桂馬を控えて打つ


上図は、相矢倉の将棋で後手が△2五銀と歩を取った局面。ソフトの評価値-4で互角。

一時期流行った戦型ですが、最近では、このようにがっちり組んだ矢倉は少ないです。

ここからどのように手を繋げていくかが難しいですが、本譜は以下、▲5五歩△3六銀▲5四歩△同銀で、ソフトの評価値-403で後手有利。

地味なたった4手のやり取りですが、先手の形勢が不利になりました。

理由としては、先手は1歩を持ち駒にしましたが、 後手の△3六銀と△5四銀が働いてきて、手厚くなったというのが大きいと思います。

先手の▲1八飛や▲4六銀が、活用しにくいというのもありそうです。

本譜の進行はまずかったようです。

▲5五歩では、▲3五歩がありました。以下、△3五同歩▲5五歩△同歩▲6六桂で、ソフトの評価値±0で互角。

指摘されればなるほどという手順です。

まず▲3五歩と突き捨てて、△同歩と取らせることでいつでも▲3五銀と歩を補充する形にします。

▲5五歩は、歩を突き捨てることにより後手の角道を止める手です。

△5五同歩と取らせて、▲6六桂と打ちます。

この▲6六桂が味が良さそうな手で、直接的な狙いは▲7四桂と跳ねる手で、間接的な手は歩が入れば▲5四歩と打つ狙いがあります。

▲5四歩と打てる形になるのは、▲5五歩を突き捨てた効果です。

▲3五銀と、歩を取れる形になっているのが大きいです。

▲6六桂に△3六歩なら、▲2八飛△3四銀▲7四桂△8四飛▲3五歩で、ソフトの評価値+178で互角。

これはまだ結構難しい戦いですが、本譜より先手の駒が活用できています。

歩を突き捨てて▲6六桂と桂馬を控えて打つ感覚が分かった1局でした。