桂馬を交換せず銀を踏み込む

上図は、後手ゴキゲン中飛車に先手が▲3七銀型からの超速からの展開で△3三桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+642で先手有利。

後手が早い段階で△6四歩から△6三銀として、次に△5四銀として先手の仕掛けを封じようとする前に▲4五桂と動いた展開です。

後手の△3三桂に▲同桂成なら△同角として後手の角が働くのでここでは取らずに別の手を指すような局面です。

対局中はいい勝負かと思っていたのですが、ソフトの評価は先手有利だったのは気がつきませんでした。

実戦は▲4六歩△3二金▲9五歩で、ソフトの評価値+273で互角。

この手順は▲4六歩として後手が△4五桂なら▲同歩を用意したのですが、後手もそれだとまだ角を使いづらいので、△3二金と1手ためてきました。

先手も指す手が難しいので▲9互歩と9筋の位を取ったのですが、形勢は互角になったようです。

先手は悪い手を指した感覚はなかったのですが、この数手はチャンスを逃がした感じです。

▲4六歩では▲5四銀がありました。

▲5四銀に△同銀が自然ですが、▲3三桂成△5三角▲2四飛で、ソフトの評価値+1067で先手優勢。

この手順は銀と桂の交換で先手が少し駒損ですが、▲3三桂成と後手陣に桂馬が成りこみ▲2四飛とした形は次に▲2二飛成と龍を作れる形なので先手優勢です。

よって後手は▲5四銀には△4五桂とします。

▲5四銀△4互桂▲6三銀不成△6二銀で、ソフトの評価値+858で先手有利。

この手順の▲5四銀に△4五桂は普通はない手ですが、▲6三銀不成に△6二銀と受けて、後から△5七桂成を狙う手です。

後手の6三の銀が取られますが△4互桂と桂馬を取り返して銀と桂馬の交換です。

2一の桂馬が5七まで進んで相手の金駒と交換できるのは、振り飛車側からすると気持ちのいい展開です。

△6二銀以下▲同銀成△同金▲1一角成△5七桂成▲5五香で、ソフトの評価値+843で先手優勢。

この手順は、△6二銀に清算して△同金までは自然ですが、次の▲1一角成が指しづらいです。

後手は勢い△5七桂成としますが、そこで▲5五香が狙いの一手です。

この局面は銀香と桂馬の交換で先手がだいぶ駒得していますが、先手も金を取られる形は結構玉が薄くなります。

後手玉も決して固いとまでは言えないのですが、飛車と角と金が密集しており耐久性があります。

▲5五香以下△5八成桂▲5一香成△6九成桂▲4一成香で、ソフトの評価値+7898で先手有利。

この手順は、先手は後手の攻めを見切って一直線に駒を取りあう展開です。

普通は先手は指しにくく、先手は飛車と馬が利いているのと、後手玉に大駒がないのでまだ先手玉は簡単にはつかまらないということですが、なかなか実戦では選びにくいです。

玉の薄い場合はどこで相手の攻めを見切るかというのがとても難しいですが、対抗形ではたまにでそうな展開です。

桂馬を交換せず銀を踏み込むのが参考になった1局でした。