上図は、角換わりからの進展で▲8七歩と打った局面。ソフトの評価値+87で互角。
以前この局面から△8七同銀成というやや無理筋の手を書きました。https://shogiamateur.com/?p=41152&preview=true
今回はもう一つ気になっている筋があるので、その手についての対応です。
▲8七歩に△7七歩成です。
△7七歩成に▲同桂とするのが自然ですが、△7五銀と引かれた後に△7六歩と打たれて、7七の桂馬が取られそうな展開になるのが気になってます。
無条件で桂馬を取られるのは先手がまずいのですが、先手はどのように動くかがポイントです。
▲8七歩以下△7七歩成▲同桂△7五銀▲2四歩△2二歩▲4五桂△4四銀▲2三歩成△同歩▲2二歩で、ソフトの評価値+296で互角。
この手順は、△7五銀と引いた手に2筋を取り込んで△2二歩と受けるのは自然ですが、そこで▲4五桂と桂馬を活用します。
△2二歩と打った形なので△2二銀と引くことができず△4四銀としますが、そこで▲2三歩成△同歩▲2二歩が盲点です。
ぱっと見で△2二同金と進んで先手から手がなさそうですが、後手は離れ駒があるとうまくいけば技がかかりそうな形です。
▲2二歩以下△同金▲5三桂成△同玉▲3一角△4二飛▲2四歩で、ソフトの評価値+358で先手有利。
この手順は△2二同金に▲5三桂成が鋭く△5三同銀なら▲5五角が飛車と金の両取りで、ソフトの評価値+1064で先手優勢。
よって後手は△5三同玉としますが、そこで▲3一角と下から角を打ちます。
▲3一角と打てるのが▲2二歩と打ち捨てた効果です。
▲3一角に△4二角は▲2二角成があります。
また▲3一角に△5四玉は▲7五角成があります。
よって後手は△4二飛と移動合いをして受けますが、そこで▲2四歩が鋭いです。
あわてて▲4二角成としなくて、いいタイミングで▲4二角成とする狙いです。
▲2四歩以下△同歩▲同飛△2三歩▲3四飛△3三歩▲6五桂△5二玉▲4四飛△同歩▲5三銀で、ソフトの評価値+2963で先手勝勢。
この▲2四歩から飛車を▲2四同飛~▲3四飛と横に活用するのがうまい手で、以下△3三歩としたときに▲6五桂と遊んでいる桂馬を攻めに使えるのが大きいです。
以下△5二玉に▲4四飛と飛車を切って▲5三銀と打てば先手勝勢です。
これらの手順はうまくいきすぎですが、先手は2枚の桂馬を活用することで後手陣はあっさり崩壊することがあるようです。
後手の7五の銀が浮いているのと、▲2二歩として後手の金の形を崩して浮き駒を作ると後手はまとめづらい形のようです。
飛車と角と桂馬の攻めに、歩を使って後手の形を少し変えるのが大事なようです。
歩を使って相手の受ける形を変えるのが参考になった1局でした。