歩で攻め駒を足す

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲6三馬の王手に△7二金と打った局面。ソフトの評価値+1041で先手優勢。

この瞬間の駒割りは先手の銀得ですが、△6八ととされて飛車を取られる形なので実質的には飛車と銀の交換のような局面です。

飛車が取られる形でも△6八と▲同金引がしっかりしている構えなので、この局面は先手が少し指しやすいかと思っていました。

ただし、攻めが少し細いのでどのように手を繋げていくかが難しいです。

実戦は△7二金以下▲6四銀△6三金▲同銀成△6八と▲同金引△7一金で、ソフトの評価値+95で互角。

この手順は▲6四銀と打って攻め駒を増やす手ですが、後手は清算して飛車を取って△7一金と打った形がしっかりしているので、このやりとりはだいぶ先手が損をした感じです。

特に6三の成銀が重たく、先手の持ち駒の組み合わせで使いづらいです。

形勢は互角のようですが、優勢から互角になったのはどこか先手の指し手がおかしかったです。

▲6四銀では▲6四歩がありました。ソフトの評価値+682で先手優勢。

この▲6四歩は歩で攻め駒を増やす手です。

▲6四歩以下△6八と▲同金引△5六馬なら▲7二馬があります。

▲7二馬に△同飛は▲6三歩成があります。

▲7二馬に△同玉は▲6三金△8一玉▲7二銀△9二玉▲9五歩△4五馬▲9四歩△7二飛▲同金△同馬▲6三歩成△同馬▲6一飛で、ソフトの評価値+2752で先手勝勢。

この手順はうまくいきすぎですが、▲6三金から▲7二銀と少し重たい手で後手玉に迫るのがいい手で後手は飛車は渡せない形なので△9二玉としますが、そこで端玉には端歩の▲9五歩が継続の手です。

以下△4五馬から△7二飛とぎりぎりの受けですが、飛車を取って▲6三歩成△同馬に▲6一飛と打てば詰めろと馬取りなので先手勝勢です。

▲6四歩以下△6八と▲同金引△6二金打▲5四馬△2九馬▲6三銀△7一桂▲7二銀成△同金▲6一銀で、ソフトの評価値+2508で先手勝勢。

この手順は後手は飛車を取ってから△6二金打とはじく手で、先手も馬を切るか馬を逃げるか少し迷います。

馬を逃げて後手に有効な手があれば別ですが、特に厳しい手がなければ▲5四馬と逃げて次に▲6三銀を狙います。

後手は△2九馬として▲6三銀に△7一桂と6三の地点を補強しましたが、▲7二銀成△同金に▲6一銀と下から銀を打つのがいい手で、6四に歩がいあるので後手は6三に駒を打って受ける形になりません。

最初の局面では、6四に銀を打つか歩を打つかで全く展開が違うのが興味深いです。

歩で攻め駒を足すのが参考になった1局でした。