬を取りにいく手です。

先手は苦しいので、と金を作って後手が少しでもいやな感じにさせるしかないかもしれません。

▲3四歩に△2五桂なら、▲3三歩成△4七馬▲1一飛成△2八飛▲5八歩で、ソフトの評価値-717で後手有利。

この手順は、先手は粘りにでた手ですが▲3三歩成としてと金を作って少しでも後手にプレッシャーをかけます。

△4七馬に▲1一飛成と飛車は1段目にして香車を補充して△2八飛には▲5八歩と先受けします。

これでも先手が悪いようですが、本譜よりははるかによかったようです。

先手はと金を作っても後手のダイヤモンド美濃がしっかりしているので、と金の活用は難しいかもしれませんが、将来▲4三と△同金と進めば後手陣も少し弱くなります。

苦しい局面で辛抱する指し方が参考になった1局でした。

後手に歩で受けさせない形にする

上図は、相居飛車から先手は右四間飛車の進展で△4七歩と打った局面。ソフトの評価値+127で互角。

△4七歩は手筋で▲同飛なら△6六角▲同歩△3八角でソフトの評価値-530で後手有利なので、飛車で取る手は先手がまずいです。

この局面は先手が1歩損なので▲同金として歩を補充しましたが、ソフトの推奨手ではありませんでした。

▲4七同金△4四歩▲5六銀△6二銀▲3六歩△5四歩で、ソフトの評価値+48で互角。

この手順は、▲4七同金に△4四歩と後手は4四の地点の傷を消して以下ゆっくりとした流れになりました。

ここから駒組みを進めた後にどこかで先手は▲4五歩と戦いを起こすと思いますが、後手も△5三銀と対抗できる形なので互角だと思われます。

最初の局面の△4七歩には取らない形だと先手から▲4四歩と打てる展開になります。

▲4七同金では▲2八飛がありました。

▲2八飛△6六角▲同歩△8六歩▲同歩△8五歩▲4四歩△3三金▲5六角△8六歩▲8八歩で、ソフトの評価値+210で互角。

この手順は、先手は▲4四歩と打ちたいので△4七歩に▲2八飛と逃げます。

後手は4四の地点に歩を打ちたいのですが、△4七歩と打っているため2歩になります。

後手は△6六角と角を交換してから△8六歩から△8五歩と継ぎ歩をします。

先手は待望の▲4四歩と狙いの拠点を作ります。

ただし、後手の継ぎ歩に▲8五歩と歩を取るのは先手の4五の銀が浮いているので△同飛で先手が悪くなります。

よって▲5六角から▲8八歩と受けてどうかという展開です。

先手は8筋は抑えられましたが、▲3四銀とでる手があるのが先手の楽しみです。

▲8八歩以下△6一角▲4七金で、ソフトの評価値+357で先手有利。

▲3四銀を受けるなら△6一角はありますが、あまり働きのいい角ではないので▲4七金と歩を取って先手が指せるようです。

後手に歩で受けさせない形にするのが参考になった1局でした。

相手の駒組みで玉の位置を決める

上図は、先後逆で角換わりからの進展で▲7九玉とした局面。ソフトの評価値-126で互角。

この局面の前に早い段階で先手から▲2二角成と角交換をしたので、実質的には後手が先手みたいな局面です。

先手は9筋を突かずに▲7九玉とした手に後手はどのように指すかが難しいです。

本譜は△4四歩▲4五歩△同歩▲同銀で、ソフトの評価値±0で互角。

この手順の△4四歩は▲3五歩△同歩▲4五桂のような手を消した意味ですが、4筋に争点ができたので▲4五歩△同歩▲同銀という展開になりました。

対局時はこの筋はあまり考えてなかったので、ここからの対応があまりよくなかったかもしれません。

▲4五同銀以下△同銀▲同桂△4四銀▲6三銀△6一金で、ソフトの評価値+190で互角。

この手順は、銀の交換から▲6三銀が狙いで△同金なら▲7二角があるので△6一金と引く展開です。

互角とはいえ先手からの手が広いので、やや受け身の後手は神経を使います。

なお▲4五同銀に△同銀でなく△5二玉として▲6三銀と打たせないようにする指し方があったようです。

また最初の局面では△4四歩で△9五歩がありました。

△9五歩▲6八玉△3一玉▲4五歩△4二玉▲4六角△6三銀で、ソフトの評価値-159で互角。

この手順は△9五歩と9筋の位を取る手で、本来は先手は▲7九玉としたら▲8八玉としたいところですが、△9五歩とされており玉が狭いので▲6八玉とします。

後手は△3一玉としたときに▲4五歩と先手は4筋の位を取ります。

▲4五歩に△2二玉とする手は、▲4六角と打たれたときに後手の2二玉へのあたりがきつそうなので、また△4二玉とします。

以下▲4六角に△6三銀と引いて後手はゆっくりと指す方針です。

このあたりは相手の駒組みによって玉の位置を決めるという感じで、なかなか難しいです。

相手の駒組みで玉の位置を決めるのが参考になった1局でした。

先手がどのように仕掛けるか

上図は、先手左美濃から右四間飛車にした展開で△7四歩と突いた局面。ソフトの評価値+121で互角。

ここでは先手の玉の整備はできていますので開戦してもいいのですが、どのタイミングで仕掛けるかが迷うところです。

本譜は▲4五歩△同歩▲3三角成△同桂▲1五歩△同歩▲4五桂で、ソフトの評価値+15で互角。

この手順は、▲4五歩から仕掛けて先手から角交換をする展開で以下1筋を突き捨てて▲4五桂と跳ねました。

先手は勢いはいいのですが、以下△同桂▲同銀△4四歩▲6五桂△4五歩▲5三桂成△同金で、ソフトの評価値±0で互角。

この手順は先手は攻めてはいるのですが、桂損で攻めを継続するのも結構難しいです。

特に左美濃は後手に桂馬が入ると反動がきつく、△8六歩▲同歩△8七歩▲同銀△9五桂や△6四桂から△7六桂などがうるさいです。

▲4五歩はある手として△同歩に▲3三角成では単に▲4五同桂がありました。

▲4五歩△同歩▲同桂△7七角成▲同桂△4四銀で、ソフトの評価値+143で互角。

この手順は、先手から角交換をするのでなく後手から角交換をしてもらって▲7七同桂として左の桂馬も攻めに活用する含みをもたせた手です。

△4四銀としたときに先手からどのように攻めるかが気になります。

△4四銀以下▲6五桂△3七角▲5三桂右成△4八角成▲同金△5三銀▲同桂成△同金▲7一角△5二飛▲6六角で、ソフトの評価値+127で互角。

この手順は▲6五桂と跳ねて2枚の桂馬で攻める手です。

後手は△3七角と飛車取りに打ってけん制しますが先手は強く▲5三桂右成と攻め込みます。

以下清算して▲7一角から▲6六角と打った局面での駒割りは、角銀と飛桂桂でいい勝負のようです。

この展開も先手が勢いよく攻めているようでも後手から△8六歩▲同歩△8七歩などがくると急に先手陣も崩れてきますので、自陣にも目を配る必要があるみたいです。

先手がどのように仕掛けるかが参考になった1局でした。

横歩取りの△5四角をめぐる攻防

上図は、横歩取り青野流からの進展で△8四歩と打った局面。ソフトの評価値-66で互角。

実戦は▲8六飛△7二金▲3七桂と進みましたが、このあたりの指し手が大事だったようです。https://shogiamateur.com/?p=27152&preview=true

▲8六飛△7二金▲5六歩△7三桂▲5五歩△8一飛▲3八金で、ソフトの評価値-125で互角。

この手順は、早めに5筋の位を取って△5四角を消す手です。

先手は5八の玉の形で5筋の位を取るのはやや違和感がありますが、▲4八銀から中央に備えてどうかという展開です。

後手も△7五歩と伸ばす筋はありますが、▲5六角から▲7四歩のような狙いもあるので怖いところです。

また最初の局面で▲8六飛では▲5五飛もありました。

▲5五飛△7二金▲5六飛△7三桂▲3八金△7五歩▲3五歩△5四角▲3四歩で、ソフトの評価値-97で互角。

この手順は、▲5五飛と5筋に逃げて△5四角の筋をけん制する手です。

後手は△7二金から△7三桂として△7五歩と伸ばしてきますが、先手もその間に3筋の歩を伸ばす展開です。

やはりこのような局面は桂馬の頭が急所のようです。

後手は△5四角と打って次に△7六歩を狙ってきたときに▲3四歩と突き捨ててどうかという局面です。

▲3四歩に△同銀なら▲7四歩△同銀▲5四飛△同歩▲5六角で、ソフトの評価値-128で互角。

この手順は3筋と7筋に歩を使って飛車を切ってから▲5六角と打てば銀の両取りで先手成功のようですが、意外と評価値は伸びていないです。

▲5六角以下△6三金▲3四角△7六歩で、ソフトの評価値-295で互角。

このあたりが将棋の難しいところで、後手は銀の両取りで後手失敗と思って読みをやめるのでなく、銀を取らせて△7六歩とすれば桂馬が取れる形で、角銀と飛桂の交換でいい勝負のようです。

また両方の手順で▲3七桂と跳ねるのを保留しているのが興味深いです。

▲3七桂は急戦の形ではないので急いで指す必要はないということだと思います。

横歩取りの△5四角をめぐる攻防が参考になった1局でした。

と金を作らせるが銀を中央に活用する

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲4八同飛と成銀を取った局面。ソフトの評価値-1082で後手優勢。

駒割りは、後手は金と桂馬の交換で駒得なのと玉が固いので対局中は少し後手が指せていると思っていましたが、先手から次に▲7三歩成があるので後手はどのように対応するかという局面です。

本譜は△7四銀▲7三角△8一飛▲6四角成△6三銀▲4六馬で、ソフトの評価値-962で後手優勢。

この手順は、△7四銀として少しでも歩を補充した方がいいと思い指しましたが、▲7三角から▲6四角成として先手は馬を作って粘る展開です。

一時的に△7四銀とそっぽに銀がいくのが気になりましたが、思ったほどは悪くなかったようです。

ただし先手も▲4六馬と馬を自陣に引いて粘れる形なので、馬を作らせたのはどうだったかと感じもします。

▲4六馬には△4五歩や△4一飛もあって後手が指せそうですが、別の指し方も気になります。

△7四銀では△5四銀がありました。

△5四銀▲7三歩成△8一飛▲4四桂△4二金右▲3二桂成△同金で、ソフトの評価値-1040で後手優勢。

この手順は、△5四銀と遊んでいる銀を中央に活用する手です。

先手は▲7三歩成としますが、後手玉は2二にいるのでと金の活用までは手数がかかります。

△8一飛に▲4四桂と金の両取りに打たれますが、手順に△3二同金と5二の金を活用する展開です。

この手順は先手に馬を作らせないので、まだ先手陣が手薄です。

また6三の銀が5四に移動して後手は中央が手厚い形になったのも大きいです。

駒の損得はありませんが、駒の働きで後手が指せているようで、4六に攻めの拠点の歩がいるのも大きく▲4六飛には△5五角があります。

と金を作らせるが銀を中央に活用するのが参考になった1局でした。

先手玉に馬と桂馬で厳しく迫る

上図は、先後逆で横歩取り青野流からの進展で▲8七金と上がった変化手順。ソフトの評価値-563で後手有利。

実戦では▲8七金では▲6八銀としたので変化手順です。

▲8七金は飛車取りで、ここで飛車が逃げるか強く踏み込むかのどちらかですが、短い時間だと少し迷います。

ぱっと見は強く踏み込む形ですが、先手からも▲8一飛成とする手が見えているので後手としては少し怖いところです。

▲8七金には△7七角成がありました。

△7七角成▲7六金△同馬で、ソフトの評価値-521で後手有利。

この手順は、△7七角成と角で桂馬を取る手で、▲7六金に△同馬とする展開です。

なお△7七角成で△7七飛成だと▲同金△同角成▲8一飛成で、ソフトの評価値-99で互角。

この手順は、△7七同角成の瞬間が少し甘く▲8一飛成まで進むと7七の馬の位置が5八の玉には少し響いていないようです。

ただし、△7七角成で△7四飛はあったようで以下▲8一飛成なら△7七角成▲同金△同飛成でソフトの評価値+15で互角ですが、これは△6六桂▲同歩△5七桂成ような手があり後手が指せると思います。

戻って△7七角成▲7六金△同馬の手順から▲8一飛成が気になります。

▲8一飛成△6六桂▲4八玉△6七馬▲5九飛△3七歩で、ソフトの評価値-1115で後手優勢。

この手順は、7六に馬がいるので△6六桂が厳しいです。

後手の持ち駒は少ないので、△6六桂から△6七馬と迫っても先手玉に寄せがあるかが気になります。

▲5九飛とやむを得ず自陣飛車を打ちますがそこで△3七歩が厳しいです。

後手の攻め駒は、馬と桂馬2枚と3七の歩と2六の歩と持ち駒の金ですが、先手玉の急所に迫っているようです。

△3七歩以下▲同桂△4九馬▲同銀△2七歩成で、ソフトの評価値-3556で後手勝勢。

この手順は、△4九馬と馬を切る手が決め手で、守りの金を取る形になれば先手玉の寄せが見えてきます。

△2七歩成が詰めろなので以下は寄り形です。

先手玉に馬と桂馬で厳しく迫るのが参考になった1局でした。

△7六桂と跳ねさせないようにする

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△6四桂と打った局面。ソフトの評価値+428で先手有利。

△6四桂は次に△7六桂が狙いの味がいい手で、対局中は少し先手が苦しいのかと思っていました。

しかし評価値は先手有利だったのが意外です。

ここで後手の8四の角にプレッシャーをかけた方がいいかと思い▲8六香と打ったのですが、これが悪かったようです。

本譜は、▲8六香△4四角▲4二龍△8八角成▲同金△5七角成▲同金△7六桂で、ソフトの評価値-619で後手有利。

この▲8六香は打って損がない手かと思っていたのですが、△4四角から2枚の角を切って△7六桂と跳ねた局面では、穴熊の守りが薄くすでに先手が勝ちづらい感じです。

桂馬が入れば8六に香がいなければ▲8六桂のような手もあるのですが、この展開にはなりません。

この形は後手の7四の銀が攻防に効いており、上部が手厚くなっています。

やはり△7六桂と跳ねる展開にさせたのはまずかったようです。

▲8六香では▲7七香がありました。ソフトの評価値+353で先手有利。

この手順の▲7七香は△7六桂を防ぐ手ですが、ややスピード感がない手なので全く考えていませんでした。

▲7七香では▲7五香を考えており、△同銀▲同歩△7六香で先手の受け方が分からいないのでやめました。

先手は攻め合いでなく、やや受けに回って相手に攻めさせてから反撃する方がよかったようです。

後手は7一に歩がいるため、7筋に細かい攻めはできません。

▲7七香以下△8五桂▲7五銀△同銀▲同歩△7七桂成▲同銀△7六香▲8五銀△7七香成▲同金右で、ソフトの評価値+454で先手有利。

この手順は、後手は香車を取ってから香車で攻める展開ですが、▲8五銀と上部を手厚くするのが先手もいい手のようで、▲8四銀の角取りと▲7四桂の王手を含みにいい勝負のようです。

△6四桂には△7六桂と跳ねさせない形にして、桂馬を負担にさせる指し方をすべきだったようです。

△7六桂と跳ねさせないようにするのが参考になった1局でした。