厳しく相手玉に迫ればいいとは限らない


上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲6二歩成と銀を取った手に△同金とした局面。ソフトの評価値+583で先手有利。

駒割りは飛香と角の交換で先手が少し駒得をしており、ここで先手の手番なので先手が少し指せているようようです。

後手玉はそれなりに危ないようですが、まだ即詰みはないようです。

先手玉は△7七角▲5七玉△4五桂の筋が気になりますが、▲4八玉で即詰みはないようです。

また△5六桂は▲5九玉△2六角▲3七香で先手玉に即詰みはないようです。

そのような意味でお互いの玉に即詰みはないとなると、先手は詰めろをかける形にすれば1手早く後手玉に迫れていたようです。

このようなことは、対局後の時間がある場合の検討で分かることですが、実際の対局は短い時間なのでほとんど直感になります。

実戦は▲5三香に△4二玉▲5一龍△3三玉と進みましたが、▲5三香に△同金▲同金△同玉▲5一龍△5二金で、ソフトの評価値-454で後手有利。

この手順の▲5三香に△同金は変化手順ですが、清算してから▲5一龍で後手玉が寄り筋に見えます。

▲5一龍に△5二金とはじいてこの局面で後手玉に詰みがあるかが気になります。

部分的には▲4五桂の王手が気になりますが、この場合は△同馬があるので成立しません。

普通は3八に飛車がいて3筋を直通しているので、後手玉が詰んでもおかしくない形です。

△5二金以下▲6三金△4四玉▲3六桂△3五玉▲4六銀△2六玉で、ソフトの評価値-746で後手有利。

この手順の▲6三金に△同玉なら▲6四銀以下詰みなので△4四玉とします。

以下▲3六桂から▲4六銀として後手玉が寄り筋に見えるのですが、△2六玉と潜られると意外にも即詰みはないようです。

ただし、即詰みがなくてもここで▲5二金とすれば、この手が▲3七金以下の詰めろになるので先手が勝ちそうに見えます。

△2六玉に▲5二金なら△7七角▲5七玉△5六香▲4八玉△5八香成▲同玉△5九金▲4八玉△4九金打▲5七玉△5六銀まで、先手玉が詰みです。

この手順は数手前に▲5三香と香車を渡したのが大きく、△7七角▲5七玉に△5六香と打てるのが寄せ形になり、以下即詰みになります。

また2六の玉が、先手玉の3筋からの脱出を防いでいるのも大きいです。

今回の内容は先手玉に即詰みがないので後手玉に迫った変化手順ですが、駒を渡しすぎると気がついたら先手玉が詰めろになっており、以下即詰みという失敗のパターンです。

最終盤はこれがあるので、必ずし相手玉に厳しく攻めればいいとは限らないようです。

なお、最初の局面では香車を使うなら▲5三香でなく▲6三香と使うべきだったようです。

▲6三香についてはまた別の機会に書きたいと思います。

厳しく相手玉に迫ればいいとは限らないのが参考になった1局でした。