桂馬が生きているうちに手を作る


上図は、角換わりからの進展で△8三歩と打った局面。ソフトの評価値+490で先手有利。

駒の損得はありませんが、先手の8四の桂馬が取られそうな形で、無条件に桂馬を取られると先手の駒損になります。

先手としては8四の桂馬が生きているうちに何か手を作りたいところです。

実戦は△8三歩以下▲4四角△8四歩▲同歩で、ソフトの評価値+66で互角。

この手順の▲4四角はあまりいい手ではないと思っていましたが、他の手が浮かばなかったので指したという感じです。

△8四歩と桂馬を取られると形勢は互角になりました。

このような局面で精度のいい手を指せるかどうかで、形勢が大きく変わってきます。

このあたりの手の見え方がいまひとつだったようです。

▲4四角では2通りの指し方がありました。

1つは▲4四角で▲2四歩です。

▲2四歩△同銀▲4一角で、ソフトの評価値+464で先手有利。

この手順は▲2四歩と銀の頭に歩を打つ手です。

後手の2三の銀と3二の金の駒の連結が取れているので、▲2四歩と叩くことで駒の連結を外します。

後手は歩切れなので△2四同銀としましたが、そこで▲4一角が気持ちのいい手でした。

▲4一角に△4二金なら▲6三角成△同金▲7二銀で、ソフトの評価値+1406で先手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが、銀を取って▲7二銀とする形は8四の桂馬が生きている間の攻めとしては理想的です。

▲4一角△8四歩▲3二角成△8五歩▲8八金△7二玉▲4二馬で、ソフトの評価値+513で先手有利。

この手順は▲4一角に△8四歩が最善で以下▲3二角成で、金と桂馬の交換で先手が駒得ですが。圧倒的に先手優勢というわけではなくまだ粘り強く指す必要があります。

もう1つは▲4四角で▲4四桂です。ソフトの評価値+493で先手有利。

この▲4四桂は金取りの桂馬ですが、単騎の桂馬のイメージなので少し指しづらいです。

▲4四桂に△4二金なら▲2六飛△2四桂▲2五歩△8四歩▲2四歩△8五歩▲8四歩△同飛▲2三歩成△8六歩▲8八金△8七歩成▲同金△8九角▲7七玉△9八角成▲8五歩△同飛▲8六歩で、ソフトの評価値+1099で先手優勢。

この手順は少し長いですが、▲4四桂△4二金に▲2六飛が後手の歩切れをついた手です。

後手は仕方ないので△2四桂としますが、そこで▲2五歩と桂馬を狙います。

後手の△8四歩から桂馬を取るのと、先手の▲2四歩から桂馬を取るのが形勢にどのように影響するかですが、普通は8四の桂馬を取られる方が先手玉に近いので先手が少しつらいです。

しかしここを凌げば、▲2四歩から▲2三歩成で2筋を突破できそうです。

途中の▲8四歩が大駒は近づけて受けよの細かい手で、△同飛とさせることで将来▲8五歩から▲8六歩が飛車取りの先手で受けることができるのが大きいです。

このようなところも細かいですが、玉の近くで戦いが起きているので丁寧に指す必要があるようです。

桂馬が生きているうちに手を作るのが参考になった1局でした。