陽動振り飛車への戦い


上図は、先手居飛車に対して後手が陽動振り飛車で、△7一玉とした局面。ソフトの評価値+270で互角。

後手の△8五歩が、居飛車模様からの陽動振り飛車のため、少し形が変わっています。

後手は、玉の整備などで指したい手がたくさんあるのに対して、先手はあまり玉が固くならない囲いで指し手が難しいです。

本譜は以下、▲5九角△7三桂▲8六歩で、ソフトの評価値+96で互角。

陽動振り飛車には、▲8六歩など後手の陣形が整備されていないときに突いて、早く戦いを起こす指し方があります。

持久戦は後手が模様がよさそうなので、早い戦いにしました。

▲5九角を引いて▲8六歩は△同歩なら▲同角で、▲7七角の時に突いてもよかったので手損ですが、後手の△7三桂で桂馬の頭を狙うため突きました。

評価値は少し下がっていましたが、そこまで悪い手ではなさそうです。

本譜は以下、△6四歩▲8五歩△6五歩で、ソフトの評価値+220で互角。

▲8六歩に対して△8六同歩は、▲同角△5二金左▲7五歩△同歩▲7四歩△8五桂▲7五角で、ソフトの評価値+301で先手有利。

これは▲7四の拠点ができるので、後手指しづらいです。

よって後手は6筋から手を作ってきました。

この局面をどう見るかですが、先手は1歩得ですが玉はあまり固くありません。後手もあまり固くならない展開になりましたが、△7一玉と深く6筋に戦いを起こしています。

実戦ではここで▲3七角で少し模様が悪くなりましたが、▲7七桂なら互角だったようです。

8筋から動いた展開は、思ったほど悪くなかったと分かった1局でした。