上図は、相掛かりからの進展で△9四歩と突いた局面。ソフトの評価値±0で互角。
相掛かりは戦型の幅が広く、この将棋は相掛かりから角換わり腰掛銀のような駒組みになりました。
普通の角換わり腰掛銀と違うのは、先手の飛車が2六の浮き飛車になっていることです。
後手の△9四歩は何気ない手ですが、次の一手はやや危険だったかもしれません。
実戦は△9四歩以下▲5六銀△9五歩▲同歩△9七歩で、ソフトの評価値-56で互角。

先手は▲5六銀として腰掛銀の形にしましたが、そこで後手は9筋を突き捨てて△9七歩と垂らしました。
部分的な受けの形は△9七歩に▲8六銀ですが、この場合は2六に飛車がいるため△4四角から△9九角成の筋があります。
よって△9七歩には▲同香か▲同桂ですが、▲同香には△8五桂や△9八角、▲同桂には△9五香がありうるさい攻めです。
これで先手が不利というわけではなさそうですが、2六の飛車の位置が少し悪いので少し指しにくい感じです。
▲5六銀では▲2九飛がありました。ソフトの評価値+11で互角。

この手は▲2九飛と引くことで△4四角の筋を消しています。
また1段飛車になるので、8筋と9筋の受けにも役立っています。
▲2九飛に△9五歩なら▲同歩△9七歩▲8六銀△6五銀▲9四歩△5四角▲4五角△7六銀▲5四角△同歩▲7七歩で、ソフトの評価値+291で互角。
この手順は、▲2九飛と用心して受けた手に△9五歩と仕掛けた展開です。
最初はやや後手の無理筋かと思っていたのですが、意外とそうでもなく▲8六銀の受けに△6五銀がなかなかうるさい手です。
△6五銀は単発な銀ですが、次に△5四角と据えると△7六銀から△8七銀成の筋がかなりうるさいです。
この筋は▲8六銀としたことで8七の地点が弱くなっているのが後手の狙いです。
先手は△5四角に▲4五角として角を消す狙いですが、△7六銀として▲5四角△同歩に▲7七歩でどうかという展開です。
後手の攻めは後手玉が5二玉の形で戦場に近く少し無理筋ぽく見えても意外と難しいのが新たな発見でした。
最後の▲7七歩には銀を逃げずに△6五角として、▲7六歩には△4七角成▲同金△3八銀で、ソフトの評価値+318で先手有利。
最後の△3八銀の瞬間は後手の角損ですが、金か飛車かどちらかが取れる形なので難しい将棋のようです。
やはり将棋は手があるもので、悪い手を指さない限りは差がつきにくいようです。
狙われやすい浮き飛車を引いて受けるのが参考になった1局でした。