△5二玉△8四飛戦法で辛抱

上図は、先後逆で後手が横歩取りの△5二玉△8四飛戦法で、先手が▲3七桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+206で互角。

△2六歩で先手の飛車の活用を抑えていますが、▲5五歩と突いているので、いつでも▲5四歩から▲5三歩がありいやな形です。

このようなはっきりしない局面では、どのような方針で指すのか迷います。

本譜は以下、△8六歩▲6六角△8五飛▲7七桂△8二飛▲8六歩△同飛▲8七歩△7六飛で、ソフトの評価値+385で先手有利。

歩を使って飛車を△7六飛としましたが、次の狙いがはっきりせず、次に△6六飛から攻めるのは、先手に飛車を持たれると▲8二飛や▲2三歩が厳しいので、切るのは早いです。

先手はいつでも▲5四歩からの決戦があるので、その分有利ということだと思います。

△8六歩では、△7四歩があったようです。

△7四歩▲4六歩△8五飛で、ソフトの評価値+235で互角。

△7四歩は地味な手ですが、△7三桂やいつでも△7五歩▲同歩△8六歩から飛車を横に使う手で、価値が高そうな1手です。

▲4六歩は次に▲4五歩の狙いで、それに対して後手は△8五飛と受けます。

▲4五歩なら△5五角で▲同角△同飛▲4六角なら△7三角で、ソフトの評価値-22で互角。

以下▲4四歩△同歩▲5五角△同角▲8五飛△9九角成▲8一飛成△8九馬で、ソフトの評価値-434で後手有利。

先手が動いた場合の一例ですが、このような展開なら後手はこの戦法らしい戦い方かと思います。

後手は、▲4四歩から玉のコビンが開く形になりますが、場合によっては△4一玉と受けることになります。

辛抱するところは辛抱して、動くときは動くという感覚が、少し分かった1局でした。