持ち駒の歩を残す

上図は、角換り腰掛銀からの将棋で、後手が△5四同銀と香車を取った局面。ソフトの評価値+189で互角。

先手の金銀と飛車桂馬の交換ですが、先手の▲1四角は後手の△3二金を睨んで、結構働いています。ただし、後手に飛車があるので、いつでも王手の筋がありいやなところです。

ここで先手の手番なので何か手を繋げたいです。

本譜は以下、▲3三歩△同桂▲2三銀△4二金▲6五銀△同銀▲4三歩で、ソフトの評価値-267で互角。

▲3三歩は手筋で、桂馬で取らせることで少し後手陣を弱体化する意味だったのですが、この場合はあまり良くなかったようです。

▲5六銀を捨てて▲4三歩と打った局面は、後手が△4三同金と取ってくれたら▲3二金以下詰みですが、後手から△1九飛と王手されると合駒に歩がないので、▲8八玉と逃げるのですが、△1三歩で先手が駒が少なく苦しそうです。

後手に飛車があるときは、底歩で▲4九歩を打つ手を残していた方が良かったようです。

▲3三歩では▲2三銀の方が良かったようです。ソフトの評価値+173で互角。

▲2三銀は意外と厳しい狙いのようで、例えば、後手が△8六桂と打つと▲3二銀成△同飛▲2二金が狙いです。△2二同玉でも△2二同飛でも詰みです。

▲2三銀に△3三金は▲3四歩です。

▲2三銀に△同金は、▲同角成△4二玉▲1二香成です。ソフトの評価値+322で先手有利。

▲2三銀に△4二金は▲1二銀不成で、これが▲2二金△同玉▲2三角成△3一玉▲2一銀成以下の詰めろで勝負するような感じでした。

どこかで後手が△1九飛と王手をすれば、▲4九歩で金底の歩でかなり固いです。

△5九飛と近くから王手すれば、▲8八玉か、場合によっては、▲6八玉とか▲6九金とはじくこともできます。

持ち駒の歩を、底歩で残した方がいいと分かった1局でした。