分かりやすい指し方で形勢を保つ

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△6二銀と上がった局面。ソフトの評価値+645で先手有利。

後手の7一の銀が△6二銀と上がった形で、対抗形ではやや珍しい形です。

先手からは▲3三角成と飛車と角の交換に持ち込む手もありそうですが、後手に角を渡すと△2七角から△5四角成と馬を作られてもたれるような展開が気になります。

先手は飛車を取らない展開もありそうですが、後手は△3二飛として飛車と角の交換を拒否する手もありそうで少し迷います。

ソフトは先手有利とのことですが、対局中は全く気がつきませんでした。

実戦は▲6八金上△7四歩▲8六歩△5一金▲8八銀△1四歩▲1六歩で、ソフトの評価値+411で先手有利。

この手順は飛車と角の交換を先送りにして駒組みを進める展開です。

先手は▲6八金直から▲8六歩と▲8八銀とするのが今風の指し方かなと思って指しました。

後手は△5一金として飛車を角の交換に備える指し方で、飛車と角の交換を恐れていない感じです。

対局中は自玉を固めるような感じで悪くはないと思っていましたが、ソフトはもう少し分かりやすい指し方を推奨していました。

▲6八金上では▲3三角成がありました。

▲3三角成△同角▲5五歩で、ソフトの評価値+497で先手有利。

この手順は▲3三角成から▲5五歩としますが、これでよければ一番わかりやすい感じです。

対局中は最初にこれを考えたのですが、▲5五歩と突く手がいまひとつ感触が悪いという感じでそれ以上考えませんでした。

▲5五歩は△9九角成を防ぐと同時に、△2七角から△5四角成と馬を作られるのも防いでいます。

ただし4六の銀がいなくなると△5五角とする手があり、△1九角成と△9九角成の両取りになる筋が気になります。

▲5五歩以下△4五歩▲3五銀△4三銀▲3四銀△同銀▲同飛△5五角▲3二飛成で、ソフトの評価値+656で先手有利。

この手順は△4五歩には▲3五銀があり、以下銀交換からお互いに飛車と角を捌き合う展開ですが、捌き合いは飛車を2枚持っている先手が指せるようです。

このような展開になると後手玉が7二にいるのは、通常の美濃囲いと違って居飛車の攻めに近いので後手が損をしているようです。

最近の指し方は含みをもたせることでバランスをとることが多い感じですので、このような指し方は逆に新鮮味があります。

先手は特別うまい手を指したということはないですが、先手は角と飛車を交換するのは大きく、また攻めの銀が捌けたのは大きな成果です。

分かりやすい指し方で形勢を保つのが参考になった1局でした。