上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△8五桂と7三の桂馬が跳ねた局面。ソフトの評価値-327で後手有利。
この局面は先手は居飛車穴熊で飛車が成りこんでいますが、銀と桂馬の交換でやや先手の駒損で後手から9筋の端攻めがきているので、対局中はだいぶ先手が悪いかと思っていました。
ただし、先手が少し悪いとはいえ思ったほど形勢は離れていないのは意外でした。
後手からの端攻めは先手にとっては嫌な形で、受け損なうと端攻めだけで先手玉が寄り筋になるというのがよくあります。
本局もやや受けがおかしかたったので形勢が悪くなりました。
実戦は△8五桂以下▲3五角△8一飛だったのですが、△8一飛で△9八歩▲同玉△9六香で。ソフトの評価値-941で後手優勢。

この手順の▲3五角に△8一飛と逃げるのは自然な手ですが、ここでは△9八歩から△9六香と攻める手もあったようです。
9八の地点に空間があいているときに△9八歩と打って玉を2段目に上げます。
この手は見えやすいのですが、次の△9六香が少し見えにくいです。
取れる香車と取らずに香車を捨てるというのがたまに出るのですが、これで9七の地点が受けにくいということです。
△9六香に▲同香なら△9七歩▲同桂△同桂成▲同銀△同角成▲同玉△8五桂▲8八玉△9七銀▲8九玉△9八銀打まで詰みです。
この手順は△8五桂と打てる形になれば寄り形で、銀が2枚あれば詰みです。
また△9六香は△9七香成以下の詰めろなので、先手は▲7一角成とするか▲8六歩とするか▲7五桂などありますが先手が苦しそうです。
やはり穴熊とはいえ急所を攻められると、寄り筋になる典型的なパターンです。
▲3五角では先に受ける手を考えるべきでした。
▲3五角では▲7七桂打がありました。
▲7七桂打△9七桂成▲同銀△9二香打▲8八桂で、ソフトの評価値-134で互角。

この手順の▲7七桂打という受け方は初めてみました。
後手から△8五桂と打たれる形になると攻めが繋がりやすいので、▲7七桂打とすることで△8五桂に▲同桂を用意している意味です。
後手は△9七桂成と香車を取ってから△9二香打はよくある攻め筋ですが、そこで▲8八桂がこの形の受け方のようです。
▲8八桂は9六の地点に駒を足した受け方ですが、桂馬を控えて打つ形がどの程度の耐久性があるのかが少し分かりにくいです。
▲8八桂以下△9五歩▲同歩△9六歩▲同銀△9互香▲同銀△9七歩▲同桂△9五香▲9六歩△9七角成▲9八香△8六桂▲同歩△8七銀▲同金△同馬で、ソフトの評価値-415で後手有利。
この手順は後手に歩が2枚あるので△9五歩から△9六歩と合わせる手で、歩を使って先手陣を弱体化させる手です。
先手も受けるだけですが、△9七角成に▲9八香と打って粘る形です。
後手が指しやすそうですが、まだ先手も粘りがいのある局面です。
穴熊の端攻めの受け方が参考になった1局でした。