辛抱するもあまりよくならない

上図は、横歩取り青野流からの進展で△2一飛と8一の飛車が回った局面。ソフトの評価値-412で後手有利。

この局面は駒の損得はなく先手の1歩得ですが、先手の5五の飛車の働きがいまひとつなのに対して、後手は5四の角が2筋を3筋を狙っており、2三の銀が△3四銀とすると飛車も攻めに参加する形です。

そのような意味で後手が少し指しやすいようです。

先手はあまり攻めの態勢になっておらず、金と銀が低い形なので飛車と角と桂馬を使った攻めしかありません。

実戦は▲8六歩△3四銀▲8五桂△同桂▲同飛△8四歩▲同飛△4四桂で、ソフトの評価値-943で互角。

この手順は、▲8六歩と突いてから▲8五桂として桂馬を活用する手ですが、桂馬を交換してから△8四歩と打って▲同飛に△4四桂と打つのが細かいです。

△8四歩と打った意味は▲同飛とすれば一時的に先手の飛車の働きが悪くなります。

8五の飛車であれば飛車の横利きで受けにも役立ちますが、8四の飛車であれば飛車の横利きはないです。

そのような意味で△8四歩には▲5五飛と辛抱した方が良かったようですが、それでも先手が指しにくいです。

このような展開になると8六の歩を突いたのが、かえって飛車の動きを狭くした感じです。

△4四桂の局面では、▲4六桂や▲5五桂のような筋はありますが、△3六桂と飛ばれる方が厳しいです。

▲8六歩では▲8五桂がありました。

▲8五桂△3六角▲7三桂成△同金▲7七銀△8四歩で、ソフトの評価値-465で互角。

この手順は、単に▲8五桂と跳ねて桂馬の交換を狙う手です。

後手は△3六角として、桂馬を交換して3六の角が移動すれば△3六桂があります。

先手は桂馬を交換してから▲7七銀と遊んでいる銀を活用しますが、△8四歩として8筋に飛車が回る手を防いだ展開です。

先手の5五の飛車が歩越し飛車で歩を使った攻めができません。

3筋に歩が使えそうなので▲3五飛と回る手はありますが、△4五角▲4六歩△3四銀で、ソフトの評価値-1002で後手優勢。

また△8四歩に▲5六飛は△4五角▲8六飛△3六桂があります。

よって先手はこれ以外の手を選ぶことになりそうですが、7七の銀が攻めに役立っていないのもあり、先手の手が単調な感じです。

辛抱するもあまりよくならないのが参考になった1局でした。