手順前後で悪くなる

上図は、相掛かりからの進展で△8六同飛とした局面。ソフトの評価値+65で互角。

ここまでの手順は、先手が2筋の歩を交換後に△1四歩▲3六歩としてから後手が8筋の歩の交換をした展開です。

後手の△1四歩は▲2三歩に△1三角を用意した手で、△1三角に▲2八飛には△5七角成があり、△1三角に▲1四飛としても△2八歩で桂馬が取られてしまいます。

よって先手は▲3六歩と突いて後で△2八歩と打たれても▲3七桂と逃げることができます。

ここで後手が8筋の歩を交換してきました。

本局は似たような局面はたくさんあると思いますが、ここからちょっとした手順前後で先手が悪くなってしまいました。

実戦は▲3七桂△9五歩▲7四飛△9六歩▲8七歩△3六飛▲9八歩△1三角▲6八銀△2七歩で、ソフトの評価値-490で後手有利。

ここまでの先手の手順は失敗の典型例で、序盤の30数手でかなり形勢に差がついてしまいました。

まず▲3七桂は部分的にはある手ですが、後の指し方がまずいとリスクの高い手になりそうです。

後手は△9五歩と動いてきたのですが、ここで▲7四飛としたのがまずく△9六歩と取り込まれました。

対局中は▲9五同歩が自然なのですが、取らずに▲7四飛と指したらどうなるのかと思って▲9五同歩としませんでした。

これが致命的なミスで、△9六歩と取り込まれた形は次に△8七歩と打たれると角が取られてしまいます。

実戦は△9六歩に▲8七歩と受けたのですが、そこで△3六飛と3筋の歩を取られました。

△3六飛とされる展開はたまに見るのですが、後手は9筋の歩をほぼ無条件で取り込んでおり、先手はいいところがありません。

△3六飛に▲9八歩は打ちたくなかったのですが、いつでも△9七歩成とする攻め筋があるのでやむを得ず受けました。

以下後手は△1三角が△5七角成を狙ったのと同時に、先手の▲2四飛と2筋に飛車を戻るのを防いでいます。

△5七角成を受けるために▲6八銀と上がったのですが、仕上げは△2七歩で▲同銀は△3七飛成があります。

△2七歩に▲3九金としましたが、△2六飛▲2九歩では完全に先手の失敗でちょっとひどすぎました。

▲3七桂では▲7四飛がありました。ソフトの評価値+54で互角。

この手は▲7四飛と歩を取る手で、横の歩を取れるなら取るという歩得の展開です。

最近ではこのような手はだいぶ増えてきましたが、昔の感覚ではあまり見慣れない局面なので、後手が動いてくる場合が少し気になります。

▲7四飛に△2八歩なら▲3七桂△3六飛▲8二歩△7三銀▲7六飛△同飛▲同歩△8二銀▲6八玉で、ソフトの評価値+344で先手有利。

この手順は後手が2筋から動いてきたのですがやや無理筋で、▲3七桂と自然に逃げて△3六飛にはここで▲8二歩と桂取りに打つのが厳しいようです。

▲8二歩に△7三桂では▲8一歩成がありますがので△7三銀としますが、▲7六飛から飛車交換になって先手が少し指しやすいようです。

後手の8二の銀があまりいい形ではないようです。

▲7四飛には△7三銀が推奨手で以下▲8七歩△3六飛▲2四飛と進みそうですが、昔の感覚だとなかなかなじめないところはありそうです。

相掛かりの力戦形はたくさん指さないと感覚がつかめません。

9筋の戦いが起こる前に▲7四飛として横の歩を取るべきでした。

手順前後で悪くなるのが参考になった1局でした。