後手に龍を作らせても指せる

上図は、角換わりからの進展で△8五歩と打った局面。ソフトの評価値+791で先手有利。

後手が△2五桂と跳ねて▲同桂とさせてから△8五歩と打った展開です。

後手の狙いは▲8五同歩なら△同飛▲8六歩△2五飛として、飛車を縦と横に大きく使って捌きます。

△2互飛とした形は2筋に飛車を成れる形なので先手は嫌な形です。

対局中はこのような展開は先手がまずいと思ったので、▲8五同歩とはせず▲8九飛と受けたのですが以下△2五歩▲8五歩で、ソフトの評価値+546で先手有利。

この手順は後手の飛車を8筋にしたままで、8筋から先手が圧力をかける形で指し方としてはそんなに悪くはなかったようです。

後手の飛車を抑えるならむしろ自然な指し方のように思えます。

ただし、最初の局面でソフトの推奨手は▲8五同歩でした。

▲8五同歩△同飛▲8六歩△2五飛▲9五歩△2八飛成▲1七角で、ソフトの評価値+796で先手有利。

この手順は、後手の読み筋通りのような展開で後手の飛車が大きく活用できて2筋に龍ができる形です。

普通の感覚なら龍を作られると先手がまずいと思うのですが、これでも先手が指せるという大局観がなかなか真似できません。

先手玉は決して固くはなく、後手の龍が2段目にいると先手玉を直通しているのであまり強い戦いにはできません。

後手玉はやや薄いとはいえ広い玉で、後手陣の金と銀もそれなりに配置されているので簡単には攻略できません。

△2八飛成には▲1七角と打つのが狙いの1手ですが、自陣角なのでこの角は打ちにくいです。

なお△2八飛成で△2七飛成なら▲1七角と打つ形にはなりませんが、△2七飛成ではあまり先手玉に響いてなく▲9四歩で先手が指せるようです。

△2八飛成以下▲1七角以下△2五龍▲8三桂△8五歩▲9一桂成で、ソフトの評価値+959で先手有利。

この手順は、△2五龍と逃げた手に▲8三桂が継続手です。

▲8三桂に△同玉なら▲6二角成があるので取れませんので、△8五歩と合わせます。

▲8五同歩なら△同龍で後手の龍が攻防に働いてきますので、ここで▲9一桂成と香車を取ります。

最後の局面は先手の香得ですが、見た目以上に形勢に差が開いているようです。

先手の飛車は受けには利いていますが、攻めにはほとんど役立っていない形ですし、角は6二の地点に直通していますが、まだ攻め切るまでの形にはなっていません。

まだ後手玉の寄せがみえる形でなく、細かい攻めを継続する必要がありますが、このような指し方は根気が要ります。

後手の攻めをいなしながら、先手は細かい攻めを続けるのは早指しでは特に難しいです。

後手の龍の力はそれなりに大きく持ち駒の角桂桂は結構うるさい飛び道具なので、先手は受けの力の方が必要かもしれません。

▲9一桂成以下△8六歩▲同金△8五歩▲2九香で、ソフトの評価値+1108で先手優勢。

この手順は△8六歩▲同金に△8五歩は後手の狙い筋ですが、そこで▲2九香と打って先手が指せるようです。

これをうっかり▲2九香のところを普通に▲8七金と引くと、△8六桂▲6八玉△9八桂成▲同飛△2九龍で、ソフトの評価値-60で互角と先手は形勢を損ねるので要注意です。

後手の龍が1段目に入ると形勢が大きく変わるので、これだけは避ける形のようです。

後手に龍を作らせても指せるのが参考になった1局でした。