序盤の駒組みで損をする

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形で、後手が△3三角と上がった局面。ソフトの評価値+95で互角。

角道を止めない振り飛車なら、よく出そうな形です。

本譜は以下、▲5八金右△3二銀▲3三角成△同銀で、ソフトの評価値+57で互角。

この変化は、ちょっと先手が損した感じです。

△3二銀と上がる前なら、先手からの角交換だと△3三桂と限定されるのですが、この場合は形よく△3三同銀と取られます。

また、先手の▲5八金が一段金でないので、後手の飛車が捌く形になると、△3九飛成の筋ができるので、先手は強い戦いがしづらくなります。

対局中は、どのタイミングで角交換しても大差ないと思っていましたが、▲5八金型なので少し損しているのが、誤算でした。

▲5八金右では、▲3三角成△同桂▲8八銀△2二飛▲9六歩△9四歩▲4六歩△4二銀▲5八金右と、進めたほうが良かったようです。ソフトの評価値+58で互角。

ソフト的には、角交換して後手が桂馬で取っても、銀で取ってもほとんど評価値は変わりませんが、△3三銀だと△4四銀から△3五歩と仕掛ける筋があります。

その場合、どこかで後手が△3二飛から飛成を見せる展開になると、先手の金の位置は、▲4九金の方が3筋に歩を使わなくて、受けることができます。

その場合は、できるだけ▲4九金は待ってから、▲5八金と上がりたいです。

それに対して、△3三桂の駒組みは、その展開にはならないので、▲5八金右と上がりやすいです。

また後手は、△3三桂の頭を狙われやすいので、駒組みが慎重になります。

序盤の早い段階とはいえ、うっかりした1局でした。