銀を重たく打って駒得を目指す

上図は、角換わりからの進展で△7三玉と7二の玉が上がった局面。ソフトの評価値+568で先手有利。

後手が右玉に対して先手は穴熊に組んだ展開で、3六の角のラインに後手玉がいたので△7三玉と上がって受けた形です。

後手玉は金と銀が3枚で守っているので先手から有効手がないように見えます。

実戦は、△7三玉以下▲7六歩△同歩▲7五歩△同角で、ソフトの評価値±0で互角。

この手順は、▲7六歩として7筋に空間をあける手で△同歩に▲7五歩として次に▲7四銀と打ち込む狙いです。

▲7五歩に△同銀なら▲6五銀がありますが、この場合は△7五同角と角で取るのがいいみたいで、角と銀の交換になりますが後手は金駒3枚で上部を厚くしているのでいい勝負のようです。

玉頭戦になると駒の厚みが大事になってきます。

先手有利から互角になったのでは先手の指し手があまりよくなかったみたいです。

▲7六歩では▲5四銀がありました。ソフトの評価値+598で先手有利。

この手の▲5四銀は少し重たい手ですが、次の狙いは▲6五銀上と桂馬をただで取る手です。

後手は桂馬を守ろうと△7四銀しても▲6五銀上△同銀直▲同銀△同銀▲8一角成で、ソフトの評価値+2785で先手勝勢。

この手順は3六の角のラインに8一の飛車がいるため、後手は受けになっていません。

▲5四銀以下△同銀▲同角△6三銀▲6五銀△同銀▲同角△7四銀打▲4七角△6五歩▲9六香で、ソフトの評価値+788で先手有利。

この手順は、後手は桂損になるのですが辛抱する手で▲6五同角に△7四銀打から△6五歩として厚みを活かす展開です。

将棋の流れからいえば、先手は桂得になればこれでよしと読み筋の中で結論を出しますが、実戦では△6五歩と角道を止められるとまだ長期戦になりそうです。

ソフトの評価値は先手優勢に近いような先手有利ですが、これを勝ち切るのはまだ大変です。

△6五歩に▲9六香も決して形のいい手ではありませんが、後手の嫌味を消した手です。

▲9六香としても後手に歩がたくさんあれば△9七歩と垂らすような手もあるので▲9六香は一長一短ですが、後手の陣形が厚くて攻めるのが難しいのであれば自陣に手を戻す感じです。

▲9六香以下△9七歩▲8八銀で、ソフトの評価値+925で先手優勢。

この手順は、△9七歩の垂れ歩に▲8八銀と打って受ける手で、後手の持ち駒に香車があれば△9八香のような手で詰みですが、真っすぐにいく駒がないので▲8八銀が成立してます。

▲8八銀は少し危険な受け方なのでやや例外的ですが、次に▲9七銀と歩を取り払えば先手が指せるようです。

銀を重たく打って駒得を目指すのが参考になった1局でした。