桂馬を使って寄せの形を作る

上図は、角換わりからの終盤戦で△3八龍と1八の龍が回った局面。ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

△1八龍としたのは△5四歩と馬を取るのは▲1六桂で後手玉が詰んでしまうので、それを受けた手です。

先手勝勢のようですが、形勢に差が開いていても対局中は1手ですぐにおかしくなることがあるので全く油断できません。

実戦は▲1六桂△同龍▲同金△5四歩▲3五歩△5二角▲5四龍で、ソフトの評価値+1806で先手優勢。

この手順の▲1六桂は後手の龍が取れるのですが、△5四歩と馬も取られます。

よって対局中はあまりいい手ではないと思っていましたが、他の手も考える余裕がなかったのでやむを得ず指したという感じでした。

▲3五歩に△5二角と粘られると意外とうるさく、▲5四龍でまだ先手が優勢のようですがすっきりしません。

最初の局面で▲1六桂を選択したなら、▲1六桂△同龍▲同金△5四歩▲1三桂成で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は最後の▲1三桂成と捨てるのがいい手で、▲2五飛と▲1四飛と▲2三飛からの詰み筋を受けることができません。

▲1三桂成は玉頭の桂馬を捨てることで、2五から駒を打てるのが大きいです。

局後の検討で分かっても実際の対局では少しうっかりしやすく、全く気がつきませんでした。

▲1三桂成が見えるか見えないかで形勢が全く違ってくるので、最終盤の1手の価値は大きいです。

また別の手で▲1六桂では▲3五歩がありました。

▲3五歩△1七龍▲2七桂で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順の▲3五歩は▲3四龍の詰めろですが、△3五同歩なら▲1六桂△同龍▲同金△5四歩に▲3四飛と打って詰みです。

▲3五歩は△同歩と取らせることで、▲3四飛と打てるという意味です。

よって後手は▲3五歩に△1七龍と王手をしますが、そこで▲2七桂と打ちます。

この▲2七桂もなかなか打てない手で、△2六龍としても▲3四龍で詰みです。

▲2七桂に△4二桂と受けても▲同銀不成で受けがありません。

▲2七桂では▲2七歩が普通ですが、それは△2六龍▲同歩△1五玉で、ソフトの評価値+1797で先手優勢。

やはり寄せは結構難しく、▲1三桂成も▲2七桂も少し見えづらい手なので、桂馬という駒は少し特殊です。

このような手がどうやったら実戦で浮かぶのかというのが、これの勉強方法がなかなか見つかりません。

詰将棋の捨て駒というのも少し違う感じですので、ここらへんの手の見え方はある意味最初から少しひねって考えるということくらいを意識しないと浮かばないかもしれません。

桂馬を使って寄せの形を作るのが参考になった1局でした。

有利を維持する指し方

上図は、相掛かりからの進展で▲8四飛と回った手に△8二歩と打った局面。ソフトの評価値+607で先手有利。

この局面は先手有利の評価値ですが、対局中はよく分かっていませんでした。

実戦は▲7七桂で、ソフトの評価値+509で先手有利。

この▲7七桂はソフトの候補手になかった手ですが、後手の飛車の利きを止めて将来▲6五桂と活用する筋があるので、そこまで悪い手ではなかったようです。

そこで再度この局面の次の手を考えてみました。

▲7七桂では▲8三歩が気になりました。

▲8三歩は変化手順ですが、△同歩なら▲同飛成がありますので△8三同歩とはできません。

▲8三歩に△7二金なら▲8二歩成△同銀に▲9四角があります。

次に▲7六角と▲7二角成の2つの狙いですが、受けるなら△8三歩で以下▲7六角△8四歩▲4五桂で、ソフトの評価値+736で先手有利。

この展開になれば▲3三桂成や▲5三桂成や▲9四角の狙いが残るので先手有利のようです。

ただし、▲8三歩には△7二金とせずに△7五角で、ソフトの評価値+316で先手有利。

この手順は△7五角と切り返す手で、先手としてはこのような手が見えにくいです。

飛車取りなので▲9四飛とか▲8七飛と飛車が逃げる手が浮かびますが、どちらも△5七角成▲同玉△7八飛成で、先手玉だけが終盤みたいな形になります。

さすがにそれは危険なので、△7五角には▲8七金として以下△3六飛のような急所がどこか分かりにくいような展開になりそうです。

▲8三歩はソフトの候補手になかった手なので、評価値的には少し下がるようです。

実戦の▲7七桂や変化手順の▲8三歩では▲4五桂がありました。ソフトの評価値+705で先手有利。jjj

▲4五桂は金取りなので考えやすい手ですが、これで手が続いているとは思ってなかったです。

▲4五桂に△3二金なら▲9四角が厳しいです。

▲9四角に△3六飛なら▲5三桂成△同玉▲6一角成で、ソフトの評価値+1757で先手優勢。

この手順は後手の玉と飛車と6一の金の位置の組み合わせが悪く、▲5三桂成から▲6一角成で金と桂馬の交換の駒得で馬ができれば先手優勢です。

▲9四角に△7五角なら▲3四飛△3三歩▲3五飛△8六飛▲3三桂成△同桂▲7五飛で、ソフトの評価値+1024で先手優勢。

この手順はここでも△7五角と切り返す手で、持ち駒に角があると手が広いです。

△7五角には平凡に▲3四飛~▲3五飛として、これで何もないようですが、△8六飛には▲3三桂成と捨てて▲7五飛と角を取る筋があるので先手優勢です。

色々調べてみると、結局先手は▲9四角という手が見えるかどうかで全く展開が違うということで、相手の陣形をよく見て考えることが大事なようです。

有利を維持する指し方が参考になった1局でした。

少しの形の違いで早く仕掛ける

上図は、先後逆で▲5六銀と6五の銀が引いた局面。ソフトの評価値-405で後手有利。

後手が△6四歩と打った手に▲5六銀と引いた局面です。

先手が石田流に対して後手が左美濃に構えました。

先手は囲いがまだ途中の段階で、6筋の歩を交換したのがやや珍しい指し方です。

ここで後手の手番ですが、後手玉が3一の形なのでやや弱いため△2二玉としたのですがこれが少し甘かったようです。

実戦は▲5六銀以下△2二玉▲9八香△9五歩▲同歩△同香▲9六歩△同香▲同飛△7七角成▲9二飛成で、ソフトの評価値-152で互角。

この手順の△2二玉は玉を深く囲うことで少しでも玉の耐久性を高めました。

以前別の将棋で左美濃の△3一玉型のまま戦いを起こしてひどい目にあったことがあったので、△3一玉型は囲いとして中途半端という勝手なイメージがありました。

部分的には△2二玉は自然な手ですが、ここで先手が▲9八香としたのが何気に後手の仕掛けを緩和した手でした。

後手は守りが完成したので△9五歩から動いていきましたが、これは数手前に先手が6筋の歩を交換したことで、後手の角道が通ったから仕掛けました。

この後手の仕掛けはたまにあって後手は桂馬を取って馬ができますが、先手は香車を取って龍ができるという展開です。

この局面は互角のようですが、先手は▲9八香と数手前に上がっているので△9九馬として香車を取ることができません。

何気ないところですが、この展開は後手は駒得になっていないので互角のようです。

△2二玉では△9五歩がありました。

△9五歩▲同歩△同香▲9六歩△同香▲同飛△7七角成▲9二飛成△9九馬で、ソフトの評価値-354で後手有利。

この手順は先手が▲9八香と上がる前に△9五歩と仕掛けます。

この変化手順は実戦とよく似ていますが、最後の△9九馬と香車を取れるのが大きく後手が桂得です。

先手の9筋の香車の位置で、仕掛けた後の評価値が微妙に違うのが興味深いです。

△9九馬以下▲9五龍△8二飛▲8四香△7七馬▲8五龍△9三桂▲9四龍△9二飛▲8三香成△7六馬▲8四龍△8五馬▲7三龍△7二歩▲6三龍△同馬▲9二成香△9九飛で、ソフトの評価値-923で後手優勢。

この手順は▲9五龍から▲8四香として後手の飛車を狙う手ですが、後手も△7七馬から△9三桂と取られそうな桂馬を逃げて、後手の龍を馬で追う展開です。

簡単に駒を取らせないというのと、馬を使って後手の龍に対抗するのが面白い手順です。

最後の△9九飛で駒割りは銀と桂馬の交換ですが、△9九飛は角取りと同時に次に△2七馬▲同玉△4九龍からの寄せを狙っているので後手が指せているようです。

先手も囲いが中途半端なので反動もきついようです。

少しの形の違いで早く仕掛けるのが参考になった1局でした。

角換わりの急戦で端を入れずに▲7五歩

上図は、角換わり腰掛銀からの進展で△6二金と上がった局面。ソフトの評価値+47で互角。

先手が▲4八銀▲5八金型から▲3五歩と突き捨てて▲4五桂と跳ねた展開で、先手の1歩損ですが2筋の歩を交換して攻めを狙った形です。

後手が△6二金と5三の地点を補強したのに対して、ここから先手がどのように攻めるかという局面です。

実戦は▲1五歩△2三歩▲3四飛△2八角で、ソフトの評価値-184で互角。

この手順は1筋をお互いに突いているので▲1五歩と突き捨ててから攻めを継続しようと思ったのですが、△2三歩▲3四飛に△2八角を軽視していました。

先手の飛車が2筋からそれると△2八角があるのですが、△1九角成と△4六角成の2つの狙いがあります。

対局中はここで受けに回るのは面白くないと思い▲7五歩としましたが△4六角成で、ソフトの評価値-598で後手有利。

この手順の▲7五歩は狙い筋ですが、後手は香車を取らずに△4六角成がうまい手だったようです。

△4六角成は次に△4五馬があるので▲5六角としましたが、△同馬▲同歩△4六角で、ソフトの評価値-580で後手有利。

先手は少し攻め足が遅かったようで、後手に角を使われてまずい展開でした。

△2八角には▲3七角として△同角成▲同銀で、ソフトの評価値-121で互角。

この手順の▲3七角は△1九角成と△4六角成の両方を受ける手で、このように指すべきだったようですが、3七の銀が浮いた状態になるので、ここまでの先手の手順はどこか工夫の余地があったようです。

最初の局面の▲1五歩では▲7五歩がありました。

▲7五歩△2三歩▲3四飛で、ソフトの評価値+42で互角。

この手順の▲7五歩は1手でも早く敵陣の嫌なところに動いた手です。

本当は▲7五歩の前に実戦の▲1五歩を入れて△同歩とさせておけば攻め口が広がると思うのですが、実戦みたいな△2八角があるのでその余裕を与えないような攻め方です。

▲3四飛に△2八角と打っても今度は▲7四歩△同銀▲6四飛で、ソフトの評価値+1046で先手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが、△7四同銀に▲6四飛と回った形は△6三銀なら▲同飛成△同金▲7二角あります。

また▲6四飛に△6三金は▲7二角△6四金▲8一角成があります。

▲3四飛に△7五歩なら▲7四歩△同銀▲6四飛△6三角▲7六歩で、ソフトの評価値+313で先手有利。

この手順は▲6四飛に△6三角と打って受けたのですが、▲7六歩が継続手で、△同歩なら▲同銀△7五歩▲同銀△同銀▲6三飛成△同金▲7二角で、ソフトの評価値+495で先手有利。

この手順はやや強引ですが7四の銀の連結を外す手で、▲7六歩から先手が銀を捨てて▲6三飛成を狙う手です。

普通はこのような手は少し無理っぽいのですが、4五に桂馬がいると後手玉が狭いので有効みたいです。

角換わりの急戦で端を入れずに▲7五歩が参考になった1局でした。

右玉に2筋と3筋だけで手を作る

上図は、角換わりから後手右玉の展開で△2三歩と打った局面。ソフトの評価値+389で先手有利。

対局中は先手が少し指しやすいかと思っていましたが、ここからさらに手を広げるのが意外と難しく考えがまとまりませんでした。

実戦は▲7五歩△同歩▲2四歩△同歩▲7四歩△同銀▲2四飛△4四歩で、ソフトの評価値+419で先手有利。

この手順の▲7五歩はどこかで突くものかと思っていましたが、やや無理っぽいところもあるので成算はありませんでした。

このあたりは早指しだと考えがまとまりません。

最後の△4四歩で△2三歩なら▲5四飛が狙いですが、△4四歩が意外としぶといです。

△4四歩は桂取りなので先手もゆっくり攻めることはできません。

この局面は先手有利になっているので、うまくいっているとも言えるのですが、この局面は先手が攻め切れるかどうかみたいな局面になったので、これで手が続けばいいのですが、続かない場合は仕掛け方が難しくて棋力が追いついていないということになります。

7四の銀が浮いているという見方もあるのですが、先手は7筋の位を取られているので後手の方が終盤に活きてくる可能性があります。

自分から攻めにいって攻めが切れるのが一番最悪なので、考えがまとまらない場合はあまり無理に攻めない方がよかったみたいです。

▲7五歩では▲2四歩がありました。

▲2四歩△同歩▲同飛で、ソフトの評価値+389で先手有利。

この手順は▲2四歩と合わせる手で、以下△同歩▲同飛とします。

7筋を突き捨てるのでなくシンプルに2筋から動いていく手です。

先手の次の狙いは▲3三歩なので、△6二金のような手では▲3三歩△2三歩▲3四飛で、ソフトの評価値+1502で先手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが、△2三歩には▲3四飛と横に飛車をすべらせて金取りかつ△4二金左と逃げても▲3二歩成なので先手優勢です。

数手前に3筋の歩が切れているので、相手の歩の裏に飛車がもぐりこむことで先手の攻めがうまくいっています。

▲2四同飛以下△4四歩なら▲3三歩△4三金左▲3二歩成△4五歩▲同歩△4六桂▲6八金右△4八馬▲4六銀△同銀▲2三飛成で、ソフトの評価値+487で先手有利。

この手順は少し勘違いしやすいのですが、△4四歩に▲3三歩と叩いて△4三金左▲3二歩成と進んだ形は、いつでも▲2三飛成があるので先手大成功で先手よしと思いがちです。

しかしこれが相手が右玉の場合の盲点で、飛車を成られる形でも後手玉が7二の玉で遠くまだ後手玉が見えない形です。

後手は先に△4五歩と桂得をして、▲4五同歩には△4六桂と取ったばかりの桂馬を攻めに使ってきます。

このような攻めも結構うるさいのですが、▲6八金右と逃げて△4八馬に▲4六銀△同銀▲2三飛成で、先手が銀損ですが飛車を成って少し先手が指せているようです。

やはり平手の将棋は、お互いに手を尽くせば片方が一方的によくなるというのは少ないようです。

右玉に2筋と3筋だけで手を作るのが参考になった1局でした。

石田流の捌きの対応

上図は、先後逆で先手三間飛車から▲6五歩と突いた局面。ソフトの評価値-154で互角。

先手は美濃囲いの▲3九玉型で後手は左美濃の展開で、先手が▲6五歩と動いてきました。

先手が三間飛車の石田流の構えに△後手は5三銀型か△6三銀型が多いのですが、先手が早く▲7五歩と突いたので、7筋の歩の交換を避ける意味で△6四歩から△6三銀型としました。

▲6五歩と進むとお互いに角交換ができるので、手が広くなります。

後手は2二に玉がいて8二に飛車がいると、▲5五角のような王手飛車の筋があるので受け方は慎重になります。

実戦は▲6五歩以下△8四飛▲9六歩△9四歩▲3三角成△同桂▲7四歩で、ソフトの評価値-423で後手有利。

この手順の▲6五歩に対して後手は手が広かったようで、実戦は△8四飛と浮きましたがこの手は4つある候補手の1つでした。

△8四飛とすると先手からの6筋と7筋の攻めを飛車の横利きで受けることができますが、角交換して▲6六角の王手飛車のような筋もあるので少し怖い形です。

△8四飛にお互い9筋を突いて様子を見てから、角交換後に▲7四歩と捌いてきました。

ここは後手もうまく対応しないと先手に捌かれそうなので難しいところです。

実戦は▲7四歩に△同歩▲7七桂でソフトの評価値-484で後手有利と進んだのですが、▲7七桂では▲6六角とか▲5五角の方が嫌でした。

角のラインで飛車や7筋を攻めてこられる方が神経を使います。

なおソフトは▲7四歩に△同銀を推奨していました。

▲7四歩以下△同銀▲6四歩△5四角で、ソフトの評価値-484で後手有利。

この手順の△7四同銀は少し形が悪く指しにくい手ですが、△7四同歩だと▲5五角から▲9一角成のような筋が生じるので、角の利きの攻めを防いでいます。

△7四同銀とすれば歩越し銀なので、後手から△7五歩と打つことはできず銀の活用ができるかがポイントになりそうです。

先手の▲6四歩は自然ですが、そこで△5四角が狙いの1手のようです。

ただし、この△5四角も少し指しにくい手で、△8八角のような手が浮かぶのですが、▲7五歩△8三銀と進むようでは後手の銀の形が悪すぎます。

よって△5四角ということですが、飛車取りと同時に△8七角成のような筋もあります。

△5四角に▲7七飛なら△8六歩で、ソフトの評価値-553で後手有利。

この手順は▲7七飛として△8七角成を受けたのですが、△8六歩とすれば▲同歩なら△同飛があり、また次に後手から△8七歩成が飛車取りになるので後手が少し指せるようです。

△5四角に▲6六飛なら△8七角成▲7二角△6五歩▲6七飛△7六馬▲7七飛△5八馬▲同金△8六歩▲同歩△同飛▲8八歩△6六金で、ソフトの評価値-422で後手有利。

この手順は▲6六飛に△8七角成でこの瞬間が少しぬるいのですが、▲7二角には△6五歩から先手の飛車の利きを止めて▲7七飛に△5八馬が強い手です。

飛車と取らずに金を取ってから△8六歩がなかなかの手で、以下△6六金までで後手が少し指せているようです。

石田流の捌きの対応が参考になった1局でした。

桂馬を打って寄せの形を作る

上図は、角換わりからの進展で△2四金と3三の金が2四の歩を取った局面。ソフトの評価値+2499で先手勝勢。

お互いの大駒が相手玉の近くにいるのでそれなりにいい勝負に見えますが、ソフトは先手勝勢の評価です。

そのような先入観で局面を見るとそうなのかと思ってしまいますが、実際の対局ではそんな気分にはなりません。

対局中の短い時間でこのような局面を先手勝勢と判断できる棋力が欲しいですが、このような終盤の相手玉への迫り方が結構難しいです。

後手からいつでも△4一金と飛車と取る手があり、この局面では▲同馬とできますが、馬の利きがそれると飛車を取られてしまいます。

また後手玉は△2三玉と中段玉になると後手玉が少し寄せにくい形になるので、うまく手を作っていきたいです。

実戦は▲1六桂△1五金▲2四桂△3三玉▲1五香△2四玉▲2五金で、ソフトの評価値+6270で先手勝勢。

この手順は▲1六桂に△1五金と逃げたため▲2四桂から▲1五香と金を取ることができましたが、▲1六桂に△2五金だったらソフトの評価値+548で先手有利。

▲1六桂はいい手ではなかったようで、△2五金に▲同桂は△4七龍があるので金を取ることができません。

△2五金には▲2三歩でどうかという展開で、局面がごちゃごちゃしていまひとつすっきりしません。

▲1六桂では▲5五桂がありました。

▲5五桂△2三玉なら▲2五歩△同金▲4三飛成△3三角▲4五馬で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順の▲5五桂は詰めろではありませんが、次に▲4三桂成から▲4四成桂として後手の角を取れば先手玉が安全になります。

また▲5五桂と打つことで、後手の角の利きが止まるのが大きいです。

▲5五桂に△2三玉は早逃げですが、▲4三飛成に△3三角とさせて▲2五歩から▲4五馬が詰めろで先手勝勢のようです。

▲5五桂以下△同角なら▲同歩△3八桂成▲5一飛成△同金▲4一角で、ソフトの評価値+99994で先手勝勢。

この手順は△5五同角から△3八桂成として先手玉に迫りますが、▲5一飛成から▲4一角が鋭いです。

▲4一角以下△同金▲同馬△3三玉▲4二銀不成△4四玉▲4五金まで詰みです。

なお最初の局面から▲5五桂に△5二金右なら、▲4三桂成△同金▲5一飛成△2三玉▲4一馬△3二桂▲6二龍△3三金▲4三金で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順の最後の▲4三金がうまい手で、△同金なら▲3二馬△1二玉▲2二銀成△同角▲同馬まで詰みです。

また▲4三金は次に▲3三金からの詰めろなので先手勝勢のようです。

やはり寄せは筋にはまるとうまく寄せることができるので、できるだけ本筋の手を見つけられるかが大事みたいです。

桂馬を打って寄せの形を作るのが参考になった1局でした。

横歩取りの△2六歩型は△2七歩成を入れる

上図は、先後逆で横歩取り青野流からの進展で▲7七金と上がった局面。ソフトの評価値+9で互角。

自分の場合は後手番なら初手は△3四歩がほとんどで、相手が居飛車党であれば相掛かりか横歩取りの将棋になりやすいです。

本局は横歩取りで、角交換から▲7七金と上がってきました。

自分の場合は横歩取りはたくさん指しているのですが、積極的に横歩取りを指したいというより、後手番での矢倉や腰掛銀があまり好きでないので消去法でこの戦型を選択しています。

横歩取りは自分が疑問に思った局面はそれなりに調べて、どうすればよかったなど覚えるようにしているのですが、そのときは覚えていても時間がたてば忘れていることも多く、投稿することで記録に残しています。

ただし、記録に残した投稿もたまに見ないとまた忘れていることも多く、何度も繰り返さないと自分の棋力の向上に役立っていないようです。

実戦は▲7七金に△3六飛▲8四飛△8二歩▲8三歩△7二金▲2四飛で、ソフトの評価値-73で互角。

この手順はは自分の実戦で今までありそうでなかったような展開で、先手は飛車を8筋に回って△8二歩に▲8三歩と合わせて△7二金と上がります。

さらに先手は▲8二歩成とせず▲2四飛と回る手順です。

次に▲2一飛成とされるのはまずいので△2二銀としましたが、後手は金駒が左右に移動するような形で中央が手薄です。

特に玉頭が手薄だと強い戦いができませんので、対局中は何となく後手が不本意な展開だと思っていました。

▲2四飛には△2二銀とせずソフトは△2七歩成を推奨していましたが、▲2一飛成を受けないというのはなかなか指せません。

△2七歩成に▲同歩なら△2三歩で、ソフトの評価値-35で互角。

△2七歩成に▲2一飛成なら△3七と▲3八歩△4七と▲同玉△1四角で、ソフトの評価値-1380で後手優勢。

この手順の▲3八歩に△4七と~△1四角が鋭く、やはり横歩取りを指すにはこのような手が見えないといけないようです。

この戦型の数手前に△2六歩と打って▲2八歩とさせた形は、どこかで△2七歩成を入れないと効果が薄いようです。

最初の局面では△3六飛でなく△7四飛もあったようです。ソフトの評価値+2で互角。

この手の△7四飛は、飛車をぶつける手ですがなぜか対局中は全く見えていませんでした。

先手の7七の金があまりいい形でないので、大駒の交換をしようとする狙いです。

▲7七金には△7四飛とするのが1つの形と覚えていたつもりだったのですが、実際の対局で全く考えないようでは、やはり復習ができていないと言われても仕方ないです。

△7四飛に▲同飛なら△同歩▲2一飛△2二角で、ソフトの評価値+50で互角。

この手順は飛車交換して▲2一飛と打ちますが、△2二角としてこの飛車は将来取られそうな形です。

後手の指し手だけいえば、△5一金~△4二銀~△3一金のような手順です。

先手は▲7四同飛とせず飛車を8筋に逃げる手はありそうですが、いつでも後手から△2七歩成▲同歩△5五角のような狙いがあるので、これは少し後手が面白いです。

横歩取りの△2六歩型は△2七歩成を入れるのが参考になった1局でした。

相掛かりで少し前によくでた形

上図は、相掛かりからの進展で△9五歩と突いた局面。ソフトの評価値+457で先手有利。

相掛かりから先手は8筋の歩を受けずに△7六飛と横歩を取られた展開で、後手が△9五歩と端攻めをしてきたところです。

似たような局面はあると思いますがまだ24手しか進んでいないのに、この局面がすでに先手有利だったのは気がつきませんでした。

形勢判断は駒の損得や玉の固さや駒の働きなどの要素があると思いますが、どのような理由で先手有利なのかが今見てもいまひとつ分かっていません。

ソフトはどのような理由で先手有利とは言わないので、結局は自分で気になる指し手を検討して自分なりに結論を出すしかありません。

強い人がみればばうまく説明できるのだと思いますが、このあたりを言語化するのが将棋の難しい部分の1つです。

評価値の+457で先手有利というのは今後うまく展開が進めば先手優勢になり、局面としてはかなり差がついていく可能性があります。

よって形勢がよくなったらそれを維持したいです。

先手は8筋に歩が打てる形なので▲8二歩と桂馬を攻めてみたいです。

実戦も▲8二歩と打ち以下△9三桂▲8一歩成△同銀▲3四飛で、ソフトの評価値+504で先手有利。

この手順は▲8二歩△9三桂▲8一歩成△同銀▲3四飛で、これも部分的にある手順です。

先手は1歩損ですが、後手の8一の銀と9三の桂馬の形が少し崩れているので、これが形勢判断に影響している可能性が高いです。

飛車はお互いに働いていますが、この展開だと後手に△7六飛と横歩を取られても先手の▲6八玉型が7八の地点の受けに利いています。

後手は△5二玉型で次は▲2二角成がありますので、何か受けなければいけません。

実戦は▲3四飛以下△8八角成▲同銀△3三金▲8四飛△8二歩で、ソフトの評価値+607で先手有利。

この手順の後手の△8八角成から△3三金というのもこの形特有の受け方で、先手としては気がつきにくい受け方です。

△3三金は▲2二歩に△同銀なら▲3二飛成で△同金なら▲3一飛成を受けた手です。

△3三金で△3三歩も似たような意味ですが、▲2四飛の筋も残りますので△3三金として飛車の動ける範囲を狭めています。

△3三金に▲8四飛として△8二歩と打った局面は先手が指せているようです。

ただしこの局面も具体的にどうすれば先手がよくなるのかが、自分でもあまり理解できておりません。

先手は1歩損ですが、後手は8一の銀が使いづらく△7二銀とすれば▲8二飛成があります。

また9三に桂馬が跳ねているので、直接活用できる筋は△8五桂と使うことになりますが、中央に桂馬が使えないので限定されています。

ただし、先手として気になるのが△2八角と打たれる筋です。

これは▲3八銀型ではよく出る筋で、先手としては△2八角より早い攻めがあるか、それとも受けに回るかが気になります。

また△2七歩という手もあり▲同銀なら△2八角が△3七角成と△1九角成の両方の狙いがありより厳しくなります。

△2七歩に▲2九歩と打てばと金ができなくなるので安全ですが、先手は2筋に歩を使った攻めができなるなるので一長一短です。

このあたりのことは何となく分かるのですが、△8二歩以下の指し方をまた別の機会に調べてみたいと思います。

相掛かりで少し前によくでた形が参考になった1局でした。

飛車を逃げずに△7七歩と打つ形を作る

上図は、先後逆で△7七桂成と桂馬を取った手に▲同銀とした局面。ソフトの評価値-409で後手有利。

駒割りは銀と桂馬の交換で後手が少し駒得で、ここで後手の手番なので後手が少し指せているようです。

後手としては2三にいる角が働いているうちに手を作っていきたいです。

実戦は△2七歩▲3八飛△5五桂▲5九桂で、ソフトの評価値+319で先手有利。

この手順の△2七歩は▲同飛なら△3六銀と打つつもりだったのですが、▲3八飛と辛抱され△5五桂と打って△4七桂成を狙っても▲5九桂と打たれると、後手も攻めを繋げるのが少し難しくなったようです。

この攻め方は先手陣の急所をはずしたようで、後手の攻めがゆるむと先手に立て直す機会を与えてしまいます。

△2七歩では△6五桂がありました。

△6五桂▲7六銀△7七歩で、ソフトの評価値-642で後手有利。

後手の持ち駒に桂馬があって、7筋の歩が切れていて7七に銀がいる形であれば△6五桂は見えないといけませんでした。

ただし8五に飛車がいるので、7七の銀が逃げた時に飛車にあたる可能性があり、そのときにどう対応するかが少し悩みます。

△6五桂に▲7六銀と逃げたときに、後手は飛車を逃げずに△7七歩と叩きます。

このとき後手陣は飛車に強い形なので、厳しい攻めができそうです。

△7七歩に▲8五銀なら△7八歩成▲5八玉△3七銀で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

この手順はうまくいきすぎですが、▲8五銀と飛車と取っても△7八歩成が厳しく、▲5八玉には△3七銀が詰めろ飛車取りです。

また△7八歩成に▲同玉としても△7七銀▲6九玉△6七角成で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

これらの手順を見れば、先手は守りの金がいなくなると寄り筋のようです。

また△7七歩に▲8八金はありますが、△5七桂成▲同玉△5五飛▲6八玉△5九銀▲6九玉△5七飛成▲7九角△6七角成で、ソフトの評価値-3632で後手勝勢。

この手順は▲8八金には△5七桂成と反対側を攻めるのがうまく、▲同玉に△5五飛から△5九銀が少し重たいようでも攻めが繋がっているようです。

△6五桂▲8六銀なら△同飛▲同歩△7七歩で、ソフトの評価値-1726で後手優勢。

この手順は、▲8六銀としたら△同飛▲同歩に△7七歩と打つのが急所のようです。

後手は角と桂馬と銀銀と歩の攻めで、うまく攻めれば手が繋がりそうです。

△7七歩に▲同金なら△同桂成▲同玉△7六歩▲同玉△6五銀▲同玉△6七角成で、ソフトの評価値-6547で後手勝勢。

この手順は▲7七同金とすれば清算してから△7六歩~△6五銀が鋭いです。

▲6五同玉の△6七角成とすれば先手玉は寄り筋です。

△7七歩に▲8八金なら△7九銀▲同玉△6七角成▲3八飛△7八銀で、ソフトの評価値-99986で後手勝勢。

この手順は▲8八金には△7九銀と玉を下段に落とすのがうまく、▲同玉に△6七角成が厳しく、▲3八飛と受けても△7八銀と打てば手数はかかりますが以下即詰みです。

やはり中終盤は、寄せの1つ手前の指し方は結構大事なようです。

飛車を逃げずに△7七歩と打つ形を作るのが参考になった1局でした。