後手の桂馬の活用

上図は、先後逆で角換り腰掛銀から、先手が▲4八飛と回った局面。ソフトの評価値-35で互角。

ちょっと古いタイプの将棋で、▲5八金と△5二金型で△2二玉と囲っています。

後手は、後手番の上、△2二玉と囲っているので、攻めの手が遅れています。

本譜は以下、△7四歩▲4五歩△6四角▲2六角△3五歩▲同歩△9五歩で、ソフトの評価値+249で互角。

△7四歩は桂馬の活用を見たのですが、さすがに手が遅れており、▲4五歩と仕掛けられました。

△6四角と打ってけん制するも、▲2六角と打たれ、△3五歩の手筋も堂々と▲3五同歩で、△9五歩と突いて歩が入ったら△3六歩を狙うも、後手の手が遅れています。

評価値は互角になっているものの、先手有利に近い互角だと思います。

以下、▲4四歩△9六歩▲4五銀と後手が苦しい戦いとなりました。

△7四歩では△9三桂の方が、良かったようです。ソフトの評価値-34で互角。

後手が7筋の歩を突いていないときに、桂馬の活用で△9三桂はよくあるのですが、このときは見えてなかったです。

これは△8四歩なので、△8五桂と跳ねることが出来ます。

△9三桂以下、▲4五歩なら△8五桂▲8六銀△4五歩▲同銀△4四歩▲同銀△同銀▲同飛△4三金右▲4七飛△5五角で、ソフトの評価値-451で後手有利。

手順の△4四歩と1歩損しても△4三金右として、△5五角が急所です。

先手は▲8六銀の形なので、△5五角から斜めのラインを狙います。

▲8六銀で▲6八銀はありますが、9筋が弱くなるので一長一短かと思います。

これなら後手も、だいぶ戦えていたように思います。

△8四歩と△9四歩を活かした△9三桂が、参考になった1局でした。