上図は、後手が角交換振り飛車からの進展で▲8六桂と打った手に△7一玉と8二の玉が引いた局面。ソフトの評価値-817で後手優勢。
この局面は、駒の損得はなく先手の1歩損ですが、先手の1八の角の働きと後手の2四の馬の働きが大差で先手が悪いため、形勢も後手優勢です。
本来であれば1八の角を働かせるのがいいのですが、有効手がないため自陣に手を入れました。
実戦は△7一玉以下▲6六歩△7四歩▲同銀△5三金で、ソフトの評価値-872で後手優勢。

この手順の▲6六歩は次に▲6五歩△同歩▲6四歩と攻めの拠点を作る狙いだったのですが、△7四歩▲同銀に△5三金の銀ばさみをうっかりしていました。
次に△7三歩と打てば銀が取られるのでそれを防ぎたいのですが、▲7三歩は2歩のため打てません。
また▲8四歩としても△同歩で手が続かないので、これは先手の失敗です。
もともと形勢が悪いうえに駒損をしてはまずいです。
▲6六歩では▲8七銀がありました。
▲8七銀△7四歩▲6六銀△3八歩▲2九飛△6五桂▲7八金で、ソフトの評価値-797で後手優勢。

この手順は、▲8七銀として銀冠にする手です。
本来は飛車と角を使いたいのですが、後手の馬が手厚いのであまり有効手がありません。
よって上部を手厚くする意味で▲8七銀として辛抱します。
後手は△7四歩と突いて▲6六銀と引かせてから△3八歩と小技を仕掛けてきます。
次に△3九歩成から△3八と▲同飛△2六桂のような手があるので、▲2九飛と辛抱します。
以下△6五桂と打った手に▲7八金と玉を固めます。
全く先手が辛抱するだけの展開ですが、まだ後手も駒が少ないのでここから優勢を拡大するのはまだ大変です。
▲7八金以下△7七桂成▲同銀△7三桂▲4六歩△8五桂▲6六銀△6二金直▲7四桂△同金▲8六歩で、ソフトの評価値-940で後手優勢。
この手順は、後手は桂馬を交換してから△7三桂と跳ねる手で、先手はここで▲4六歩と辛抱するのが興味深いです。
歩切れになるのでややじり貧みたいなところはありますが、後手の馬の利きを止めるということです。
以下△8五桂から後手は桂馬の活用をしますが、▲6六銀と逃げて辛抱します。
以下△6二金直と後手は上部を手厚くした手に、▲7四桂と捨てて△同金に▲8六歩と桂馬を取りにいってどうかという展開です
これでもだいぶ先手が悪いですが、玉頭戦は少しでも手厚くしないと勝負形になりません。
これらの手順は実戦よりははるかによかったです。
玉頭戦は手厚く辛抱するのが参考になった1局でした。