龍を切って寄せる

上図は、先後逆で▲3二銀と打った局面。ソフトの評価値-99984で後手勝勢。

▲3二銀はどこかで▲2一銀成とする手ですが現時点では後手玉は詰めろになっていません。

先手は受けても仕方ないということで半分形づくりみたいな手ですが、先手に斜めの駒が入ると▲2一銀成から後手玉が詰む形です。

斜めの駒は4七にあるので後手は銀を少し渡しづらいです。

実戦は▲3二銀以下△4二金で、ソフトの評価値-1420で後手優勢。

この△4二金は先手玉の寄せが見えなかったので先受けした手ですがだいぶ甘い手だったようで、△4二金には▲3七金打とすればまだ手数がだいぶ伸びていたようです。

手数が伸びると形勢も逆転しやすいので、決めるときは決めないといけなかったです。

先手玉の寄せが見えなかったのは仕方ないとはいえ、即詰みがあるような場合はきっちりと寄せたいです。

△4二金では△3八龍がありました。

△3八龍▲同銀△同銀成で、ソフトの評価値-99987で後手勝勢。

この手順は△3八龍と龍で金を取る手です。

△3八龍では△3八銀成としたくなりますが▲1七玉で先手玉は詰みません。

後手玉が詰め路でないので無理に詰ましにいかなくてもいいのですが、即詰みがある場合は△3八龍からの寄せになります。

△3八龍に▲同銀に△同銀成でこの局面が詰むかどうかの判断になります。

1筋に位を取って先手玉少し広いのと、この瞬間は先手に飛車を渡したので後手玉が詰めろになっているので、詰ます必要があります。

先手陣は1九に飛車がいるのと、4六に金がいるので少し寄せが複雑になります。

△3八同銀成以下▲同玉△4八金▲2八玉△2七金で、ソフトの評価値-99990で後手勝勢。

この手順は△4八金と張りつく手ですが、▲2八玉に△2七金が決め手です。

普通は金はとどめに使う駒なので、△2七金では△2七銀と打ちたくなりますが、▲3七玉とかわされると先手玉は詰まないので要注意です。

△2七金以下▲同玉△3八角▲3七玉△4七と▲2八玉△2七銀▲1七玉△1六銀成▲八玉△2七成銀まで詰みです。

この手順は△3八角と打てば▲1六玉とはできない形なので、以下銀を使って詰みとなります。

後から調べてみればそんなに複雑ではありませんが、今後また同じような局面で詰ませるかと言わればその場になってみないと分からないという感じです。

このような詰み筋はどこかに記憶しておきたいです。

龍を切って寄せるのが参考になった1局でした。

穴熊に組めるときは穴熊に組む

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△9五歩と突いた局面。ソフトの評価値+146で互角。

後手が角道を止めた普通の四間飛車に対して、先手が持久戦模様の駒組みで後手が△9五歩と突いた局面です。

ここは作戦の岐路で、先手は穴熊に組むか美濃に組むかで方針がだいぶ違ってきます。

普通は後手に9筋の位を取られたので穴熊にするのが自然かと思いましたが、今回は銀冠にしてからあわよくば銀冠穴熊を目指しました。

実戦は、▲7八銀△5二金左▲8六歩△6四歩▲8七銀△6三金▲7八金△7四歩▲9八香△7三桂▲6六歩で、ソフトの評価値+36で互角。

この手順は銀冠に組みながら▲9八香と上がっていつでも▲9九玉の余地を残した指し方です。

銀冠に組んで穴熊にすると手数がかかりますが、8七銀がしっかりしており後手の9筋の端攻めなどの受けやすい面があります。

形勢は互角ですが、評価値だけを見ると少し下がっているのが気になります。

自分の使っているソフトは、銀冠やトーチカより穴熊の方が評価値が高いのが特徴のようです。

個人的には最近の居飛車同士の将棋であれば、玉の囲いは固さよりバランス重視のような感じですが、対抗形になると居飛車の玉はバランスより玉の固さを重視しているような感じです。

このあたりは、流行なのか何か理由があるかは不明です。

▲7八銀では▲9八香がありました。ソフトの評価値+128で互角。

この手は、▲9八香と上がって次に▲9九玉からシンプルに穴熊を目指す手です。

▲9八香以下△4三銀▲9九玉△5二金左▲8八銀△6四歩▲6八金寄△7四歩▲7九金△7三桂▲6六銀△6五歩▲5七銀△8四歩▲7八金寄△6三金▲3六歩で、ソフトの評価値+176で互角。

この手順は、先手は普通に穴熊に組む展開に対して後手は美濃から高美濃のする展開です。

ここで気になったのは、△7三桂と跳ねて次に△6五桂の両取りを狙った手に▲6六銀と受ける手です。

この手は△6五歩と突かれたら▲5七銀と引くので手損になるのですが、後手も△6五歩とすると将来△6五桂と跳ねる展開にならないので一長一短のようです。

以前の感覚だと、▲6六銀と出て直後に△6五歩と突かれて▲5七銀と引く形はだいぶ先手が損をしていると勝手に思っていたのですが、ソフトはあまりそのようなことは気にしていないのでその疑問が少し解決しました。

穴熊に組めるときは穴熊に組むのが参考になった1局でした。

桂馬で守りの金を狙う

上図は、後手角交換振り飛車からの進展で△6三銀右と7二の銀が上がった局面。ソフトの評価値+446で先手有利。

駒割りは後手の金得ですが、後手玉は6筋が壁になっておりここで貴重な先手の手番なので先手が有利みたいです。

普通は金得くらいしていれば駒得をしている方が有利なのが多いですが、例外的な局面のようです。

9筋にと金がてきており、持ち駒に角があるのでうまくいけば後手玉が寄りそうにも見えますが、まだ後手玉に即詰みはないようです。

実戦は△6三銀右以下▲9二角△7一玉▲8三と△5二金上で、ソフトの評価値-271で互角。

この手順は▲9二角から▲8三との手順で、▲8三とは次に▲8一角成△同玉▲9二香成△7一玉▲8二成香までの詰めろですが、△5二金右と逃げ道を開けられると互角に戻ったようです。

△5二金上に▲8二となど捨てる手がありますが、△同玉に▲5六角成としても△同とで紐が付いているので成立しません。

ちょっとこの攻め方は重たかったようです。

▲9二角△7一玉まではいいとして次の▲8三とでは▲8三角成がありました。

▲9二角△7一玉▲8三角成△7二金▲5六馬△同と▲8四桂で、ソフトの評価値+417で先手有利。

この手順は、▲9二角から▲8三角成とする手でこれは▲8二との詰めろです。

後手は△7二金と詰めろ受けながら玉の逃げ道を広くしますが、▲5六馬から▲8四桂は狙いの筋です。

桂馬の安い駒で後手の守りの金を攻めるのはまずまずです。

ただし後手に桂馬を渡すと、△8八金▲同銀△同桂成▲同玉△9六桂のような切り返しもあるので先手も怖い形です。

このあたりは、相手玉だけでなく自玉も見てないといけないのが将棋の難しいところです。

▲8四桂以下△8一香▲7二桂成△同銀で、ソフトの評価値+625で先手有利。

この手順は△8一香は攻防の手でただ受けるだけてなく先手陣に嫌味をつける手で参考になります。

以下▲7二桂成△同銀でソフトは先手有利のようですが、人間の感覚でいえば何とも言えないような感じです。

ただし、実戦よりはるかによかったようです。

桂馬で守りの金を狙うのが参考になった1局でした。

穴熊でも端を受けて様子を見る

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△3四銀と4三の銀が出た局面。ソフトの評価値+323で先手有利。

先手の居飛車穴熊に後手が高美濃という少し古い戦型で先手有利の評価になっていますが、先手がやや指しやすいという意味だと思います。

後手の△3四銀は先手が▲3五銀と出るのを防いだ手ですが、先手はここから4六の銀をどのように活用するかが今後の展開に大きく影響しそうです。

実戦は、▲3六歩△6五歩▲3五歩△4三銀▲2六飛で、ソフトの評価値+255で互角。

この手順は、▲3六歩から▲3五歩と3筋の歩を伸ばして3四の銀に圧力をかける手で、△4三銀と引かせることで後手は手損になったのですが、先手の4六の銀は3筋の歩を伸ばしたことでやや前に動かしづらい形になっています。

▲2六飛としたのは将来▲3六飛と回って3筋の歩を受ける形ですが、効果は不明です。

▲3六歩から▲3五歩は駒を前に進める指し方ですが、やや形を決めすぎたかもしれません。

▲3六歩では▲9六歩がありました。ソフトの評価値+331で先手有利。

▲9六歩は先手の穴熊側の端歩を突く手ですが、将来後手から端攻めがきたときに1手早くなるという意味はあります。

ただし、ソフトは穴熊でも端を受けることが多いです。

端を受けるというのは、がちがちの穴熊よりややバランスに重点を置いた指し方のようです。

▲9六歩と端を受けたのはいいのですが、問題はここから先手はどのような方針で指すかがよく分かっていませんでした。

▲9六歩は間合いを図るという意味や、後手に指し手を決めてもらうという意味もあるかもしれません。

全くの1手パスということではなさそうなので、▲9六歩以下の指し手はまた別の機会に書きます。

穴熊でも端を受けて様子を見るのが参考になった1局でした。

後手に龍を作らせても指せる

上図は、角換わりからの進展で△8五歩と打った局面。ソフトの評価値+791で先手有利。

後手が△2五桂と跳ねて▲同桂とさせてから△8五歩と打った展開です。

後手の狙いは▲8五同歩なら△同飛▲8六歩△2五飛として、飛車を縦と横に大きく使って捌きます。

△2互飛とした形は2筋に飛車を成れる形なので先手は嫌な形です。

対局中はこのような展開は先手がまずいと思ったので、▲8五同歩とはせず▲8九飛と受けたのですが以下△2五歩▲8五歩で、ソフトの評価値+546で先手有利。

この手順は後手の飛車を8筋にしたままで、8筋から先手が圧力をかける形で指し方としてはそんなに悪くはなかったようです。

後手の飛車を抑えるならむしろ自然な指し方のように思えます。

ただし、最初の局面でソフトの推奨手は▲8五同歩でした。

▲8五同歩△同飛▲8六歩△2五飛▲9五歩△2八飛成▲1七角で、ソフトの評価値+796で先手有利。

この手順は、後手の読み筋通りのような展開で後手の飛車が大きく活用できて2筋に龍ができる形です。

普通の感覚なら龍を作られると先手がまずいと思うのですが、これでも先手が指せるという大局観がなかなか真似できません。

先手玉は決して固くはなく、後手の龍が2段目にいると先手玉を直通しているのであまり強い戦いにはできません。

後手玉はやや薄いとはいえ広い玉で、後手陣の金と銀もそれなりに配置されているので簡単には攻略できません。

△2八飛成には▲1七角と打つのが狙いの1手ですが、自陣角なのでこの角は打ちにくいです。

なお△2八飛成で△2七飛成なら▲1七角と打つ形にはなりませんが、△2七飛成ではあまり先手玉に響いてなく▲9四歩で先手が指せるようです。

△2八飛成以下▲1七角以下△2五龍▲8三桂△8五歩▲9一桂成で、ソフトの評価値+959で先手有利。

この手順は、△2五龍と逃げた手に▲8三桂が継続手です。

▲8三桂に△同玉なら▲6二角成があるので取れませんので、△8五歩と合わせます。

▲8五同歩なら△同龍で後手の龍が攻防に働いてきますので、ここで▲9一桂成と香車を取ります。

最後の局面は先手の香得ですが、見た目以上に形勢に差が開いているようです。

先手の飛車は受けには利いていますが、攻めにはほとんど役立っていない形ですし、角は6二の地点に直通していますが、まだ攻め切るまでの形にはなっていません。

まだ後手玉の寄せがみえる形でなく、細かい攻めを継続する必要がありますが、このような指し方は根気が要ります。

後手の攻めをいなしながら、先手は細かい攻めを続けるのは早指しでは特に難しいです。

後手の龍の力はそれなりに大きく持ち駒の角桂桂は結構うるさい飛び道具なので、先手は受けの力の方が必要かもしれません。

▲9一桂成以下△8六歩▲同金△8五歩▲2九香で、ソフトの評価値+1108で先手優勢。

この手順は△8六歩▲同金に△8五歩は後手の狙い筋ですが、そこで▲2九香と打って先手が指せるようです。

これをうっかり▲2九香のところを普通に▲8七金と引くと、△8六桂▲6八玉△9八桂成▲同飛△2九龍で、ソフトの評価値-60で互角と先手は形勢を損ねるので要注意です。

後手の龍が1段目に入ると形勢が大きく変わるので、これだけは避ける形のようです。

後手に龍を作らせても指せるのが参考になった1局でした。

相掛かりの後手から動いたときの対応

上図は、相掛かりからの進展で△9四歩と突いた局面。ソフトの評価値+18で互角。

後手が9筋を突いたのは、持ち駒に歩が2枚あればいつでも△9五歩▲同歩△9六歩▲同歩△8六歩▲同歩△同飛のように飛車を9筋に使うのが狙いです。

先手は2四の飛車を下段に引けば、後手が△2三歩と打って歩を使ってくれたら9筋から攻めてこないと思い▲2八飛と引きました。

実戦は△9四歩以下▲2八飛△4六飛▲8二歩△9三桂で、ソフトの評価値-57で互角。

この手順は、▲2八飛として△4六飛と4筋の歩を取らせる展開で、▲2八飛は候補手の1つだったのですが、次の▲8二歩と△9三桂の交換は少し先手が損をした感じで、後手は8筋に飛車が戻る手や△8七歩と叩く手もあるので手の組み合わせがよくなかったようです。

まだ▲8二歩では▲2四歩と垂らし、△1三角▲2三歩成△2七歩▲同飛△2六歩▲2八飛△2三金で、ソフトの評価値+20で互角のような展開を選ぶべきだったかもしれませんが、このあたりは手が広いです。

▲2八飛では▲4七銀がありました。

▲4七銀に対して後手から動く手が気になります。

1つは▲4七銀に△8七歩です。

▲4七銀以下△8七歩▲9七角で、ソフトの評価値+589で先手有利。

この手順は△8七歩に▲9七角と進みますが、△8二飛には▲5三角成があります。

ただし△8五飛と逃げると▲5三角成△5五飛▲5四飛で、ソフトの評価値+686で先手有利。

この手順は▲5三角成に△5五飛が返し技みたいですが、▲5四飛があって先手が指せるようです。

▲9七角以下△9六飛▲8二歩△9三桂▲8一歩成△8五桂▲8二と△9七桂成▲7二と△同金▲8四飛で、ソフトの評価値+1187で先手優勢。

この手順は、▲9七角に△9六飛として▲5三角成には△9九飛成がありますが、▲8二歩から▲8一歩成が厳しいです。

▲8一歩成に△同銀は▲8四飛があり、後手は△8二歩は二歩のため打てません。

と金と飛車が活用できれば先手が指せそうです。

もう1つは▲4七銀に△9五歩が気になります。

▲4七銀以下△9五歩▲8七歩△8五飛▲9五歩△9六歩▲7六歩で、ソフトの評価値+47で互角。

この手順は、後手は持ち駒に2歩あるので9筋から動いてきたのですが、△9六歩に▲7六歩と突いて互角なのが興味深いです。

▲7六歩には△9五飛とされる手が気になりますが、▲2八飛△2三歩▲7七角△9四飛▲8八銀△2四飛▲2五歩△7四飛▲9五歩で、ソフトの評価値-6で互角。

この手順は先手は簡単に▲9八歩と受けないのが大事みたいで、このあたりの感覚を理解するのは少し難しいです。

▲9八歩と受けても駒組みが発展しないので、1手の価値が低いということかもしれません。

相掛かりの後手から動いたときの対応が参考になった1局でした。

どうやって手を作るか

上図は、横歩取り青野流からの進展で△8一飛とひいた局面。ソフトの評価値+27で互角。

先手の1歩得で後手は歩切れで2二に歩を打たされているのと3四の銀が浮いているので少し先手が指しやすいかと思っていたのですが、形勢は互角のようです。

以前の感覚だと2二の歩のように2段目に歩を打って受けるというのは利かされたという意味で損をしていると思っていたのですが、ソフトは歩を打って受けることで逆に隙がなくなってしっかりしていると判断しているのかもしれません。

見た目の感覚と実際の感覚では少し違うというのが興味深いです。

実戦は△8一飛以下▲5九銀左△5二玉▲1六歩△3三金▲3五歩で、ソフトの評価値-351で後手有利。

この手順は▲5九銀左と左の銀を玉側に固めたのに対して、後手は△5二玉から△3三金として2四の歩を取りにいった展開です。

以下▲3五歩と動いていきましたがやや攻めが細いので、後手が指しやすくなった感じです。

これで手が繋がればいいのですが、後手の金と銀といてしっかりしているところに先手は動いていくのは、いまひとつ感覚が悪かったようです。

▲5九銀左では▲7七銀がありました。

△8一飛以下▲7七銀△5二玉▲6六銀△4三角▲9六飛で、ソフトの評価値+296で互角。

この手順は▲7七銀から▲6六銀と銀が進出して次に▲7五歩から後手の桂頭を狙います。

その展開は先手の理想ですが、後手は▲6六銀と出た瞬間に△4三角と遠みの角を打ってきます。

相手が浮き飛車の場合は、居飛車側は遠くから角を打ってけん制することがよくあります。

先手の飛車は狭いですが▲9六飛と逃げて意外と飛車は取られない形です。

後手が△4三角と打ったので、先手は▲5五銀から▲4四銀で角頭を狙う展開になりそうです。

また別の展開で△8一飛▲7七銀に△9四歩という手もありそうです。

△8一飛以下▲7七銀△9四歩▲9六歩△5二玉▲9五歩△同歩▲9四歩で、ソフトの評価値+96で互角。

この手順の△9四歩は▲6六銀なら△4三角▲9六飛△9五歩で飛車を取る狙いです。

△4三角に▲7七飛としても△6五桂▲7六飛△5七桂成▲同銀△7六角のように飛車をす抜きにする狙いもあります。

よって△9四歩には▲9六歩としたのですが、△5二玉に▲9五歩から▲9四歩がなかなか浮かびません。

▲9四歩に△同香なら▲9三歩△9一飛▲9二歩成△同飛▲5六角で、ソフトの評価値+43で互角。

この手順は、▲9三歩と歩を垂らして△9一飛に▲9二歩成から▲5六角でどうかという展開です。

▲3四角と▲7四飛△同銀▲同角の2つの狙いで攻めが決まっているようですが、△4三玉とされると2つの受けにもなっているのでいい勝負のようです。

どうやって手を作るかが参考になった1局でした。

飛車と角の交換から駒得を目指す

上図は、角換わりからの進展で△1八歩成と香車を取った局面。ソフトの評価値-63で互角。

後手は右玉から△1二香から△1一飛として1筋から動いてきた展開です。

駒の損得はありませんが、先手は飛車が狭くて使いづらく8八の銀の壁のため少し指しづらいかと思っていました。

先手は3七の桂馬を活用したいのですが、後手に桂馬を渡すと△5五桂があるので少し指し方が難しいと思っていました。

実戦は▲5六歩△2八と▲5五歩△同歩▲4五桂で、ソフトの評価値-662で後手有利。

この手順は▲5六歩として将来の△5五桂を防ぎました。

後手の△2八とに先手は5筋を突き捨ててから▲4五桂と活用したのですが、だいぶ評価値が下がりました。

後手は5筋の位を取って少し手厚くなったのと、先手は桂馬を持ち駒にしてもあまり使うところがないのに対して、後手は△5四桂と自陣に埋めて、将来△6五歩▲同歩△6六歩とするような筋があります。

そのような意味でだいぶ評価値が下がったようです。

▲5六歩では▲3五飛がありました。

▲3五飛△同歩▲3四歩で、ソフトの評価値-142で互角。

この手順は▲3五飛として飛車と角を交換する手です。

対局中はこの筋も少し浮かんだのですが、飛車を渡すのは先手玉も少し危ないのかと思っていました。

▲3四歩の狙いは次に▲3三歩成△同金に▲2二角や▲4五桂です。

▲3四歩に△1五飛なら▲3三歩成△同金▲4五桂△4四金▲5三桂成△同玉▲3一角△4二玉▲5三香△同金▲5一銀で、ソフトの評価値+3149で先手勝勢。

この手順の△1五飛はあまりいい手ではないのですが、王手で▲3一角と打つ手は結構厳しいようで、△6二玉に▲5三香の犠打から▲5一銀で△同玉なら▲5三角成で先手勝勢です。

▲3四歩に△3六歩なら▲同銀△3八飛▲4八角△2五桂▲同銀△4四銀で、ソフトの評価値+62で互角。

この手順は△3六歩▲同銀として先手の守りを薄くしてから△3八飛と打つ展開です。

△3八飛に▲4七銀とすれば先手を取れますが、△3七飛成で次に△5五桂があり先手がまずそうです。

よって先手は桂馬を取られないように▲4八角と打って粘ります。

この▲4八角は打たされたという意味もありますが、3三の桂馬を取れば桂得になるので辛抱する手です。

実戦的に飛車が2枚ある後手の方が方針が分かりやすい感じはしますが、後手陣もそんな固くないのでいい勝負のようです。

飛車と角の交換から駒得を目指すのが参考になった1局でした。

位を取ってから矢倉にする

上図は、角交換振り飛車からの進展で△4四歩と突いた局面。ソフトの評価値+124で互角。

先手は角交換振り飛車に対しては銀冠に囲うことが多いイメージですが、自分の場合は矢倉に組むことが多いです。

銀冠は手数がかかるので、その間に振り飛車から動かれたときに受け損なうとあまり勝てるイメージがないためです。

矢倉に組むとあまり固くはなりませんが、比較的短い手数で最低限の囲いは完成するので後手の早い動きにも対応しやすいです。

△4四歩と後手が突いた局面は、後手が5筋に位を取っているので△5四銀から△4五歩のようにしてくるのかと思っていました。

それを咎めようとしたのですが、実戦はあまりうまくなかったようです。

△4四歩以下▲5六歩△同歩▲同銀△2四歩で、ソフトの評価値-66で互角。

この手順は後手が5筋の位を取って安定する前に▲5六歩と動きました。

△同歩▲同銀までは予定だったのですが、次の△2四歩を軽視していました。

△2四歩に▲同歩なら△2七歩▲同飛△3八角があるので▲2四同歩とはできません。

5六の銀が浮いているのを咎められた手順で、これで形勢は不利ということはありませんが、後手は△2五歩とか△2五桂と捌かれそうで、やや先手が面白くなかったようです。

▲5六歩では▲7五歩がありました。

▲7五歩△6四歩▲6七金右で、ソフトの評価値+88で互角。

この手順は、▲6七金右と矢倉を組む前に▲7五歩と7筋の位を取るのが大事なようです。

7筋の位を取らずに▲6七金右とするのは、対振り飛車に対して玉の囲いが強くないのですが、7筋の位を取って▲6七金右とすると上部が手厚くなります。

穴熊は位を取らずに低く構えますが、矢倉の場合は将来玉頭戦になることも見込んで▲7五歩と下準備をします。

▲7五歩以下▲7六銀から▲8六歩のような感じもありますが、▲7六銀とせずに戦うのもありそうです。

普通は位を取ったら位の確保をする意味で▲7六銀が形ですが、後手の△7四歩△7三桂の駒組みをけん制する意味で▲7五歩とすることもあります。

玉側で位を取っていれば、居飛車の右側が少し不利になっても玉頭から手をつければ実戦的にいい勝負になっていることが多いです。

ただし、位取りは陣形を広くとるため隙ができやすいのが欠点です。

位を取ってから矢倉にするのが参考になった1局でした。

銀冠に組まれてもいい勝負

上図は、角換わりからの進展で△3二金とした局面。ソフトの評価値+96で互角。

後手が角換わりの△3三金型にした展開で、3三の金が△3二金と引いた形です。

後手が△3二金と引いたことで▲2四歩と2筋の歩の交換が可能になりますが、△同歩▲同飛に△2三銀から後手が銀冠に組めそうです。

一般的に銀冠は優秀な囲いなので、銀冠に組めば満足という気持ちになりやすいです。

対局中は銀冠に組まれるのは癪だと思いましたが、2筋の歩の交換をしないのもおかしいと思い▲2四歩としました。

実戦は▲2四歩△同歩▲同飛△2三銀▲2九飛△2四歩で、ソフトの評価値+130で互角。

この手順は、2筋の歩の交換をして後手が△2三銀から銀冠に組んだ展開です。

対局中は、先手が1歩を持ち駒にしたのに対して、後手は銀冠に組んだので評価値は後手が少し指しやすいのかと思っていました。

ところが意外にも、評価値は先手よりの互角でした。

一般的に銀冠に組むと後手玉はできれば△2二玉型、もしくは△3一玉型にするのが囲いの固さからいえば自然ですが、実戦はこの形から後手は△7二玉型の右玉に進みました。

このあたりが昔の感覚と少し違っていて、昔は玉の固さを重視していたのが最近は全体の駒のバランス重視に変わっているようです。

玉を堅く固めると駒が玉側に偏るので、その反対側の駒組に隙が生じやすいということだと思います。

昔は玉の反対側は焦土作戦のような指し方で、形勢がいい分かれになれば後は玉の堅さで勝負という感覚だったと理解しています。

そのときの流行の指し方があるように、今はバランス型のようです。

なお△2四歩からの局面からの変化手順をソフトで検索したのですが、やはり後手は右玉に囲っていました。

ソフトの変化手順は△2四歩以下▲5六銀△6二金▲4五歩△5四歩▲6六歩△5二玉▲7九玉△6一玉▲8八玉△7二玉で、ソフトの評価値+163で互角。

この手順は先手は腰掛銀から▲4五歩と4筋の位を取る展開です。

後手が銀冠の△2二玉型や△3一玉型にしづらいのは、先手からろどこかで▲4六角と打たれるのが嫌なのかもしれません。

▲4六角は次に▲2四角として△同銀なら▲同飛という感じですが、後手に歩があれば△2三歩と打てますが、歩切れなら対応に困ります。

▲4六角には△4二角と打てば受かりますが、それでは作戦的に面白くないということかもしれません。

▲4六角と△4二角の駒の働きでは、先手の方が角を活用しやすい感じです。

そのような意味で後手は右玉にしたと思っていますが、銀冠に組むと△3三桂など桂馬を活用できます。

これが△3三銀型だと2一の桂馬の活用は直ぐにはできないので、このあたりが後手の工夫だと思っています。

自分の感覚では最後の局面の後手陣の駒組みは、2三の銀が活用しづらく少し違和感があるのですが、実際にそれを先手も咎めるのも難しそうです。

銀冠に組まれてもいい勝負なのが参考になった1局でした。