上図は、角換わりからの進展で△5七角と打った局面。ソフトの評価値+5003で先手勝勢。
後手玉は受けなしの形なので△5七角と王手をしてきました。
△5七角のような手は、最後のお願いとか形づくりなどと表現されることもありますが、対局中の場合はそのようなことを考える余裕はありません。
△5七角の前は▲8一金と飛車を取った形なので、気分的には多分先手が勝ちだろうと思っていました。
ただし、この気持ちのゆるみがよくなく、以前から自分の場合は勝ちを意識すると自玉の詰み筋の読みが甘くなる傾向のようです。
一言で言えばあまり考えておらず、相手の指し手を見て慌てて考えるという感じです。
本局もそんな感じで△5七角を見て慌てて考えました。
考えると言っても、短い時間であればほとんど直感になります。
実戦は△5七角以下▲7七玉△6八角打で、ソフトの評価値-99987で後手勝勢。

この手順は△5七角に▲7七玉と逃げたのですが、そこで△6八角打がありました。
角を重ねて打つというのが少し考えづらく、この局面が詰んでいるかどうかが対局中は分かっていませんでした。
△6八角打に▲8八玉なら△7九角成▲9九玉△8八銀▲同金△同角成▲同玉△7九角成▲8七玉△7八馬▲9七玉△8七金まで詰みです。
この手順は△7九角成に▲9九玉と逃げて先手が残っているようでも△8八銀がうまい手で、清算して△7九角成が決め手で、▲同玉なら△7八金の頭金までの詰みです。
よって△6八角打には▲同金しかありません。
△6八角打以下▲同金△同角成▲同玉△5七銀で、ソフトの評価値-99994で後手勝勢。

この手順は△6八角打に清算して△5七銀まで進むのですが、これもぱっと見で詰んでいるかが分かりにくいです。
玉が下段に落ちると頭金までなので3段目に逃げます。
△5七銀以下▲7七玉△7八金▲6七玉△6八金▲7七玉△7八桂成まで詰みです。
この手順は6六の桂馬を5四の桂馬が支えているのが大きく、先手玉は上部に脱出できません。
なお△5七銀に▲6七玉は△6八金▲5六玉△4六銀成まで詰みです。
これらの詰み筋を見ると最初の局面の△5七角で以下即詰みかと思いがちですが、△5七角には▲同金として△同歩成▲同玉で先手玉は不詰みだったようです。
以下△5六歩でも▲同玉△3八角▲4七桂で先手が残っていました。
先手勝勢の局面でも最終盤は悪い手を指せば一気に形勢が逆転するのが将棋の怖いところで、勝勢の局面からひっくり返されるようでは、勝てる将棋も勝てなくなってしまいます。
また逆の立場で言えば、敗勢でもどこかで危ない王手の筋を残しておくというのは大事なことのようです。
角を重ねて打って王手をするのが参考になった1局でした。