後手の逆棒銀の受け方

上図は、居飛車対角交換振り飛車の序盤で後手が△4二銀とした局面。ソフトの評価値+25で互角。

何気ない局面ですが、ここからの先手の数手は、後手の逆棒銀の対応が遅れたあまりいい展開ではなかったようです。

本譜は、▲8六歩△5二金左▲7七桂△3三銀▲5七銀△2四歩▲同歩△同銀で、ソフトの評価値-153で互角。

先手は銀冠に組もうとしましたが、後手が△2四歩から逆棒銀にきました。

△2四同銀の局面では、△2五銀~△2六銀が少し受けづらい形になっていますので、先手がやや失敗している感じです。

銀冠にしようとすると手数がかかるので、2筋の対応が遅れる典型みたいです。

▲8六歩では▲5七銀がありました。

▲5七銀△3三銀▲3六歩△2四歩▲同歩△同銀▲3七桂で、ソフトの評価値+32で互角。

早めに▲5七銀として銀の活用を急ぎます。

角交換振り飛車には、先手の銀は5七の銀でなく4七の銀で組みたいのですが、早い段階で▲5六歩と突いた局面なので仕方がないようです。

後手が△3三銀とすれば▲3六歩がセットみたいな手で、△2四歩▲同歩△同銀に▲3七桂と跳ねて、△2五銀を防ぐ形です。

以下、後手も5三の地点が弱いので△5二金左とすれば、先手も壁銀を解消して▲7七銀とする感じです。

後の先手の指し手だけ言えば、▲7七銀~▲8八玉~▲7八金~▲6六銀右~▲7五歩と位を取ってどこかで▲7四歩と突き捨てて、後手玉のコビンを狙う感じです。

4九の金は、どこかで▲5八金と上がって活用する感じです。

後手の逆棒銀の受け方が参考になった1局でした。

危ないようでも残っている

上図は、居飛車対振り飛車の終盤戦で後手が△6九銀と打った局面。ソフトの評価値+2361で先手勝勢。

対局中は先手がいいとは思っていましたが、まだ後手玉が詰まないので、次の1手が良くわかなかったです。

本譜は△6九銀以下▲7七桂△6六銀▲7四飛で、ソフトの評価値+1152で先手優勢。

▲7七桂は銀と香の両方のあたりを避ける意味で指したのですが、△6六銀がなかなかの手で、急にあやしくなりました。

▲7四飛と攻防に飛車を打ったのですが、やや非常手段的な感じです。

これでも先手優勢のようですが、別の指し方がありました。

▲7七桂で▲6八金がありました。ソフトの評価値+2202で先手勝勢。

△6九銀と引っ掛けた手に▲6八金と横に逃げるのは、全く見えなかったです。

香車が直通して怖い形ではありますが、これで先手は残っているようです。

▲6八金に△7八金なら、▲同金△同銀成▲同飛△同香成▲同玉で、ソフトの評価値+2380で先手勝勢。

この手順は、飛車を渡しますが先手玉は詰まず、後手玉は▲7二金以下の詰めろになっているので、先手勝勢です。

▲6八金に△7九銀なら、▲9七玉△6三歩▲6九金△6四歩▲6三歩△同金▲6一角△7三金▲8三銀△7一玉▲6三飛で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は、後手も△6三歩と一旦受けに回りますが、▲6九金から先手も受けに回って▲6三歩~▲6一角が厳しいです。

最後の▲8三銀~▲6三飛もなかなか厳しい手で、参考になります。

危ないようでも残っている▲6八金が参考になった1局でした。

詰めろの受け方

上図は、相居飛車からの終盤戦で後手が△6九銀と打った局面。ソフトの評価値+1080で先手優勢。

△6九銀は△7八銀成▲同玉△6七金以下の詰めろで、後手玉に即詰みはなく対局中は、先手が悪いと思っていましたが、評価値は逆なので驚きました。

本譜は△6九銀以下、▲7九金△7八銀打で、ソフトの評価値-645で後手有利。

▲7九金と詰めろを消したつもりだったのですが、△7八銀打がまた詰めろで、この手が見えてなかったです。

▲7九金は部分的にはある手ですが、この場合は相当悪い手だったようです。

▲7九金では▲5三銀成がありました。

▲5三銀成△同飛▲5四香で、ソフトの評価値+1085で先手優勢。

▲5三銀成~▲5四香は全く見えていませんでした。

後手の飛車が8筋からずれると、▲5四香の局面は先手玉の詰めろが消えています。

▲5四香に△同飛なら、▲同角成△7八銀成▲同玉△6七銀▲同玉△6九飛成▲7七玉△8八銀▲8六玉△8三香▲8五桂で不詰み。

この手順は、△5四同飛として香車を8筋に使う筋ですが、少し駒が足りません。

▲5四香△6二銀▲5三香成△同玉▲5一飛△5二香▲6五桂△同歩▲6四桂で、ソフトの評価値+1017で先手優勢。

この手順は、△6二銀と受けた形で、ここからの手の流れも結構難しいですが、大駒を活用するために桂馬の犠打をするのが参考になります。

このあたりは、読みも大事ですが終盤の手の作り方や見え方が大きいように思います。

なお、最初の▲5三銀成に△4一玉なら▲6八金 △7八銀▲8六香でソフトの評価値+2983で先手勝勢。

この手順は、先手に銀が入ると▲4二銀で詰むので先手勝勢です。

詰めろの受け方が参考になった1局でした。

角筋を恐れない

上図は、先後逆で横歩取りの進展から先手が▲8六飛△8五歩▲7六飛とした局面。ソフトの評価値-691で後手有利。

対局中は、後手が1歩得しておりだいぶいいかとは思っていましたが、ここからの方針がよく分からなかったです。

本譜は、△2六歩▲2八歩△5四飛で、ソフトの評価値-605で後手有利。

後手の△5四飛は将来先手から▲7四歩と来た時に△同歩と取りやすい受け方にしたつもりだったのですが、狙いがいまひとつはっきりしません。

△5四飛と回っても、先手玉は5筋はしっかりしているので、攻めの手としては効果が薄いです。

△2六歩では△2四飛がありました。

△2四飛▲4六角△2一飛で、ソフトの評価値-920で後手優勢。

▲4六角は次に▲7四歩が狙い筋で、それが受けづらそうに見えたので△2四飛は指しにくいかと思っていたのですが、▲4六角と打たせて△2一飛とするのは全く見えませんでした。

△2一飛は先手に歩がたくさんあると▲1二歩△同香▲1三歩という狙いがるのですが、この場合は歩が少ないので成立しません。

△2一飛以下、▲7四歩△3四銀▲2七歩△4五銀で、ソフトの評価値-883で後手優勢。

先手は狙いの▲7四歩と突きますが、△4五銀と角を狙う展開で後手が指せそうです。

△4五銀に▲7三歩成は△同銀▲7四歩△6四銀で、ソフトの評価値-992で後手優勢。

先手の指し方はやや単調ですが、これははっきり後手優勢です。

角筋を恐れない△2四飛が参考になった1局でした。

飛車成を軽く受け流す

上図は、居飛車対振り飛車の相穴熊からの進展で、後手が△6五同歩と銀交換した局面。ソフトの評価値+250で互角。

お互いにまだ穴熊は完成していませんが、次に後手から△4六歩と捌く手があるので、穴熊の囲いに手をかけるのは難しいと思っていました。

本譜は以下、▲2六飛△4六歩▲同歩△3五銀▲2八飛△4六銀で、ソフトの評価値+154で互角。

▲2六飛と浮いて△4六歩に備えましたが、それでも△4六歩~△3五銀~△4六銀とする手順で、やや重たい形ながらも先手はいやな展開です。

△4六銀には▲5六銀で、ソフトの評価値+156で互角という指し方があったようですが、全く別の指し方もありました。

▲2六飛で▲6八金寄△4六歩▲同歩△同飛▲2四歩で、ソフトの評価値+248で互角。

このタイミングで▲6八金寄は全く考えてなかったです。

この手は知らないと指せないかもしれません。

後手は4筋が手薄になったので△4六歩から動いてきますが、そこで▲2四歩が鋭いです。

▲2四歩に△同歩なら、▲2二歩△同角▲2四飛△3二金▲2二飛成△同金▲5四歩で、ソフトの評価値+470で先手有利。

この手順は、飛車と角の交換ですが、後手の2二の金が離れ駒となっているので先手指せそうです。

▲2四歩に△同角なら▲5四歩△4九飛成▲8八銀打で、ソフトの評価値+563で先手有利。

この手順は、後手に飛車を成られますが、▲5四歩と突いて▲5三歩成と▲1一角成があるので先手指せそうです。

▲6八金寄と飛車成を軽く受け流す指し方が参考になった1局でした。

敵の打ちたい所に打つ

上図は、角換り腰掛銀からの進展で後手が4二の飛車を△8二飛とした局面。ソフトの評価値+445で先手有利。

駒割りは角と銀の交換で先手駒得ですが、後手の6六の歩が伸びているのと、先手の7五歩が伸びて7六の地点に空間があいているのが、少しいやな形です。

ここで先手が攻めに出るのは反動がきつそうなので、もたれる指し方にしました。

本譜は▲6一角△6七銀▲同金右△同歩成▲同金△6六歩▲7七金△6七金で、ソフトの評価値+422で先手有利。

▲6一角は、いつでも▲4三角成の筋や▲7一角と打つ手を狙いとしたもたれる指し方ですが、後手も△6二飛のような手も生じるので一長一短です。

▲6一角は候補手の1つだったので悪い手ではなかったようですが、別の指し方もあったようです。

▲6一角では▲6七歩がありました。ソフトの評価値+432で先手有利。

▲6七歩は、後手からの△6七銀の打ち込みを防ぐ意味です。

▲6七歩に△同歩成なら▲同金右で、ソフトの評価値+457で先手有利。

この手順は、5八の金が▲6七金と進んだことで活用できているので、先手が指せそうです。

▲6七同金右以下△8六歩▲同歩△6六歩▲7七金寄で、ソフトの評価値+489で先手有利。

この手順は、8筋を突き捨てて△6六歩と叩く筋ですが、▲7七金右と逃げて後手は持ち駒が銀と歩だけでは、少し駒不足です。

5八の金が7七まで移動できれば守りも固くなって大満足です。

敵の打ちたい所に打つ▲6七歩が参考になった1局でした。

受け一方でなく攻め合い

上図は、相居飛車の急戦調の将棋で後手が△5七歩成とした局面。ソフトの評価値-84で互角。

この局面は、後手の4四の銀が△3五銀▲同銀△5七歩成としたので、だいぶ攻められている感じですが先手が銀得しています。

ただし、対局中は先手がだいぶ悪いのかと思っていました。

本譜は以下、▲5七同金△同桂成▲同銀△8八角成▲同金△5五角で、ソフトの評価値-571で後手有利。

この手順は、△5五角が厳しすぎて先手がまずそうです。

▲5七同金では▲5三歩成△同金▲3三歩がありました。ソフトの評価値-250で後手有利。

このタイミングで攻めに出るのは、全く見えていませんでした。

後手の5七のとが大きいので先手が危険かと思っていたのですが、受けに回ってジリ貧になるのであれば、攻めるしかなかったようです。

▲3三歩以下△6八と▲同玉△3三角▲4五桂で、ソフトの評価値-272で互角。

後手は△6八ととしますが、これで駒割りは金と銀の交換です。

▲4五桂と跳ねて以下△6六角▲同角△5七銀のような厳しい手が飛んできますが、この展開はどこかで▲5三桂成のような手もあるので、一方的に攻められる本譜よりはまだあやがありそうです。

受け一方でなく攻め合いにするのが参考になった1局でした。

香損でも指せていた局面

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形で、後手の46の角に▲4八飛として△1九角成と後手が香車を取った局面。ソフトの評価値+876で先手優勢。

対局時は、先手が香損して馬を作られたので先手失敗かと思っていたのですが、形勢は全く逆だったようです。

このあたりは、形勢判断がうまくできてなかったようです。

本譜は△1九角成以下、▲8四銀△9二歩▲7三歩△6二金▲6五歩△8三歩で、ソフトの評価値+802で先手優勢。

先手は9筋を詰めて一時的に気持ちはいいのですが、△8三歩と催促されると▲9五銀では手が止まるので、▲9三歩成から攻める手はあるのですが、ちょっと単調な気がします。

▲8四銀△9二歩まではいいとして、▲7三歩では▲5三角成がありました。ソフトの評価値+423で先手有利。

▲7三歩△6二金の手を入れると▲5三角成はできませんが、単に▲5三角成は見えてなかったです。

ぱっと見で、どの程度効いた手なのかよく分かりません。

▲5三角成に△8三歩なら、▲7三歩△同桂▲同銀成△同馬▲6五桂△5一馬▲7三歩△6二金▲同馬△同馬▲7二金△同銀▲同歩成△同玉▲7四歩で、ソフトの評価値+1056で先手優勢。

この手順は、馬と金の交換から▲7二金と張り付く手ですが、最後の▲7四歩の垂らしで先手に角が入れば、▲4六角の狙いがあるので先手指せそうです。

▲5三角成に△5二銀右なら、▲7五馬△8三歩▲9三歩成△同歩▲同銀成△同桂▲9四歩△9二歩▲9三歩成△同歩▲6四桂で、ソフトの評価値+702で先手有利。

この手順は、後手がややおとなしく受けた手ですが、銀を捨てて桂馬を取ってから▲6四桂で先手指せるようです。

香祖でも指せていた局面だったのが参考になった1局でした。

玉を下段に落とす

上図は、相居飛車からの進展で、後手が△3七歩成とした局面。ソフトの評価値+1192で先手優勢。

駒割りは銀と桂馬の交換でいい勝負ですが、ここで先手の手番が大きくて、対局中は先手がいいと思っていました。

ただし、ここからどのように優勢を拡大するかがよく分かっていませんでした。

本譜は▲5四銀△3三金寄▲2四飛△同歩▲7一角で、ソフトの評価値+478で先手有利。

▲5四銀は上部を抑える自然な手と思っていましたが、△3三金寄とされるのをうっかりしていました。

△3三金寄とされると、5四の銀と2一の角の働きがいまひとつの感じです。

以下、飛車と角の交換から▲7一角としましたが、後手に飛車を渡したので勝負形になりました。

▲5四銀では▲4一銀があったようです。ソフトの評価値+1194で先手優勢。

玉を下段に落とす▲4一銀は見えていませんでした。

この場合は、先手から▲2四飛と後手の角を取る手があるので、後手玉の逃げ方が難しいです。

▲4一銀に△同玉なら、▲4三角成△5二銀▲3四馬△4七と▲4四桂△4三銀打▲2四角△同歩▲7一角で、ソフトの評価値+1275で先手優勢。

この手順は、△5二銀に▲3四馬と金を取れるのが大きく、以下▲4四桂~▲7一角が入ると、後手の飛車がいなくなると、▲3二金△同銀▲5二桂成のような筋があるので、先手指せそうです。

▲4一銀に△5三玉なら、▲2四飛△同歩▲7一角△5四玉▲8二角成△3九飛▲8八玉△4七と▲8一馬△6三銀▲同馬△同玉▲4三角成で、ソフトの評価値+3805で先手勝勢。

この手順は、後手玉が上部に脱出できそうですが、▲8一馬~▲6三馬として▲4三角成に先手玉が詰まないので、先手勝勢です。

▲4一銀に△6三玉なら、▲4三角成△4七と▲2四飛△同歩▲8五桂△3九飛▲8八玉△5三金▲5四金△同金▲5二角以下詰み。

この手順は、飛車を渡しますが▲8五桂とすれば先手勝勢です。

玉を下段に落とすのが参考になった1局でした。

対振り飛車の4九の金の使い方

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形で後手が△2五金と歩を取った局面。ソフトの評価値+441で先手有利。

対局中はまだ難しいと思っていましたが、この局面が先手有利は驚きました

5二の角と2五の金で歩得をするのは珍しい駒組ですが、後手は2五の金の圧力で2筋と3筋から手厚く手を作っていこうという感じです。

それに対して、先手はここからどのような進行を目指すのかが悩みどころです。

実戦は△2五金以下、▲8六角△6二金▲5五歩△4四飛▲1六歩△2四飛と進み、ソフトの評価値+481で先手有利。

この手順でもソフトは先手有利みたいですが、対局中は有利とは思っていませんでした。

このあたりの感覚は、少しソフトについていけていないようです。

この後の実戦ではは、4九の金は▲3八金と使う展開になりました。

▲8六角はソフトの候補手の1つだったのですが、推奨手は▲5八金でソフトの評価値+346で先手有利。

ここで▲5八金と上がるのが少し指しにくい感覚ですが、ソフトは対振り飛車には早めに上がる感じです。

2五の金の圧力に対抗するため、4九の金は置いていた方がいいと思っていたのですが、ソフトはこれと反対のことを考えているようです。

▲5八金以下、数手進んだ変化で▲9五歩で、ソフトの評価値+652で先手有利。

この局面は、▲5八金から想定で数手進んだのですが、後手の2五の金が遊び駒になる展開です。

先手の4九の金を▲5八金~▲6七金~▲7六金と玉側に使い、▲9五歩と玉側から戦いを起こします。

後手は2五の金と4四の銀が浮いている状態なので、あまり強い戦いができません。

先手は歩が入ったら▲2二歩~▲2一歩成の感じです。

この局面は後手は攻めていませんが、別の展開で2筋と3筋から仮に後手から攻め込まれることがあっても、先手は焦土作戦で玉側で勝負という感覚だと思います。

4九の金の使い方が参考になった1局でした。