先手の緩急のある指し方

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△4五歩と突いた局面。ソフトの評価値+136で互角。

対抗形といっても後手は耀龍四間飛車での大住囲いで、後手玉の位置が通常の美濃囲いより1つずれています。

そのため後手玉の距離感がいまひとつ居飛車側からするとつかみにくいところです。

局面は数手前に9筋から▲9六歩△同歩▲同銀△同香▲同香に△4五歩と突いて、銀と香車の交換で先手が少し駒損ですがいい勝負のようです。

先手は守りの銀がいなくなって9筋の香車も浮いて形なので少し守りが弱いのですが、後手も9筋は受けにくいのでお互い様のようです。

実戦は△4五歩以下▲2四歩△同歩▲6五歩△同桂▲3三角成△同桂▲6六銀△4六歩で、ソフトの評価値-85で互角。

この手順は先手の飛車の働きがいまひとつなので、将来▲2四飛と飛び出す形を作るために▲2四歩から▲6五歩として角交換を目指す展開です。

先手は狙い通りの手順ですが、それ以上に後手も△6五同桂から△4六歩とすると、後手の飛車も働きそうな展開なので後手もまずまずのようです。

後手の方針が分かりやすい上に後手玉の周辺がしっかりしているので、先手としては思ったよりはよくなかったようです。

どうも捌き合いは後手に分がありそうです。

▲2四歩では▲9三香成がありました。

▲9三香成△4六歩▲同銀△6一玉▲5五歩△4五銀▲同銀△同飛▲5六銀△4二飛▲4六香△4四歩▲9四歩で、ソフトの評価値+486で先手有利。

この手順は▲9三香成で9筋に香車を成りこみます。

後手玉はこのまま戦いが起こると少し危険なので△6一玉としますが、銀交換の後に▲5六銀と手厚く打つのが少し意外でした。

後手に飛車を成らせないとはいえ積極的に打つ銀ではないのかと思っていたのですが、△4二飛と逃げた手に▲4六香とあまり見ないような香車の使い方です。

後手は△4四歩と打って歩切れになりますが、次の▲9四歩はなかなか指せない手です。

9四歩の意味は後手がゆっくりした手なら、▲9二成香から▲9三歩成として▲8二とを間に合わせる展開です。

ここまでくると先手の理想形になりますので、後手は動いてきます。

▲9四歩以下△8五歩▲同歩△5四歩▲9五角△5五歩▲同銀△4五歩▲6四銀で、ソフトの評価値+691で先手有利。

この手順は△8五歩として後手も先手玉に嫌味をつける手ですが、▲8五同歩と堂々と歩を取ります。

後手の△5四歩は玉の近くの歩を突くので少し危険ですが、後手の角道を通して先手玉にプレッシャーをかけます。

その手に対して▲9五角として、△5五歩▲同銀△4五歩で後手の技が決まったようでも▲6四銀があって、次に▲7三銀成の狙いで先手が指せるようです。

先手の緩急のある指し方が参考になった1局でした。