上図は、角換わりからの進展で△3二金とした局面。ソフトの評価値+96で互角。
後手が角換わりの△3三金型にした展開で、3三の金が△3二金と引いた形です。
後手が△3二金と引いたことで▲2四歩と2筋の歩の交換が可能になりますが、△同歩▲同飛に△2三銀から後手が銀冠に組めそうです。
一般的に銀冠は優秀な囲いなので、銀冠に組めば満足という気持ちになりやすいです。
対局中は銀冠に組まれるのは癪だと思いましたが、2筋の歩の交換をしないのもおかしいと思い▲2四歩としました。
実戦は▲2四歩△同歩▲同飛△2三銀▲2九飛△2四歩で、ソフトの評価値+130で互角。

この手順は、2筋の歩の交換をして後手が△2三銀から銀冠に組んだ展開です。
対局中は、先手が1歩を持ち駒にしたのに対して、後手は銀冠に組んだので評価値は後手が少し指しやすいのかと思っていました。
ところが意外にも、評価値は先手よりの互角でした。
一般的に銀冠に組むと後手玉はできれば△2二玉型、もしくは△3一玉型にするのが囲いの固さからいえば自然ですが、実戦はこの形から後手は△7二玉型の右玉に進みました。
このあたりが昔の感覚と少し違っていて、昔は玉の固さを重視していたのが最近は全体の駒のバランス重視に変わっているようです。
玉を堅く固めると駒が玉側に偏るので、その反対側の駒組に隙が生じやすいということだと思います。
昔は玉の反対側は焦土作戦のような指し方で、形勢がいい分かれになれば後は玉の堅さで勝負という感覚だったと理解しています。
そのときの流行の指し方があるように、今はバランス型のようです。
なお△2四歩からの局面からの変化手順をソフトで検索したのですが、やはり後手は右玉に囲っていました。
ソフトの変化手順は△2四歩以下▲5六銀△6二金▲4五歩△5四歩▲6六歩△5二玉▲7九玉△6一玉▲8八玉△7二玉で、ソフトの評価値+163で互角。

この手順は先手は腰掛銀から▲4五歩と4筋の位を取る展開です。
後手が銀冠の△2二玉型や△3一玉型にしづらいのは、先手からろどこかで▲4六角と打たれるのが嫌なのかもしれません。
▲4六角は次に▲2四角として△同銀なら▲同飛という感じですが、後手に歩があれば△2三歩と打てますが、歩切れなら対応に困ります。
▲4六角には△4二角と打てば受かりますが、それでは作戦的に面白くないということかもしれません。
▲4六角と△4二角の駒の働きでは、先手の方が角を活用しやすい感じです。
そのような意味で後手は右玉にしたと思っていますが、銀冠に組むと△3三桂など桂馬を活用できます。
これが△3三銀型だと2一の桂馬の活用は直ぐにはできないので、このあたりが後手の工夫だと思っています。
自分の感覚では最後の局面の後手陣の駒組みは、2三の銀が活用しづらく少し違和感があるのですが、実際にそれを先手も咎めるのも難しそうです。
銀冠に組まれてもいい勝負なのが参考になった1局でした。