上図は、横歩取り青野流からの進展で△5二玉と4二の玉が寄った局面。ソフトの評価値-45で互角。
この局面は、先手は中住まいにして5六に飛車がいる歩越し飛車です。
先手は1歩得で3七と7七に桂馬が跳ねており、どこかのタイミングで中央に跳ねたい形ですが、後手もそれを受ける形になっています。
先手はゆっくりしていると後手から7七の桂頭を狙う手があります。
具体的には後手は△7四歩から△7五歩と7筋の歩を伸ばしてから△5四角と打って、次に△7六歩から△7七歩成として桂馬を取る狙いです。
それまでに何か先手が手を作れるかどうかという局面です。
実戦は、△5二玉以下▲7九銀△7四歩▲9六歩△7五歩で、ソフトの評価値-472で後手有利。

この手順の▲7九銀は指した後に失敗したなと思った手で、部分的には▲7九銀から▲6八銀は理想形の1つですが、この場合は後手から7筋の歩を伸ばしてきます。
▲9六歩は▲9五歩からどこかで▲9四歩の突き捨てから手が作れないかと思って指しましたが、じっと△7五歩とされると次に△5四角から△7六歩の筋が受かりません。
その手には▲8五桂から△同飛に▲8六飛とぶつけて飛車交換にする筋はありますが、先手は桂損なので少し苦しいです。
▲7九銀では▲8六歩がありました。
▲8六歩△同歩▲8五歩で、ソフトの評価値-86で互角。

この手は▲8六歩△同歩に▲8五歩と8筋から逆用する手で、7七に桂馬がいるので△8五飛を防いでいます。
▲8五歩とした次の狙いは▲8六飛で、そう進めば歩の下に飛車がいるので飛車が使いやすくなります。
▲8六飛とすれば▲8四歩から8筋を攻める展開もありそうです。
▲8五歩に△7四歩と伸ばして△7五歩から△5四角のような狙いは、▲8七銀で受かりますので、後手は別の指し方をします。
▲8五歩以下△5四角▲8六飛△7四銀▲8七銀△7五銀▲5六飛で、ソフトの評価値-86で互角。
この手順は、後手は△5四角と打って先手の飛車の動きをけん制する手で、▲8六飛に△7四銀が歩越し銀で少し異形ですがなかなかの手です。
▲8七銀としたときに△7五銀とでて▲5六飛までですが、後手も先手の飛車を8筋で安定させないような指し方で参考になります。
実戦的には、飛車が狭い先手がまた神経を使いそうですが、どこかで▲8六銀とぶつけて△同銀なら▲同飛と捌いてどうかという展開です。
▲8六銀には△7六銀のような手もあり、先手も大変ですがいい勝負のようです。
桂頭を狙われる前に動くのが参考になった1局でした。