積極的に動いて手を作る


上図は、後手が耀龍四間飛車に先手が銀冠に組んだ展開で△4五歩と突いた局面。ソフトの評価値+218で互角。

後手は△4五歩と突いたことで次に△8五歩▲同歩△同桂に角が逃げれば△6五歩として、角筋を通して攻めてくる狙いです。

先手はまともにその攻めを受けると受け身に回ってしまいますので、ここでどう指すかが今後の展開に大きく影響します。

実戦は、▲6八角△5二金左▲7七桂△8二銀▲8九玉△8三銀▲3六歩△8二玉▲5九角△7二金▲3七角△6三金左▲1六歩△1四歩▲8八玉で、ソフトの評価値-223で互角。

この手順の▲6八角は△8五歩▲同歩△同角が角取りになるのを事前に受けた手で、4六の地点の補強も兼ねた手です。

後手は仕掛けを見送って銀冠にしてじっくりした展開になりました。

お互いに銀冠に組んで、角筋が玉のラインに入る形ですが、この手順は多分先手が失敗しているようです。

ソフトの評価値が少しマイナスとはいえ互角なのですが、先手から動きづらい形になっています。

本来対抗形は急戦でも持久戦でも居飛車から動くイメージがあるのですが、先手は待ちの状態で後手に主導権があるような駒組みです。

作戦的に失敗というのは駒組みが面白くないというで、このように組んだから先手が敗勢ということはないのですが、居飛車が積極的な駒組みでないので指し手がのびません。

▲6八角では▲9六歩がありました。

▲9六歩△同歩▲同銀△4六歩▲同歩△6五歩▲9四歩で、ソフトの評価値+381で先手有利。

この手順は▲9六歩△同歩▲同銀として9筋を逆用する狙いです。

後手に端歩の位を取られたときに銀冠から逆襲するというのはたまにあり、当初の予定ではそのつもりだったのですが、△4六歩の突き捨てから△6五歩とされたときにかえって9六の銀が薄い形だと思って指せませんでした。

ただし△6五歩には▲9四歩の垂らしがあったようで、この手が見えていませんでした。

▲9四歩に△同香は▲9五歩があり、またゆっくりした展開だと▲8七銀と引いた形が次に▲9三歩成があるのが狙いです。

▲9四歩以下△6六歩▲同角△同角▲同銀△4六飛▲7五歩で、ソフトの評価値+364で先手有利。

この手順は後手は角交換から△4六飛として飛車を捌く展開で、後手も部分的には満足なのですが、▲7五歩が後手玉の近くにいる守りの桂頭を攻める手で先手が面白いようです。

本来であれば、どこかで先手も早めに2筋の歩を突き捨てて▲2四飛と飛車を飛び出す形にした方が飛車の働きはいいのですが、このあたりは工夫の余地がありそうです。

積極的に動いて手を作るのが参考になった1局でした。